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「MaGaosi MGS-401」 バランスの取れたリスニングサウンドが心地よい、中国磁器を連想させる個性的シェルの4BA高音質中華イヤホン【レビュー】

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MaGaosi MGS-401

こんにちは。今回も中華イヤホンブランド「MaGaosi」の最新モデル「MaGaosi MGS-401」の紹介です(「MaGaosi K4-BA」と表記する場合もあり)。「MaGaosi」は主に100ドルオーバーのミドルクラスの中華イヤホンで代表的なブランドのひとつです。そして今回の「MaGaosi MGS-401」は「4BA」仕様のモデルで、デザイン的にも中国陶磁器の印象を持つ個性的なブルーのシェルを採用したイヤホンとなります。
全体的にリスニング寄りのチューニングではあるもののフラット傾向のサウンドバランスで、個人的にも最近のミドルクラスのマルチBA中華イヤホンのなかでもかなり気に入っているサウンドでした。また、ポテンシャルの高さからリケーブルの効果も大きく、アンダー2万円のイヤホンとしては十分にお勧めできる製品だと思います。

MaGaosi K3-BA MGS-401ちなみに、前回レビューをした「MaGaosi K3-BA」は、「MaGaosi」ブランドを中華イヤホンのメジャーな存在に押し上げた「K3」シリーズの最新モデルとして登場。「MaGaosi K5」同様のクリアシェルを採用しつつ、かつての「K3 Pro」「K3 HD」を彷彿させるステム部分の交換式フィルターを採用するなど「新しさ」と「K3らしさ」の両方の特徴を反映しています。さらに、より多くの再生環境での使いやすさや中低域メインの聴きやすいサウンドバランスなど、「現在のMaGaosi」での「K3」を再構成したイヤホンに仕上げられているという印象になっています。
「MaGaosi K3-BA」 あの「K3」がデザインもサウンドも完全に一新! クリアシェルとサウンドフィルター搭載の3BA中華イヤホン【レビュー】

そして今回の「MaGaosi MGS-401」は、「K3-BA」(3BA)および「K5」(5BA)、または中国で販売されているKnowles製BAによる3BA構成の「MaGaosi X3」といった現在のマルチBAモデルは全く異なるシェルデザインの製品となっています。「MaGaosi MGS-401」の最大の特徴ともいえる青い模様のシェルは中国の陶磁器を連想させるデザインで、ライトブルーの「琥珀模様」と、濃い青の「青花磁器模様」の2種類のバリエーションが用意されています。なお、同様のブルーの模様は、最近ではMMCX仕様でリファインされた新バージョンの「MaGaosi BK50」(1BA+1DD)で採用されているようです。
MaGaosi MGS-401MaGaosi MGS-401

サイトでの情報によると、「MaGaosi MGS-401」の4基のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーの構成は、低域にKnowles製ウーファー「CI-22955」を使用し、中高域にはそれぞれ同社カスタムBAを採用している模様。構成としては低域×1(CI-22955)、中域×1高域×2 の3ウェイ仕様になっているようです。中高域のカスタムBAの仕様が確認できないため一概にはいえませんが、内容としては「K3-BA」の低×1:中×1:高×1(低域は同様にCI-22955)と比較して高域を1BAから2BAに増やした構成、と推測できなくもないですね。
ただし、「MaGaosi MGS-401」はインピーダンス18Ω感度118dB/mWとマルチBAイヤホンらしい反応の良さを持っていて、比較的インピーダンスの高い「K3-BA」とはかなり異なる仕様となっています(「K3-BA」は28Ω、108dB/mWと3BAイヤホンとしては比較的鳴りにくいセッティングとなっています)。そのため音質面においても両者では単純にドライバーの数だけではない「違い」があるのではと考えられます。

