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「TFZ KING LTD」(「KING II」豪華ケーブル版) よりTFZらしさを感じる、明瞭なサウンドと音場感が気持ちよい最新イヤホン【購入レビュー】

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TFZ KING LTD

こんにちは。今回も購入してから結構経ってしまったのですが「TFZ KING LTD」(「KING II」の豪華ケーブル版)の紹介です。ちょうど国内版も発売になりましたね(^^;)。
毎回書いていますが「TFZ(THE FRAGRANT ZITHER)」は個人的にとても好きなイヤホンブランドで、新製品が出るたびに毎回購入し、このブログでも紹介しています。
過去記事(一覧): 「TFZ」のイヤホンレビュー

KING II」は同社を代表するモデルのひとつ「EXCLUSIVE KING」(16,900円)の後継モデルという位置づけで、さらに「KING II」のカラーバリエーションに「8 芯銀コートOFC ミックスケーブル」を組み合わせたグレードアップモデルが「KING LTD」となります。
TFZ KING LTDTFZ KING II
「EXCLUSIVE KING」の後継モデルとはいえ、「2.5世代・デュアル磁気回路グラフェン振動板ダイナミックドライバー」(Dual-Magnetic Circuit Two Divided-Frequency Graphene Unit)を採用し、外見的なデザイン的にも仕様的にも上位モデルの「KING PRO」(23,800円)を踏襲した仕様となっています。ただ「KING PRO」がアルミニウム合金製なのに対し、TFZ KING LTD」および「KING II」はフェイスプレートが部分が「KING PRO」と同じCNC加工されたアルミ合金、フェイス部分のロゴがプリントされたゴールドの円形パーツがステンレス、ハウジング部分がPC素材となっているようです
※違和感のない仕上がりのため、当初「TFZ KING LTD」「KING II」も「KING PRO」とおなじ金属製ハウジングと記載しましたが誤りでした。修正します。
さて、改めてこのドライバーについて紹介すると、「デュアル磁気回路」(二重コイルと前後のダブルチャンバー)により通常のダイナミック型より広いレンジを得ると同時に、「グラフェン振動板」によるアタックの早いキレのあるサウンドのドライバーを構成しています。
TFZ KING LTDTFZ KING LTD
KING II」および「KING LTD」に搭載される12mmの「第2.5世代」ドライバーは「KING PRO」で最初に搭載されたもので、「EXCLUSIVE KING」に搭載された「第2世代」を改良しよりHiFi性能を向上させたサウンドに進化しています。他にも「KING PRO」とは異なるサウンドチューンで上位モデルの「SECRET GARDEN 1」をはじめ、「TEQUILA 1」「QUEEN」などの100ドルオーバーモデルで採用されています。
EXCLUSIVE KINGKING PRO

また「TFZ KING LTD」で使用されているTFZ純正の「8 芯銀コートOFC ミックスケーブル」は、中国AliExpressの「TFZ Offical Store」で149ドルで販売されている純正ミックス線ケーブルと同等品と考えられます。(ケーブル単品価格の値付けが高すぎる感はありますが)「KING II」との価格差は3千円程度ですのでかなりお買得な印象はありますね。
TFZ KING LTDKING II
いっぽう「KING II」には「SECRET GARDEN 1」「QUEEN」「T2 Galaxy」に付属するブラックの被膜で覆われた銀コートOFC線ケーブルが付属します。同ケーブルが付属する既存のモデルは2pinコネクタ部分の(突起部の)形状がどれも微妙に異なっていてこれを覆うカバー部分も合わせた形状になっています。しかし「KING II」は「T2 Galaxy」はじめ「KING PRO」や「EXCLUSIVE KING」などのモデルと同じ形状のため、「TFZ KING LTD」で「T2 Galaxy」のケーブルを流用すれば「KING II相当」になると考えられます。ということで、今回私は海外版の「TFZ KING LTD」を購入しました。

