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「KZ ES3」低コスト&高音質、新ドライバー搭載で高域が進化した最新ハイブリッドイヤホン

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KZ ES3

まさかのKZ製イヤホン3連続です(笑)。しかも先日の「ZS6」も含めると10月だけでKZのレビューだけで4本目・・・(゜д゜)。さすがに先日の「ZST Pro」「新ZS5」のレビューでも多少のやりすぎ(買いすぎ)感も自覚はあるのですが、まったく懲りてる感がない自分が残念ですね( ´ ▽ ` )。

というわけで、今回紹介するのは「KZ ES3」となります。KZ-ES3
KZ(Knowledge Zenith)最新の1BA+1DDハイブリッド構成のイヤホンです。先日アップデート版レビューを行った「KZ ZST Pro」「ZST」と同じ構成ですが、今回は全く新しいハウジングデザインの製品として発売されました。
「KZ ZST」のデザインに元ネタ(T○Z)があるのに対し、「KZ ES3」はおそらくKZのオリジナルだとおもいますので、「ZS6」「ZS5」をはじめとするパ○リ体質からハイブリッドもいよいよ脱却するのか、と同社のイヤホンをこれまでも大量買い(滝汗)してきた関係上、我が子の成長と独り立ちを見るようで感慨深いものがあります(大げさ)。

ところで、実際の販売は中国の通販サイト「GearBest」あたりで先行しており、すでに9月頃に入手されている方もぼちぼちいらっしゃるようです。今回、ようやくAliExpressでも販売され、日本向けの実績も高いセラーのひとつ「Easy Earphone」では日本のアマゾンで出店しているマーケットプレイス「WTSUN Audio」での取り扱いも開始しました。

Amazon.co.jp(WTSUN Audio):KZ ES3

私自身も10月に入ってからGearBestでオーダーをしてはいたのですが、送料無料の通常配送を使用したため届くまでに約1ヶ月近くかかりました。その間にWTSUN AudioでPrime扱いとなり、結局アマゾン経由のほうが先に届いてしまいました(笑)。
KZ ES3KZ ES3
GearBestやAliExpress等の海外通販より多少の価格差はありますが、元々低価格のイヤホンですのでアマゾン倉庫発送ですぐ届きますし、初期不良の交換・返品はもちろん1年間の保証も得られるという点ではWTSUN Audioで買っておいたほうが安心感はありますね。

KZ ES3KZ ES3
KZ ES3」の本体カラーは「ブルー」と「パープル」の2色で、「ブルー」のほうのハウジングは「ZST(ZST Pro)」の紫のハウジング部分と同じライトブルーのプラスチック素材になります。パッケージ構成は「ZST」など他のKZ製イヤホンとほぼ同様でイヤホン本体以外にS/M/Lのイヤーピース(Mサイズは装着済み)と0.75mm 2pin仕様のケーブルと説明書、といったシンプルな内容。
付属ケーブル形状は「ZST」タイプのL時に傾斜のあるもので、同社から販売されている「ZST用のアップグレードケーブル」でのリケーブルが可能な仕様になっています。



■「KZ ES3」のスペック、価格ともに「ZST」と酷似しているが実際は結構違う?

KZ ES3」のアマゾンでの販売価格は2千円台で、同じKZ製の1BA+1DDハイブリッドの「KZ ZST」と非常に近い構成および価格となっています。両者のイヤホンの形状を比較してみると「ES3」のほうが全般的に細長くステムもより深く傾斜してることがわかります。
ES3 / ZSTES3 / ZST
サイズ自体は「ZST」より大きくなっていますがステム付近のハウジングの厚みは「ES3」のほうが薄くなっており(いちばん厚みがある部分はほぼ同じ)、耳の形状が合えば「ZST」より耳奥まで装着できるデザインになっているようです。そのため「ZST」のハウジングが大きすぎていまいちフィット感的に合わなかった方は「ES3」の細長デザインはすっぽり装着できそうです。
ES3 / ZSTES3 / ZST
もっとも、私自身は逆に「ZST」の装着感のほうが耳の形状的に合っていたので「ES3」はいまいちフィットしなかったため、ZSTより少し大きめのイヤーピースに変更して装着をしました。このようにそれなりにサイズのあるハウジングなので合う合わないはあるかと思いますが、多くの方にとっては改善された部分になっていると思います。

