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イヤホン・ポータブルオーディオ関係のネタを中心に書いています。ガジェット好きのおっさんによる、趣味的レビュー。

「Shanling M3s」 コンパクトで抜群の高音質&高性能。バランス接続も対応でサブ機に最適な最新DAP【購入レビュー】

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Shanling M3s

今回紹介するのは「Shanling M3s」です。到着から2週間程度経過しておりますが、改めてこのタイミングでのレビューとなります。「Shanling M3s」は、中国「Shanling」社の最新DAP(デジタルオーディオプレーヤー)で、同社の「M3」の後継モデルとして発売されました。

Shanling M3s低価格・高性能な中華DAPとして人気モデルとなった「Shanling M2sの上位モデル、という位置づけで、バランス接続対応をはじめスペック面・音質面のグレードアップが行われたモデルになります。M2sに比べると注目度は「いまひとつ」のようなのですが、M2sからの音質の進化は素晴らしく、倍以上の価格帯のDAPも超えるような完成度をもった仕上がりとなっています。
もちろん「お値段以上」という価値基準を元にしてはいるものの、「思ったより良かった」ので「ちょっと褒めすぎかな」というレビュー内容になっている点はご容赦ください(^^;)。

ちなみに従来モデルのM2sは多くの方が国内正規版を実際に実際に店頭で試したり購入されているのではないかと思います。M2sについては私は海外版を予約注文で発売開始と同時に購入しており、本ブログでも前後編でレビューを行っています。
→ Shanling M2s 前編: 「Shanling M2s」コンパクト&高音質DAPがやってきた【導入・音質編】

Shanling M3sそして今回紹介する「Shanling M3s」は、M2sの機能・操作性を継承し、オーディオ性能を大幅に強化したモデルです。
スペック的にはM2sで要望の多かったバランス接続に対応。これにあわせてDACチップに「AK4490EN」をデュアルで搭載(M2sは「AK4490EQ」をシングル)、さらにオペアンプもLPFの「MUSE8920」およびヘッドフォンアンプの「AD8397」をどちらもデュアルで搭載しています。
タッチパネルは未対応で右側のダイヤルとボタンを中心とした操作や3インチ480×800ピクセルの解像度などはM2sと共通ですが、性能の向上に伴い、本体下部を引き伸ばしたような形状となっています。

この記事を書いている時点では海外版のみ販売中で、私も毎度おなじみAliExpressのHCKで購入しています。
Shanling M3s」の海外版の販売価格は279ドル。M2sの海外版価格(199ドル)より1万円程度アップとなりますね。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): Shanling M3s

おそらく近いタイミングで国内正規版も発売になるのではと思います。


■パッケージ及び本体のサイズ感を確認してみる

付属品はM2sとほぼ同様で、本体、保護フィルム(表・裏用が各2枚ずつ)、USBケーブル、カードリーダー、予備のハイレゾシールなど。純正のレザーケースは別売りとなります。予備のハイレゾシールは表面の保護フィルムを貼る際にハイレゾシールが邪魔になるため、一度はがしてからフィルムを貼り、フィルムの上に再度貼り直すためのものです。
Shanling M3sShanling M3s
金属製ボディや表面に加えて裏面のガラス仕上げなど、相変わらずビルドクオリティは非常に高く、質感の良いしっかりした作りになっていて、安っぽさは全くありません。
Shanling M3sShanling M3s
サイズ的には「Shanling M2s」を下方向にストレッチした感じになりますが、実際に比べてみると、右側のホイールおよびボタンの位置が少し変わっていることが分ります。
Shanling M3sShanling M3s
いっぽう、左側のボタンは全く同じ位置に配置されています。また上部も全く同じです。
Shanling M3sShanling M3s
下面のコネクタ位置は3.5mmステレオが中央付近に移動し、追加された2.5mmバランス端子が右側に配置されました。ステレオが表面側に寄ってるのがちょっと独特ですが、このサイズにデュアルDAC、デュアルオペアンプを搭載するための苦労の跡が伺えます。
Shanling M3simage
ちなみに「Shanling M3s」のサイズ感は、ソニーの「NW-ZX300」や「NW-ZX100」に近いイメージです。実際に店頭で比較してみると、もしかしたらこれらソニーの機種っぽくするためにこのデザインにしたのかも、という気もしてきます。
大きくなったとはいえ手の中にすっぽり収まるコンパクトさですし、ジーンズなどのきつめのポケットに入れて使っても問題ありません。実際に持ち歩いて使った印象としてはM2sより多少長くなったことでむしろ「取り出しやすくなった」と実感しています。

