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■とにかく美しいデザインの3BAイヤホン。「割引情報」もあります。

中国AliExpressのHCKさんより、「HCK DZC」を購入しました。
バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを3基搭載する、写真の通り美しいデザインが特徴的なインナーイヤータイプのイヤホンです。
HCK_shop
商品サイトはこちら→ AliExpress/Nice HCK Audio Store: HCK DZC

HCKさんのTwitterアカウント(@hckexin)でDZCの写真が公開されて、その見た目の美しさに魅了されました。
完全な「デザイン買い」です。そういえば最近の自分のレビューで「衝動買いはアラウンド1万円」と宣言している私ですが、現在のDZCの表示価格は149ドル。
もちろんこの価格でもトリプルBAイヤホンとしてては相当にお買得な部類だと思いますが、新製品なのをいいことに「すげー欲しいからもう一声!」とHCKさんにお願いしたら、追加の割引をしてもらえました(ラッキー!)。

さらに、この記事を読んだよ、ということをHCKさんに伝えれば、これから購入される方も同様に割引されるとのこと。
具体的には、149ドルのHCK DZCが「125ドル」で購入できるそうです。

実際トリプルBAで125ドルって、それだけで相当に安いんですが。そりゃ即決もしますよね!(笑)

割引方法は、「bisonicrのブログ見た」とか単純に「bisonicr」と入れてください。
購入画面のメッセージ欄で上記のようなメッセージを入力いただき、「Place Order」か別のクレジットカードを選んで「Confirm」し保留しておくと、しばらくしてから割引が適用してもらえると思います。


■透明で継ぎ目のない美しい流線型フォルム

HCK DZC」はその名称からも分るとおり、HCKさんのオリジナルのイヤホンです。BAドライバーを3基搭載。MMCXコネクタによるリケーブルが可能です。カラーも青・赤・紫・緑・黄・透明の6色から選択が可能です。

届いた梱包を空けると、イヤホン本体に加え、プラケースにイヤーピースがたくさん、そしてMMCXケーブルが同梱されていました。
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本体カラーは、最初グリーンにしようかと思ったのですが、HCKさんのTweetを見ていたら最初のオーダーがグリーンだったそうなので、私はパープルにしました(笑)。

実際にDZCを手にして、その透明なハウジングの流線型フォルムの美しさに改めて感動します。

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ちなみに、ハウジングの形状ですが、中華イヤホンをいろいろ持っている方ならすぐにピンと来るのでは思いますが、ユニバーサルのイヤホンとしてはかなり攻めてる形状をしている、アレです。ただHCK DZCは形状の元になったであろう某中華イヤホンとは似ても似つかない、大変素晴らしい仕上がりです。質感にプラスチック感はほぼなく、またシェルの継ぎ目(接合面)も表面からは全く存在しません。とても美しいイヤホンになっています。

余談ですが、形状の元になったと思われる某イヤホンの装着性から、同じ形状でよい仕上がり&性能のイヤホンが欲しいなと以前から思っていたので、「HCK DZC」は私にとってまさに渡りに船だったわけです。

imageなお、全体的に透明なシェルなので光の反射をよけながら目を凝らすと採用ドライバーの確認もできました。使用しているのは、
  • ハイ: Knowles ED29689
  • ロー: Sonion 33AE (3300系のデュアルドライバー)
といった構成でした。

image付属のMMCXケーブルは、中華イヤホンではよく付いてくるタイプのものです。私もすでに同じものを数本持ってました。こちらは次に買うイヤホンを「ケーブルなし」にして再利用するとして、今回は別のケーブルにリケーブルします。
また、適当にイヤーピースを選択し(たくさん同梱されているので便利ですね)、実際に装着してみると、予想通りの謎のフィット感(だから日本語おかしいって)です。某イヤホンをご存じない方は最初に装着するときにはちょっと驚くかもしれませんね(そんな人はこのイヤホン買わないかな)。
あ、ちなみに、左右を示す刻印などは一切ありません。「わかっておろうな」の世界です(笑)。
いや、私はよくわかってるんですが。この見た目重視の姿勢は大変素晴らしいです。



