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変なタイトルで恐縮ですが、先日、上海問屋のバランスド・アーマチュア型ドライバを3基搭載した、トリプルBA型イヤホンが1万円を切ったと言うことで、早速購入しました。
そろそろエージングも済んだ頃かな、ということでレビューです。

購入したのはこれ↓
BA型ドライバー×3基搭載 高音質カナル型イヤホン 高・中・低音域バランスタイプ (913764)
 (DN-13764)

この商品、以前からPai audioの3BAイヤホン「PAI-MR3」と同じ商品といわれており、販売開始当初の14,800円程度の価格設定時点で「トリプルBAイヤホンとしては価格破壊」とささやかれていました。それが1万円を切る価格設定なわけですから、こりゃ買わないわけにはいかないですね。


■その正体は Pai audio「PAI-MR3」海外仕様、らしい。

image私は1月中旬頃のタイミングで購入したのですが、そのとき通販価格は9,999円になっていたものの、秋葉原の店頭価格は13,999円。これなら送料払っても通販の方が得だね、というわけでポイントがたまってた楽天で購入。 1日遅れでの入手となりました。

届いたパッケージを見てみるとしっかりPai audioのロゴが。パッケージの中身も含めて、確かに「PAI-MR3」と同一とみて間違いなさそうです。
日本国内で販売されている「PAI-MR3」はワインレッドのカラーですが、中国では3色くらいカラーが選べるらしく、上海問屋はそのうちのブルーを輸入しているようです。

ただ、日本国内向けモデルと海外モデル(上海問屋のは海外モデルと)では搭載するバランスド・アーマチュアユニットのメーカーが違う、という話もあるようなので、国内で「PAI-MR3」として販売されている製品と全く同じ音、というわけではないようですが。
※ちなみに、「PAI-MR3」は採用ドライバはKnowles ED29689 + DTEC31323(Dual)だそうですが、上海問屋3BAもシェルの外側からロー側のDualドライバーがDTEC31323であることは確かに確認できました。ハイ側については刻印面が内側を向いており外からの確認はできませんでしたが、手持ちのED29689採用のイヤホンと全く同じ形状のドライバーに見えました。そうなると、ドライバーは同一で、もし違うとしたらチューニング程度ということになりそうです。

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パッケージには、S/M/Lのイヤーピース(Mサイズ装着済み)と布製のポーチが付属。装着されているMMCX仕様のケーブルはちょっと固めですが取り回し自体は悪くなさそうです。
クリアブルーのシェルは味も素っ気もない、という気もしますが、実際に街中で装着していてもそれほど違和感はなく、気軽に使えるという点で個人的にはいいと思います。明るいブルーですが派手めのデザインのイヤホンが好みの人にはむしろ向いていないかもしれません。


■装着感は個人的にはオッケーです(ただし参考にならないかも)

ちなみに、私は耳の形状がちょっと特殊なようで、耳の大きさ自体は人並み(か少し大きめ)くらいなのですが、耳穴が極端に小さく、奥まで押し込もうと思うとXSサイズのイヤーピースが必要になります。ただ、耳のサイズ自体は普通の男性サイズなので、シュア掛けで装着する分には多少ハウジングが大きくても違和感がなく、むしろ大きめのハウジングのほうが耳自体で固定できるため、イヤーピースで固定できなくても装着できる、という感じになります。
そのため、(ハウジングが大きくて)装着感がイマイチ、といわれるイヤホンでもむしろ私の場合は相性が良かったりします。
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上海問屋の3BA、というか同店で扱っているこの形状のMMCX型イヤホンはステム部分が結構太く、付属のSサイズのイヤーピースでぎりぎりの小ささ、というサイズ感です。
そのため、下手にウレタン製フォームのイヤーピースに交換するとむしろ大きくなってしまい私の場合はますます耳穴に入らなくなってしまいそうです。ただ、上記の通り、シュア掛けでハウジング部分で固定できるため(私にとっての)装着感自体は悪くはありませんでした。

ただ元になっているPAI-MR3の評判を見る限り、装着感は人を選ぶようです。たまたは私は相性が良かっただけだと思うので、あまり参考にはならないかもしれません。

imageいっぽう、私が普段愛用しているShureの同じ3BAイヤホン「SE535LTD」およびそれ以前から使っている「SE215SPE」などShureの製品は他社のイヤホンよりステムが非常に細いのが特徴的です。
Shureの場合、このステムの細さが遮音性を高める上で重要な役割を果たしているようです。
また私の場合は、このステムのおかげでXSサイズのイヤーピースやコンプライなどのウレタンフォームで非常に細くして耳穴に装着できるため、しばらくは「Shure以外のカナル型イヤホンは使えない」と強く思っていたほどでした。
そんな違いもあり、上海問屋の3BAはShureに比べると遮音性は高い方ではありません。まあPAI-MR3のほうは「セミオープン型」という表記もあるくらいですので。(ハウジングに穴は空いていないので、どの辺がセミオープンなのかは良くわかりませんが)


