TX100 S3


■個人で「サーバ」を買った。


某所で格安になっていた、富士通のサーバ機を購入した。
PRIMERGY TX100 S3」という機種。OSレスモデルでへたなPCを購入するより遙かに安価に買えた。

Pentium G650 / 2GB RAM / 250GB SATA というスペックだが、数年前にヨーロッパの富士通シーメンスを吸収、ラインナップを統一化して以降、マザーからの自社生産(機種によってはマザーボードにMaid in Europeの刻印がある)、国内工場の組み立てとなりクオリティが格段に向上した。
このTX100 S3も静音設計の電源に、使いやすいミニタワーサイズながらケースの冷却設計は秀逸で、3.5"×4、2.5"×1のHDDベイへの配線の引き回しもよい。またLANもインテル製のものを2系統搭載するなど単純にベアボーンとして考えてもかなりお買い得だと思う。

またメンテナンス性も高く、ケースはハッチ式でドライバレスで開閉ができ、さらに、HDD(3.5" 4基分のマウント付き) 、オプティカルドライブ(1基分のマウント)、PCI-Ex(x16、x8、x4、x4の4つ)の各スロットがやはりドライバレスでマウントできる。この辺は組み立てコストが影響するメーカー製品らしい点だが、メンテナンスやスペックアップのうえでも有り難い。

■CPUの交換、ビデオカードの増設

Sandy BridgeのPentium G650は、Pentiumといえどもかなり高速で、ひと世代前のCore i3よりも部分的には早かったりする。ただ、どうせならCPUも換装してみる。
今回は同じサーバやワークステーション用途のXeon E3-1220にした。TX100 S3で実際にラインナップされているCPUなので間違いなく動作するだろう、というのと、たまたま手元にあったから。
ただ、同じコアのi3もラインナップにあるので、i5やi7に換装しても問題ないとは思われる。

メモリに関しても「富士通製ではない」という警告が起動時に表示されるものの、動作に支障はなかった。

ビデオカードについてはAMD(ATI)のRADEON HD5450のファンレス製品(ASUS製)を選択。HDMIでディスプレイと接続することでサウンドも出力される(サーバ機なのでマザーボードにサウンド機能は搭載されていない)。

Windows 7のOEM版を使用してインストール。追加でインストールしたのはネットワークアダプタとビデオカードのみで、あっけなく完了。
快適なサーバPC環境ができました。


 ■高性能静音PCとして、録画サーバとして

ビデオカードやCPUの性能を上げれば、安価でそこそこ高性能のPCを構築することができます。
しかし、サーバ機としての静音性や安定性を考えると、たとえばビデオキャプチャカードを搭載した録画環境を構築するのもよいでしょう。

実際、このあと、PT3を2枚搭載し、録画環境としてしばらく使用しました。
(これについては、その後環境を変更したので、別記します)

この記事を書いている時点でも、かなり安価で出しているところもあるようなので、手に入るウチに購入されるのもお勧めです。
→ 富士通 PRIMERGY TX100 S3(アマゾンでの価格)


 【まとめ】富士通PRIMERGY TX100 S3をベアボーンとして使う方法

まとめるほど大したこともないのですが、以上の内容をまとめると、

CPU: 標準搭載のPentium G650ほか、メーカーサイトのカスタマイズ構成に載っているCPUには換装可能。i3が使えるのでSandy BridgeのCPUならi5でもi7でもいけそう。

メモリ: DDR3 1600仕様のUDIMMならOK。ECCなしでもいける。ただし純正以外は起動時に警告が出る。

HDD: 3.5" SATA用のベイを4基搭載。マウントおよびSATAケーブルは配線済み。簡単に取り付けられる。

VIDEO: 標準搭載のVIDEOはサーバ用でPC用としては無理なので、PCI Express x16スロットに増設。(ビデオカードの機能で)HDMI出力だとサウンドも使えるのでおすすめ(サーバ機なので標準ではサウンドは未搭載)。あともとが静音なので、ファンレスなどを選択したほうがよいかもしれない。

OS: メモリまたはHDDと一緒にOEM版のWindoows 7を購入。メモリは純正以外だと動かないことも考えられるので、不安な人はHDDと一緒の購入がよい。OEM版以外のWindowsはインストールできてもライセンス違反になるので注意。

インストール: 
・上記オプションを装着後、ただインストールするだけ。ふつうにインストールできる。
・OSインストール後、ビデオカードのドライバ、ユーティリティなどをインストール。
・LANインターフェースは標準では認識しないため、ドライバをメーカーサイトでダウンロードする(Windows Server 2008R2用で問題ない)。
・あとはアクティベーション、Windows Updateなどをやっておしまい。


【追記】

さて、このサーバですが、また1台確保したので、会社で手持ちのビデオカードとメモリを追加して今度はWindows 8 Proをインストールしました。 
追加が必要なドライバはビデオカードのみ。

動作的にはWindows 7より軽くて結構快適です。

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