MacBook Air 11"の2010年モデルを発売後すぐに購入して以来、特に仕事環境での利用頻度が高いのが仮想環境によるWindowsの使用です。

ならば最初からWindowsのモバイルノートを使えばいいじゃん、というなかれ。それまで仕事用にWindows XPダウングレードのVAIO Type Gを2年間使用したのち、MacBook Airに乗り換え仮想化環境を導入することで利用環境は劇的に変化しました。
現在ではMacBook Air+仮想化環境こそが「最高のモバイルWindows環境でもある」と思っています。


■MacBook Airの「最大のウリ」はスタンバイ機能
なにより、MacBook Airはその薄さに代表される外観がとかく注目されますが、なにより最大の特徴はフラッシュストレージの採用と本体内部の大半の容積を占めるバッテリによる「スタンバイ機能」。
MacBook Airではモニタを閉じればすぐにスタンバイに入り、開けば瞬時に立ち上がる。スタンバイは最長1ヶ月間もバッテリで持続され、ユーザはめったにシャットダウンをおこなう必要がありません。

この機能はとにかく便利で、MacBook Airを日常的に持ち歩くと、それまではいかに「立ち上げ」「シャットダウン」の「待ち」に貴重な時間を奪われていたかを実感します。
Macだけではなく、Windowsでもこのような利用感覚をもったノートPCは他にはまずありません。Windowsでのスリープのままにしておけばあっという間にバッテリ切れになりますし、そもそもスリープを繰り返すと調子が悪くなることは経験則でよくわかっています。


■MacBook AirでBootCampはナンセンス
Mac OS XではBootCampによりWindowsのマルチブートをサポートしていています。私もMacBook Air購入直後にはBootCampでWindows7をインストールしましたが、スタンバイを繰り返すうち、わずか1日でシステム領域が破損し、Windowsが起動しなくなってしまいました。所詮WindowsはWindowsなんですね。おまけに、MacOS XはWindowsのNTFSファイルシステムの書き込みをサポートしておらず、BootCampでもFAT32パーティションにWindows7をインストールしなければなりません。
そもそもMacBook Airではフラッシュストレージの容量に限りがある中でやっぱBootCampはナンセンスですね。


■MacBook Airで普段使いなら「VirtualBox」、USBを多用するなら「Parallels Desktop」がおすすめ
別にMacに限ったことではないが、VMwareであれ、WindowsのVirtualPCであれ、仮想環境では仮想マシン(仮想ハードウエア)ごとサスペンドすることができます。そのためWindowsのスリープやスタンバイ機能に問題があってもマシンごと「一時停止」をするため、安定して停止させることができます。

そこで、MacBook Airではディスプレイを開いて瞬時に利用可能になったら、仮想アプリを立ち上げ(起動中ならなお早い)、サスペンドした仮想マシンをスタートさせるわけです。おそらく横でモバイルPCを持った人と同時にスタートしても遙かに早くWindows環境を利用できるようになっているはずです。
そして終わるときも、仮想マシンを一時停止し、ディスプレイを閉じるだけ。
この快適さをいちど外出先で経験すると、もうWindowsのモバイルPCには戻れません。

また、仮想環境ならば安定してWindows XPが利用できます(XPは別途購入が必要)。同じ仮想環境でもMac上のほうがWindows 7の「XP Mode」より軽快なのはなぜでしょうね(笑)。

Macでの仮想環境の利用は無償の「VirtualBox」でまったく支障ありません。十分に高速で安定しています。「VirtualBox」はOracleVMシリーズの製品で各プラットフォームに対応しているがMac版も同様に快適。外部USBデバイスも利用できます。

ただし、USBデバイスを多用するなら市販の「Parallels Desktop」のほうが洗練されているようです。
仮想環境起動中に外部USBデバイスをプラグすると画面にMacとWindows、どちらで認識させるか選択する画面が表示されます。この使い勝手が抜群によい。ふつうWindowsだとプラグするコネクタが違うと都度認識されるシリアルケーブル等もずれることもなく、この辺はWindowsマシンを使うより便利と感じます。
またParallels Desktopでは市販アプリらしく、フルスクリーン表示の「くるっと回る」、復帰するときの角を「ぺろっとめくる」アニメーションなどの派手さは実用性はまったくないものの、デモ効果は抜群。わたしはこれを知人に見せびらかして何人もMacユーザに鞍替えさせました(^^)。
見た目って、大事なんです。
ただし、Parallels DesktopにはXP Modeよろしく、アプリケーションウインドウだけを表示させたり、Windowsにしかないアプリの拡張子の場合は自動的に仮想環境を立ち上げる関連づけなど、けっこうありがた迷惑の機能も多いのが個人的には残念。
シンプル・イズ・ベストという点では「VirtualBox」のほうが通常使いではむしろわかりやすいですね。


■MacBook AirはWindowsヘビーモバイルユーザの救世主
個人的には VAIO type GやLet's Noteを使用していたヘビーモバイルのユーザほどMac Book Air+仮想環境をお試しいただきたいと思います。間違いなく、その快適さに驚くはずです。

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