ところで、「Shanling M3s」にはオプションで純正のレザーケースがあり、デザインなどはM2sのケースより良くなっているのですが、実際に装着してみたところ、肝心のダイヤルが非常に回しづらいことが判明しました。
Shanling M3sShanling M3s
このデザインだと上部から突くようにしかダイヤルが回せないため、タッチパネルのないM3sでは致命的に使いにくくなります。またコネクタ部分の露出が3.5mmも2.5mmも小さいためコネクタ部分が大きいケーブルが接続できなくなります(特に2.5mmバランスケーブルはピンを折れにくくするためコネクタのサイズが大きいものが多いためケースを使うとほぼ使用不可となります)。
そのため、やむなくケースの使用は断念し、たまたま手元にあったちょうど良いサイズの布製のイヤホンポーチに入れて持ち運ぶことにしました。


■M3sの最大の改良点は「出力アップ」による余裕を持った駆動力

Shanling M3s」では「M2s」と比べて上記のとおり主要部品のデュアル化による音質アップが行われています。他にも細かな仕様変更は数多く行われており、単にバランス接続対応だけではない、さまざまな性能アップが確認できます。

spec

まずDACの「AK4490EN」およびローパスフィルタ(LPF)の「MUSE8920」のデュアル化もさることながら、私が特に注目したのはヘッドフォンアンプ部がM2sの「TPA6120」から「AD8397」のデュアルに変更になった点。「AD8397」はオペアンプのなかでも特に高出力が得られるチップでバランス接続に限らずアンバランスでも効果が期待できます。

Shanling M3sもともとM2sのほうも非常にコンパクトなボディながら十分に高出力で解像度の高いサウンドが楽しめるDAPです。サイズ的には普段着でも仕事中のスーツでもポケットに忍ばせておいて気軽に使える点がとても気に入っていました。
またShanlingのDAPは「Mojo」などのUSB-DACに対してトランスポーターとしても利用できますが、M2sはサイズ的にもMojoとぴったりで、さらにDSDを含む対応フォーマットの多さやプレイリストの対応などでも非常に良い組み合わせでした(M2sがタッチパネルではないこともバンドで固定したときに使用感に影響しない点でメリットでした)。
そのため、Mojo用とは別にもう1台単独利用目的に追加でM2sを購入しようかとも考えたのですが、「RE2000」など出力環境の差がよりはっきり聴きとれるイヤホンを入手したことで、同様なサイズ感でより高音質なDAPにしたい、という考えになりました。そうなるとM2sのアップグレード版にあたる「Shanling M3s」は私にとってはまさにうってつけだったわけです。


■解像度の高いクリアでメリハリのあるサウンドはよりパワフルに。

Shanling M3s」のサウンドは「M2s」の明瞭かつ解像度の高いサウンドは継承しつつ、出力に余裕があるため高いゲインを必要とするイヤホン、ヘッドホンでも奥行きのあるしっかりとした描写を実感します。
「Shanling M2s」も濃い音かつ解像度の高いサウンドで非常にクオリティは高かったのですが、結構メリハリ重視な部分もあり、イヤホンによっては多少「力押し」な粗さを感じるなど「やはりこのサイズではこれくらいが限度だよね」という印象もありました。
いっぽう「Shanling M3s」では、例えばHIFIMAN「RE2000」を「M2s」で使用した際に感じた高域付近の粗さははなく、より分離感の向上したサウンドと、S/Nの高さ、そして十分な出力により、「RE2000」のどこまでも明瞭かつ自然なサウンドをしっかり再現できているのを感じました。
Shanling M3sShanling M3s
また同じHIFIMANの「RE800J」(現在レビュー用にお借りしています)だと、より元気でメリハリのある感じがよく実感できるようになりました。どちらもとても高級なイヤホンですのでどのDAPで聴いても非常にクオリティの高いサウンドは体感できますが、「Shanling M3s」では10万円オーバーのプレーヤーの一部にも匹敵するレベルをクリアしているように思えます。出力に余裕を持つことで音の濃さは維持したまま、強引さよりナチュラルなサウンドに進化したような印象です。

