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■ヘッドホン本体より高いケーブルに交換するとか(笑)
 
AKGの「K240 Studio」というと、元々は結構古いモデルのヘッドホンで、ずいぶん前から国内販売は終了し、某有名店などの並行輸入のみになっています。
K240 Studioしかし元々のオーストリア製はもちろん、現在並行輸入されている中国製になってからも「1万円切ってる価格で音がいい」ということでちょっと前にネットなどで話題になりましたので、持っている方も結構多いのでは、と思います。
というわけで、私が持っているK240 Studioも中国製になってからのものです(といっても購入して2年ほど経ちますが)。さらに古いモデルのK240 Monitor(オーストリア製)も持っていますが、こちらはインピーダンスが600Ωとかなりアンプを選ぶ仕様で外観はそっくりですが、ほぼ別物と思っています。
そしてK240 Studioは現行のK240 MK2Q701K702K712PROなど同様にリケーブルが可能です。


最近「AKG純正」のアップグレード用リケーブルが発売されました。高純度6N-OFC採用とのことで、Mini-XLR3タイプのもの(C200)は定価1万円超えの商品です。
imageアマゾンで買ってもK240 Studio本体より高価なケーブルです。にも関わらず、買っちゃいました(笑)。

「コスパ最強とか言って買ったヘッドホンに本体より高いケーブル付けるとか、バカなの?」

とかゆー声も聞こえてきそうですが、問題ありません。
いずれK712 PROを買って、そっちにまわせばいいわけですから。先行投資です。いやー互換性のあるケーブルっていいなぁ(汗)。

imageケーブルの長さは使いやすい2m、布製の表皮で元々のケーブルより細いですが、適度な堅さなので絡まりにくく、コネクタ部分の作りとあわせてなかなかの高級感です。

K240 Studioへの取り付けもカチッとしっかり固定でき、かといって取り外しが固すぎることもありません。いい感じです。
 
見た目だけでもK240 Studioが少し高級になった気がします。



■明らかな解像度向上。K240 Studioでは包み込むサウンド



image早速プレーヤーにつないで聴いてみます。

今回は、普段ポータブル環境でDSDなどの再生で使っているFiio X3 2nd Gen + FiiO E12の構成で接続します。LINE OUTがついているX3(2nd)は直接ヘッドホン端子に接続するよりLINE端子からアンプを通すことでさらにグレードアップができます。ヘッドホンなら同じメーカーのE12との組み合わせは相性抜群です。



適当にDSDの音源をセレクトして再生すると・・・何!? この超解像度は!?


image念のため、いったん元のケーブルに戻して同じ曲を聴いてみますが、明らかに違います。

K240 Studioは全体的にフラットなモニターヘッドホンながら、中高域の抜けの良さと、曲の特徴を活かした量感のある低音が特徴でリスニング向きと言われています。
その特徴はそのままに、DSDソースのもつアナログ的な情報量の多さを確実に捉えにきている感じです。

メーカーサイトにもリケーブルにより「伝送ロスや歪み軽減による解像度向上」を特徴に挙げていますが、K240 Studioの場合、「分解能が上がっている」というより「音に包まれている」イメージを一気に向上させる変化を感じました。
エリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」(アルバム「Slowhand」/DSD64 2.8HMz)ではクラプトンのギターを間近で聴いているような感覚が楽しめ、Suara「不安定な神様」(アニソンオーディオVol3特典/DSD64 2.8MHz)のようなアニソンでも解像度の高さ維持しながらも量感がさらに増し、音に浸れるサウンドを奏でます(もともとK240 Studioは刺さる音ではないのでアニソンやEDM系も結構いけます)。
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またハイレゾ(FLAC 96kHz/24bit)の楽曲でもDSDとはまた違う音のキレの良さでリケーブルの効果を実感します。

ヘッドホンのグレードが1ランク上がった、という感じですが、実際のところは、エージングが進み、いい感じにこなれたK240 Studioの実力をリケーブルによって顕在化させた、というほうが正確でしょう。
そう考えるとリケーブルは必然だったという気分にもなってきます。


すでにK240 Studioというヘッドホンを十分に堪能して来た方々には、ぜひともリケーブルで新しい驚きと喜びを感じていただきたいですね。この際、本体より高いケーブルでもいいじゃないですか。

もっとも、K712 PROも買って、聞き比べてみたいという思いも、もちろんまだあるわけですが(笑)。