いっぽう中身についてですが、「ES3」と「ZST Pro(紫)」のパッケージ裏面の記載を比較してみると、記載スペック上は全く同一でこれといった違いは見当たりません。しかし、ステム部分に搭載されている「搭載するBAドライバー」が両者では異なっており、「KZ ZST」では「Bellsing 30095BA」を、いっぽう「KZ ES3」では「KZ 30095」という自社用ドライバーを搭載しています。
ES3 / ZSTKZ-ES3

KZ 30095」については先日の「新ZS5」のアップデートレビュー等でも紹介しているとおり、同社の「ZS6」および「新バージョンZS5」でデュアル搭載されているBAドライバーと同一のもので、今後発売される同社のイヤホンでは主力となるドライバーと考えられます。



■新BAドライバーによる明瞭な高域と、聴きやすいサウンドバランス

KZ ES3」の周波数特性は典型的なドンシャリ。もっとも特徴的なのは高域で、ZS6とも共通する多少人工的なエッジを感じる解像度の高い音ですが、BA部分はシングル構成のため刺さりは少なく比較的あっさりまとまっている印象です。

KZ ES3低域はZSTより締まりのある音ですが、100時間以上のエージングにより量的にも厚みが増し、全体としてメリハリのある音になります。音場は比較的広く心地よく定位します。中域は音場の広さと合わせてボーカルは少し凹み遠くなる印象ですが自然なバランスです。多少「過激」に振っているZS6あたりと比較するとずいぶん「まとまった」仕上がりで、オールマイティに使える内容になっていると思います。
サウンドバランス的には最近の「ZST Pro」(白箱の紫モデル)等が多少フラット寄りに向かっているのと比較して「ES3」は「イマドキの音」にアレンジされた印象で、より多くの方々が受け入れやすい音だと思います。

バランスの取れたイヤホンのためジャンル的にな得手不得手は少ない方ですが、音のアレンジ的にはポップス系、アニソン、ロックなどに向いていると思います。いっぽうクラシックやジャズなどは個人的には同じKZでも最近の「ZST Pro」のほうが好印象でした。

ちなみに「KZ ZS3」はハイブリッドのBA部分に上記の通り「KZ 30095」という自社向けドライバーを採用しています。また、ハウジングを見てみるとステムに搭載されたBAドライバーの隙間を埋める形でスポンジがついており、ダイナミックドライバー側からの音を多少コントロール(抑制)させているのがわかります。
KZ ES3KZ ES3

いっぽう「KZ ES3」のダイナミック部分はサイズ的にも「ZST」と同一のものが使われていると思われます。ただ「ZST」では(一部のロットを除き)ステム部分にスポンジはついておらず、ダイナミックドライバー側の音を多少「抜けさせて」いたと考えられます。というのも「ZST」で採用されている「Bellsing 30095BA」というBAドライバーは「超高域用」と呼ばれる性質のドライバーのため、「ZST」ではダイナミック側でもある程度高域をカバーさせていると思われます。
ES3 / ZSTKZ ES3
いっぽう、「ZS6」や新バージョン「ZS5」で高域用にも採用されている「KZ 30095」は高域全般のより広いレンジをカバーしていると考えられるため、(ZSTと同じ)ダイナミックドライバーからの音(特に高域)を多少抑制することでBAとのバランスをとる必要があるのではないかと思われます。
ドライバーの性質の違いと、それに伴うダイナミックドライバーの制御、ハウジングの形状からくる音の流れ、これらの要素がスペック的には酷似した「ZST」と「ES3」のサウンドを決定的に変えている理由のようですね。



■ユーザー傾向に結構敏感で「ウケそうな音」に全力を振り向けるKZのイヤホン

ところで、私自身まだまだ期間は長くないもののイヤホン関係のレビューをいくつか行っていく中で、以前より傾向が変わっているなと感じる部分があります。特に「ハイレゾうんぬん」という話が業界を席巻するようになって最初に変わったのは「低音人気の終焉」だったのではないかと思います。
KZ ES3BOSEやかつてのBeatsをはじめ、日本の各メーカーなども「低域強調モデル」のヘッドホンやイヤホンをこぞって投入していた時期もありましたが、最近はそういったモデルより、ひと言でまとめるなら「メリハリ」のある音が「一般ウケが良くなりやすい」のではないかと思います。実際にハイレゾの音を聴き分けられるかどうかは別として、より広いダイナミックレンジを捉えられる高い解像度と分離感を求め、充分な低域と同時に高域もクリアに表現できるサウンド。ただそれは「Hi-Fi(原音忠実性)」とはまた別のアプローチで、多少人工的に強調してでもこの条件を満たした音にすることで「わかりやすさ」を演出する、というイメージでしょうか。