MaGaosi MGS-401MaGaosi MGS-401
MaGaosi MGS-401」では「MaGaosi K5」の後期タイプ以降で採用されている銀メッキ線と銅線のミックスケーブルが付属しており、標準の「3.5mmステレオコネクタ」仕様と、「2.5mm/4極バランスコネクタ」仕様の2種類が同梱されています。さらにAliExpressでは2.5mmバランスケーブルの代わりにCSR8645チップを採用し「apt-X」コーデックに対応したBluetoothケーブルが同梱されたセットをオーダーすることも可能です。

購入はいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」にて。カラーは「琥珀模様(ライト ブルー)」と「青花磁器模様(ディープ ブルー)」の2色を選択することができます。
MaGaosi MGS-401MaGaosi MGS-401
AliExpress(中国からの発送)での表示価格は159ドル(3.5mmケーブル+2.5mmケーブル)、169ドル(3.5mmケーブル+Bluetoothケーブル)となっています。また、Easy EarphonesのTwitterアカウント(@hulang9078)フォローすることでフォロワー値引きを受けられると思います。AliExpressでの購入方法およびフォロワー値引きの手順はこちらをご覧ください。
AliExpress(Easy Earphones): MaGaosi MGS-401

またアマゾンでもEasy Earphonesが運営するストア「WTSUN Audio」にて18,200円(3.5mmケーブル+2.5mmケーブル)にて販売しています。アマゾン倉庫に在庫があれば発注後プライム扱いですぐに届きますし、アマゾン経由なら万が一の場合の保証も安心ですね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): MaGaosi K4-BA (MaGaosi MGS-401)

なお、Easy Earphones(@hulang9078)およびWTSUN Audio(@Zhuo520X)のTwitterアカウントでは割引情報等が頻繁にツイートされていますのでこまめにチェックされることをお勧めします。


■中国の陶磁器をイメージしたデザインが美しい、装着感にも優れたハウジング

MaGaosi MGS-401」のパッケージは現在のバージョンの「MaGaosi K5」と同様の黒いボックスとなっており、高級感を感じる内容となっています。
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パッケージ内容は「イヤホン本体」、本体装着済みの「3.5mmステレオ仕様のMMCXケーブル」、イヤーピース8ペア(「透明シリコンタイプ」大・小、「白色タイプ」大・中・小、「ダブルフランジ」大・中・小、「トリプルフランジ」1種類)、「説明書」、「イヤホンケース」、さらに「2.5mmバランスケーブル」(AliExpressでは「Bluetoothケーブル」に変更可能)が付属します。
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今回私はAliExpressでのみ選択可能なBluetoothケーブル付きをオーダーしました。アマゾンでも購入できるバージョンは3.5mmケーブルと一緒に2.5mm/4極のバランスケーブルが付属します。

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中国陶磁器の「青花」をイメージしたブルーのシェルは立体的に奥行きのある模様でどのようにこのシェルが製造されているのかとても興味深く感じます。ネットでは「磁器製シェル」という記述も見かけたのですが、内部的に磁器と同じ素材を使用している可能性はあるものの、表面はクリアーなレジンで覆われています。
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シェルの形状を「MaGaosi K5」および同じ4BAの「TENHZ P4 Pro」と比較すると、左右および高さにおいて「MaGaosi MGS-401」が少しだけ大振りのデザインであることが確認できます。またステムもより太さのあるデザインとなっています。
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少し大きめのハウジングですが装着性そのものは良好で、付属のイヤーピースのほか、装着部分の穴の大きいAZLA「SednaEarfit」、JVC「スパイラルドット」、acoustune「AET07」のようなイヤーピースも利用することが可能です。

