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「LZ-A5」 話題の高音質4BA+1DDイヤホンとLZ純正アップグレードケーブル各種聴き比べでその凄さを実感しました【レビュー】

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LZ-A5

到着からすこし間が空きましたが、中国LZ社の最新イヤホン「LZ-A5」です。29,800円とパッケージ製品の中華イヤホンとしては高価格帯のイヤホンとなりますが、年明けの販売開始と同時にマニアの間では多くのオーダーが集中しており、まさに今年最初の注目アイテムといえるでしょう。

LZ(老忠)」といえば 中華イヤホンのなかでも高級グレードの製品を得意としており、前モデルの「LZ-A4」(2BA+1DDハイブリッド)も奇抜なデザインに対して抜群のサウンドクオリティとノズルおよび背面フィルタ交換によるサウンドコントロールができる仕様でこちらも2万円台の価格設定ながら好評を博したことで知られます。
LZ-A5そして今回、満を持して発売された「LZ-A5」では「4BA+1DDの5ドライバー・ハイブリッドに大幅にスペックアップを果たしました。同時に4種類のノズル交換によるサウンドコントロールも健在です。
また好みの分かれたA4の形状から「LZ-A5」ではSHURE SEシリーズ等に近いデザインに収まったことで、装着性も含めより多くの人が利用しやすい形状となりました。ただし、シェルに描かれた「どう見てもH○NDA(伏せ字になってない)の2輪車のロゴマーク」がこのイヤホンが紛れもなく中華イヤホンであることを実感させます(大人しくLZのまるいロゴマークとかを刻印しておけば良かったのに・・・)。
この辺のことはさておき、「LZ-A5」のイヤホンとしての完成度はとにかく抜群に高く、「このサウンドが3万円で買えるのであれば全然惜しくない」と感じるレベルです。それにしても、いまこの価格帯のイヤホンはかなり熱いですね。

購入はいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」より。
今回の「LZ-A5」についてはメーカーの方針により値引き等は行われず、日本国内ではどのショップでも 29,800円 での販売となります。ということで、今回は「Easy Earphones」がアマゾンに出店している「WTSUN Audio」より購入しました。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): LZ-A5

アマゾン「WTSUN Audio」マーケットプレイスでは後述しますが「LZ-A5」に加えて、「LZ純正のアップグレードケーブル」も各種販売しているため、リケーブルによるグレードアップ、特に2.5mmまたは4.4mmのバランスケーブルでの利用を検討されている方は併せて購入できる点が良いかもしれませんね。


■重量感のあるアルミ削り出しのハウジングながら装着感も良好

到着したパッケージはとてもシンプルなもので、ふたを開けると本体ハウジングと4種類のカラーノズル、そしてLZロゴ入りのメタルケースが目に入ります。
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決して豪華、というものではありませんがイヤホンの完成度で勝負というメーカーの想いが伝わってくるようです。
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同梱される付属品などは、本体、カラーノズルに加えてイヤーピースはS/M/Lサイズの3種類とブルーのウレタン製。さらに標準のMMCXケーブル、イヤホンケースと説明書、保証書といった内容です。
MMCXケーブルは布製の被膜で覆われており取り回しは良好ですが、耳かけ部分の針金がちょっと硬いのとMMCXコネクタ部分がもう少し高級感のあるものだったら、と言う部分がちょっと残念。
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イヤホン本体は厚めのマットブラック塗装が施されたアルミ削り出しのハウジングで金属質な重量感がありますが、SHURE SEシリーズ同様に装着性は良好です。とはいえ、おなじSHUREタイプでも例えばMaGaosi K3 HDとEE846あたりと比べると結構形状も大きさも違うことが分ります。
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4つのBAとダイナミックドライバーを収容する「LZ-A5」はサイズ的にはわずかですがEE846(SHURE SE846と同じ形状)より大きいのがわかります。

