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ガジェット好きのおっさんによる、趣味的レビュー。ちょっとイイけどお買い得、そんなアイテムに目がありません。

「Shanling M2s」コンパクト&高音質DAPがやってきた【導入・音質編】

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■待ちに待った、アイツがやってきた。

というわけで、ようやく届きました。先日「EN700 BASS」のレビューでも予告した「Shanling M2s」です。当初5月11日に出荷予定ということで、4月27日の予約開始と同時に注文をしたのですが、ファームウェアのバージョンアップの関係かメーカー出荷が遅れ、約1か月待ってようやく手にすることができました。

imageShanling M2s」は、現在海外版のみの販売で中国AliExpressの複数のショップで取り扱いがされています。私はTwitterで最初にアナウンスを行ったEasy Earphoneで予約開始後すぐに購入しました(どうやら同ショップで最初の購入者だったようです^^)。
購入サイトはこちら:
AliExpress(Easy Earphone):Shanling M2s

価格は199ドル。この価格で本体とオプションのレザーケースも1種類付けてくれます。

従来機種のShanling「M1同様、今後間違いなく日本国内版も発売され、その際は2万円台の価格設定になると思われますので、同価格帯の中華DAPで先行する「Cayin N3」はもちろん、ソニーのウォークマン「NW-A30」シリーズも射程に置いた意欲的な価格設定といえるでしょう。
そして音質などの性能面は、より上位の価格帯の製品とも十分に渡り合える仕上がりになっています。


■人気モデルShanling「M1」を踏襲しつつ、大幅にグレードアップ
あらためて、「Shanling M2s」は、中国のオーディオメーカーShanlingの期待の新機種。
もともとShanlingは据置オーディオ機器の自社ブランド及びOEMで以前から実績のあるメーカーだそうですが、なんといっても、最近はそのコンパクトさと抜群のコストパフォーマンスで一躍人気機種になった小型DAP(デジタルオーディオプレーヤー)の「M1」ですっかりオーディオファンの間ではおなじみになったメーカーです。
今回登場した「M2s」はM1の上位モデルM2の後継機種にあたる位置づけです。

image外観はM1のデザインを踏襲しつつ、多少のサイズアップをしたうえでDACに「AK4490EQ」、オペアンプに「MUSES8920」「TPA6120」を搭載するなど音質面を大幅に強化。大きくなった、とってももともと「M1」が非常に小型だったため「M2s」も十分にコンパクト。最近ほぼ一昔前のスマホ並みかそれ以上のサイズのDAPを使っていると、ワイシャツの胸ポケットに入れても全く差し支えないM2sのサイズ感は逆に新鮮です。
また手にした感覚は、質感の良いアルミ製ボディの存在感をしっかり感じる「重さ」でありながら無駄に「重い」わけではないちょうど良いバランスです。



■シンプルなパッケージング。付属の保護フィルムはかなり難易度高し。
Shanling M2s」の本体パッケージの内容はいたってシンプル。
また本体とは別パッケージで専用のレザーケースが同梱されてきました。
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本体の付属品は本体およびType-C仕様のUSBケーブル、保護フィルムを表面・裏面用が2枚づつ、micro SD用のUSBカードリーダーとリセットボタン用のピン。最後の2つはなくても支障はありませんが、こういう細かい気遣いはうれしいですね。
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レザーケースは「黒」「青(紺)」「ブラウン」「レッド」が選べ、単独でも12ドルほどで販売されています。現在手元にあるのは紺色のケースですが、現在ブラウンが発送中で、追加でレッドも注文しました。
ところで、表面用の保護フィルムですが、そもそも本体の凸型のガラス面に加え、ちょうど位置合わせの場所になる右上のカーブ部分がガイドテープで隠れている関係で壮絶に張りにくい!
私は・・・失敗したので表面のフィルムは断念しました( ゚Д゚)。
たぶん本体の下から上に張ったほうがきれいに張れると思いますよ。

