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Mac用の定番ハイレゾプレーヤーアプリの「Audirvana Plus」が3.0にバージョンアップしました。
とりあえずMQAフォーマットへの正式対応や(MQAでのハイレゾ配信を行う)TIDALなどの海外ストリーミングサービスへの対応等が主な変更点です。
トライアルサイトではMQA対応DACの自動認識の問題で特定メーカー向けのリリースが別途ありますが、現時点で最新の3.0.2にアップデートすることで、単一バージョンでの対応が可能になります。
また、「iTunes Integrated Mode」でiTunesと連携する場合に起こったトラブルも3.0.2で解消されているようです。


■最初に結論。2.6.6ユーザのアップデートメリットは現時点では「ほぼなし」かも。

もちろん、新規でAudirvana Plusを購入される方や、2016年12月以降に購入していて、無償アップデート対象の方はいいんですが、すでにバージョン2.xを使っていて、新たに39ドル(4000円オーバー)の金額を払って3.0にアップデートする場合、MQAやTIDALに用事がある方以外は、現時点(3.0.2)ではメリットはほとんどないことをあらかじめ認識しておいた方が良いかもしれません。

もしかしたら、今すぐのアップデートは控えて、今後3.x~とバージョンアップが進んで、プログラムが安定し、相応に機能追加が行われてからでも遅くはないと思われます。

まあ、2.0のときも最初のバージョンはいろいろ機能が実装されてなかったり、不安定だったりと大変だったので「こんなもんだ」とも言えるのですが、音楽プレーヤーソフトとして安価でもないので、もう少し何とかしてもらいないものか、とは正直思いますよね。


■3.0にアップデートを行う際は既存環境のバックアップを。
とりあえず実際にバージョンアップしてみて分ったことは、「やっぱ調子悪いから2.6.6に戻そう」と思う確率も結構高そうだと言うこと。そこで、バージョンアップを行う前に既存の環境のバックアップを取ります。バックアップはTime Machineで取ってるよ、と言う方もアプリケーションや設定ファイルはすぐに戻せない、あるいは復旧不可の可能性もありますので、手動で取っておきます。

バックアップをとるのは、
  1. Applicationsフォルダの「Audirvana Plus」アプリ本体
  2. /Users/ユーザ名/Library/Application Support/Audirvana」フォルダの中身(設定ファイル)すべて
  3. /Users/ユーザ名/Library/Preferences/com.audirvana.Audirvana-Plus.plist」(※設定情報)
になります(「ユーザ名」部分は各自のログイン名)。1と2は必須、3は利用されていた設定情報をそのまま継承する場合必要です(なくても再設定すれば問題ありません)。

設定ファイルのフォルダへはFinderの「移動」メニューの「フォルダに移動...」から上記のパスを入力してアクセスしてください。
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3.0にアップデートし、起動した時点で設定ファイルは3.0形式に書き換わりますので、アプリケーションだけ2.6.6に戻しても正常に動作しません。ですので、設定ファイルのバックアップは必ず取ってください。(2.6.6に戻す際は、3.0をアンインストール後、設定ファイルも含めてバックアップを戻せばOK)


■Audirvana Plus 2.xから3.0へのアップデート

C66LqooU0AAgbnvアップデートプログラムはトライアル版と同じなので、商品サイト( https://audirvana.com/ )の「Try It」からダウンロードします。ここで、マランツ、TEAC、DENON、LUXMAN、SONY、YAMAHAのDACを使っている場合はMQA機能を外した「3.0.0.1」バージョンのダウンロードが必要です。

ライセンスキーは、「Buy Now」で購入します。アップグレードの場合は旧バージョン購入時のメールアドレスと購入番号の入力を求められます。

ダウンロードした.dmgファイルを開き、アプリをApplicationsフォルダへ上書きコピーすればアップデート完了です。

次に記載する3.0.2にアップデートすることで、3.0.1と3.0.0.1のバージョンは統合されます。
MQA対応USB-DACの自動検出でエラーが発生していたことがバージョンを分けていた理由でしたが、3.0.2では初期値で自動検出をOFFにしてチェックボックスを作ることで問題を回避したようです。


■iTunes Integrated Modeのトラブルは3.0.2で解消
3.0リリース後数日でマイナーアップデートの3.0.2がリリースされました。
現時点でトライアルは3.0のままなので、いったん上記の方法で3.0をインストール後、「Check for Update...」でアップデートを検索してアップデートを実行する必要があります。アップデートサーバが混んでいるとエラーになる可能性もあるので、その場合は何回かトライしてみてください。
C66KlZRVAAAKtWh