そして、「TFZ KING LTD」および「KING II」の国内正規品は10月19日より発売が開始されるそうです。こちらの国内価格は「KING II」が 16,800円、「KING LTD」は 19,800円 となっています。
KING LTDKING LTD
カラーバリエーションは「KING II」が「ブラック」と「ブルー」の2色、で「KING LTD」は「ブルー」に加え「グリーン」「グレー」の3色となっています。
KING LTDKING LTD

・国内正規品: TFZ KING LTD 19,800円TFZ KING II: 16,800円
 Amazon.co.jp(国内正規品): TFZ KING LTD
 Amazon.co.jp(国内正規品): TFZ KING II

・海外版: TFZ KING LTD: 149ドルTFZ KING II: 119ドル
 Penon Audio(直販): TFZ KING LTDTFZ KING II
 AliExpress(Penon Audio): TFZ KING LTDTFZ KING II
 AliExpress(TFZ Offical Store): TFZ KING LTDTFZ KING II


■「KING PRO」を踏襲した高級感のあるビルドクオリティと高品質なLTD用8芯ミックスケーブル

「TFZ KING LTD」のパッケージは「EXCLUSIVE KING」などと同様の細長いパッケージで本体カラーが確認できるようになっています。
KING LTDKING LTD
パッケージ構成は本体、OFCケーブル(「KING LTD」は8芯銀コートOFCケーブル)、イヤーピース(穴の大きい方と小さいほうの2種類、それぞれS/M/Lサイズ+本体付属のMサイズ)、イヤホンポーチ、ケーブルフック、説明書など。
KING LTDKING LTD

CNC加工した金属製フェイスプレートに樹脂製ハウジングを組み合わせた本体は「KING PRO」とよく似たデザインで、フェイスプレートの左右にゴールドメッキ処理されたロゴおよびマークをデザインしたステンレス製円形パーツがアクセントになっています。
TFZ KING LTDKING LTD
既存のTFZ製イヤホン同様12mmのダイナミックドライバーを搭載する関係で比較的大きいハウジング形状をしていますが、装着性そのものは比較的良好だと思います。ただ耳の小さい方は奥まで入らない場合があるのもこれまでのモデル同様です。
KING LTDKING LTD
TFZ KING LTD」(および「KING II」)は最近のTFZ製イヤホン同様に豊富なバリエーションのイヤーピースが付属しますが、他にもAZLAの「SednaEarfit」やJVCの「スパイラルドット」、Acoustuneの「AET07」等のイヤーピースを利用することでより装着性を向上することが出来ます。私は耳穴が細いこともありスパイラルドットのSサイズを組み合わせています。

TFZ KING LTD」を「EXCLUSIVE KING」および「KING PRO」と比較してみると、ハウジングの形状そのものは「EXCLUSIVE KING」からほぼ変わっていないことがわかります。
TFZ KING LTDTFZ KING LTD
「KING LTD」(および「KING II」)は「KING PRO」と比較すると、フェイス部分の円形パーツのほか、ハウジング部分の素材の違いからフェイスプレートとシェル本体との接合部分に違いがあり、さらに「QUEEN」のようにフェイスプレート部分のビスで固定されています。3モデルともベント(空気孔)はハウジング背面のドライバーの真上に小さい穴がひとつだけあります。

KING LTDTFZ KING LTD
「KING LTD」の特徴である「8芯 銀コートOFCケーブル」はTFZ専用のカバー付きのコネクタではなく、中華イヤホンケーブルで多く見受けられる突起部の浅い2pinコネクタを採用。使用している線材はミックス線ながら中華ケーブルのミックス線と比較するとすこし落ち着いたカラーリングとなっています。
いっぽう「KING II」は「SECRET GARDEN」や「QUEEN」と同じ線材とのことで、ブラックのラバー状の柔らかい被膜で覆われたケーブルとなっているようです。