・・・と、これって、先日レビューした「KZ ZS6」のアプローチそのものじゃないかと思います。「ZS6」はこのメリハリのある「わりやすさ」を多少頭悪く感じるくらい(笑)強調しまくったイヤホンではないかと思います。そして今回レビューした「KZ ES3」もまた同じ考え方のベクトルで、「ZS6」ほど派手な演出ではないものの「聴きやすい音でまとめた」イヤホンだと感じます。

KZは「低価格のイヤホン」を「大量に売って」成り立っているということを考えると、実は「イマドキの音」には結構敏感で、なりふり構わず全力で流行にベクトルを向けることができるメーカーに見えます。
KZ ES3「ZST」も発売当初はその前の「ZS3」同様に「低音イヤホン」のベクトルでした。それが紫モデル以降ロットごとに変更を加えて、いまではむしろフラット寄りの美音イヤホンに「キャラ変」を果たしています。そして現在は自社向けBAなども含めて「高域」に力を入れている、という感じでしょうか。
そういえばKZはハイレゾマークの取得はしていませんが(ロゴ貼るのにも使用料かかりますからね^^)、「ES3」はもちろん、「ZST」などの従来モデルも周波数特性の上限を40kHzの「ハイレゾ仕様」にこっそり仕様変更しています。そう考えると白箱にして裏面に仕様を記載するようになったのは、ロゴマークの代わりでは・・・(スーパーで食品の原材料を確認するのと同じ心理を狙ったとか)。
KZのような「低コスト勝負」のイヤホンメーカーには「売るための」計り知れない努力が隠されているのかもしれませんね。

KZ ES3」は、これまでのZS6/ZS5、そしてZSTと「無茶な低コスト」で高音質を作り出す技術力を持ちながらもパ○リ体質でどうしてもキワモノ感が抜けないKZが、ようやく手がけた本格的な「オリジナル製品」だと思います。音質面についてはこれまでの経験が積み重なった素晴らしいものですので、より多くの人たちに人気の得られる製品となるとよいなと思います。
まあ、今後は多少製品の価格が上がってもバラツキのないクオリティコントロールができる生産体制もそろそろ考えた方が良いのではとは思いますが(^^)。
 

(オマケ)※キャンペーン期間中のみ掲載します。
本文中で紹介しているアマゾンのマーケットプレイス「WTSUN Audio」を運営する「Easy Earphone」より「KZ ES3とZS6のレビューキャンペーンの紹介」を依頼されました。「ES3」のレビュー内で別のレビューを募集するのもではありますが、いろいろお世話にもなっていますので簡単にご紹介します。

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要するにブログなどレビューサイトをお持ちの方は「ES3」と「ZS6」をレビューするよーという宣言をEasy EarphoneのTwitterアカウント(@hulang9078)へDMするか、バナー記載のメアドに連絡すると同製品が15%引きまたはWTSUN Audio全製品10%引きのクーポンをもらえる、というもの。
ブログサイトを持っていない方はアマゾンの製品レビューでも良いみたいですね。キャンペーン期間は2017年12月1日まで。詳しくは上記Easy Earphoneアカウントにお問い合わせくださいませ(本件については私のほうではご質問はお答えできないのであしからず、です)。



新「KZ ZS5」編/ZS6だけじゃない! KZ人気イヤホンの「新バージョン」を深掘りしてみた【後編】

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KZ ZS5

前編に引き続き、中国KZ社の代表的モデルの「新バージョン」の確認レビューです。後編はドライバー構成が大きく変更になった「新バージョンZS5」です。実は今回の後編の部分をやろうと書き始めたのですが、ZST編の方も結構新事実があってボリューミーになってしまいました(元々ひとつのレビューで書いていましたので)。
前編(「KZ ZST Pro」編)はこちら。
→ 「KZ ZST Pro」編/ZS6だけじゃない! KZ人気イヤホンの「新バージョン」を深掘りしてみた【前編】