ステムの先端は金属製のパーツで蓋がされており、3ウェイ(高域・中域・低域)の各BAドライバーにつながる音導管は先端部分を見る限り金属製が使用されているようです。ちなみに「MaGaosi K5」や「TENHZ P4 Pro」は透明な樹脂製(またはシリコン製)の音導管を使用しており、多少ながら音質傾向に変化を与えている可能性もありますね。
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上記の通り、付属のMMCXケーブルは「MaGaosi K3-BA」や後期ロット以降の「MaGaosi K5」と同じ銀メッキ線と銅線の4芯ミックス仕様となっています。またapt-X対応のBluetoothケーブルもMaGaosiオリジナルでよりケーブルのフィット感を高めるスライダーが付いておりスポーツでの利用にも向いた仕様となっていますね。


■中高域メインのフラットなバランス。立体的な音場感が心地よい完成度の高いリスニングサウンド

MaGaosi MGS-401」の音質傾向はフラットに近く、中音域がかなり濃い印象を受けることから曲によっては若干カマボコ寄りにも聴こえるサウンドです。各BAユニット間のクロスオーバーに不自然さは感じずバランスの取れたサウンドに仕上がっています。全体としてマルチBAらしい情報量の多さより、定位のしっかりした立体的な音場感をとても明瞭に表現している印象を受けます。
MaGaosi MGS-401高域はマルチBAらしい硬質な音でしっかり伸びる印象があります。刺さりは控えめで、高域成分の多い曲以外ではほぼ刺さりを感じないレベルにコントロールされています。ただし非常に敏感だった「MaGaosi K5」ほどではないものの、低インピーダンス・高感度の反応の良いマルチBAイヤホンらしく駆動力の高い再生環境では高域が多少強く感じる場合はあります。また情報量の多いバランスケーブル等にリケーブルすことによりさらに敏感に反応するためDAPやポータブルアンプによってはホワイトノイズが発生したり刺さりが強くなる場合もあります。
また中高域のフラットさはかなり心地よく、分離性の高さから感じる定位感の良さと立体的な音場はかなりの心地よさがあります。よりモニターサウンドにチューニングされた高価格帯のマルチBAのイヤホンのような情報量や解像度の高さはありませんが、これらの製品にはない音場感は「MaGaosi MGS-401」のリスニングイヤホンとしての特徴的な部分だろうと思います。
MaGaosi MGS-401広い音場は「MaGaosi」のイヤホンに共通した特徴ですが、「MaGaosi MGS-401」は響きによって広がりを演出するというより、全体的な分離性を高めることで原音の定位をより空間的に表現している印象があります。そのため、ほとんどの音源ではボーカルなどは比較的近くに定位しますが、曲によっては演奏が前にでてきたり、録音状況の悪い古い音源等では中域が少し凹む場合もあります。とはいえ、癖のないリスニングサウンドはジャンルを問わず楽しめる仕上がりになっていると思います。
そして「Knowles CI-22955」BAを使用している低域は非常に締りが良い解像度の高い音で、沈み込みも良好です。中高域ともしっかり分離しており、マルチBA特有の籠りのような感じはほとんど受けません。いっぽうで過剰な響きはコントロールされているため、広いホールでのオーケストラ演奏など音源では少し物足りなさを感じるかもしれません。
全体としては寒色系で濃い音のイヤホンですが、キレより全体のバランスを重視した印象のイヤホンでリスニング用として苦手なジャンルは少ないと思います。ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲はもちろん、ジャズなどのアコースティックなサウンドとの相性も良好です。いっぽうで響きを重視したいコンサートやライブなどの音源や、よりキレやシャープさを求める場合やモニター系のような1音1音の情報量の多さを求める場合にはあまり向かないと思います。

MaGaosi MGS-401ちなみに、AliExpressで選択可能なMaGaosiのapt-X対応Bluetoothケーブルは後期タイプの「MaGaosi K5」に付属するものと同一で音質は良いのですが「K5」同様に反応の良い「MaGaosi MGS-401」と組み合わせるとボリュームが非常に大きくなり、ホワイトノイズも大量に発生するため、あまり良い組み合わせではなさそうです。
ただMMCXコネクタ対応で転用できるイヤホンは多くありますので、それらとの組み合わせを前提にAliExpressでオーダーするのは良いかもしれませんね(もし「MaGaosi MGS-401」をワイヤレス化したい場合はShure「RMCE-BT1 」との組み合わせがお勧めです)。


