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小型NAS、またはNASキットは以前よりさまざまな用途で愛用しており、気がつくと結構な台数を常時所有・使用していることに気がつきました。

現在使用しているのは、福井の自宅で「Synology DS216j」と「ASUSTOR AS3202T」を、東京では「QNAP TS-453 Pro」「TS-259」、「ASUSTOR AS3102T」、さらにNETGEAR Ready NAS100シリーズの「RN102」と「RN104」と、おおよそ個人で使用するには無駄に多い台数です。
さらに以前はバッファロー、IO-DATA、LaCie、ロジテック等の製品も使用しており知らずウチにNASマニアの様相になっています。

このブログでもQNAPとASUSTORについては過去に何度かレビューを行っています。
・ブログカテゴリ:NAS(QNAP/ASUSTOR/Synology) http://bisonicr.ldblog.jp/archives/cat_10125551.html

今回は「Synology DS216j」のメディア機能を中心に、他の2社とのアプローチの違いを比べてみました。


■メディアプレーヤーの「QNAP」「ASUSTOR」とメディアセンターの「Synology」
「Synology」のNASは家電量販店などでは他の2社と比較して人気がある印象を受けます。実際、設定画面や管理画面がわかりやすく、初心者でもとっつきやすいというのも大きな理由でしょう。
Synologyのホームユース向けモデルの代表格「DS216j」は、Amazonでもベストセラーの上位にくる人気機種です。いっぽうのQNAPは同価格帯の競合機種となる「TS-231+」に加え、後継モデルの「TS-231P」をリリースしています。またASUSTORも「AS1002T」というモデルが同等クラスでありますが、ちょっと地味な存在です。


というのも、QNAPやASUSTORは、これらよりひとつ上位のQNAP「TS-251A」やASUSTOR「AS3102T」「AS3202T」などのモデルを主力に置いているフシがあります。これらのモデルは本体のHDMI出力を使い、直接テレビなどに接続して利用する「メディアプレーヤー」としての機能を中心に、多彩なメディア機能をすべて網羅することができるからです。
QNAP、ASUSTORとも、HDMI出力による機能は原則CeleronなどのIntel製プロセッサを搭載しているモデルに限定されており、ARM系のプロセッサを搭載する廉価モデルでは実現されていません。


いっぽう「Synology」は自身をあくまでNASとしての「メディアセンター」機能のみに特化し、プレーヤー部分は「Apple TV」や「Chromecast」などのプレーヤーデバイスと連携することを前提にしているため、そもそもハイエンドホームユースに相当するこれらのモデルがラインナップされていません。
・外部リンク:Synology 「マルチメディア」 → https://www.synology.com/ja-jp/dsm/6.0/multimedia 

NASの最初の目的はデータの保管場所であり、共有の場所だろうと思います。その主たる目的とホームユースでの操作性に特化しつつ価格を下げ、さらにメディア機能を活用したくなったらApple TVなどのデバイスを追加で購入すればよい、というアプローチは確かに大多数のユーザニーズに合致しているとも感じます。

そういう意味ではQNAPやQNAPフォロアー(と個人的に思っている)ASUSTORは、Synologyと同価格帯の廉価モデルでも同等の機能を持っているものの、やはり本命は利用用途がかなり明確になっているパワーユーザー向けの製品なのだと思います。


■スマートフォンでメディアコンテンツを利用
現在各社がもっとも利用用途が多いと考えているのが、スマートフォンやタブレットから専用アプリでNASにアクセスしての利用です。この分野では各社NAS側の機能と連動するアプリケーションを取り揃えています。

【Synology】
写真: アプリ「DS photo NAS側「Photo Station
ビデオ: アプリ「DS video NAS側「Video Station
(評価)
音楽: アプリ「DS audio NAS側「Audio Station
ファイルマネージャ: アプリ「DS file


【QNAP】
写真: アプリ「Qphoto NAS側「Photo Station
※さすがにバージョンを重ねており機能は豊富。
ビデオ: アプリ「Qvideo NAS側「Video Station

音楽: アプリ「Qmusic NAS側「Music Station
ファイルマネージャ: アプリ「Qfile

【ASUSTOR】
写真: アプリ「AiFoto NAS側「Photo Gallery
ビデオ: アプリ「AiVideos NAS側「LooksGood
音楽: アプリ「AiMusic NAS側「SoundsGood」
ファイルマネージャ: アプリ「AiData


ただアプリの完成度には結構バラつきがあります。
他にもダウンロード管理、Webカメラ管理などのアプリが3社とも同様にあります。SynologyとQNAPのNAS側の写真管理とビデオ管理は両社同じ名称ですが、もちろん各社それぞれの機能になりますので、全く別物のアプリケーションになります。