■リスニング寄りにチューニングされたサウンドバランスで「KING」「KING PRO」の「いいとこ取り」

TFZ KING LTDTFZ KING LTD」(および「KING II」)の音質傾向はフラットに近い弱ドンシャリで、周波数特性は同様の2.5世代ドライバーを搭載する「KING PRO」とよく似たカーブを描きます。しかし、まずはケーブルを「T2 Galaxy」付属のものと交換し「KING II相当」にして聴いてみると、フラット傾向の強い「KING PRO」に対して、より高域および低域のメリハリが強く、完成度の高いリスニング向けのサウンドになっている印象です。「プロ用」(?)という位置づけの「KING PRO」がインピーダンス55Ω/感度108dB/mWと、TFZのイヤホンの中では最も駆動力を必要とするイヤホンなのに対し、「TFZ KING LTD」および「KING II」はインピーダンス16Ω、感度108dB/mWと他の機種同様にかなり「鳴りやすい」セッティングとなっています。印象としては「KING PRO」を「EXCLUSIVE KING」(12Ω/110dB/mW)に寄せたセッティングを行ったイヤホンが「TFZ KING LTD」「KING II」という感じですね。「KING II」(相当)のサウンドは、先日レビューした「T2 Galaxy」のような派手さはないものの、「EXCLUSIVE KING」と「KING PRO」のいいとこ取りをしたようなチューニングになっていると感じました。

TFZ KING LTDおそらく「KING PRO」がある程度駆動力のある再生環境を必要とするものの、よりS/Nの高い仕様として、音質傾向も原音忠実性の高いフラットな傾向にまとめたチューニングなのに対し(この辺の構成から「プロ用」というターゲット設定をしているのですね)、「TFZ KING LTD」「KING II」はより多くの再生環境で実力を発揮しやすい仕様で、音質傾向もリスニング寄りにしている、という事ではないかと思います。
個人的な印象としては「TFZ KING LTD」「KING II」は「KING PRO」の廉価版ということはなく、製造コストも同程度ではないかと想像します。ただし、高いインピーダンス仕様で用途を絞っている「KING PRO」に対して、より多くのオーディオファン、マニアに向けている「KING II」のほうが販売数を期待できそうなので、相応に価格を下げているということかな、と思います。つまり「KING II」は「KING PRO」より多少コスパが高い、ということですね(笑)。

KING LTDTFZ KING LTD」「KING II」は全体的に「KING PRO」譲りの高い分離性と解像度の高さを持っており、抜けの良いサウンドを実感します。高域は明瞭感のあるサウンドで、スッと伸びていく「KING PRO」に対し多少ですが金属質な煌めきを感じる「いかにもTFZ」なチューニングとなっている印象です。しかし「EXCLUSIVE KING」に比べるとかなりスッキリしたサウンドにまとめられており、駆動力の高い再生環境でも「EXCLUSIVE KING」のように極端に刺さりやすくなることもなく安定して鳴っているという感じです。
個人的にはこのまとめ方はとても好感を持っていますが、「派手さ」という点では「TFZ KING LTD」「KING II」は「EXCLUSIVE KING」より少し大人しくなった、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
中音域は「KING PRO」譲りの非常に精度の高いフラットなサウンドで、キレの良さと透明感を実感します。明らかに「EXCLUSIVE KING」とは1ランク上のサウンドになっています。
TFZ KING LTD精緻さにおいて「KING PRO」には若干譲るところはありますが、それでも細かい音の描写までしっかり聴き分けられる表現力は「TFZ KING LTD」「KING II」の特徴といえると思います。ボーカルも比較的近くで定位し、寒色系のエッジのあるサウンドながら人工的な音に感じない程度に自然な印象にまとめられています。
低域は個人的に「TFZ KING LTD」「KING II」が最も気に入っている部分で、しっかりとした量感を確保しつつタイトに締まる低音は心地良さを感じます。「EXCLUSIVE KING」の低域はより響きを感じる反面、少し緩さも感じる印象でしたが、「TFZ KING LTD」「KING II」では解像度の高い輪郭のハッキリした音になっています。また「KING PRO」と比較してもより濃度の高い存在感を感じる印象となっています。中高域同様に分離性が高くキレのある低域なため、スピード感のある音源も楽しめると思います。