■リケーブルの効果は絶大で解像度とキレが大幅に向上。ポテンシャルの高い高音質イヤホン。

個人的には「MaGaosi MGS-401」はリスニングイヤホンとしてかなり好感をもった印象となりました。また、付属ケーブルをバランスケーブルに交換したり、より情報量の多いケーブルにリケーブルすることで、かなり高い解像度とキレのあるサウンドを実感することができます。
MaGaosi MGS-401例えばYinyooブランドの「YYX4762 8芯 銀メッキケーブル(黒/茶)」(2,999円)を使用すると、DX150等のDAPでは音量がひとまわり以上増加し、全体的な情報量が大幅に向上すると同時に高域の解像度がアップし、より明瞭感のあるサウンドに変化します。また最新の「YYX4775 8芯 銀メッキ線&高純度銅線ミックスケーブル」(2,999円)のバランスケーブルにリケーブルしてみると、さらにメリハリのあるサウンドに変化し、全体的なキレも向上します。どちらも3千円程度のケーブルですがリケーブル効果はかなり絶大です。さらに16芯ケーブルの「YYX4745 16芯 銀メッキOFC ケーブル」を使用することで、8芯ケーブルよりさらに情報量や分離性が向上するとともに、解像度やキレも格段に向上するのが実感できます。

このようなリケーブルにおけるポテンシャルの高さも「MaGaosi MGS-401」の魅力といえるのではないかと思います。標準ケーブルでもかなりレベルの高いサウンドを楽しめますが、リケーブルによって相当に「化ける」イヤホンでもあるため、可能な限りリケーブルはチャレンジいただくことをお勧めします。
というわけで、「MaGaosi MGS-401」は、個性的なシェルデザインは多少好き嫌いがある可能性もありますが、アンダー2万円クラスのイヤホンとしてはかなり完成度の高い製品だと感じました。


「MaGaosi K3-BA」 あの「K3」がデザインもサウンドも完全に一新! クリアシェルとサウンドフィルター搭載の3BA中華イヤホン【レビュー】

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MaGaosi K3-BA

こんにちは。9月も半ばにさしかかり、ようやく秋っぽさも感じるようになったこの頃ですが、いまだこの夏にオーダーしたイヤホンの書きかけレビューを仕上げております(汗)。

というわけで今回および次回は、中華イヤホンのなかでもマニアの間ではおなじみのブランド「MaGaosi」の最新モデル2機種を紹介します。今回紹介するのは3BAモデルの「MaGaosi K3-BA」、そして次回は4BAモデルの「MaGaosi MGS-401」を予定しています。
どちらのイヤホンも届いたのは8月末ですのですでに2週間ほど経過しましたが、個人的にも思い入れのある中華イヤホンブランド「MaGaosi」の最新モデルということで改めてじっくり聴いてみました。
MaGaosi K3-BAMaGaosi K3-BA MGS-401

さて、今回紹介する「MaGaosi K3-BA」は、バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを3基搭載するイヤホンで、さらに「MaGaosi」というブランドが一気に認知された人気モデル「K3」の名称を引き継ぐ最新モデルとなります。
「MaGaosi K3」シリーズ、特に「MaGaosi K3 Pro」(2BA+1DD)は、同ブランドをマニアの間で一躍有名にした「初期のMaGaosi」の代表的モデルですが、それが今回の「MaGaosi K3-BA」では、「現在のMaGaosi」により、同じ3ドライバーでも「K3 Pro」の2BA+1DDハイブリッドからトリプルBA構成のイヤホンとして生まれ変わりました。