また、「LZ-A5」ではステム部分のノズルが脱着式となっており、回して取り外す方式で4種類の音質傾向のカラーノズルに交換が可能となっています。前モデルの「LZ-A4」ではノズル部分と背面フィルターが交換式で合計18パターンの調整ができましたが、個人的には今回の「LZ-A5」のように4パターンくらいにまとめてくれたことでむしろ使いやすくなったなと好感を持っています。
LZ-A5LZ-A5
各色のノズルは「3kHz~10kHz」の周波数帯域に対してプラスまたはマイナスの変化を与えます。
各ノズルの仕様は、「ブルー: +2dB」、「ブラック: +1dB」、「グレー: -1dB」、「レッド: -2dB」となっています。ということで、さまざまな再生環境で実際に各カラーのノズルのサウンドを確認しながら「LZ-A5」の特徴を深掘りしてみたいと思います。


■「苦手がない」サウンド。全てのジャンルで威力を発揮する高音質ノズルの凄さ

LZ-A5LZ-A5」のベースとなる周波数特性は弱ドンシャリ傾向ですが、とても自然に低域と高域の聴きたい領域を押さえてくれているような、非常にうまい音作りをしているイヤホンだと思います。
付属の標準ケーブルはそれほど解像度を強調してくれるタイプではないようで、マルチBA的な個々の音の細かさという点では「本気を出してない」感じを受けますが(後述しますがリケーブルで化けます)、それでも非常に上品というか「オトナ」な印象です。抜けるように広がる音場感と定位の良さはもちろんですが、何よりエモーショナルに感じさせるサウンドに思わず聴き入ってしまいます。

また、それぞれのカラーのノズルで高域が変化することにより、ボーカルの定位が異なって聴こえます。ざっくり言うと高域の強いブルーがいちばんボーカルが近く、低域が強くなるレッドがいちばん遠くなります。ただし、インピーダンス16Ω、感度105dB/mWと比較的鳴りやすいイヤホンですのでDAP(デジタルオーディオプレーヤー)等の出力によっても多少印象が変化する場合もあるようです。

LZ-A5まず「ブラック(+1)」と「ブルー(+2)」の違いですが、これは再生環境、特に「主に聴く曲」と「DAPとの相性」でかなり印象が変わるのではないかと思います。傾向としては「ブルー(+2)」のノズルを使用すると「ブラック(+1)」より高域のキレが向上し解像度がアップしたような印象を受けます。ロックやポップスなどのボーカル曲ではさらに近くに定位し、とても元気なサウンドに感じるのではないかと思います。ただし、出力の強いDAPで「ブルー(+2)」のノズルを使用すると多少乱暴なサウンドに感じて、少し落ち着いた「ブラック(+1)」のほうが聴きやすいと感じるかもしれません。また「ブルー(+2)」のほうが聴き疲れしやすい、という側面もありますね。

いっぽう、マイナス側の特性をもつ「レッド(-2)」や「グレー(-1)」のノズルを装着した状態で聴いてみても、高域が曇るということはなく、高域の刺さり等の刺激的な要素が抑えられるいっぽう、中低域の分離の良さが印象として強くなることで、より音場の広さを認識するように感じます。
実際に各カラーのノズルでの周波数特性を測定してみると、確かに3kHz以上の高域でのみ特性に変化が現れ、それ以下の帯域ではノズル間でほぼ変化がないことを確認しました。つまり低域はもちろん、中高域と感じるようなボーカルが含まれる帯域はどのカラーのノズルでも変化はないことを意味します。

LZ-A5また、各ノズルごとの特性の違いについては、プラスの「ブルー(+2)」と「ブラック(+1)」、およびマイナスの「レッド(-2)」と「グレー(-1)」同士は実はそれほど大きな違いはないのですが、「ブラック(+1)」と「グレー(-1)」の間にはかなり顕著な変化があります。
このようなことから、実際の利用では、4種類のカラーノズルのうち、「高域タイプ(=プラス)」と「中低域タイプ(=マイナス)」でそれぞれどちらかのカラーを利用される再生環境や曲の印象などで選んでおく感じになるかもしれませんね。私の場合、標準ケーブルでは、高域タイプは「ブルー(+2)」でしたが、逆に中低域タイプは「グレー(-1)」のノズルが良い印象となりました。
標準ケーブルで「グレー(-1)」のノズルを装着した場合、低域から高域までの見通しが最もよい印象のサウンドに感じました。この状態ではクラシックを含めあらゆるジャンルの曲を楽しめるサウンドではないかと思います。また高域成分が強い女性ボーカルのアニソンなども相性も良く、「fripSide」も気持ちよく聴くことができました。