TFZ KING LTDまた「TFZ KING LTD」の8芯ミックス線ケーブル仕様では、「KING II」(相当)のOFC線と比較し、より豊かな音場の広がりを実感することができます。情報量の増加により中高域の明瞭感が向上しつつ、低域はしっかり沈む音も表現することで、「KING II」(相当)のOFC線では少し軽めに感じた重低音の印象も改善されます。ケーブルの違いによるサウンドの違いは明確で、「TFZ KING LTD」のケーブル仕様によってリスニング寄りにチューニングされた「KING II」のキャラクターがより明確に発揮されるようです。このイヤホンのポテンシャルを発揮させる上では、「TFZ KING LTD」の8芯ケーブルは欠かせない要素のひとつにも感じられます。

もし「KING II」をベースにリケーブルを考える場合は、Kinboofiブランドの定番ケーブルとなっている「KBF4746 16芯 ミックスケーブル」(6,800円)が手持ちのケーブルでは最も「TFZ KING LTD」の方向性に近い印象になります。このケーブルではTFZ純正の8芯ミックスケーブルよりさらに情報量が増えるため「TFZ KING LTD」のアップグレードおよびバランス接続にも最適です。「TFZ KING LTD」の8芯ケーブルよりさらに音場が立体的になり「濃い音」になるのを実感できると思います。
同様にYinyooブランドの「YYX4778 16芯 銀メッキ線ケーブル(ブラック)」も良い組み合わせのようです。こちらのケーブルではより中高域の伸びが向上するため、高域にアグレッシブさを求める場合には良い組み合わせになります。
TFZ KING LTDTFZ KING LTD
いっぽうより低価格の8芯ミックスケーブルである「NICEHCK TYB1」(3,150円)または「Yinyoo YYX4775」(2,999円)の場合、情報量は「TFZ KING LTD」のケーブルと同等レベルですが、すこし派手めの印象に変化します。バランス接続により分離性を向上したりよりメリハリを強くしたい場合は良いかもしれません。ただ、バランス接続ではない通常の3.5mmステレオコネクタの場合は「KING II」にこれらのケーブルでアップグレードするよりほぼ同コストで購入できる「TFZ KING LTD」にしたほうが良さそうですね。
TFZ KING LTDTFZ KING LTD
また「KING PRO」で相性のよかった、いわゆる「キンバー風ケーブル」(ブラウン「YYX4744」/ゴールド「YYX4752」/ピンク「HiF4748」)は「TFZ KING LTD」「KING II」との相性も良好で、8芯ミックスのHCK TYB1よりさらにメリハリの効いたサウンドになりますが、同時に「TFZ KING LTD」の8芯ミックスケーブルと同様の広い音場感を実感することが出来ます。


というわけで、「TFZ KING LTD」「KING II」は、「KING PRO」の高いサウンドクオリティを踏襲しつつ、よりリスニング向けに最適化され、既存の「EXCLUSIVE KING」より着実なグレードアップを果たせたイヤホンになっていると思います。
キレの良さと透明感のある絶妙なサウンドバランスにより特に苦手ジャンルのみつからないイヤホンだと思います。どちらのイヤホンもロック、ポップス、アニソンなど多くのジャンルのボーカル曲にも最適ですし、特に「TFZ KING LTD」の8芯ミックスケーブルによる豊かな音場感はジャズやクラシックなどにも最適でしょう。ただ「EXCLUSIVE KING」に比べて高域がすこし大人しくなった、という点もあるため、よりアグレッシブなサウンドを求める場合はリケーブルによるアレンジも有効となると思います。
TFZ KING LTDもっとも「EXCLUSIVE KING」のような派手さはすこし抑え気味のイヤホンになっていますが(高域については「SECRET GARDEN 1」が、メリハリでは「T2 Galaxy」がありますね)、それ故に全体的に「使いやすいイヤホン」として、さらに高い完成度を獲得したとも言えるでしょう。特に「TFZ KING LTD」の8芯 ミックス線ケーブルの効果はとても大きいと感じました。リケーブルを前提に「KING II」を購入するのもアリだと思いますがこれぐらいの価格差であれば「TFZ KING LTD」を購入し、8芯ミックスケーブルを他の2pin仕様のイヤホンに転用する手もありますね。
どちらのモデルもアンダー2万円のイヤホンとしてはかなりお勧めのイヤホンだと感じました。