Shanling M3s」の高出力はもちろん「鳴らしにくい」環境でも高い実力を発揮します。これは通常のアンバランスでの接続でも同様で、お馴染みAKG「K712 Pro」や、RHA「CL750」といったハイゲインを必要とするヘッドホンやイヤホンの直挿しでも変な歪みは発生せず、ちゃんと再生できているのが分ります。
Shanling M3sShanling M3s
バランス接続においてはさらにその実力はアップし、とにかく鳴らしにくいイヤホンとしても知られる「Pinnacle P1」を「Shanling M3s」に直挿しで聴いてみたところ、抜群の駆動力でポータブルアンプなしでも十分にいい音で鳴らすことができました。

逆に非常に敏感なイヤホンでも、ローボリュームでホワイトノイズのない非常に明瞭なサウンドを確認できました。最近一部で話題の1BAイヤホン「qdc Neptune」の場合、「RE2000」で~70程度のボリュームを30以下に落とす必要がありますが、それでもNeptuneの美しいサウンドは損なわれることなく優れた空間表現を楽しむことができます。
Shanling M3sShanling M3s
また、マルチBAのイヤホンでバランス接続を行うとデュアルDAC・デュアルアンプにより分離感の向上をしっかり実感することができます。AKなどパワーが高くないDAPの場合はバランス接続により駆動力を稼ぐというアプローチもありますが、「Shanling M3s」はアンバランスでも十分なパワーを得られるため必ずしもバランス接続がベストとはならないと思います。いっぽう、バランス接続が威力を発揮する「多ドラ」やアンプの個性が出やすいイヤホンでは「コンパクトなのにここまでやれるんだ」という印象を持てるのではないかと思います。

もちろんウィークポイントがないわけではなく、M2s同様に連続再生で曲データのフォーマットが変わる特に小さいプチ、というノイズが入ったり、曲ソートがHiBy Link対応したバージョンから中国語のピンイン順になったいるようで日本語で見るとよくわからない並び順になっていたりします。さらに、そもそもタッチパネル操作ではない部分は携帯用のサブDAPとしては個人的には問題ないですがメインDAPとして考えるのには結構厳しい要素かもしれません。
Shanling M3sShanling M3s
というわけで、例えばすでに10万円オーバーの高音質(または高級)なDAPをメインでお使いの方で、「Shanling M3s」はサブ機として検討する場合、気軽にポケットにいれて使用するアイテムとして遜色ない実力を発揮してくれると思います。あくまで想像ですが、より高音質なDAPをお使いの方ほど、たった300ドル以下の価格で購入できる「Shanling M3s」のポテンシャルの高さに驚くのでは、と思います(^^)。


■M2s譲りの拡張性は健在。「HiBy Link」もとっても便利!

そして、「Shanling M3s」も機能性および拡張性については「M2s」の機能をそのまま踏襲しています。拡張性についてはM2sのレビュー後編にてまとめていますので併せてご覧ください。
→ Shanling M2s 後編: 「Shanling M2s」にイロイロつないで遊んでみた。【接続&活用編】

Shanling M3sM2sのレビュー以降のアップデートとしては「HiBy Link」への正式対応が挙げられるでしょう。
「HiBy Link」は、現在スマートフォン向けにリリースされている音楽プレーヤー「HiBy Music」のリモート操作版で、「HiBy Link」アプリがインストールされたスマートフォン(現在はAndroid)と「Shaning M3s/M2s」をBluetoothでペアリングし、リモート操作を行う、というもの。あくまで「HiBy Link」はリモート操作のみで、音楽データは「Shaning M3s/M2s」側のファイルを使うため音質面の劣化の心配がなく、スマホ側のタッチパネルで操作ができる点がポイント。
現在はAndroid版のアプリ(.apkファイルからのインストールが必要)がメインですが、このレビューを書いている時点で開発版ながらiOSへの対応も開始しており、今後のアップデートで正式に対応される予定です。