LZ-A5いっぽう「レッド(-2)」ノズルは低音強調タイプ、というわけではなく、「グレー(-1)」よりやや中低域に厚みを持ったような印象を受ける程度の変化です。そのため相性についても「グレー(-1)」とあまり違いはありません。標準ケーブルの場合、個人的にはボーカル推しの曲やウッドベースが効いたアコースティックな曲などはいちばん相性が良いと感じました。ただ、「ブルー(+2)」「ブラック(+1)」のノズルを聴いた後だとどうしても物足りなさを感じてしまうのも仕方のないところかな、とも思います。
このように好みや再生環境によっての違いはあるものの、どのノズルを使用した場合も「ハズレがない」というのはなかなか凄いことだと思います。「LZ-A5」は本体のサウンドクオリティの高さに加え、この優れたノズル交換方式を採用することで「苦手なジャンルが無い」非常に希有なリスニングイヤホンに仕上がっていると感じました。


■「LZ純正アップグレードケーブル」でさらに進化。各カラーのノズルの相性を確認してみた。

そして「LZ-A5」はMMCXコネクタを採用することで様々なリケーブルへの対応が可能です。しかも、私のブログでも過去に何度か紹介していますが、LZは同社製イヤホン向けを中心としたMMCXコネクタ仕様のアップグレードケーブルをいろいろ販売しています。すべて8芯タイプの高品質線材を使用しており、3.5mmステレオはもちろん、2.5mm/4極、さらに一部モデルでは4.4mm/5極のバランス接続に対応したケーブルも販売しており、「LZ-A5」のバランス接続用としても最適だと思います。

このLZ製ケーブルは単純にMMCX仕様(一部モデルでは2pinタイプもあり)のケーブルしても、販売価格より1ランク上の製品に匹敵しそうな高いクオリティで、私自身以前より愛用しています。現在発売されている製品の中ではシルバー(銀メッキ線)ブラウン(6N凍結単結晶銅線)ピンク(銀メッキ線&単結晶銅線ミックス)の各種を購入しています。
これらのケーブルについては、過去記事の「Easy Earphonesで購入したケーブルのレビュー」でも紹介しています。

ということで、これらの「LZ純正アップグレードケーブル」を実際に「LZ-A5」と組み合わせてサウンドの変化を確認してみました。なお、今回はすべてのケーブルでよりリケーブル効果を得やすいバランス接続のタイプを選択しています。

① LZ 8芯 銀メッキOFC(無酸素銅線)アップグレードケーブル(LZX42031)
AliExpressAmazon(WTSUN Audio)
まずは価格的にも最も手軽にアップデートできるシルバーの8芯銀メッキ線ケーブルです。見た目も美しく「リケーブル映え」するのは嬉しいところ。また、とても柔らかいケーブルで標準ケーブルより使い回しもかなり良くなると思います。従来は3.5mmと2.5mmバランスのみでしたが、最近4.4mmバランス仕様も追加されました。音質傾向としては標準ケーブルに最も近いサウンドで味付けのようなものはほぼありませんが、ケーブルの情報量が大幅に向上することで解像度がアップし、多少メリハリが強調された印象になります。
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LZの8芯銀メッキ線ケーブルでバランス接続を行ったところ、標準ケーブルでは「ブルー(+2)」に比べて少し中途半端だった「ブラック(+1)」ノズルの印象が大きく改善され、個人的にはかなり好みのサウンドになりました。音のメリハリが効くことで各ノズルの特徴がより強化されるイメージですね。とはいえ基本的にこのケーブルは「標準ケーブルでの印象をあまり変化させずに解像度を向上させたい」というニーズや、同様に「バランス接続をしたい」というケースに最適だと思います。