「BQEYZ BQ3」 明瞭感のあるスッキリサウンドを楽しめる、BQEYZのより進化した3BA+2DDハイブリッド中華イヤホン【レビュー】

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BQEYZ BQ3

こんにちは。今回紹介するのは「BQEYZ BQ3」、3BA+2DDと、最近の中華ハイブリッドではちょっと珍しい構成にグレードアップしたイヤホンです。「BQEYZ」はこれまでは、いわゆるZS6系イヤホンとして紹介した2BA+2DD構成の「BQEYZ KC2」(および「BQEYZ K2」)および1BA+2DD構成の「BQEYZ KB1」というモデルをリリースしています。「BQEYZ BQ3」はこれらのイヤホンの上位モデル、という位置づけになりますね。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
ソリッドなデザインの金属製ハウジングを採用しつつ価格的にはアマゾンでも6千円台で購入可能で、とりあえずは低価格イヤホンの枠内といっても良いのではと思います。最近のKZあたりを中心とした低価格中華イヤホンのスペックインフレの影響で「BQEYZ BQ3」の「3BA+2DD」という仕様をみてもさほど驚かなくなっていますが、少し前までならちょっと考えられないコストパフォーマンスですね。

BQEYZ KC2BQEYZ KB1

既存の「KC2」や「KB1」といったモデルでは2DD部分にはZS6系イヤホンと呼ぶとおり、「KZ ZS6」と同様の10mmと6mmのダイナミックドライバーを並列で搭載していました。さらにこれらのモデルでは2個のダイナミックドライバーの間に音導管を通すことでクロスオーバーを調整する独自の加工が加えられていたのが特徴的でした。
今回の「BQEYZ BQ3」では3個目のBAドライバーを搭載するにあたり、2DD部分は最近の中華ハイブリッドで増えている「一体型2DD」を採用しています。「BQEYZ BQ3」では、ひとつのケースに2個の10mm ダイナミックドライバーを格納した仕様となっているようです。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
そして、ミッドレンジを担当すると思われるバランスド・アーマチュア型(BA)ユニットが2DDユニットのサイドに配置されるレイアウトとなっています。そしてステム部分には「KC2」同様に高域を担当する2個のBAユニットが搭載されています。従来モデルの「KC2」(およびK2)でもこのステム部分のBAは一般的に用いられるデュアルドライバーユニットではなく、あえて2種類のシングルBAを並列で搭載し、片方のツイーターをフィルターで調整するなどの細かい工夫がされていましたが、分解図を見る限り、「BQEYZ BQ3」でも同様のアプローチを取っている模様です。

BQEYZはこのようにネットワークなどの電気的処理ではなく、ドライバーの配置やドライバーの配置、フィルターの使い分けなどによるコントロールを行うのがとても上手いメーカーという印象で、ドライバー数を増やしてもコストを上げずにサウンドチューニングを実現しているようですね。

BQEYZ BQ3」のカラーは「ブルー」と「ブラック」と2色。今回もカラバリを両方購入しており、片方がAliExpressのEasy Earphones(中国からの発送)にて。もう片方はアマゾンのHiFiHear Audioへオーダーしました。価格はAliExpressの表示価格が58ドル、アマゾンが6,800円となっています。
AliExpress(Easy Earphones): BQEYZ BQ3
Amazon.co.jp(HiFiHear Audio): BQEYZ BQ3