本体サイズは53mm×85.6mm×14.5mm、100gのコンパクトなボディに3インチ800x480ピクセルのディスプレイを搭載。「Retina」とメーカーサイトに表現されているディスプレイは非常にきれいで、日本語フォントもアンチエイリアシング処理により美しく視認性の高いものになっています。
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画面は「M1」と同様にタッチパネルではなく、右側のダイヤルと左右のボタンによる操作です。ただし、レスポンスは非常に警戒で操作性に迷うことはありません。
右側のダイヤルを回すことでスクロール(再生画面はボリューム調整)し、ダイヤルを押すことで選択されます。ダイヤルの下のボタンが「戻る」、左側はイヤホンのマイクリモコンと同様の再生・停止と曲送り・戻し(長押しで早送り・巻き戻し)。画面スリープからの復帰は本体上部の電源ボタンで行います。
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データはmicro SDXC対応のスロットがひとつ。
インターフェースはUSB 3.0仕様のType-C型コネクタなのは「M1」と同様です。
レザーケースはしっかりしたつくりで本体をしっかりホールドしてくれます。
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■片手で迷いなく使えるダイヤル&ボタン操作
購入後最初に電源を投入すると、表示言語の選択が表示され、「日本語」を選ぶと以降は問題なく日本語表示で使用できます。
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基本操作は「M1」や同系列のOSを搭載していると思われる「Hidiz AP-60」や「Cayin N3」等ともよく似ていますが、「M1」同様にダイヤル操作での使い勝手を良く意識されており、違和感はありません。また「M1」と異なりダイヤルが背面ではサイド装着されたためより片手での操作がしやすくなった印象です。

曲データをコピーしたmicroSDを挿入したり、USB経由でコピーを行うとライブラリの更新を行います。スキャンは1000曲以上入っていても30秒~1分程度とさほどストレスを感じるレベルではありません。
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データは普段使用している「AK300」や「X5 3rd」で使っているmicroSDカードを差し替えてプレイリストも含めそのまま使用できました(プレイリストは「ファイル」アクセスから.m3uファイルを選択)。また再生画面でもダイヤルを長押しすることでメニューを表示させ、設定画面などへの移動が可能です。

タッチパネルではないのはコスト上やむを得ないとも思えますが、ダイヤルおよびボタンの使い勝手は非常に良く、片手で迷わず使える操作性はこのサイズではむしろ合理的に感じました。



■この価格帯では驚異的な音質。「高出力」「低ノイズ」でちょっと「押しの強い」サウンド。

さて、前評判もかなり良好だった「Shanling M2s」ですが、実際に聴いてみると、確かにそのクオリティの高さに驚きました。あくまで個人的な印象ではあるものの、現在販売されている同価格帯の他のDAPの音質を凌駕しているだけではなく、より高価格帯に位置する普段使いの「Astell&Kern AK300」や「FiiO X5 3rd gen」ともなんら遜色ないレベルに感じました。まさに「驚異的なサウンドクオリティ」です。

Shanling M2s」は、スペック的には384kHz/32bit PCMおよびDSD256(5.6MHz)のネイティブ再生に対応し、DACには多くの高音質DAPで採用されているAK4490(正確にはAK4490EQチップ)を搭載しています。
3e3962ceAK4490というと、私が使っている「AK300」および上位モデルの「AK380」「AK320」の第3世代および最新機種の「KANN」などのAstell&Kernを筆頭に、各メーカーの高性能DAPなどで相次いで採用されている高音質なDACチップ。音質傾向はAstell&Kernの第2世代で採用されたCS4398に近く、高スペックで解像度が高く、またメーカー側で音質面のコントロールがしやすいことが第3世代AKで採用された理由と言われます。同じく所有している「FiiO X3 3rd gen」に搭載されるAK4490EN(小型DAP向け)、そしてM2sに採用されたAK4490EQ(スマートデバイス向け)と派生してもその高音質は変わらず、当面は第一線の人気DACチップとして多くのデバイスに搭載されそうです。

いっぽう、「Shanling M2s」を最初に聴いた感想は、非常に解像度が高く、音場感もあるサウンドですが、それ以上に印象的なのは全域で非常に「濃度の高い」サウンドであるということ。普段使いの「AK300」は良くも悪くもフラットかつダイレクトな音が特徴ですが、同系列のDACでも対象的なサウンドです。
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また、コンパクトなボディにもかかわらず、非常に出力は大きく、ゲイン設定を「ロー」にしてもマルチBAのイヤホンで最大音量100のうち25〜30くらいのボリューム値で十分な音量が取れます。
さらに、ヘッドホンのなかでも反応が低く鳴りにくいと言われる「AKG K712 Pro」が同じくローゲインで60〜程度のボリューム値で十分な音量になりました。