MaGaosiちなみに、「初期のMaGaosi」と「現在のMaGaosi」というのは、同社が分割またはスピンオフによって現在の「MaGaosi」と新たに「TENHZ」という2種類のブランドになっているため、このように表記を分けてみました。そして「現在のMaGaosi」は昨年登場した低価格5BAモデル「MaGaosi K5」以降のラインナップを指しています。いっぽう、かつての「K3 Pro」は「TENHZ」ブランドに引き継がれ(「TENHZ」ブランドは当初「MaGaosi」が欧米で使っていた「audbos」ブランドで製品を展開していました)「TENHZ K5」といった直系のモデルをリリースしています。
※TENHZ(audbos)については過去記事の「audbos K5(TENHZ K5)」のレビューにて触れていますので、よろしければ参照いただければと思います。

そして「MaGaosi K3-BA」は「K3 Pro」を継承するコンパクトなShure SEタイプの形状を採用しつつ、「MaGaosi K5」同様のクリアなシェルデザインとなっています。また「MaGaosi K3-BA」でも「K3 Pro」の特徴のひとつであるステム部分の交換式フィルターを全く新しい方法で採用しています。カラーは「レッド&ブルー」のコンビネーションと「ダークブルー」の2種類が選択できます。
MaGaosi K3-BA 2MaGaosi K3-BA 1
購入はいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」にて。AliExpress(中国からの発送)での表示価格は109ドルとなっています。また、Easy EarphonesのTwitterアカウント(@hulang9078)フォローすることでフォロワー値引きを受けられると思います。AliExpressでの購入方法およびフォロワー値引きの手順はこちらをご覧ください。
AliExpress(Easy Earphones): MaGaosi K3-BA

またアマゾンでもEasy Earphonesが運営するストア「WTSUN Audio」にて12,000円にて販売しています。アマゾン倉庫に在庫があれば発注後プライム扱いですぐに届きますし、アマゾン経由なら万が一の場合の保証も安心ですね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): MaGaosi K3-BA

なお、Easy Earphones(@hulang9078)およびWTSUN Audio(@Zhuo520X)のTwitterアカウントでは割引情報等が頻繁にツイートされていますのでこまめにチェックされることをお勧めします。


■製造工場は「K5」と同じ? クリアシェルに生まれ変わった新しいデザイン

MaGaosi K3-BA」のパッケージはかつての「K3 Pro」と同サイズのボックスとなっていますが、本体デザインの変化にあわせてか、パッケージデザインもカラフルになりました。
MaGaosi K3-BAMaGaosi K3-BA
パッケージ内容はイヤホン本体、交換用フィルター、MMCXケーブル、イヤーピース各種、布製ポーチ、説明書といった構成です。
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イヤーピースは同様の細い金属製ステムを使用する「MaGasoi K5」と同様で標準では白色の奥行きの浅いシングルフランジタイプのイヤーピーが装着されています。このシングルフランジタイプに加え半透明のダブルフランジタイプがそれぞれ大・中・小(大でも通常のイヤーピースのMサイズくらいの大きさ)、さらに透明で芯の部分が黒い通常デザインのイヤーピースがM/Lサイズの2種類付属します。

MaGaosi K3-BAMaGaosi K3-BA
MaGaosi K3-BA」はShure SEタイプのコンパクトなデザインで透明シェルのビルドクオリティも高く装着性も良好です。本体デザインは「MaGasosi K5」を彷彿とさせるクリアで美しい仕上がりとなっています。おそらくどちらも同じファクトリーで製造されていそうですね。「MaGaosi K3-BA」は金属製ステムの先端部分が交換式フィルターとなっているため、「K5」とは微妙に形状が異なります。
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かつての「MaGaosi K3 Pro」と比較すると「MaGaosi K3-BA」は同様にコンパクトなシェルながら金属製のステムも含め、より「SE846」を彷彿とさせるおうな左右に長いデザインとなっていて、両者の形状に共通性は全くありません。いっぽう全くデザインの異なる「TENHZ K5」のほうが外観だけでもより「K3 Pro」を継承した印象を受けます。
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MaGaosi K3-BA」のフィルターは、金属製ステムが細いこともあって非常に小さな部品となっています。「K3 Pro」や「TENHZ K5」がデュアルBAを収納した太めのステム部分で先端フィルタもそれなりの大きさだったのとはかなり異なります。またフィルターはメッシュ部分の違いで、標準タイプは通常のメッシュなのに対し、調整タイプはメッシュパターンに処理がくわえられた仕様になっています。
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付属するMMCXケーブルは「MaGaosi K5」の後期タイプ(黒箱仕様)より同梱されている銀メッキ線と銅線のミックスタイプの4芯撚り線ケーブルで非常に柔らかく取り回しは良好です。