② LZ 8芯 6N 単結晶銅&銀メッキ銅線ミックスケーブル(LZX47191)
AliExpressAmazon(WTSUN Audio)
AliExpress/Amazonで現在販売されているLZ製ケーブルのなかでは最も新しい製品。こちらは2.5mmおよび4.4mmのバランス接続仕様はもちろん、MMCX以外に2pinタイプも販売されています。上記の銀メッキ銅線より少し硬めのケーブルです。音質変化は控えめなものの、とにかく「情報量がものすごく多い」という印象のケーブルです。解像度の向上だけでなく、ひとつひとつの音を精緻に表現する印象で改めて「LZ-A5」のポテンシャルの高さを実感しました。
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このミックスケーブルで「ブルー(+2)」のノズルを使用すると、細かい音までさらによく聴こえてくるため曲によってはちょっと騒々しい印象となり、さらに聴き疲れするかもしれません。いっぽう、標準ケーブルで「グレー(-1)」が相性が良いと感じた曲も、このミックスケーブルでは「レッド(-2)」での印象がかなり良くなりました。「LZ-A5」が「非常に濃い音」になる印象ですね。これはこれで結構好みです。

③ LZ 8芯 6N 凍結単結晶銅線ケーブル(ブラウン)
AliExpress / Amazon(WTSUN Audio)
LZ製の単結晶銅線のケーブルはブラックのタイプ(LZX4173)がアマゾンおよびAliExpressで販売されていますが、こちらはAliExpressのEasy Earphonesで販売されているブラウンのケーブルとなります。傾向としてはAmazon等で購入できるブラックのアップグレードケーブルでもほぼ同様かと思われます。
高純度銅線のケーブルは中低域が強くなる傾向が多いといわれており、LZの単結晶銅線ケーブルも「LZ-A5」との組み合わせにより、標準ケーブルより解像度向上と併せて低域が一気に厚みを増す印象となります。また全体的にサウンドにエッジが立つことで「LZ-A5」の標準ケーブルでは「上品」に感じた印象が元気なサウンドに化けたように感じます。落ち着いた見た目も含めて、個人的にはいちばん好みの組み合わせですね。
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LZの単結晶銅線ケーブルと「LZ-A5」との組み合わせでは、どのカラーのノズルを使用しても相性は良好ですが、やはり「レッド(-2)」または「ブルー(+2)」の両極端を使用するのが醍醐味だと思います。特に「ブルー(+2)」ノズルとこの単結晶銅線ケーブルとの組み合わせは、分厚くなった低域とよりパワフルになった高域で楽しさも一気にアップした印象となります。


■とりあえず、あらゆる方にオススメできる、現時点で3万円リスニングイヤホンのベストバイ。

というわけで、「LZ純正アップグレードケーブル」での変化も含めて「LZ-A5」を深掘りしてみましたが、前モデルの「LZ-A4」を見事にアップグレードし、改めて素晴らしいイヤホンに仕上がっているなと感じました。
LZ-A5聴いてすぐにわかるサウンドクオリティの高さ、そして思わず聴き入ってしまうエモーショナルな深み。各カラーのノズルによりあらゆるジャンル、あらゆる嗜好に対応できる隙の無いつくり、そしてリケーブルで発揮されるポテンシャルの高さ。リスニングイヤホンにおけるひとつの回答として間違いなく同価格帯の最高レベルの製品だと思います。唯一残念なのは冒頭に記載したハウジングの「例のマーク」で、日本の代理店さんは店頭に並べるため関係各所に許可を取付けるなど大変な苦労をされたとも伺います。このようないかにも「中華イヤホン」ぽい要素を受け入れることができれば十分に3万円クラスのベストバイと言って良いと思います。
私自身も、遮音性も良好でサイズ的にもとても使い勝手の良いイヤホンですし、中華イヤホンとしては高価格とはいえ、(価格的に)なかなか外へ持ち出せない「RE2000」や「RE800J」などのフラグシップ機に代わり、普段から色々な場所で使えるアイテムとして、どんどん活用していきたいと思っています。


「Zishan Z3」 玄人限定から少しだけ親しみやすくなった? AK4490搭載・DSD対応の低価格&コンパクト中華DAP【レビュー】

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Zishan Z3

とってもコンパクトな中華デジタルオーディオプレーヤー(DAP)、「Zishan Z3」です。DACチップにAK4490を搭載したDSDにも対応するハイレゾプレーヤーで5千円程度の低価格を実現しています。
Zishan」というとこれぞ中華DAP感満載の「Zishan DSD」やコンパクトの既存モデルの「Zishan Z2」など、とにかく「玄人」な方々限定でやたら評判の良いプレーヤーを出しているメーカーです。