そして、全体的な印象としては「Shanling M2s」の音色傾向はかなり硬質な部類だと思います。

imageただ、硬質で高出力だからといって「元気な音」とは多少異なる感じです。一般的に「元気な音」と例えられるDAPと比較すると、各音域に濁りはなく、非常に分離感の高いサウンドで、音源の「聴かせたい部分」を明確に伝えようという意味で、どちらかというと原音を着実に鳴らそうとという「職人」気質な硬さ、言い換えれば「押しの強さ」を感じるイメージです。
この音がAK300などのフラットでなDAPと比較すると逆に「濃い音」に感じるのでは、と思います。
いっぽうでアナログ的なウォームさを特徴とするDAPも同様に「音の濃い」演出がされますが、これらの「丸みのあるサウンド」と比較すると、「Shanling M2s」は上記のような特徴ゆえに、曲によっては高音もかなり刺さり、「エッジの効いたサウンド」に感じるかもしれません。

どのような驚くほどの高出力とノイズの少なさから、どのイヤホン・ヘッドホンとの組み合わせでもそのサウンドクオリティを体感できますが、より解像度を求めるならばノイズの少なさを生かしてマルチBAの「多ドライバ」のイヤホンやカスタムIEMとの相性が良いと思いますし、逆にリスニング性を上げるためにはシングルのダイナミック型でレンジの広いイヤホンが気持ち良いと思います。
M2sに合わせて購入したSIMGOT「EN700BASS」との組み合わせも良好でした。

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また、手持ちのイヤホンのなかでホワイトノイズがもっとも乗りやすいShure「SE535LTD」を標準ケーブルで接続してみた場合も、目立ったノイズは感じられず、非常にクリアなサウンドであることが確認できました。この点は、先日FiiO「X5 3rd gen」のレビューをした際に、SE535LTDではバランスでもアンバランスでもホワイノイズがあったことを記載しましたが、ノイズ面ではShanling M2sの方が優れている、ということになってしまいました。

実はこの「高出力」「低ノイズ」で「押しが強い音質傾向こそが、「Shanling M2s」を紐解くカギではないかと感じています。


■「Mojo」を彷彿とさせる、デジタルで構築した音作り。「中華DAP」のひとつの回答かも。
個人的な話ですが、「Shanling M2s」が届いた翌日から主張が入っており、移動の新幹線のなかで、宿泊先で、移動先で仕事の合間にと、いろいろなシチュエーションで集中してリスニングを行うことができました。そして音質傾向そのものは全く異なるものの、「Shanling M2s」の音作りのアプローチに「Mojo」的なものを感じました。image

「Shanling M2s」は既存モデルで下位機種に位置付けられる「M1」と同様に、USBポートからUSB-DACとして使用できるだけでなく、OTGケーブルで接続することで別のUSB-DACを接続して再生する「トランスポート機能」に対応します。

Shanling M2sのサイズ感は、トランスポート先のUSB-DACとして最も定評のある「Mojo」ともベストマッチで、私自身もM2sとMojoの組み合わせを購入前から想定していました。
しかし今はこの組み合わせは「意味あるかな」とちょっと思い始めています。

Chord社の高性能DAC「Mojo」は音質傾向そのものはもちろん「Shanling M2s」とはまったく異なりますが、M2sの設計アプローチにある意味Mojoと通じるものを感じました。
mojo一般的なUSB-DACがチップでのD/A変換後の「アナログ的な音作り」に注力しているのに対し、MojoをはじめとするChord社の製品では徹底的にデジタルにこだわり、可能な限りアナログ的な部分を排除することで高出力と高S/N、そして唯一無二の音質傾向をつくっています。
そして「Shanling M2s」のコンパクトながらとてつもなく大きな出力が取れつつ、ローゲインでIEMのようなイヤホンでもホワイトノイズが全く乗らない、という特徴はまさに「Mojo」そのものです。

あくまで個人的な印象というか推測ですが、コンパクトなボディで、かつコストのかかるアナログ的なアプローチを取りにくい価格的な制約の中で、ShanlingはM2sでMojoと同様のアプローチを目指しているのではないかと思います。もっとも、Mojoはオペアンプを使わず出力を確保した上でD/Aを行っている認識ですが、M2sで似たアプローチができているのは結構不思議ではあるんですけどね。

imageちなみに、先日レビューした「FiiO X5 3rd gen」では、アンプ部の処理で高出力を維持しつつ、バラウンスアウトに対応させた結果、コスト的に反応の良いイヤホンではホワイトノイズを駆逐できませんでした。ただ、その分アナログ的な音作りは同価格帯のDAPのレベルを軽く超えていて、相性の良いイヤホン・ヘッドホンでは抜群のサウンドを実現します。
これに対してShanling M2sは高いラウドネスとS/Nを両立できたいっぽうで、アナログ的な「音の丸み」はなく、硬質なサウンド傾向になるしかなかった、とも言えるでしょう。