Shanling M3sShanling M3s
またトランスポート機能もM2s同様に使用できます。DSDについては「DoP」に加えて「Native」モードも追加されましたが、「Mojo」「nano iDSD BL」で試した限りでは引き続き「DoP」での利用が必要でした(Nativeモードでは音が出ませんでした)。
Shanling M3sShanling M3s
私の場合は引き続きM2sをトランスポーターとして使用するつもりですが、M3sもボディが長くなったことでバンドでの固定がしやすくなった側面もあり、この使い方も十分アリかなと思います。


■「高性能スーパーサブ」に最適なコンパクトDAP、という比類なきキャラクター

Shanling M3s冒頭に記載したの通り、「Shanling M3s」は「M2s」に比べていまひとつの注目度ですが、話題になりにくい最大の理由はおそらく「タッチパネルが非搭載」だろうと思います。「M2s」は「低価格DAP」のカテゴリーに入る製品ですので、操作性に問題が無ければタッチパネル非搭載でも機能面や音質優先、ということで理解されやすい「コストと性能のバランスの良い製品」だったと思います。いっぽう「Shanling M3s」の価格帯になってくるとそろそろミドルクラスのDAPが視野に入ってくるため、途端にタッチパネルではないことがウィークポイントに映るのかもしれません。そのため「Shanling M3s」をメインのプレーヤーと考える方は非常に少ないのではないかと思います。

Shanling M3s私自身もすでに数台のDAPを使用しており、「Shanling M3s」はサブ用としての購入です。ただ、サブ用のプレーヤーとしても「Shanling M3s」は、非常に高音質で鳴らしにくいイヤホン・ヘッドホンにも余裕で対応するなど、M2sで感じていた課題をきっちり解決し、さらに音質面にシビアな環境でも本体のみで満足のいくサウンドを実感することができました。またバランス接続での音質も安定しており、バランスケーブルにリケーブル済みのイヤホンをそのまま使える点も有り難いところです。

このように使いやすい性能がポケットに入れていつでも持ち歩けるコンパクトさで実現できている点はなかなかレアな存在といえるでしょう。私自身、じっくり音楽を聴く際には数種類のDAPを使い分けていますが、比類無きスーパーサブのDAPとして、今後も利用シーンは増えていきそうですね。


「MaGaosi K5」 5BA搭載で驚きの低価格と高音質を実現した中華イヤホン【購入レビュー】

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MaGaosi K5

冬も近づき、仕事も徐々に慌ただしくなる一方で、いろいろ衝動買いもしており(笑)、ブログのネタも結構たまってきていますので、スローペースながら紹介していきたいと思います。
というわけで今回紹介するのは「MaGaosi K5」、5BAドライバーを搭載するシュア掛けタイプのイヤホンです。

MaGaosiMaGaosi HLSX)」は中国のイヤホンブランドで、中華イヤホンのなかではとても有名なメーカーのひとつです。特に「MaGaosi K3 Pro」という2BA+1DDのハイブリッドは音質面の評価も非常に高く同社の代表的なイヤホンとなっています。また最近日本国内で販売されている某イヤホンが「K3 Pro」のケーブル違いじゃないか、という説もあります。さらに詳しい方なら「HLSX 808(またはMaGaosi M1)」や「BK50」というイヤホンも知ってる or 持ってるかもしれません。これらのモデルはそれぞれに特徴がありつつも高い評価を得ており、同社では他にも「MaGaosi」または「HLSX」ブランドで数種類のイヤホンをリリースしています。

そして今回発売された「MaGaosi K5」は、まずクリアなシェルに5つのBAがびっしりと詰まった外観が特徴的です。さらにフェイスパネルのカラーは「赤青」「ブラック」「クリアー」の3色から選ぶことができます。
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そして、なんといっても驚かされるのは「MaGaosi K5」の価格設定。
AliExpressの表示価格は 169ドル ですが、HCKとEasy Earphoneではフォロワー値引きにて 129ドル で購入が可能です。
※購入時に「bisonicr」とメッセージを入れていただくだけでも値引き対象になります。AliExpressでの購入・割引方法を含め詳しくはこちらをご覧ください。
AliExpress(NICEHCK Audio Store):MaGaosi K5
AliExpress(Wooeasy Earphone Store):MaGaosi K5