Zishan Z3今回の「Zishan Z3」もZ2同様に非常にコンパクトなボディに高性能なDACチップ等を搭載し、最大32bit/192kHzのハイレゾ音源やDSDを含む多くのフォーマットに対応しています。さらに「Z3」では英語I/Fおよび日本語ファイル・フォルダ名表示に対応した小さい液晶画面を搭載することで、親しみやすい操作性も「ある程度」実現したモデルとなりました。とはいえ、デザイン的には「Zishan DSD」の小型版という趣で、いかにも「中華DAP」という結構な「あやしさ」を感じますし、オペアンプの交換が可能などマニア向けの楽しさも持っています。いっぽうで音質面のクオリティも日本円換算で5千円程度の低価格な製品ながら相当に高く、「いろいろ納得できれば」本当にお買得な製品だと思います。

購入は毎度お世話になっているAliExpressのEasy Earphonesより。表示価格は53.99ドルとなっていますが、フォロワー値引きを適用すると 42ドル での購入が可能です。また購入時に「bisonicr」とメッセージを入れていただくだけでも値引き対象になります。AliExpressでの購入・割引方法を含め詳しくはこちらをご覧ください。

■5千円程度の価格とは思えない本格的なスペックと機能性


Zishan Z3」はDACチップに「AK4490」を搭載し、32bit/192kHzまでのPCM(WAV・FLAC・ALAC・AAC・MP3・WMAなど)に加え、DSD256までのDSD(DSF・DFF・DSD-ISOなど)のネイティブ再生にも対応したハイレゾ対応DAP(デジタルオーディオプレーヤー)です。
1万円以下のハイレゾ対応プレーヤーというのは日本にもありますが、DSDも含めてここまで「ちゃんとしたスペック」の製品が5千円そこそこで購入できるのはかなり驚異的ですね。

Zishan Z3Zishan Z3
ただし、実際に届いた製品は「いかにも玄人向け」で、特にパッケージなどもなくシュリンクに本体とUSBケーブル(充電・PC接続用)のみという超シンプルな内容。もちろん取扱説明書等もありません。

Zishan Z3Zishan Z3
そして「Zishan Z3」本体も画面上部の小さな液晶パネルと上下・左右・中央の5つのメカニカル式ボタンといういかにも中華感あふれるシンプルな外観です。本体上部にはイヤホン端子(PO/Phone Out)とラインアウト(LO/Line Out)の3.5mmステレオ端子があり、下部はmicroUSB端子およびmicroSDカードスロットと電源スイッチがついています。

Zishan Z3」のサイズは60mm×50mm×20mm、重量84g。手持ちのコンパクトなDAPである「Shanling M2s」(同85.6×53×14.5、100g)と比較してみると、長さは「Zishan Z3」のほうがひとまわり以上小さく軽く、いっぽうで厚さは「Zishan Z3」のほうが少し分厚いのがわかります。
Zishan Z3Zishan Z3
音楽データをコピーしたmicroSDカードを挿入し、電源をONにすると数秒で起動し、自動的に再生がスタートします。確認した限りでは265GBのmicroSDXCカード(Samsung製)でも問題なく認識しました。また、曲データは日本語のファイル名およびフォルダ名でも問題なく表示されます。タグ情報には対応していないため、microSDにコピーする際にフォルダ名やファイル名を分りやすくするなどの工夫をすれば大量の音楽データをいれたカードの利用でも操作に支障は少ないと思います。