■アルミ製のシンプルなデザイン。ビルドクオリティは高いものの装着性はいまひとつ

BQEYZ BQ3」はこれまでのBEQYZ製イヤホンの地味な共通パッケージと異なり製品イラストがプリントされたしっかりしたパッケージになりました。裏面にはスペック等の記載があります。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)、布製ポーチ、説明書。こちらも「BQEYZ BQ3」では既存モデルにはなかった布製ポーチが付属しました。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3

ハウジングの背面(ステム側)は「ブルー」「ブラック」ともに黒いカラーリングがされており、表面(フェイス側)のみ「ブルー」は青色のカラーリングがされています。どちらのカラーもフェイス部分のエッジ部分は斜めの切り込みとなっていて磨き処理が施されています。またフェイス表面も単なる平面ではなく下方に凹みのある加工が施されています。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
アルミ製の金属製ハウジングは非常にシンプルなデザインですがビルドクオリティは高く、フェイスパネルの処理も美しく感じます。ベントはステム側の面に小さな穴が2つありますが、KC2のようにステム横の穴はなく、ダイナミックドライバーの仕様の違いが確認できます。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
ハウジングのサイズ的には「BQEYZ KC2」より若干コンパクトになっていますが、お弁当箱型の四角いデザインのため、装着性はあまり良くありません。特に耳のサイズの小さい方は少し入りにくいかもしれませんね。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
私も付属のイヤーピースではいまいひとつフィットせず、何種類かのイヤーピースを試しました。最終的には困ったときの「コンプライ」やAcoustune「AET06」などのダブルフランジのイヤーピースを使用することで固定することが可能だと思います。ほかにもAZLAの「SednaEarfit」なども耳穴のサイズが合えば良い印象に変化すると思います。今回私は「BQEYZ BQ3」と組み合わせて個人的に耳穴に穴に合ったラディウスの「ディープマウント」を使用しました。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
付属する2pinケーブルは「BQEYZ BQ3」のデザインにあわせてコネクタ部分の形状が既存モデルの付属ケーブルより変更となっています。コネクタ仕様および線材は既存モデルと同じようですね。後述しますが、これまでのモデルでもBQEYZの付属ケーブルは低域まわりに少し特徴がありましたが、その点は「BQEYZ BQ3」でも同じ傾向でした。


■硬質な印象ながら分離感および解像度の高さを実感するバランスの良いハイブリッドサウンド。

BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3」の音質傾向は弱ドンシャリで、3基のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを使用していることの恩恵もあってか中高域の分離性の高さを実感します。2BA+2DDの「BQEYZ KC2(またはK2)」は全体的には非常に良い仕上がりのイヤホンでしたが、中高域の明瞭さに対して低域の広がり方にクセがあり相対的に緩い印象となるため、曲によっては不自然に感じる場合もありました。
今回の「BQEYZ BQ3」では追加されたBAユニットが、KC2では6mmドライバーが担当していたとミッドレンジを補っていると考えられ、一方で低域は10mmダイナミックドライバーをデュアルユニット化することによりこのような音域ごとのアンバランスは解消され、全体的に明瞭感のあるフラットぽさも感じるサウンドになっています。そのため籠りのようなものは感じず、メリハリのある解像度の高さも実感します。

BQEYZ BQ3」の高域は「BQEYZ KC2(またはK2)」と同様に刺さりを感じやすい上の方を多少コントロールされている印象で(おそらくKC2同様に高域BAにはフィルターを装着していると思われます)、いわゆる煌びやかさは感じないものの、明瞭でスッキリしたサウンドです。スッと自然に伸びていく心地良いチューニングでKC2同様にBQEYZの音作りの上手さを感じる部分です。
BQEYZ BQ3中音域はKC2より明瞭感が大幅に向上している印象でかなりハッキリした印象の硬質なサウンドが楽しめます。特にボーカルをきっちり聴く際には最適なサウンドと言えます。音場は一般的な広さでKC2と比べると少しタイトですが自然な距離感で定位し、高い分離性をもつため立体的なサウンドを実感できます。
低域は上記の通りKC2のようなクセのある響きや広がり方はなく、中高域同様に解像度高めで締まりの良いサウンドになっています。量感は十分にありますが、分離性が高いことも有り籠もるということはありません。ただし、「BQEYZ BQ3」も各音域のクロスオーバー部分にZS6系イヤホンなど低価格ハイブリッドらしい「つながり」より「メリハリ」を重視したような印象もあるためジャズやクラシックなどの音源では人工的な印象の音に感じるようです。また付属ケーブルでは重低音が弱く少し軽い印象となります。