またアマゾンでも複数のマーケットプレイスで販売が開始しているようです(こちらは割引はありません)。ただしアマゾン倉庫発送の場合Bluetoothケーブルの有無など構成が異なる場合があります。
Amazon.co.jp(NICEHCK): MaGaosi K5 ※アマゾン倉庫発送/Bluetoothケーブルなし
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): MaGaosi K5 ※アマゾン倉庫発送

「5BA搭載イヤホン」というと日本で販売されているメジャーブランドなら10万円オーバーでも珍しくはありませんし、中華ブランドでも例えば以前レビューした「Rose BR5 Mk2」は300ドル台(国内モデルも36,800円)の価格設定です。
確かに中華系では非常に安価なマルチBAのイヤホンも若干存在しますが、そういったモデルと比較しても群を抜いて低価格ですし、かつ、実績のあるイヤホンブランドのパッケージ製品でこの価格設定はかなり挑戦的な印象すら受けます。というわけで、実際の製品の完成度は大変気になるところです。


■美しいクリアシェルとBluetoothケーブルまで付属する豪華パッケージ

届いた製品にはパッケージのほかに、Bluetoothケーブル用の首掛け用のゴムバンドが付属していました。
MaGaosi K5MaGaosi K5

パッケージ内容は、本体およびMMCXケーブル、Bluetoothケーブル、充電用USBケーブル、イヤーピースはグレーがS/M/Lの3種類、ホワイトが装着済みのものに加えてさらに小さいサイズが3種類(合計4種類)、ポーチといった構成。
MaGaosi K5MaGaosi K5

イヤホン本体のビルドクオリティは非常に高く、透明度の高い美しいシェルでデザインも流麗です。フェイスプレート側からは低域を担う「Knowles CI-22995」BAドライバーの刻印が確認できます。シェル背面にはデュアルタイプのBAドライバーが並列に並び、合計で5BAを構成しています(中高域用のデュアルドライバーは中国製でメーカーおよび型番は不明)。
MaGaosi K5MaGaosi K5

付属のケーブルは一般的なグレードのMMCXケーブルですが、比較的取り回しの良いもので、MaGaosi K3 Proに付属していたちょっとゴムゴムしたものと比べると改善されています。
MaGaosi K5MaGaosi K5
また普通MMCX対応のイヤホンで複数のケーブルを付属させる場合、通常は「マイク無し」と「マイク付」の2種類というパターンが多いのですが、「MaGaosi K5」では「MMCX対応Bluetoothケーブル」が付属します。このケーブルは「apt-X」による高音質転送に対応しておりこれだけでも結構目を引くポイントになっています。ただし、Bluetoothケーブルのビルドクオリティは「それなり」で、単独で販売されている同様の製品と比較するとあくまで付属品のレベルと捉えた方がよいと思います。

MaGaosi K5MaGaosi K5
付属のイヤーピースは標準で装着されている「白タイプ」および「グレータイプ」の2つのタイプでそれぞれ各サイズが同梱されています。白タイプは幅が小さく、金属製ステムの先端がほぼ露出するような形状となっておりより音場が広くなる印象。いっぽうグレータイプは一般的な形状で白タイプより中域(ボーカルなど)が強調される印象です。5BAということでハウジング自体は大きめですが耳にフィットしやすい形状となっており、私自身は装着性は特に問題ありませんでした。


■MaGaosiらしい広い音場とマルチBAらしい精緻な表現、そして圧巻の中高域

※HCKが自社ブランドで販売する「NICEHCK HC5」も製造元・音質は「MaGaosi K5」と同一になります。「HC5」に興味を持たれている方もあわせて参考としていただければ幸いです。