■「Zishan Z3」の操作方法を簡単にまとめてみた

とはいえ、上記の通り「Zishan Z3」には取扱説明書はついていませんので操作方法を簡単にまとめてみます。といっても書くほどの内容はあまりないのですが。

まず、購入時の表示言語は中国語ですが英語にも対応しており変更が可能です。
表示言語の変更などの設定変更は、「microSDを入れずに電源をON」にすることで各種設定メニューの画面になります。またカードが入っている場合は「再生画面で左ボタンを長押し」でも同じ画面になります。
中国語メニューの場合、左右ボタンで「系统设置」を選び中央のボタンを押します。
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ここで言語を「English」に変更してから、中央のボタンを押せばメニューが英語に変わります(以降は英語メニューにて設定を確認します)。
各種設定の画面にはファイル内容を参照する「Explorer」、イコライザ値設定の「EQ」、DACモードおよびデジタルフィルタを設定する「DAC」といったメニュー項目があります。
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非常にシンプルな設定内容ですの表面のボタン操作のみで直感的に設定が可能だと思います。
最後に「Play Now」でいちど再生画面に移動する操作を行うことで言語設定の変更が保存され次に電源を入れ直したときも設定内容が反映されます。特に表示言語はこの操作をしないと電源を入れ直した後に変更前の表示に戻ってしまう場合があるようですね。

microSDカードを挿入した上で電源をONにすると、カードの読み込みが行われ再生が開始されます。最初にカードを入れたときは冒頭からですが、次に電源を入れ直すと前回再生していたファイルからになります。曲名表示は1行目がフォルダ名2行目が再生中のファイル名です。また上下には曲データの種類や曲の進捗、ヒストグラムなどコンパクトな画面ながら十分な情報が表示されます。

Zishan Z3再生画面でのボタン操作は

中央ボタン 再生/一時停止
右 ボタン 1回押し:次の曲へ 長押し:早送り
左 ボタン 1回押し:前の曲へ 長押し:設定メニューへ
上 ボタン 音量・再生設定画面へ
下 ボタン ファイル参照(Explorer)
となっています。


上ボタン」を押して音量・再生設定画面の画面にはいると、上下で音量調整右が再生モード変更(単曲、フォルダ単位、全曲およびシャッフルする/しない)、左がイコライザのON/OFFの設定となります。
Zishan Z3Zishan Z3Zishan Z3

また、「下ボタン」でファイル参照(Explorer)画面にはいると、上下でファイル移動左がフォルダ移動右が再生画面に戻るボタンとなり、ファイルを選び中央のボタンを押すと再生(Play)または削除(Del)が選べます。
Zishan Z3Zishan Z3Zishan Z3

ちなみに表示言語が中国語(簡体)モードと英語モードの対比は以下のようになります。

Zishan Z3全部 All 単曲 Only One
文件夹 Folder
循环 Order 随机 Shuffle

播放 Play 删除 Del

EQ已开启」 : EQ ONedd
EQ已关闭」 : EQ OFFed

以上が「Zishan Z3」の操作方法です。一度分ってしまえばシンプルな画面ながら普通のDAPとしてひと通りの操作はできると思います。


■反応のよいイヤホンでもホワイトノイズなし。AK4490らしいクリアなサウンドを実現

Zishan Z3」の内部構造は、DACチップに「AK4490」を搭載しているほか、LPF(ローパスフィルタ)に「OP275」、ヘッドホンアンプに「LM4562」のオペアンプをそれぞれ搭載しています。また「LM4562」は交換が可能になっています。
Zishan Z3

実際に聴いてみた「Zishan Z3」のサウンドですが、気がつくとAK4490系DACを搭載したプレーヤーばかり持っている気がしますが、それらと比較しても味付けの少ない非常に素直なサウンド、という印象です。AK4490を搭載したDAPは総じて解像度が高い印象がありますが、「Zishan Z3」も想像以上にS/Nが高く描写がしっかりしていることに驚きました。5千円くらいでこんな「ちゃんとした音」がでるんだ~と思わず感心しきりです。
さらに「Shure SE535LTD」や「qdc Neptune」といった非常に感度の高いイヤホンでもホワイトノイズが全く発生しないのも驚きです。「Zishan Z3」のボリュームは最大31までの調整となりますが、これらのイヤホンでは15~17くらいの音量で使用することができました。
Zishan Z3Zishan Z3
いっぽう高い出力が求められる「AKG K712 Pro」や「RHA CL750」でも25程度のボリュームで十分な音量を取ることができました。非常にコンパクトなサイズですが、なかなかの実用性の高さです。