新バージョンのZS5」になって「音が変わったのではないか」と心配されている方もいらっしゃるのでは、と思いますが、結論からいうと、「ZS5らしさはそのままに、さらに進化したサウンド」になっていました( ´ ▽ ` )。早速その違いを深掘りしてみます。


■ドライバーの大幅変更でサウンドはどうなった!? 新版「KZ ZS5」を掘り下げる

最近はより「アカンやつ」感がアップグレードした(笑)「KZ ZS6」の登場でちょっとだけ影が薄くなりましたが、某CA社イヤホンの元祖「そっくりさん」が「KZ ZS5」です。2BA+2DDのマルチドライバーハイブリッドの構成ながらAliExpressなどでは30ドル台で購入できる価格破壊っぷりも相当に話題になりました。

過去記事では2回にわけてレビューを行っており、現在も多くのアクセスを頂いていることから相変わらずの人気イヤホンであることが伺えます。
驚きのスペックと低価格で話題の中華イヤホン「KZ ZS5」を購入しました。【レビュー前編】
→ 「KZ ZS5」 vs 「ZST」「Pro HD」「E2000」注目のアンダー5000円イヤホンを比べてみた。【レビュー後編】

さて「新旧バージョンで何が変わったの?」という話ですが、「BAドライバー」の変更と「ドライバレイアウト」の変更という、「それってもう別のイヤホンじゃないの?」という大幅変更が行われています。

具体的にKZ社の情報を確認すると、旧バージョンでは、
KZ ZS5 旧バージョンKZ ZS5 旧バージョン
というように、ステム側に高域用の「KZ 1205」BAが、ハウジング内に縦に超高域用の「Bellsing 30095BA」が搭載されています。

これが新バージョンZS5では、
新バージョン ZS5新バージョン ZS5
と、ステム側にBAドライバー「KZ 30095が並列に2個搭載されるレイアウトになりました。
実はこのレイアウトおよびドライバー構成は、先日発売された「KZ ZS6」と全く同じものです。

そのため、「新ZS5はZS6と同じような音に変わってしまったのでは?」というウワサがささやかれ始めました。
これは実際に購入して比較するしかないですね!!


■というわけで新バージョンZS5(簡易版&豪華版)を入手しました。

情報によると「新バージョンZS5」(以下「新ZS5」)はKZ社より8月頃より出荷を開始したとのこと。多くの在庫を持っているセラーでは旧バージョンの在庫が残っている可能性がありますが、現在はおおむね新バージョンに入れ変わっているのではないかと思います。というわけで、新バージョンZS5は、AliExpress(簡易版)とアマゾンのWTSUN Audio(豪華版)で2種類入手しました。
AliExpress(NICEHCK Audio Store):KZ ZS5

※AliExpress(HCK)で購入の場合、オーダー時に「bisonicr」とメッセージを入れていただくと値引きが受けられます。くわしくはこちらを参照ください。

届いたパッケージは、簡易版も豪華版も従来までのものと全く同じでした。前編で紹介した「ZST Pro」が「ZS6」のような白い化粧箱にパッケージ変更になっていたので少し期待したのですがちょっとだけ拍子抜けです。ただこれは旧バージョンの市場在庫が残っていることに配慮したためかもしれませんので簡易版のほうはいずれ「白箱」に変わる可能性もあるかも、という気もします。
KZ ZS5KZ ZS5
また、アマゾンではEasy Earphoneのマーケットプレイス(WTSUN Audio)にて、「豪華版」パッケージのバージョンを販売しています。Easy Earphoneに確認したところ、9月より「新ZS5」に入れ替えを行ったとのことですが「新ZS5も豪華版パッケージで」とのこと。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio):KZ ZS5

どちらのパッケージでも付属品なども特に変更はありませんし、本体の見た目も全く同じです。いちおうステムを角度を変えて見てみるとメッシュ越しに2個のBAがうっすらと確認ができる程度です。

今回私のところに届いたWTSUN AudioからのZS5は豪華版の新ZS5でした。ただカラーや構成によっては旧バージョンの在庫が混ざっていても正直区別がつかないため、もし購入して不具合や気になるところがあれば問い合わせをされたほうが良いでしょう。旧バージョンのレビューでも触れたとおり、ZS5(そしてZS6)は一般的なイヤホンより「当たり外れ」の多い製品ですので、その辺はあらかじめご了承ください(WTSUN AudioはAmazonのマケプレのなかでもかなりその辺の対応が誠実だと思います)。
KZ ZS5KZ ZS5
ただ「新ZS5」では「ZS6」や「ES3」など最近のKZ製イヤホン同様に、2pinコネクタ部分が非常に固くてケーブルが刺さりにくい(=抜けにくい)ものになっています。
ある意味これが新旧を見分けるいちばんのポイントかもしれません。