もちろん、これは良し悪しではなく、各メーカーの考えるアプローチやマーケット的に「置かれている状況」による「個性」であると考えています。
アコースティックな領域を極めるためにはソニーの「NW-WM1Z」あたりに代表されるように、技術的な難易度も高く、相応にコストがかかります。ましてやコンパクトなDAPでの実現には無理があるでしょう。「Shanling M2s」のアプローチは、デジタル的な組み合わせでどこまでローコストで高性能なものを生み出すかという、「王道」的な考え方そのものかもしれません。そのような意味で、「Shanling M2s」はこのクラスの中華DAPにおける現時点での「回答」になりうる機種ではないかと思います。

まあ個人的には所有する同じ「AK4490」系列のDACチップを搭載した3種類のDAPがどれも全く異なる音質傾向で「被らない」ことを大変うれしく思っておりますが(笑)。

というわけで、まずは「Shanling M2s」の使用レビューを紹介しましたが、引き続き、Bluetoothなどの各種機能や操作性、そして上記のもあげたMojoなど外部連携などを次回は掘り下げてみたいと思います。
(つづく)


というわけでSIMGOT「EN700 BASS BLUE」を購入しました。【青チーム】

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■そうだ、「青チーム」をつくろう。

あいかわらずワケの分らない見出しですね( ´ ▽ ` )。
というわけで、SIMGOT「EN700 BASS」のブルーモデルを購入しました。

一部ではすでに説明の必要もないくらい有名なイヤホンになっていて、多少のいまさら感はありますが、5月に入り新たに青色のモデルが追加されたこともあり、勢い購入しました。
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このブログサイトも「赤い」カラーのテンプレートデザインを使っていますし、私自身も自称「赤チーム」とか言いながら、「SE535LTD」以下、ポタオデ関係も結構赤色で揃えています。そいえば「FiiO X5 3rd」も海外版のレッドで購入しましたし、メインの「Astell&Kern AK300」最近赤色のカバーを買いましたね。
そうなると本来の私なら「EN700 BASS」も「レッドモデル」を発売時点で予約買いでしょー、ってなるハズだったんですが、ちょうど仕事が立て込んでたりと諸々あって購入のタイミングを逸しておりました。

ただ、春先「EE846 5BA」に購入をした辺りから青色のアイテムも揃えてみようかな、と思い始め、「Shanling M2s」の海外版の予約開始と同時にブルーモデルをオーダー。そうなると、イヤホンも有名選手がひとつ欲しくなり、ちょうどそのタイミングで未購入の「EN700 BASS」のブルーモデルが発売されたので合わせて買ってみようかな、ということにしました。

もっとも「Shanling M2s」は絶讃出荷延期中でまったく手元に届いていないので、また「青チーム」はできあがっていないんですけどね(-_-)。


■いまさらですがのSIMGOT「EN700 BASS」について

SIMGOT
EN700 BASS」は、同社の「EN700」というイヤホンの改良型モデルとしてリリースされました。また開発者がかつて中華イヤホンの名機といわれた「KC06」「KC06A」の開発メンバーであることも知られています。
私も「KC06A」と「EN700」は所有していますし、「EN700」については過去にブログにて紹介しています。
→ 過去記事:【高音質イヤホン】アラウンド1万円なお買い物♪「MaGaosi K3 Pro」「SIMGOT EN700」「Whizzer A15」