MaGaosi K3-BA」のパッケージには搭載ドライバーに「Knowles CI-22955」と「カスタムBA」で構成されていると記載されています。この「カスタムBA」はそれぞれ「29688N」と「30012」というモデルナンバーが刻印されています。BAのサイズ的に「29688N」がミッド、「30012」がハイを担当するドライバーだと想像できます。
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なお、Knowles製ウーファーである「CI-22955」は「MaGaosi K5」にも搭載されており、中華BAでは品質の高い音を出しにくい低域はKnowles製を使用し、中高域は中華製を使用するのは「MaGaosi K3-BA」も同様のアプローチだといえます。中国では同様に3BA構成の「MaGaosi X3」というモデルがありますが(K5と同様のデザイン)、このモデルがすべてKnowles製BAドライバーを使用しているのに対し、多少のコストダウンとなっているものと思われます。


■「K3 Pro」はもちろん「K5」とも全く異なる中低域寄りの暖色系サウンド

MaGaosi K3-BA」の音質傾向は中低域寄りの弱ドンシャリで、「MaGaosi K5」と比べても随分中音域が聴きやすい暖色系の印象を受けます。高域はBAらしい硬質な印象は感じつつも伸びは控えめで、刺さりもまったくありません。この高域の違いにより「MaGaosi K3-BA」は「MaGaosi K5」とは違い、全体的に暖色系のサウンドに感じます。また製品名こそ「MaGaosi K3」のひとつですが、「MaGaosi K3-BA」は高域の伸びが良くドンシャリ傾向だった「MaGaosi K3 Pro」と比較しても類似点を見つける方が難しく、これまでとは全く異なる、ボーカルなど中低域の心地よさに主眼を置いたイヤホンなのかなと感じました。
MaGaosi K3-BA低域は「MaGaosi K3-BA」も「K5」と同じKnowles製ウーファーの「CI-22955」を採用していることもあって響きの良さとBAらしい解像度の高さを両立しています。全体的に中低域寄りのサウンドバランスのため低域の量感は「MaGaosi K3-BA」のほうが「K5」より多く感じますが重低音は控えめで軽めの印象を受けます。ちなみに「MaGaosi K3-BA」はステムの角度の関係で「MaGaosi K5」と同じサイズのイヤーピースだと少し浅めの装着位置になるようで、ここで小さめのイヤーピースを選んでより耳奥に押し込むように装着することで低域の厚みが増して印象も結構変化します。ただ曲によってはマルチBAイヤホンにありがちな中低域の籠りを感じやすくなる可能性もあります。
そしてボーカルなどの中音域は独自のミッドレンジのユニットを採用していることでよりフラットな印象となり、BAらしい解像度が高く聴きやすいサウンドとなっています。音場はMaGaosiブランドのイヤホンらしく広めで臨場感を感じるバランスとなっています。ただ低域成分の多い曲では中域の凹みを感じやすくなる傾向にあり、分離性も下がって感じることがあります。
MaGaosi K3-BAしかし、この点についてはより情報量の多いケーブルへのリケーブルによりかなり印象を改善することができます。「MaGaosi K3-BA」は解像度の高い純銀線などは非常に相性が良いですが価格的にちょっと無理がある(ケーブルのほうがイヤホン本体より高い場合もある)ので、比較的低価格で高域の印象の良い8芯または16芯の銀メッキ線ケーブルへのリケーブルが良いと思います。
また、「MaGaosi K3-BA」は上記の通り装着位置で印象が変わりやすいイヤホンですので、イヤーピースの変更により特に中高域の印象がかなり良くなるため変更をお勧めします。
具体的には、細い金属製ステムを採用しているため「RHA」のイヤーピースや、「final E」シリーズのように装着部分の穴が小さめのイヤーピースが良いと思いますが、「MaGaosi K3-BA」については先端のフィルター部品の関係で、穴の大きいAZLA「SednaEarfit」、JVC「スパイラルドット」、acoustune「AET07」のようなイヤーピースも利用することが可能です。自分の耳と相性のよい組み合わせをいろいろ試してみるのも良いと思います。

