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Amazonでイヤホン探しをしていると、検索の上位には出てこないものの、「これは?!」というイヤホンにときおり出くわすことがあります。今回購入したのは、どちらも中国AliExpress等で販売しつつ、日本のAmazonマーケットプレイスでもメーカーが直接出店していて購入が可能な「アラウンド3千円」の2種類です。
3千円級の中華イヤホンというと、私も以前購入イヤホンを紹介した「KZ社」の製品や、日本でもKINDENモデルがアマゾンで販売されている「Senfer UE」等が思い浮かびます。しかし、今回の2種類はこれらより「ちょっとだけ上」くらいの価格帯ながら、内容は「ちょっとレベルが違う」感じがする逸品でした。


■「Tennmak Pro」(2017版)/ SE215SPEの3分の1の価格で圧倒的な高音質。
個人的に以前から名前は聞いたことがあったけど実物を見たことも聴いたこともなかったイヤホン、ということで買ってみたのが「Tennmak Pro」です。
中国の小さいハウスメーカーらしく、AliExpressでもTennmak社の直販ストアを中心に販売されています。というわけで私もAliExpressで注文後、実はTennmak社自身が日本のAmazonマーケットプレイスにも出店していてほぼ同じ価格で購入できることを知りました。
どちらで購入しても結局は中国から送られてきますが、今ならAmazonの方が買いやすいと思います。
Amazon.co.jp:Tennmak Pro
AliExpress(Tennmak Store):Tennmak Pro


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「Tennmak Pro」はダイナミックのデュアルドライバ仕様のイヤホンで、MMCXコネクタに対応するほか、明らかにShure SEシリーズと酷似した形状をしています。
ちなみに、AliExpress側のページには比較的詳細な製品説明が記載されていますが、いちおう2017年モデル、ということになっているようです。2017年モデルでは、従来モデルからMMCXコネクタを改良し、付属するケーブルが銀メッキタイプに変わっているそうです(元々は黒色ケーブル)。マイクありなしが選べますが、私はマイク無しモデルで購入しています。
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3千円~5千円くらいの中華イヤホンでもパッケージのちゃんとしている製品は本当に増えていて「Tennmak Pro」も数種類のイヤーピース、専用ポーチ、MMCXケーブルがコンパクトに入っています。ハウジングは無印SE215のブラック(というかグレー)とほぼ同じカラーのプラスチックです。
ただ手持ちのSE215SPEと実際に比べてみると結構サイズや形状が異なることが分ります。

とりあえず開梱してすぐ聴いてみると、デュアルドライバーらしく低音が印象的なものの、中高域がちょっと後ろに引いているイメージでした。ところがその後、出張中を含めて長時間エージングを行い、約200時間程度経ったところで聴いてみると中高域もぐっと出てきて全般的に非常に密度の濃いドンシャリ系のサウンドになりました。
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Shure SEタイプの形状のイヤホンは本家同様に耳穴の奥までしっかり挿入するのがベストポジションのようで、「Tennmak Pro」もふつうのカナル型イヤホンよりすこし小さめのイヤーピースを使いしっかり奥まで装着します。そうすると低域の響きがぐっと増し、抜群の音場感を演出してくれます。このドンシャリ系で奥行きのあるサウンドは、ダイレクトさが売りとも言えるようなShure SEシリーズとは全く逆のアプローチで外観が似てるだけに大変面白いです。
実際「Tennmak Pro」を聴いた後にSE215SPEにイヤホンを変更して聴いてみると、「あれ?SE215SPEてこんなに薄っぺらい音だっけ?」と、その音質差に驚きを隠せませんでした。
まあ「Tennmak Pro」の味付けが濃すぎて、その後に聴いたSE215SPEの味がわからなくなった、という説もありますが・・・(笑)。

ということでロック・ポップス・アニソン向けの音ですが、普段使いで気軽に音楽を聴きたい、という用途には万人が受け入れやすい「おいしい味」のイヤホンではないかと思います。このイヤホンがSE215SPEの3分の1の価格で購入できるというのは素晴らしいことですね。
ただし、エージングは根気強くやった方が良いですが。

4/26追記(注意):
現在Amazonでいわゆる「マケプレ詐欺」とよばれる個人情報を盗み取る手口が横行しています。
本記事で紹介している商品でも「ロープライス」で極端に安い商品が表示される場合がありますが、もし購入をご検討されている場合は、「出品者」のリンクを選び「Tennmak Official Store」からご購入ください。


■「COULAX CX09」/メタルハウジング、2BA+1DDハイブリッドでアンダー3000円!?
便秘薬ではありません念のため(言いたいだけだろ)。そういやTennmakも冷凍うどんに・・・
それはさておき、 「COULAXというメーカーをAmazonで検索すると低価格のBluetoothイヤホンがいろいろ出てきます。おそらくメーカー自身も競合の少ない低価格Bluetoothイヤホンをメインに商売をしたい感がありありなのですが、そのなかでひっそりと1種類だけ販売されている有線イヤホンがこの「COULAX CX09」です。
Amazon.co.jp:COULAX CX09
AliExpress(COULAX Direct Store):COULAX CX09

