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2015-07-01-20-22-25■Apple Musicがはじまった!!

本日(2015年7月1日)から、Appleの音楽配信サービス「Apple Music」が日本でも同時サービス開始されました。

iPhoneなどのiOSデバイスでの使い勝手や機能はさっそくレビューが一斉に掲載されましたが、そんななかすこしタイムラグを置いて、同日午前中にMac版およびWindows版のiTunesが12.2にアップデートし、iTunes上でもApple Musicが使えるようになりました。

というわけで、iTunes 12.2上でApple Musicになってできたことを確認。



■iCloudミュージックライブラリへの統合(iTunes Match未加入の場合)

111Apple MusicをiTunes12.2でスタートさせると、ミュージックライブラリをiCloudへ統合させる確認ダイアログが表示されます。ここでOKをおすか、「設定」画面で「iCloudミュージックライブラリ」のチェックを入れると、iTunes内の音楽ライブラリがApple Musicと照合されます。

114照合が開始されると、既存のミュージックライブラリをApple Musicと照合し、Apple Musicにある楽曲についてはApple Musicの曲を、ないものはiCloudの専用領域にアップロードされます。
これにより、iPhoneのミュージックアプリの「My Music」をみるとiTunesのすべての音楽ライブラリとプレイリストが表示され、Apple Musicと統合されます。

ただし、iTunes 12.2ではこの統合機能に問題があるようでミュージックライブラリが破壊される可能性もあります。その場合は、バグが解消されるまでiCloudミュージックライブラリの使用を中止し、ライブラリの再構築を行うことを推奨します。
ライブラリの再構築はこちらのページに詳しい情報が記載されていました。

私の場合、Apple Musicファミリープラン加入で、ファミリーに追加した奥さんのApple IDでスタート。もともとミュージックライブラリの登録曲が少なかったせいか、ライブラリが破壊される現象は起きなかったようです。

※7/15 「iTunes 12.2.1」がリリースされ、これらのApple Music関係の問題は解消されたようです。


■iTunes Matchとの関係は?
iTunes上でApple Musicを考える場合、どうしても気になるのは「iTunes Match」との関係。Apple Musicには、すでにサービスが展開されている「iTunes Match」と補完する関係にある、とAppleのサイトには記載されています。
ただ、実際には重複する部分も多く、具体的には母艦のミュージックライブラリをiCloud上にもつ機能はiTunes Matchと同じとされています。

14ちなみに「iTunes Match」とは、母艦のiTunesにあるミュージックライブラリを iCloud(iTMS)上のライブラリとマッチングさせ、
マッチした曲はiCloud上の楽曲を、
マッチしなかった曲はiCloud上にアップロードされ、
結果母艦のライブラリはすべてiCloud上でストリーミングが可能になるサービス。(アップロード領域は通常のiCloudとは別領域。ライブラリ最大管理数は2.5万曲。今後10万曲になる予定)。



現在、iTunes Matchの項目はiTunes 12.2のメニューからはなくなりましたが、おなじ項目がiTunes Storeの「iTunes Match」にあり、サービスを契約する場合や、契約者がコンピュータを追加したり、実際にローカルの音楽ライブラリをiCloudとマッチ(およびアップロード)する場合も、ここの画面から行います。

iTunes Matchの機能とApple MusicでのiCloudミュージックライブラリの統合を比較すると、
iTunes Matchの場合は、既存のミュージックライブラリとの照合でiTMS(iTunes Music Store)のほぼ全曲と照合しているようなのに対し、Apple MusicではあくまでApple Musicでサービスしている曲だけで、邦楽については多くがマッチしません。これがiTunes Matchの場合は、サントラなどを除き、かなりの確率で「マッチ」し、またマッチした曲はDRMなしの高品質のiTMSの音源に差し替え(ダウンロード)することが可能です。
つまり、マッチした音楽ライブラリの楽曲はすべてiTMS相当の曲に置き換えることが可能で、それはWalkmanなどほかの音楽プレーヤーで聞くことも可能になるわけです。

Apple Musicでは後述のとおり楽曲にDRMがかかっているため、iTunes Matchのような柔軟な対応はできず、あくまでApple Music上でのライブラリの統合のみに主眼を置いた「似て非なるサービス」と考えるのが妥当でしょう。