3.0.1(または3.0.0.1)ではItunes Integrated Modeで再生曲がずれる、というトラブルがあったようですが、こちらも3.0.2で解消されています。


■違いはMQAデコーダ搭載と、TIDAL関係。オーディエンジンは?
これはあくまで私の個人的な憶測ですが、オーディオエンジンそのものは2.x系の最終バージョンである2.6.6とほとんど同じだと考えています。
2.5.xから2.6.xへアップデートした際に、ライブラリモードをお使いの場合はインデックスなどの更新が走ったのを覚えてらっしゃる方も多いと思います。またライブラリの管理方法(アーティストなどタグ情報の入力画面など)やReplay Gainの最適化設定など、かなり大規模な修正が2.6時点で行われています。どちらかというと、MQA以外では2.5から2.6のアップデートのほうが大規模だったと思います。

いっぽう、3.0はインターフェース等既存の機能面は2.6.6の状態を踏襲しており、インデックスの再構築などはアップデート時には行われませんでした。もちろんMQAデコーダを内蔵している時点で2.6.xと3.0は異なるエンジンと言えなくもないですが、MQA以外のフォーマットについては2.6になった時点での更新と同じものだと考えてもよいと思っています。音質面もFLACなどでは2.6.6と3.0の音はとりあえず違いを見つけることはできませんでした。


■USB-DACからDoPでDSDが再生できないトラブルが発生
私の環境では、ライブラリに蓄積してあるDSD形式の音源を再生しようとした際、DoPでのUSB-DACへの転送が誤動作し、正常に再生できないトラブルが発生しました。接続するUSB-DACの機種には関係なく(手持ちのDS-200、HP-A4、nano iDSD、Mojoでテスト)、Macの再起動などでも問題は解消できませんでした。
私の場合、ほぼすべてのDSD音源が全滅でしたが、同様のケースで一部のDSDが再生できないなど、いくつかのトラブルケースが存在するようです。

上記のように現時点では3.0のメリットはほぼありませんので、とりあえず2.6.6に戻したい、というのも現時点では有効な選択肢です。
また上記のバックアップが取ってない場合も含め、同様の考え方でクリーンインストールを行うことで問題が解消できる可能性が高いと思われます。


■プレイリストを書き出して、クリーンインストールを実施

クリーンインストールを行うと、音楽ライブラリ自体はデータのフォルダを指定し直すことで再構築できますが、過去に作成したプレイリストがすべて作り直しになります。
ですので、あらかじめプレイリストをエクスポートしておきます。05
プレイリストのエクスポートは、該当するプレイリストを右クリックして「Export playlist プレイリスト名...」を実行するだけです。これでプレイリストごとの.m3u8形式のファイルが出力されますので、クリーンインストール後、画面左下のプレイリスト作成ボタンで「Import playlist...」でインポートを行うことができます。

クリーンインストールは、上記の2.6.6に戻す場合と基本は同じで、アプリケーションをアンインストール(Applicationsフォルダからアプリを削除)後、上記の設定フォルダごと削除し、改めて3.0のインストールを行います。


■で、そもそもMQAてAudirvana Plusユーザに今すぐ必要なの?
MQAについての詳しい説明は割愛しますが、一般にはハイレゾ音源を従来より高い圧縮率でデータ化でき配信に最適、ということになっていて、3.0でサポートを強化したTIDALが使ってたりするそうです。

ただ、実際の実装は、FLAC形式のデータの圧縮コーデックをより圧縮率の高い「不可逆性」のMQAコーデックに置き換える、という方法になります。つまり、音質的にはMP3やAACと同様の「劣化あり=Lossy」となります(もちろんMQAにしてみればMP3/AACと一緒にして欲しくない、という気持ちはわかりますが)。しかし「可逆性で劣化無し=Lossless」フォーマットのひとつである普通のFLAC(Free Lossless Audio Codec)と見た目同じ.flac形式で、中身がMQAになるのってどうなの?、と感じます。

今後TIDALが日本上陸したり、国内の配信サービスがMQAをサポートしAudirvana Plusもサポートされるようになれば、それはそれで良いことだと思いますが、CDからエンコードしたり、ハイレゾ音源として購入するフォーマットとしては当分は必要ないかな、と個人的には思っています。

そうなってくると、ますますアップデートしなくて良かったんじゃない?
という話になっちゃうのですが・・・、とりあえず、今後に期待しています。