また、「Zishan Z3」のヘッドホンアンプ部に搭載されるオペアンプ「LM4562」は交換が可能です。精密ドライバーで上下のフタを外すと簡単に基板が露出し、ソケット挿しになっている「LM4562」の交換が可能です。自分に合った音のオペアンプへ交換することで「Zishan Z3」の標準のサウンドより厚みや濃度を増したり、さらにメリハリを高めたりなどより好みの音に変化させることが可能です(私は手持ちの「OPA2604AP」へ交換しました)。「OPA2604AP」の場合、交換により解像度の高さやクリアさは維持しつつLM4562より音場に厚みがでて音が少し濃くなった印象を受けます。
Zishan Z3Zishan Z3
いっぽう、ラインアウト(LO)端子へポータブルアンプを接続するのも手っ取り早い方法です。上記の内部構成図をみると、ラインアウト端子はヘッドホンアンプ部を経由せずLPF(ローパスフィルタ)から直接つながっており、内蔵アンプの代わりにポータブルアンプを使用できる構造になっています。ラインアウト出力もボリュームによって音量が変わるため、ポータブルアンプを接続する場合は音量を最大値(=31)にします。手持ちのコンパクトなポータブルアンプ「ALO Rx」と組み合わせて使用してみると改めて「Zishan Z3」の小ささを実感しますね。

なお、ポータブルプレーヤーとしてだけでなくPC/MacにUSBケーブルで接続することで小型USB-DACとしても使用することが可能です。ただし利用できる周波数は16bit/48kHzのみとなるため利用は限定的だとは思いますが、iTunesなどのプレーヤーからの再生で使用では良いかもしれませんね。利用方法は上記の設定画面に入り「DAC」メニューでUSB-DACをONにします。あとはPCやMacに接続すればドライバーなしで認識し使用できるようになります。
Zishan Z3Zishan Z3


(追記)ところで、「Zishan Z3」は購入時のファームウェアのバージョンは「0.1」だったのですが、「0.2」という少しだけ新しくなったものが出ているということでしたので早速アップデートしてみました。
ファームウェアは こちら にありました。
ただファームウェアの置いてある「百度网盘」は通常の方法ではダウンロードできないようなので、ネットで見つけた以下の記事を参考にダウンロードしてみました。

百度网盘[百度雲/百度云]を登録&ログインなしでダウンロードする方法
Zishan Z3 Zishan Z3
ダウンロードした「ZiShan_Z3_0.2.rar」を解凍し、「z3app.bin」ファイルをmicroSDのルート直下にコピーします。また同じところにイコライザーの設定テンプレートも置いてあったので、こちらも解凍したフォルダをコピーしました。あとはmicroSDを本体に挿入して起動すれば自動でファームウェアの更新が行われ、バージョン「0.2」へ更新されました。
Zishan Z3Zishan Z3
またイコライザも「Explorer」で参照し読み込むと設定が反映されEQ設定が自動でONになるようです。ダウンロードしたテンプレートにはさまざまなイヤホン・ヘッドホンなどに最適化した180種類のテンプレートが入っていました。なかなか楽しそうなので後日じっくり遊んでみたいと思います(またテンプレートもテキストファイルでしたので自作も可能そうです)。



というわけで、「Zishan Z3」はとてもリーズナブルながら十分に実用的な機能性および音質で、さらにいろいろ「遊んでみる」こともできるDAPでした。さすがにメインプレーヤーになる存在ではないですが、バッテリーの持ちもそこそこ良いようですので外出先のお供にひとつ購入してみるのも面白いですね。

プロフィール(Twitterアカウント)
カフェで息抜きにイヤホンとかのブログ書いてます。Apple好きのおっさん。食べるのも好き。普段はIT系のお仕事。自宅は福井県ですが都内で単身赴任してます。ポタオデは趣味で出張のお供。美音系/モニター系の音が好みです。自宅ホームシアターもそろそろ改造したいな。
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レビュー依頼等は bisonicr.keep.walking@gmail.com までお願いします。内容を確認の上ご返答申し上げます(返信の無い場合はご了承ください)。


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