KZ ZS5旧バージョンでは付属の0.75mm 2pinケーブルでもわりとすんなり取り付けができる程度の固さだったため、CIEM用の0.78mm 2pin仕様のケーブルにリケーブルするとコネクタが緩くなってしまいケーブルが外れやすくなるということがありました。
まあ本来イヤホンのケーブル脱着式の目的はリケーブルではないので旧タイプの方が「普通」なのですが、KZの場合、付属ケーブルはコスト削減のしわ寄せを直接受けている部分で、自社でも「アップグレードケーブル」を発売しているくらいですので「リケーブル前提」のコネクタ仕様にするのは「適切な改善ポイント」でしょう。あとは音質面でどの程度変化があるかが気になるところです。


■とりあえず新ZS5のドライバ変更を実際に確認してみた(o゜▽゜)o

今回「新ZS5」は2個(簡易版と豪華版)入手しましたので、ひとつは実際にフタを開けてみて新旧での違いを確認してみると、確かに新旧でドライバーの配置が変更になっているのが確認できます。

ZS5新ZS5」および「ZS6」で採用されている「KZ 30095」というBAドライバーは最新の「ES3」も含め、「ZST」を除くKZ社の現在のハイブリッドで共通で採用されているものです。旧バージョンで縦に刺さっていたドライバー(Bellsing 30095BA)と同じ「30095」という型番を付けており、どちらもKnowles社の「WBFK-30095」をオリジナルとしているとは間違いないと思いますが、Bellsing社のドライバーとKZオリジナルのドライバーでは多少音質傾向も異なるような印象です。
また、ZS5は新旧とも2個のダイナミックドライバーのうち6mmの方が紙テープで覆われていますが、この辺がZS6と異なるチューニングになっている秘密のひとつではないかと思っています。

ZS5いっぽう、ステム側のメッシュを外すと、確かに「新ZS5」は「ZS6」同様に2個のBAが並列で装着されています。
ただし、新旧ZS5とZS6でBAドライバーのステムへの装着位置と角度が異なっている点には注目したいところです。先日のZS6のレビューをご覧頂いた方より「届いたZS6の個体が左右で音が微妙に違ったので、ステムのメッシュを外したところ、BAの取り付け角度が異なっていた」という情報を寄せていただきました。その個体はおそらく「ハズレ」で間違いないと思いますが、BAの装着角度も音質を変化させる上でひとつのポイントだという事実を裏付ける情報だと思います。

新ZS5」と「ZS6」はドライバー構成が同じため、「新ZS5はZS6のような音になるのでは」という疑問には、旧ZS5と同様の「調整」をしていたり、BAの装着角度を変えたりとセッティングを変えることで「違う音にしている」ことが伺えます。いっぽう「新旧ZS5」でどれくらい音が変わっているのか、という点については、実際に聴き比べて確認してみます。


■実際に新旧ZS5をじっくり聴き比べてみたら、新ZS5は「ZS5のまま進化」してた!

KZ ZS5新ZS5」を箱出し直後に聴いた印象は「あれ?これやっぱり旧バージョンだったかな?」と思わず錯覚してしまうくらい「ZS5のサウンド」です。付属ケーブルで聴く限りは確かに「ZS6」とは異なるサウンドのようです。上記の写真のように「フタを開けて」新バージョンであることを確認してるので間違いは無いわけですが「どうやって旧バージョンのサウンドを踏襲してるの?」と当初は大変不思議に思いました。
その後、出張期間など約150時間程度のエージングを行い、さらにさまざまなリケーブルを行いながら改めて新旧ZS5をじっくり聴き比べてみると、両者のサウンドの違いが見えるようになってきました。

KZ ZS5まずは新旧のZS5でどちらも純正のアップグレードケーブルおよび同じイヤーピースを使用し、同条件での比較を行ってみます。
改めて、新旧のサウンドバランスは非常に近く、緩やかなドンシャリ傾向の周波数特性となっています。しかし、この条件下で聴いた際に違いを特に明確に感じたのは中域の凹み方で、旧バージョンではわりと遠くで聞こえていた印象のボーカルが「新ZS5」では比較的近くに定位するようになりました。また「新ZS5」は旧バージョンと比較すると高域についてもZS6のようなシャリ感も若干感じることができ、全般的に解像度の向上も確認できました。