この「EN700」が個人的にかなり気に入っていて、「わざわざBASSのほうも買う必要ないじゃん」と思っていたのも最近まで購入しなかった理由のひとつでした。

imageさて、実際の使用感や音質傾向についてですが、まず「EN700 BASS」については、国内販売元のIC-CONNECTさんのサイトにてこのイヤホンの特徴が大変詳しく解説されており、また販売開始時のキャンペーン等もあって、既に多くの非常に素晴らしいレビューがネット上で掲載、同製品ページでも紹介されています。
一般的に輸入元はメーカーの受け売りだけ、あるいは商業サイトの広告記事的な紹介で、というところも多いなかで、この製品については販売元自身が日本向けに「咀嚼して」カスタマーに伝えようとされていて、とても好感が持てます(もちろん予算的な理由もあるのだと思いますが、別業種で個人的に仕事で融通の利かない輸入元を相手にすることが多いもので、ついその努力に敬意を感じてしまいます^^;)。
IC-CONNECTさんのEN700 BASS 製品紹介ページ

そのため、いまさらこれらの説明やレビューに内容を被せてもあまり意味がないと思いますので、以下は個人的な感想メインで紹介してみます。詳しくは上記ページとそのリンクの各レビューをご覧ください、ということで(ぉぃ)。


■EN700からの
形状変化がもたらすフィット感。ただイヤーピースがフィットするとは限らない。

imageまず、装着感についてですが、「EN700 BASS」になって前モデルの「EN700」よりわずかにハウジングの厚みが薄くなっています。このわずかな差はけっこう装着感には影響があり、特にあまり大きなイヤホンは装着できない方でも耳に収まる絶妙なバランスになっています。

しかし、ハウジングがすっぽり収まるかわりに、イヤーピースを耳穴にフィットできるようハウジングをベスポジションにあわせるための「遊び」の部分がほぼないため、必ずしも標準のイヤーピースでしっくりくるとは限らないのが注意点です。
特に耳穴の小さい方や、私のように耳穴がちょっと奥まっている人はしっかり固定できないことがありますし、実際はしっかりフィットしていないため遮音性が他のイヤホンより低いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。また場合によっては特に高域の抜けが悪く感じるケースもあると思います。

imageこのような場合は、柔らかめのウレタンフォーム、SpinFitなどの耳穴へのリーチが取れるイヤーピースなど、いろいろ試してみて一番フィットするものを選ぶのがよいと思います。

私はいろいろ試した結果、「EN700」も「EN700BASS」も何故か100均(セリア)のウレタン製イヤーピースに落ち着きました(適度に小さくて適度に柔らかく、ちょうど良かったので)。

ちなみに、標準のイヤーピースは、ざっくりいうと穴の大きい方(よりノズルの露出の大きい方)が中高音傾向で、小さい方が低音傾向ですが、このイヤホンの「味」は個人的には「穴の大きい方」だと思っています。
「BASS」って言うくらいだから普通「低音傾向」の方じゃないか、という意見もあるかと思います。ただあくまで個人的感想ですが「EN700 BASSは低音イヤホンじゃない」ので「低音が欲しければ同価格帯でもっと向いてるイヤホンありまっせ」と考えています。ですので、もしイヤーピースを変える場合も「穴」は大きい方がいいですよ(笑)。


■「EN700 BASS」のサウンドは、実は低音のキレもいい「濃厚なフラット」

というわけで、の音質傾向についての感想ですが、「EN700 BASSは低音イヤホンじゃない」という事はそもそも上記のIC-CONNECTさんのページにもしっかり書いてあります(笑)。
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実際に聴いた「EN700 BASS」の印象は「とても濃厚なフラット」でした。

もともとベースになった「EN700」は、以前紹介した際は「とてもフラットな、まろやかサウンド」と表現したのですが、実際はちょっと中高域偏重の特性のうえでモニターライクに感じる適度な距離感があることで自然な音場表現を作っているイヤホンでした。

EN700 BASS」では微妙なハウジングの形状変化や、ケーブルの変更などにより、より完全なフラットに近づけ、それぞれの音の「濃さ」を増している感じです。実際は距離感や音場感はEN700とほとんど変わっていないと思いますが、低音を含むすべての音域で量感がアップし、低音についてはキレの良さを感じるようになりました。またケーブルの変更により解像度は多少向上している可能性があります。しかし、EN700 BASSは非常に濃厚かつ色鮮やかなサウンドで、この2つのイヤホンは同じ音色傾向ながら全く違うサウンドに聞こえてきます。
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例えるなら同じメーカー(色味)の水彩絵の具でも、水彩色鉛筆と水彩アクリルの発色くらいの違いがあります。BASSが改良型や低音強化型というより、全く2つの異なる製品と考える方が良いかもしれません。
多くの音源では「EN700 BASS」の彩りの濃さが良く感じますが、あえて「EN700」のような柔らかなサウンドも聴きたい、という曲やシチュエーションもあるだろう、という印象です。