■Synologyの標準オプション?の「Apple TV」(第4世代~)
上記の通り、Synologyのメディア機能、とくにTVやAV機器への出力については連携するネットワークプレーヤーの存在が必須となります。
そのなかでも同社のWebサイトでも紹介され日本国内でも入手可能なデバイスがApple TV(第4世代~)です。もし普段使用しているスマートフォンがAndroidで、Apple製品はひとつも持っていない、という方でもPCレスでSynologyのメディア機能を堪能したければ、やはりApple TVはもっとも手軽な手段と思われます。
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第4世代以降のApple TVは、iPhone/iPadのiOSと同系列のtvOSを搭載しており、AppStoreよりアプリケーションのインストールが可能です。まだまだtvOS用のアプリケーションは豊富とは言いがたい状況ですが、Synologyについては「DS Video」と「DS Photo」の公式アプリをリリースしておりWeb画面以上の操作性でコンテンツの再生が可能です。ただ、Video Stationの仕様で再生できないTSコンテナなどの動画ファイルはDLNAではシェアされるものの、Web画面同様にApple TVでは再生ができません。

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この場合は「VLC Player」をApple TVにインストールするのがおすすめ。Apple TV用のVLCは他のプレーヤー用のVLCより快適な操作性で動作も安定しています。VLCならばDLNAで配信されるM2TS、TS、MKVコンテナといった再生しにくい動画ファイルも快適にApple TVで試聴ができます。
もちろん、VLCを使用する場合はSynologyに限らず、QNAP、ASUSTORはじめ、同様にDLNA配信が可能なNASであれば問題なくApple TVから再生が可能です。

■いっぽうQNAPは「Qmedia」でApple TV対応
なお、他社のNASでのAppleTVへの対応を比較すると、QNAPは「Qmedia」というアプリで動画・写真・音楽をまとめて網羅します。Synologyに対抗してリリースした感もあり使いやすく、ひとつのアプリでよくまとまっています。この辺の手堅さはやはりQNAPです。PR上手のSynologyと違い派手さはありませんが、「実」の部分はさすがQNAP、ではあります。
QNAPメーカーサイト→ 「Qmedia」ニュースリリース

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いっぽう、ASUSTORについてはApple TVについては残念ながらサポートされていないようです。


■Synologyへ「KODI」を使ってアクセスするなら「Fire TV」がおすすめ
ちなみに、私が所有するQNAPおよびASUSTORのIntel CPU搭載のNASはHDMI出力をもっており、自身もTVと接続することでプレーヤーとして動作する点が大きな特徴です。ここでそれぞれのNAS用のアプリをインストールすることでさまざまな機能が使えるのですが、なかでも代表的なのは「KODI」と呼ばれるメディアプレーヤーです。
「KODI」はXBMC Foundationが開発するオープンソースのメディアプレーヤーで非常にさまざまなフォーマットのメディアに対応する万能プレーヤーとして知られています(著作権保護のかかったデータは除く)。過去記事でQNAPおよびASUSTORでの「KODI」利用について紹介しています。
→過去記事:高機能・低価格NAS「ASUSTOR AS3102T」のメディア機能を確認する
→過去記事:QNAPがKODI(旧XBMC)メディアプレーヤーになる日(追記あり)

いっぽうSynologyは前述の通り、自身をメディアプレーヤーとして利用することはできません。SynologyでほぞんしたメディアデータをKODIを使って再生したい場合はいくつか方法がありますが、Apple TV版のKODIは現在のところ存在しないため、AppleTVと競合するもうひとつの代表的メディアプレーヤーであるアマゾンの「Fire TV」を使用するのが最適です。
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ただし「Fire TV」も単独にはKODIには対応しておらず、アマゾンのアプリストアにもKODIはありませんが、スマホなどにインストールしたAndroid版のアプリを「Fire TV」に転送して利用する方法が知られています。
→過去記事:Amazon Fire TV をプライム会員向け以外もレビューしてみた。(追記あり)

「FireTV」にインストールした「KODI」を使用することによって、Synologyでも上記QNAPやASUSTORと同様にライブラリを活用することが可能です。もちろん「KODI」自体は汎用のプレーヤーのため、Synology以外のNASにもDLNA(UPnP)やファイル共有(SMB)経由でのメディアアクセスが可能です。
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なお、KODIの利用については「Fire TV」だけでなくスティック型の「Fire TV Stick」も可能です。こちらはUSではCPUがクアッドコアになったNewモデルが出ているため、日本でも発売されれば「Fire TV」並の処理能力で快適に利用できるようになると思います。