 ■トリプルBAを中低域中心に割り振ったリスニング仕様のイヤホン

imageというわけで、約2~3週間ほどエージングも兼ねていろいろなシーンで聴いてみました。正直BAイヤホンのエージングはいまいち効果を実感し切れていないのですが、「耳になじむ」という意味では聞こえてくる音が増えるのは事実でしょう。
上海問屋3BAについて、同じ3BAのSE535LTDに慣れた耳で聴いた最初の印象は、「ちょっとハイブリッドぽいかな」という感じでした。つまり中高域にBAらしさを感じつつ、中低域については量感はそこそこあるものの、ちょっとぼんやりとした印象で、ダイナミックドライバの音の広がりのようにも感じられた、というわけです。
ただ、これはSE535LTDがIEM寄りのモニターサウンドであるためで、いわば「解像度が高すぎる」という見方もできます。いっぽう上海問屋3BAはリスニングイヤホンとしては、非常にバランスの良いイヤホンと見て良いと思います。

image最初「ハイブリッドぽい」と感じた上海問屋3BAイヤホンの印象は、シングルBAのような聴きやすいボーカルに中低域の広がりをプラスしたような感じです。
ふつうトリプルBAだと高・中・低のそれぞれの音域でドライバを使用する構成で、SE535LTDなんかはまさにこの配分がぴったり綺麗に配分されているイメージです。その緻密なバランス感覚とShureイヤホン独自の遮音性の高さ、IEM並の敏感な反応で超絶解像度とどこまでもフラットなモニターサウンドを実現しています。

imageそれに対し、上海問屋3BAイヤホンは、中高域×1+中低域×2、というドライバの使い方をしている感じでしょうか。結果として、中域が一番厚く、低域もそこそこ量感がある、だけど高域は弱め、というバランスになっているイメージです。このイヤホンはShureほどの遮音性はないため、屋外ではそこそこ環境音が聞こえます。そのため多少中低域を厚めにすることでちょうどフラットに近い感じになり、さらに中域が広いことでボーカルなどが聴きやすい音になると思います。
解像度は3BAのSE535LTDや4BAのUE900sなどと比べるのは酷だとは思いますが、リスニングイヤホンとしては充分なクオリティと思います。

遮音性という点では、月数回のペースで新幹線を利用して移動をするのですが、今回は普段使用しているSE535LTDではなく上海問屋3BAイヤホンをお供にしてみました。
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日程の関係で日曜日の昼間の移動でも利用することとなり、新幹線の車内はそこそこ混雑し賑やかな状態でも上海問屋3BAイヤホンもSE535LTD同様に快適に利用することが出来ました。
とはいえSE535LTDは遮音性が非常に高いため、新幹線の車内アナウンスも全く聞こえない状態になりますが、さすがにそこまでの遮音性はありません(他のイヤホン並で、そこそこのボリュームで曲を再生しているとアナウンスが聞こえない場合はあります)。ただ新幹線から北陸線の特急に乗り換えたとき雪や強風などで電車が大幅に遅れたりするのですが、さすがにSE535LTD並の遮音性があるとむしろ不便だなと感じたりもしました。
その時の「没入感」度合いでイヤホンを使い分ける方法もあるかな、と思いました。


■リケーブルでわかりやすい音質変化。バランスケーブルもおすすめ。

上海問屋3BAイヤホンもMMCXコネクタによるリケーブルに対応しています。
もともとSE535LTDではリケーブルを行っており、「Astell&Kern AK300」をDAPに利用し始めてからはさまざまなケーブルに加え、バランス接続も行うようになりました。現在はどれも1万円以下ながら数種類のバランスケーブルを使用しているので、これらのケーブルを使ってリケーブルを試してみます。

image実際バランスケーブルを上海問屋3BAイヤホンに装着してみると、予想以上にはっきり違いが分ります。
もともとの標準ケーブルでは、BAらしい音はつかみつつも、解像度の高さではまあまあという音でしたが、バランス接続に変更することで、音の分離感が向上しひとつひとつの音がより明瞭に聞こえるようになりました。
特に手持ちでは一番価格の高いonsoの2.5mmケーブルより、価格が一番安いG&Vのバランスケーブルの場合がアタックのキレが良く、いちばん変化があったように感じたのが興味深いところです。

imageまた、アンバランスでは見た目も華やかなアップグレードケーブルを使用。イヤホンのドライバに見合う情報量が送られるためか、音の濃度がぐっと増し印象も一変。リケーブルで音が変わる、と言うのをあらためて実感し、トリプルBAイヤホンとしてのポテンシャルを再確認できました。

このように音質面ではある程度リスニングに特化した内容ながら、トリプルBAイヤホンとして高いクオリティを持った製品だということは間違いないと思います。1万円以下で手軽に購入できるというのは相当にお買得といっていいと思います。

まあ確かにハウジングは同社でも3千円台で販売しているダイナミックドライバ搭載モデルと同じプラッキーな透明シェルなので、多少の「安っぽさ」は否めないですが、手元にひとつ持っていても損はないかなと思います。わたしもリケーブルし気軽に持ち歩ける3BAイヤホンとして活用したいと思います。

【追記】 残念ながら「売切れ」になっちゃいましたね

現在、上海問屋の3BAは売切れてしまったみたいで、現在入手できるのは元々のPai audioの「PAI-MR3」のみになってしまったようですね。こちらだと価格は2倍以上。それでも3BAイヤホンとしては安価な方だとは思いますが、ちょっと残念です。

そこで中国AliExpressで中華イヤホンやカスタムイヤホンを多く手がけるNice HCK Audio Store(Twitterアカウント:@hckexin)で高性能な3BAイヤホンが販売されています。一体形成の透明シェルでカラーも6色から選択できるなど、PAI-MR3より良い仕上がりになっています。
HCK_shop

実際に私も購入し、詳細についてはレビューを掲載していますので、そちらを参照ください。
→ 「HCK DZC」 流線形透明デザインの3BAイヤホンを購入しました♪【割引情報あり】

現在ショップ価格は日本への送料込みで149ドルですが、上記レビューの割引情報を適用すると125ドルで購入することが出来ます。
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もし残念ながら上海問屋3BAを逃してしまった方はこちらを検討いただくのもアリかなと思いますよ。