■音も良いぞ! 締まりのあるトリプルBAらしいサウンド


image見た目の美しさと、ユニバーサルイヤホンとは思えない抜群のフィット感をもたらす形状の「HCK DZC」ですが、さらに音質もいかにも3BAらしい良好なサウンドです。これまで多BAのイヤホンをいろいろ作ってきたHCKさんの手慣れた感じが伺える、とても堅実な仕上がりだと思いました。
音質傾向はほぼフラットのモニターサウンド。高音のシャリシャリ感はきちんと押さえながらも適度な「刺さり」があり、中低域との分離感も非常に良いです。低域もきちんとコントロールされており、無駄に広がることなく全体的に締まりのある音ですが、耳にフィットしたハウジングに適度に響くことで広がりのある音場感も演出できているようです。

●SE535LTDとの比較
毎度お馴染みのShure SE535LTDです。ずいぶん長く使っているので、すっかり耳が音を覚えているくらいになっています。無印SE535より多少低音が強調されていますが、それも含めどこまでもフラットで、再生しているDAPのAstell&Kern AK300の淡泊さとあわせて、職人のごとく正確に音を刻んでいく感じがします。まあ元来モニターイヤホンとはそういうものなので、当然と言えば当然なんですが。
imageいっぽうの「HCK DZC」はSE535LTDに比べると多少中域が聴きやすく感じます。また、高域の刺さりはSE535LTDのほうが多少強いかもしれません。とはいえ、DZCの高音は個人的に多少刺さるくらいがちょうど良いfripSideの曲が過剰にシャカシャカせず、適度に刺さってくれる感じでした。
SE535LTDに比べ「HCK DZC」は中低域にわずかな残響感があり音場を広げてくれる印象があります。そのためクラシックはよりホールのような臨場感があり、ジャズはウッドベースの響きがよりセッションの空気感を高めてくれます。この音場感によりHCK DZCはSE535LTDよりは僅かにボーカルが離れていますが、リスニングとしてはむしろ心地よく思えます。
屋外での利用でもSE535LTDはDAP側のS/Nが高ければ、自身の遮音性もあわせて澄み切ったような静寂の上にサウンドを乗せていきますが、「HCK DZC」の高いフィット感もかなり良い線を行っています。後日「HCK DZC」を新幹線でも使用してみようと思います。

●上海問屋3BA(PAI-MR3)との比較
以前購入した3BAイヤホンです。上海問屋の商品ですがPai audio製のユニバーサルシェルに3BAを搭載したモデルで実質的に同社の「PAI-MR3」と同じと思われるイヤホンです(そのため以降PAI-MR3とします)。
搭載BAドライバーはED29689+DTEC31323(Dual)で、DZCとかなり近い構造になっています。
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同じケーブルを使用し、MMCXコネクタで本体をHCK DZCからPAI-MR3に交換して聴いてみます。中高域は同じED29689ですが、聴いてみると違いはかなりハッキリしていて、DZCと比較すると、PAI-MR3のほうがボーカルが少し遠く、高音の刺さりはほとんどありませんが同時に少し丸く聞こえます。低音は非常に良く出ていますが、DZCで聴いた後だと、多少の雑味を感じます。おそらくこの雑味はハウジングの共鳴が耳を伝わって感じるものなので、PAI-MR3もイヤーピースを変えるなどして調整すれば改善できる可能性があります。
いっぽう、DZCは中高域の分離感が高く低域は多少抑制されているように感じますが、響きのあるサウンドで量感的には同等に感じました。


■好みのカラーで気軽に使いたいイヤホン

557d4a13HCKさんのオリジナルのイヤホンは6BA以上などの多ドラ構成のすごいやつ、というのが私のなかのイメージでしたが、このようにシンプルで使いやすいイヤホンも素晴らしい仕上がりであらためて感心しました。耳にすっぽり収まるデザインなので、実際に装着すると、全く違和感がないというか全然目立ちません。なので実際に装着したときの見た目の派手さを求める向きのイヤホンではないと思います。
ただ好みのカラーが選べて、抜群の装着感とどの音楽にも合うサウンド、そして価格と、持ってて嬉しい、でも普段使いでも気軽に使えるイヤホンとして個人的には良い買い物をしたなと思っています。