「EN700」もそうでしたが「EN700 BASS」はこのクラスのイヤホンにしては珍しくリケーブルができない仕様ですが、ハウジング・ケーブルを含めて「この音」を作り込んでいるのだと考えれば納得のいくところです。


■「フラット」とは決して「平坦」ではない。ただし、「濃さ」故の向き不向きもある。

ところで、音質傾向で「ドンシャリ」「カマボコ」「フラット」などと表現されるとき、「フラット」な音、という言葉でどのような印象を受けるでしょうか。もしかしたら「平坦な音」「味気ない音」のようなイメージをもつ人もいらっしゃるかもしれません。

あくまで私の測定環境での結果ですが「EN700 BASS」の周波数特性は決して低音が強いわけでなく、実は、下から上まで非常にきれいな「フラット」な音質傾向でした。
単純に周波数特性だけ見ればEN700 BASSはSE535などのモニター用イヤホンに非常に近いカーブを描いています。「濃厚な音」のEN700 BASSのイメージとは結構異なる結果かもしれません。
もちろんSE535とはドライバ構成はもちろん、音質傾向もEN700 BASSとは似ても似つかないほど全く異なります。
しかし、解像度や分離感、さらに音場表現の「演出」は周波数特性とはまったく別のところでつくられますが、「フラット」であるというとは、すべての音域についてより原音に近いバランスで表現されるため、「演出」はよりダイレクトかつシビアに反映される、とも考えられます。
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そういった意味で、「EN700 BASS」は同社のEN700、そして同じ系譜に捉えられるKC06・KC06Aのなかで、もっとも濃厚に、色鮮やかに音を演出しているイヤホンではないかと思います。

ただ、フラットである、ということは全域にわたって同様の音圧があるということなので、「EN700 BASS」の場合、曲によっては中低域に濁りを感じたり、高域の不足を感じたり、全般的に「うるさく」感じる場合もあります。

もちろん、EN700 BASSがダイナミック1発のドライバー構成であるためマルチBAのイヤホンとはタイプが異なるという、そもそもの理由も考えられます。いっぽう、最近の楽曲は全般的にラウドネス値が高い傾向にありますが、その上で、曲の種類によりドンシャリなどの「フラットじゃない」環境で多く聴かれることを想定してマスタリングしている場合、EN700 BASSの「濃さ」が裏目に出るケースもあるのではないかと思います。

image確かに、「EN700 BASS」はジャンルを選ばずかなりオールマイティに楽しめるイヤホンだと思いますが、それでも向き不向きの曲はあります。

例えば、あくまで個人的な好みとしては、EN700 BASSでJ-POPやアニソンで結構厳しいと感じる曲がありました。また、個人的にもともとあまり聴かないのですがメタル系も得意じゃないかもしれません。

いっぽう全般的に邦楽より洋楽のほうが新旧問わず非常に気持ちいいですね。
Spotify」や「Apple Music」のお供にはかなりいい感じです。

imageとはいえ、「EN700 BASS」を組み合わせるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)は、これらのストリーミングが使える「FiiO X5 3rd」よりフラット度の高い「Astell&Kern AK300」のほうが個人的には好みなのですが(ただ低音はX5 3rdのほうがより感じるので逆の好みの方も多そうですね)。
あとは、ブルーの「Shanling M2s」が届いたらどんな相性になるか、楽しみです。

Twitterを見ていたら、「EN700」「EN700 BASS」の両方が「VGP2007 summer」を受賞したそうで、今後中華イヤホンのくくりを超えて、マニアからより多くの方に知られる存在になっていくのだと思います。このような質の高いイヤホンがますます増えてくると嬉しいですね。

というわけで、次回「Shanling M2s」のレビューに続きます。(なんですかこのオチは)

プロフィール(Twitterアカウント)
Apple好きのおっさん。普段はIT系のお仕事。自宅は福井県ですが都内で単身赴任中。ポタオデは趣味で出張のお供。AK300/Mojo/X5III/SE535LTD/AKG好き/中華イヤホンも。美音系/モニター系の音が好み。食べるのも好き。カフェで息抜きにブログ書いてます。自宅ホームシアターも改良したいな。
※連絡などは bisonicr.keep.walking@gmail.com またはTwitterのDMまで。

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