MaGaosi K3-BAなお、先端部分の交換式フィルターは、格子状のメッシュパターンの標準タイプと、直線的なスリットパターンのタイプがあります。フィルターをスリットパターンのタイプに交換すると、全体的にドンシャリ傾向が強い印象に変化します。低域だけでなく高域の伸びも向上しメリハリが強くなるため、より「濃い音」に感じることができますが、曲によっては中音域の凹みがより大きくなることもあり多少バランスが崩れた印象となる場合もあります。
個人的には標準ケーブル、標準イヤーピースではこちらのスリットタイプのフィルターのほうが好印象となるケースも多くありましたが、リケーブルおよびイヤーピース変更後は標準タイプのほうがバランスが良く感じました。


■「K5」より再生環境を選ばない使いやすさも含め、「聴きやすさ」にフォーカスした普及モデル

というわけで、「新しいK3」こと「MaGaosi K3-BA」は3BAイヤホン化し、これまでの「MaGaosi K3 Pro」とはおそらく全く異なる開発チーム・サウンドチューニング、製造工場でつくられた、外観だけでなくサウンドも180度方向性の異なる「全く別物」の製品となりました。
いっぽうでビルドクオリティは「K3 Pro」当時と比べると各段に向上し、より「普及モデル」的な位置づけとして価格も非常に購入しやすい設定となっています。全体的にポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲と相性がよく、装着性の良さとあわせて長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいイヤホンに仕上がっていると思います。

MaGaosi K3-BAまた「MaGaosi K3-BA」はインピーダンス28Ω、感度108dB/mWと、マルチBAイヤホンで多い「極端に敏感に反応する」ということがなく、どのような再生環境でも比較的使いやすいという隠れた特徴もあります。これは「MaGaosi K5」が最近の中華マルチBAのなかでもかなり敏感に反応するイヤホンで、DAPやポータブルアンプによって大量のホワイトノイズを発生しやすかったり、いわゆる「ハイ上がり」の状態になる「再生環境を選ぶイヤホン」とは対照的です。クリアーでカラフルな外観だけなら「MaGaosi K3-BA」は単純に「MaGaosi K5」の3BA版としか思わないのですが、ここまで傾向が異なってくるととても面白いですね。

次回は、「MaGaosi K3-BA」とほぼ同時にリリースされた全く新しい同社の4BAイヤホン「MaGaosi MGS-401」を紹介します。こちらもさらに全く別のアプローチがとても興味深いイヤホンですよ。


プロフィール(Twitterアカウント)
カフェで息抜きにイヤホンとかのブログ書いてます。気付けばアラフィフの酔っ払い(定期)。食べるのも好きな天秤座AB型。普段はIT屋で都内と自宅のある福井ほかあちこち出張するお仕事してます。ポタオデは趣味で出張のお供。長年のPC(?)遍歴にApple //c とNeXTstation があるのがプチ自慢(じじぃ)。
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