BQEYZ BQ3」は全体的な完成度は今回も非常に高く、多くの方にお勧めできるイヤホンに仕上がっていると思います。傾向としてロック、ポップス、アニソンなど多くのボーカル曲で相性の良さを感じます。また分離性も高く明瞭感のあるサウンドですので音数の多い音源などでも十分に楽しめると思います。ただし前述の通りアコースティックな音源や一部のライブ曲などではすこし派手すぎる印象に感じる可能性もあります。

BQEYZ BQ3ところで、「BQEYZ」のイヤホンに付属するケーブルは共通して低域の下の方が少し抑えられる傾向があり、これは「BQEYZ BQ3」付属のケーブルでも同様のようです。そのため、BQEYZのイヤホンはリケーブルにより解像度や分離性の向上だけでなく、低域の印象が大幅に変化しやすい傾向にあります(実際過去にレビューした「BQEYZ KB1」は付属ケーブルでも低域が多めのセッティングになっていたため、リケーブルにより低域過多になってしまう場合がありました)。
BQEYZ BQ3」の場合も重低音が強化されより低域の印象が良くなる場合が多いようです。

例えば、アマゾンで「BQEYZ BQ3」を販売しているHiFiHearの場合、「BQEYZ BQ3」と同時期に低価格な8芯ケーブルを相次いでリリースしていています。「HiF4774 8芯 高純度無酸素銅(OFC)ケーブル」(2,350円)の場合、付属ケーブルより情報量が大幅に向上し、さらにメリハリのある印象となりますが、「BQEYZ BQ3」ではさらに低域の解像度と沈み込みが大幅にアップし、かなり濃いサウンドに変化しました。
BQEYZ BQ3BQEYZ BQ3
また、「HiF4777 8芯 銀メッキ高純度無酸素銅(OFC)ケーブル」(2,999円)では「HiF4774」同様に情報量アップと低域のメリハリが向上すると同時に高域についてもさらに伸びが良くなり、多少のキラキラ感も感じるようになります。高域に少し物足りなさを感じる場合にはお勧めのリケーブルといえますね。


BQEYZ BQ3というわけで、今回の「BQEYZ BQ3」は既存モデルの「ZS6系イヤホン」の枠を超えつつ、個性を活かした仕上がりに「成長」した製品だと感じました。スペック的には「3BA+2DD」とちょっと目を惹くものの「低価格ハイブリッド」の範疇の製品であることから、同じハイブリッドでも1万円オーバー、数万円クラスとの比較では価格なりな部分もありますし、質の良いシングルダイナミックイヤホンの自然なバランスと比べるとやはり「派手さ」を重視したような印象もあります。しかし、KZなどのメリハリのあるサウンドを好まれる方にはアップグレード製品のひとつとして検討してみるのも良いのではとおもいます。


プロフィール(Twitterアカウント)
カフェで息抜きにイヤホンとかのブログ書いてます。気付けばアラフィフの酔っ払い(定期)。食べるのも好きな天秤座AB型。普段はIT屋で都内と自宅のある福井ほかあちこち出張するお仕事してます。ポタオデは趣味で出張のお供。長年のPC(?)遍歴にApple //c とNeXTstation があるのがプチ自慢(じじぃ)。
※ご意見・ご質問などはコメント欄にてお願いします。
レビュー依頼等は bisonicr.keep.walking@gmail.com までお願いします。内容を確認の上ご返答申し上げます(返信の無い場合はご了承ください)。





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