KZ ZS5150時間以上のエージングを行うことで、「新ZS5」は低域を中心に締まりが増すことで分離感も向上し、旧バージョンを大きく上回る高い解像度を実感するようになりました。
さらに情報量の多いケーブルに変えることで、より明確な変化も聴くことができます。アマゾン(WTSUN Audio)で販売している7N銀メッキケーブル(ブラウン)を使用してみると高域の伸びが一気に向上し、多少の刺さりと「ZS6」にも共通する解像度の高さを感じることができました。
新ZS5」では「ZS6」同様にステムにBAドライバーを2個並列で配置することで、全般的に距離が近づき、かつ中高域にしっかり迫力を持つようになったのだろうと思います。

このように「新ZS5」は旧バージョンと比較して着実にブラッシュアップされたサウンドになっています。以前のレビューでは「無茶なスペックで作った及第点のサウンド」と書きましたが、「新ZS5」では音質面でも十分に高い完成度となっており、その表現は訂正が必要と感じました。もし「KZ ZS6」のサウンドクオリティでより聴きやすいイヤホンを探しているとしたら「新ZS5」はベストな選択になりうるレベルに進化していると思います。

また上記の通り「新ZS5」ではリケーブルによって本領を発揮する傾向がより顕著になりました。付属する標準ケーブルは本来の実力を発揮するのには明らかな能力不足感がありますので、リケーブルは必須といってよいでしょう。「新ZS5」ではコネクタが緩くなりにくくなったことで気兼ねなくリケーブルを行えるようになりました。

まずはKZ純正のアップグレードケーブルが挙げられます。現在は白色のものに加えてより高性能なブラウンのケーブルも販売されています。こちらでも十分にクオリティアップは見込めますがせっかくなのでZS6同様にさまざまな2pinケーブルを試したいところです。

  
上記でも紹介した7N銀メッキケーブルをはじめ、アマゾン(WTSUN Audio)で購入できる5000円程度のケーブルは3.5mmのステレオに加えて2.5mm4極のバランス接続も選択でき、クオリティも高く素材によって音質にも変化が出せます。
KZ ZS5KZ ZS5
アマゾンやAliExpress上には他にも多く利用可能なケーブルがありますので、いろいろ試してみるのも面白いでしょう。私のブログでも今後手持ちイヤホンケーブルのまとめレビューを計画していますので多少の参考になればと思っています。


■正統進化を続けるKZ製イヤホンに中華イヤホン牽引役の底力をみました

KZとにかく「低価格の中華イヤホン」の代名詞的存在だったKZのイヤホンは、「低価格」という個性は「かなり無茶な低価格」くらいに強調されるほどに健在ですが、製品をロットごとにブラッシュアップしていくことで「安かろう」では語れないレベルの品質にグレードアップしています。製品の品質が購入時期によって違う、というのは、最近では中華イヤホンでも他のメーカーはあり得ない感じになっていますが、KZは「無茶な低価格」によって半ば強引にユーザーを説得させるという、やはり「無茶苦茶な戦略」をばく進して、結局その有り様を認めてしまっているユーザーの姿も透けて見えます(私自身が最たるものですね)。

KZ ZS5」は、新バージョンの登場により確実にサウンドのレベルアップを果たしていますが、価格は据え置いたままです。相変わらずの「残念なパ○リのデザイン」を許容できれば、ちょっと「ZS6」の陰に隠れている感じはあるものの、いよいよ「アンダー5,000円最強」のイヤホンになった感はあります。もし良ければ「ZST Pro」「新ZS5」そして「ZS6」という3つのイヤホンをぜひ手にしてもらって中華イヤホンの底力を体感していただければと思います。


プロフィール(Twitterアカウント)
カフェで息抜きにイヤホンとかのブログ書いてます。Apple好きのおっさん。食べるのも好き。普段はIT系のお仕事で自宅は福井県ですが都内で単身赴任してます。ポタオデは趣味で出張のお供。美音系/モニター系の音が好みです。自宅ホームシアターもそろそろ改造したいな。
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