Amazon.co.jpでは、購入時点でとうとう3,000円を割り込み、2,999円になってしまいました。
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AliExpress(日本向け38.92ドル)やAmazon.com(39.99ドル)の価格をみるといかに日本のAmazonが大幅なディスカウントになっているかが分ります。
しかもメインのBluetoothイヤホンが見るからに安物イヤホンの内容なのに対して、唯一「CX09」だけは「2BA+1DDのハイブリッド」構成、メタルハウジングとスペックだけは明らかにこの価格帯では異常なレベルです。

実際購入してみると(こちらはプライム対象でAmazon在庫商品のためすぐに届きます)、やはりしっかりしたパッケージに金属製ハウジングのイヤホン本体、イヤーピースはシリコン製とウレタン製がそれぞれS/M/Lの3種類(合計6種類)、ちょっと小さめですが革製のポーチ、と、やはりこの価格では無理なんじゃないかという内容です。
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また一般的に2BA+1DD構成の場合、BAユニットはデュアルドライバータイプの中高域ユニットを1個装着してるパターンが多いのですが、付属の説明書ではイラストによる解説ながら、大きさの異なる2種類のユニットを使っていることを伺わせる記述になっています。ますます「ちゃんと作ってる」感がしてきます。
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ただこのイヤホン、どうも音質より形状で損をするタイプのようです。

「COULAX CX09」はノズルの直線上に高域用・中域用(おそらく)のBAドライバーを配置し、サイドに低域用のダイナミックドライバがあるタイプのイヤホン。
この構成のハイブリッドだと1BA+1DDですが「KZ ZST」や「Senfer UEs」などシュア掛けタイプのイヤホンがイメージできます。いっぽう、通常のカナル型イヤホンの場合は伝統的に「AKG K3003」タイプというか、BAとダイナミックの各ドライバーを直線上に並べる配置が多いと思います(先日紹介した1BA+1DDの「HLSX808」「BK50」もこのタイプ)。
「COULAX CX09」はシュア掛けタイプではありませんが、ダイナミックドライバーの分横長の形状になっているため、耳穴の奥まで装着しようとすると耳の形状によってはうまく装着できないケースがあります。だからといって付属のウレタンイヤーピースのLサイズなどを使って固定すると、今度はノズル部分から耳穴までの距離がすこし長くなるため、全般的に音が籠もってしまい平坦な音質になってしまいます。
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もし付属のイヤーピースで最適な位置で固定できない場合は、「SpinFit」のような耳穴の奥で固定するタイプのイヤーピースに変更することをお勧めします。
またこのイヤホンもTennmak Pro同様に長時間のエージングで音質傾向が変化します。

5394c64a購入後に聴いた音質傾向の印象は2BAらしいサウンドは感じつつフラットで刺さりの少ない、ちょっと後ろに引いた印象でいた。
その後、約200時間のエージングを経て低音がよりタイトになり、中域の伸びが増えることでボーカルも前に出てきました。綺麗なドンシャリ傾向のサウンドに変化しました。
(私はエージングは普段使っていないiPod touchでApple Musicのプレイリストをランダムでのエンドレス再生を続けることで行っています。)
エージング後に低音の伸びが良くなってくるのは同じ2BA+1DDの「MaGaosi K3 Pro」ともちょっとだけ似ています。

また同じMaGaosiの先日紹介した1BA+1DDハイブリッド「HLSX BK50」と比較すると、「COULAX CX09」のほうがより味付けの少ないダイレクトなサウンドに感じます。いっぽうBK50(および同社のHLSX808)が音場の広さが特徴的なのに対し、CX09はよりタイトで全体的に音は近くで聞こえます。

imageいっぽう「MaGaosi K3 Pro」は約1万5千円程度と、音質に対するコストパフォーマンスでは他の同等製品を圧倒するクオリティの製品ですが、「COULAX CX09」はこのMaGaosi K3 Proと比較しても全体でのバランスや音場感では一歩譲るものの低音の厚みと中高域のクリアさは同等レベル。やはり「COULAX CX09」の「異常レベル」さを改めて実感します。

このように、より高価格帯のイヤホンと比較しても、「COULAX CX09」はかなりハイレベルなイヤホンだと感じました。

さらに、このイヤホンはイヤーピースで音質傾向がかなり変わりますので、もし低音をもっと抑えたい、という場合はノズル部分の開口部が大きいイヤーピースを、音場をより広く聴きたいときは上記の「SpinFit」や「コンプライ」などの柔らかいウレタンのイヤーピースを使用することでよりタイトな体温と立体的で広い音場を体感することができます。



■やはり中華イヤホンは楽しい
というわけで、今回購入したイヤホンは、少なくともAmazonのサイト上ではかなりマイナーな部類に入る中華イヤホンで、しかも全くキャラクターの異なる製品でしたが、共通してサウンドクオリティについては「アラウンド3千円」のレベルを大きく超えたものでした。
今後もこういうイヤホンがいろいろ見つかると楽しいなと思っています。

ちなみに、過去記事で購入した中華イヤホンをいくつか紹介しています。よろしければこちらもご覧ください。