わたしはすでにiTunes Matchも契約中なので、とりあえずは、両方契約の環境での動きを確認します。

※7/15 「iTunes 12.2.1」がリリースされ、iTunes 12.2でiTunes Matchの「マッチ」化されたライブラリが「Apple Music」のライブラリに置き換わる場合があるバグが解消されました。
→ iTunes 12.2.1で解消された「iTunes Match」の問題について



■iTunes Matchとの共存準備

image2015-07-01-20-21-21iPhoneなどで、iTunes Matchを利用している環境下で、iOSを8.4にアップデートすると、これまであった「iTunes Matchを利用する」スイッチが「設定」の「ミュージック」メニューから消えます。

そして、「Apple Musicを表示」スイッチがオン、「iCloudミュージックライブラリ」スイッチがオフになっています。
この状態で「iCloudミュージックライブラリ」をオンにしてもエラーになるので、いったん「Apple Musicを表示」スイッチをオフにして、再度「iCloudミュージックライブラリ」をオンにすると再び「iTunes Match」環境が復活します。

具体的にはミュージックアプリの「My Music」がiCloudにアップロードまたはマッチしたライブラリになります。そのうえで、あらためて「Apple Musicを表示」スイッチがオンにして、Apple Musicサービスをスタートさせれば、ふたつのサービスが無事共存できるわけです。



■iTunes 12.2でのApple Music(+iTunes Match)

Macの場合はOS X 10.10.4にアップデートし、iTunesも12.2にアップデートすると、iTunesでもApple Musicの画面が出現します。ただミュージックライブラリそのものは、iTunes Match契約済み(すでにライブラリがiCloudと同期している状態)ではそのままApple Musicでも利用されるため、特に変化はありません。

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iOS/Macなど環境に関わらず、Apple Musicで「+」アイコンでMy Musicに送ると母艦のライブラリにも「iCloudの状態」が「Apple Music」でライブラリに追加されます。このままApple Music画面ではなくふつうのiTunesの画面でストリーミングで再生することも、プレイリストに母艦の曲と組み合わせて追加したりなども自由にできます。
そして、曲のダウンロードも無事できました。



■Apple Musicからダウンロードした曲ではDRMが復活

36曲のダウンロードはミュージックライブラリのリスト表示で「iCloudのダウンロード」タブを表示させると表示される雲のアイコンをクリックすることでライブラリにダウンロードされます(iTunes Matchではお馴染みの方法)。



07ダウンロードされた曲ファイルは、iTunesフォルダの「iTunes Media/Apple Music」フォルダに格納されます。
ファイル形式をみてみると、ひさびさにみた「.m4p」形式(DRMつきMPEG-4 AACオーディオファイル)であることがわかります。DRMつきなので、ファイル移動などが制限されるほか、ダウンロードできてもApple Musicを解約するとおそらく利用できなくなるようにコントロールさせているものと思われます。


53したがって、このDRMつきAACファイルを直接移動したりして、具体的にはWalkmanなどにコピーして利用することはできません。もちろんMP3などへの変換など抜け道はありそうですが・・・(自己責任で)。

また、ダウンロードした曲を含め、ミュージックライブラリに追加されたApple Muisicの楽曲は自分のライブラリと組み合わせてプレイリストに入れることも可能。もちろん、ダウンロードした曲はネット未接続の環境でも再生できます。

ただし、プレイリストをiPodなどに同期しようとすると、ダウンロードした場合でもApple Musicの楽曲はエラーになります。やはり再生可能なのはダウンロードしたデバイスのみで「チェックアウト禁止」ということのようです。
唯一、Apple Watchへのみチェックアウトに対応しているようですが。
(Apple Watchを持っていないので未確認)


■その他(Apple TVなど)
Apple Musicのファミリープランに加入すると、ひとつの契約で最大6つまでのApple IDでApple Musicが利用できるほか、同一Apple IDでも複数のデバイス(iPhoneとiPadなど)でApple Musicが使えます。
ただ、現時点でApple TVはまだApple Musicに対応していないため、たとえば上記のようにMy Musicに追加し、さらにプレイリストに追加しても、iTunes Match加入状態ではApple Music楽曲を含まないプレイリストが表示されます。この辺の動きは今後Apple TVのファームウェアのアップデート等で変更されると思われます。

※7月2日 追記その1
AppleTVなどの対応状況を確認しました。

※7月5日 追記その2
iTunes Match連携をしない場合のiCloudミュージックライブラリへの変更について、iTunes Matchとの相違点などを追記・修正しました。