MaGaosi K5」の周波数特性はフラット寄りの弱ドンシャリ傾向。MaGaosiブランドの他のイヤホン同様に音場は広く定位も良好ですが、それ以上に空間表現の巧みさが非常に印象的です。
MaGaosi K5奥行きのあるサウンドのためボーカルは少しだけ後方に定位するのですが、中高域の空気感・距離感の描写が絶妙で、独特のライブ感を演出します。中高域のBAドライバーは中国メーカー製で名前の通った製品ではないようですが、マルチBAらしい解像度の高さはある程度キープしつつ(もちろん有名5BAイヤホン等のレベルより多少落ちます)、非常に濃いサウンドを感じます。特にボーカルやギターなどはある種のグルーブ感のようなものを表現しているような印象です。また低域も全体のバランスを維持しつつ十分に量感のあるサウンドで、さらにひとつひとつの音を精緻に表現するような印象です。
高域については標準のケーブルではもう少し伸びが欲しいと感じる部分はありますが、私のメインの利用環境(DAPなど)では普段のリスニングではまずまずな表現力だと思いました。ただ、高高域の明瞭さという点で多少の雑味を感じる部分もあるので、トータルとしては分析的に聴くといよりライブ感を楽しむリスニングイヤホンという印象です。特にAstell&Kern「AK300」で聴いた際は若干ですが高域の刺さりやシャリ感もありました。ただし高域については再生するDAP(デジタルオーディオプレーヤー)や曲の種類によって結構印象が変わる傾向にあるようです。
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BAドライバー(スピーカー)を多く搭載するイヤホンではそれだけ多くの電力を使うため、DAPやアンプ側の出力ゲインや再生ボリュームの違いにより特に高域に変化が出やすい傾向にあります。もし高域が籠もるような場合は、異なるプレーヤーやポータブルアンプを使用してみると印象がガラリと変わるかもしれません。さらに後述のとおりリケーブルにより変化が得られる可能性もあります。
また逆にパワーが強すぎるアンプやプレーヤーの場合、極端に高域が刺さるような音になる、いわゆる「ハイ上がり」の状態になることもありました。これは以前レビューした5BAの「Rose BR5 Mk2」でも同様の状態になりましたし、多ドラのイヤホンではある程度起こりやすい現象のようですね。

MaGaosi K5ところで、上記の通り「MaGaosi」ブランドのイヤホンというと、とにかく「音場の広さ」が特徴的です。これは同社の代表モデル「MaGaosi K3 Pro」をはじめ、過去にレビューした「HLSX 808」「BK50」といったハイブリッドモデルも含めて共通の傾向ですが、「MaGaosi K5」でも例外ではなく、マルチBA仕様ながら非常に広い音場と優れた定位感を持っています。ただし、例えばハイブリッドの「HLSX 808」は「音場の雄大さ」が最大の特徴、というくらいに広大な音場表現をするイヤホンでしたが、5BAの「MaGaosi K5」は当然ハウジングによる残響感などは得られないため、代わりにより正確な空間描写をKnowles社のBAドライバーが表現しているようにも感じました。


■リケーブル&バランス接続の効果も絶大。好みのサウンドをみつけよう。

MaGaosi K5」はK3以降の同社のモデル同様にMMCXコネクターに対応しています。標準では付属のケーブルとBluetoothケーブルの交換が可能、ということになりますが、上記の通りDAPによってはリケーブルによる効果を大きく実感できるようです。
DAPに「PLENUE R」や「Shanling M3s」を使用した場合、まず標準ケーブルをバランスケーブルに換装することで全体の分離感が向上し、同時に高域の明瞭感が向上しました。
MaGaosi K5MaGaosi K5
さらにケーブルの材質もいろいろ試してみましたが、個人的には単結晶銅線のケーブルとの組み合わせが明瞭度が高く、高域の表現も瑞々しく感じました。もちろん音の好みや曲の種類、そしてDAPとの相性によりマッチするケーブルは一概にはいえないのでその点はご了承ください。
このようにバランス接続は多くのDAPで分りやすく変化を確認できましたが、アンバランスでもケーブルの種類により音のイメージが結構変化しますのでいろいろ試してみるのも楽しいと思います。


■付属Bluetoothケーブルは作りはそれなりですが、apt-Xでのサウンドはなかなか良好でした


MaGaosi K5MaGaosi K5」は付属品としてMMCX対応のBluetoothケーブルが同梱されています。しかも中華イヤホンのBluetoothケーブルとしては比較的珍しく高音質コーデックの「apt-X」にも対応する本格派です(パッケージ裏面にCSR製のチップ使用との記載あり)。
使い方はmicroUSBケーブルで充電を行い、丸いボタンを長押ししペアリングを行うだけの簡単なものです。
また別途ブルーのゴム製の専用バンドも付属しており、このバンドに付属Bluetoothケーブルをセットして使用することが可能です。ただ、実際に付属Bluetoothケーブルはめ込んでみたところ、ケーブルの取り出しが非常に大変で(ケーブルが断線しそうになりました)、実用性はイマイチでした。

Bluetoothケーブルでのサウンドですが、Astell&Kern「AK300」とのapt-X接続はケーブル接続同様に「MaGaosi K5」と相性が良いようで、想像以上にクリアなサウンドを楽しむことができます。
この組み合わせでは低域はケーブルよりかなり締まった印象となり、中高域の抜けも良く多少あっさりした印象になりました。ただAK300(apt-X接続)ではボリュームをかなり上げる必要があり、再生時にわずかにホワイトノイズを拾いました。
MaGaosi K5MaGaosi K5
次にiPhoneにペアリングを行い、Musicアプリで「Apple Music」の再生を行ってみました。こちらはボリュームは中間の半分、最大音量の1/4~1/3くらい。iPhoneでもAK300同様にクリアなサウンドを楽しむことができました。ただ、あくまでわずかなレベルではあるものの、AK300より少し多めにホワイトノイズを感じました。
さらにAndroidスマートフォンへの接続(通常のSBCコーデック)を行ってみると、今度は逆にボリュームが大きくなりすぎる状態となり、ボリュームを相当絞り込む必要がありました。またサウンド的には音場が一気に狭くなり、高域が過剰に刺さる、いわゆる「ハイ上がり」の状態になってしまいました。付属Bluetoothケーブルの使用はapt-X対応DAP/スマホかiOSデバイスに限った方がよさそうですね。


■「MaGaosi」らしい音場感を実現しつつ絶妙なバランスで仕上げた完成度の高い5BAイヤホン

MaGaosi K5というわけで、「MaGaosi K5」は100ドル台、アマゾンでも2万円程度の低コストながらマルチBAらしい解像度が高く情報量の多いサウンドと、評価の高い「MaGaosi」の「音場感」表現の上手さを両立しつつ、濃度の高いサウンドを実現した、驚くほど完成度の高いリスニングイヤホンでした。もちろんこの価格に抑えるために、多少妥協しているところ、ある程度割り切って音作りをいしていると感じるところもあり、高価格な有名イヤホンと比較するのには無理がありますが、「お値段以上」のバリューのある製品であることは間違いが無いと思います。マルチBAのイヤホンは初めての方はもちろん、ダイナミックやハイブリッド好きの方にも結構楽しめるのではないかと思います。まだまだ中華イヤホンの熱い戦国時代は続きそうですね。

※HCK Earphonesの「NICEHCK HC5」およびEasy Earphonesの「Yinyoo H5」は上記「MaGaosi K5」のブランド違いで製造元および音質等は同一となります。また「Yinyoo H5」および「Yinyoo H3」のレビューも掲載しました。よろしければ併せてご覧いただければと思います。

また、MaGaosiの他のモデルは過去記事でも紹介しています。よろしければ併せてご覧ください。
→ 【高音質イヤホン】「MaGaosi K3 Pro」「SIMGOT EN700」「Whizzer A15」アラウンド1万円なお買い物♪
→ 【U5000円のお買い物】 MaGaosi M1(HLSX 808)/ BK50 / VJJB N1。個性が光る高音質な中華イヤホン

プロフィール(Twitterアカウント)
カフェで息抜きにイヤホンとかのブログ書いてます。ただのアラフィフの酔っ払い。食べるのも好きな天秤座AB型。東京と福井(鯖江)の自宅の二拠点生活も気付けば5年以上。普段はIT屋でよく出張するお仕事してます。ポタオデは趣味で出張のお供。PC(?)遍歴にApple IIc とNeXTstation があるのがプチ自慢(^^;
※ご意見・ご質問などはコメント欄にてお願いします。
レビュー依頼等は bisonicr.keep.walking@gmail.com までお願いします。内容を確認の上ご返答申し上げます(返信の無い場合はご了承ください)。






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