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おそらくGW明けぐらいまでは続きそうな、AliExpressの7周年セールのお買い物シリーズです。
(どんだけ買ってんだ、というツッコミはなしの方向で)

今回は「SENFER DT2 Plus」と同じメーカーの「SENFER 4in1」という2種類のハイブリッド型イヤホンを紹介します。


■「SENFER DT2 Plus」/「DT2」にBAをプラス。音質傾向も激変?
まず最初に届いたのは「SENFER DT2 Plus」。見ての通り「IE800タイプのイヤホン」(笑)です。

購入はAliExpressのHCKさんにて。
AliExpress(NiceHCK Audio Store):SENFER DT2 Plus 

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すでに以前から「DT2」という1BA+1DDのハイブリッドモデルがあり、前期型・後期型と内容を進化させています。そして、今回購入した「DT2 Plus」はドライバ構成が2BA+1DDとなっている点が特徴。見た目が全く同じで名前も大きな違いないため、結構中華イヤホンに精通された方でも「DT2(1BA+1DD)」は知っていても「DT2 Plus(2BA+1DD)」のほうは存在も知らない、ということもあるくらい「日陰」なイヤホンです(笑)。

「DT2」のほうは構成により32~50ドル程度、今回購入した「DT2 Plus」は32~51ドルと、実は価格がほとんど変わりません。むむむ。セールで買ったときはもっと価格差があったような・・・というか「DT2」が値上がりしてるような・・・やっぱりアヤシイ臭いがします。

ちなみに形状もIE800っぽい「Swing IE800」と比べると実際は親子ほど大きさの違いがあります。また、MMCXコネクタでハイブリッドと、すでにIE800タイプと言って良いのかも微妙ですね。
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なお、装着してる姿を見て家族からは「耳にこいのぼりが刺さってるみたい」と言われました(残念)。

imageそんなこんなで、「DT2 Plus(2BA+1DD)」を実際に聴いてみると、まずは見た目だけではなく、音も非常に個性的なイヤホンだと感じました。
元々の1BA+2DD構成の「DT2」はドンシャリ傾向らしいでのですが、いっぽうの2BA+1DDになった「DT2 Plus」は全く異なる音質傾向に変化しています。最初は、全般的に低域は弱く、若干の籠もりのある緩やかなフラット傾向にも感じました。しかし、その後出張中にエージングを行い、約200時間ほど経った状態で再度聴いてみたところ、音質傾向はドンシャリ傾向に変化。低域の厚みも増し、高域の伸びが強くなった印象に変化。具体的には、ピアノの高音域など非常に高い音がよりシャープになり、籠もり感も解消されました。ただ同時に5kHzより上くらいのシャリシャリ感も結構増えている印象です。

imageただ、中域のバランスはちょっとだけ不自然で、良く言えば個性的、悪く言えばいびつな感じを受けます。曲によっては非常に平坦に聞こえたりする場合があります。これがジャンルとか、男性・女性のボーカルとか、ある程度特徴付けられるといいんですが、そうでもないところが悩みどころです。
DT2後期型は後述する4in1同様のドンシャリ系の音になったようですが、そこで単純にフロントのBAをデュアルタイプに置き換えたら、当然バランスは崩れますよね。と、DT2 Plusはそんな感じがする音です。もしかしたら「DT2 Plus」も今後改良された「後期型」が出るのかもしれません。ちょっと、購入を早まりましたかね?



■「SENFER 4in1」/DT2のオリジナルデザイン版? 高音質メタルハイブリッド
個人的にはDT2 Plusは「キワモノ枠」でしたので、ハズレでもむしろOK、くらいの勢いだったのですが(まあトリプルドライバのハイブリッドとしては十分安価ですし)、いちおう「抑え」で購入した、安定枠のイヤホンが「SENFER 4in1」です。
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こちらは1BA+1DDのハイブリッドでメタルハウジング、MMCXコネクタという内容で、「DT2後期型」のSENFERオリジナルデザイン版、といった感じでしょうか。しばらく前から販売されていて「DT2後期型」同様に評判は上々のようです。

「SENFER 4in1」もAliExpressで上記のHCKのほかEasy Earphoneでも購入できます。わたしは他のイヤホンのついで買いでEasyさんのほうで購入しました。
AliExpress(NiceHCK Audio Store):SENFER 4in1
AliExpress(Wooeasy  Earphone Store):SENFER 4in1

価格はMMCXケーブル付でも30ドルほどと、MMCXタイプのハイブリッドとしても結構リーズナブルです。

まず、メタルハウジングで比較的重量もあることから、耳穴が小さい方などは装着に一工夫が必要かもしれません。私も最初に聴いたときは今ひとつ高域に不自然な印象を受けたため、とりあえずエージングを行ったのですが、あらためて確認してみると、エージング効果と言うよりどちらかというと装着感のほうが原因のようでした。人によってはなかなかベストポジションに装着できない場合があります。
image最初私は付属のイヤピースでシェア掛けで装着していたのですが、イヤーピースをウレタン製に換え耳へのホールド感を高めた上で、通常の位置で装着し直したところ、「本来の音」が聴けるようになりました。
「SENFER 4in1」の音質傾向は先程の「DT2 Plus」と打って変わって明瞭なドンシャリで、メタルハウジングらしい多少硬質なサウンドです。
解像度はそこそこですが音の分離は非常に良く、ハイブリッドらしさ、という点ではわかりやすい音だと思います。いっぽう高域は非常に強く特徴的な鳴り方をするのですが、刺さりでいえばむしろ「DT2 Plus」のほうが高いくらいの印象をうけます(エージング前はもう少し刺さっていたかも)。

ちなみに、SENFERのハイブリッドというと「SENFER UEs」というモデルが非常に有名です。
imageこれは日本でもAmazonで購入できるデュアルダイナミック型の「UE」の改良型で、模範的とも言える非常になめらかなドンシャリ系のサウンドが特徴的。この「UEs」と「4in1」の音の違いも気になるところです。

実際、この2つのイヤホンを聴き比べると、「UEs」に比べ、「SENFER 4in1」は全般的に音の明瞭さが際立っていて非常に見通しの良い印象を受けます。どちらも低域は十分にありますが、4in1のほうが引き締まっていて、UEsは多少ボワついて聞こえます。また高域については明らかに4in1のほうが表現力が高く、このイヤホンの「美味しいところ」だと感じました。


■キワモノ買いの銭失い?。でも本当は結構「自己」満足(笑)
というわけで、今回は「結局評判の良い4in1はアタリ」で「キワモノ感が抜けないDT2 Plusはハズレ」という結果になりました。ただ、元々のDT2もロットによる当たり外れの大きいモデルだったようですので、私のような人柱を経て、今後グレードアップしたモデルが出る可能性もあります。
たぶんプラスじゃない方の「DT2」は「4in1」とほぼ同じ音のような気がしますので、どうしても「IE800ぽいデザインのイヤホンが欲しい」とか「やっぱりGWには耳にこいのぼりを刺してなきゃね」という方(いねーよ)以外は4in1を選んで良いのではと思います。

imageところで、本当は、3月時点で今回のセール価格に乗じて密かに「パチモノ」をゲットしようと画策していました。その時考えていたのが「(通称)98% IE800」と「SNFER K3003(2BA+DD仕様)」です。言うまでもありませんが、「SENNHEISER IE800」と「AKG K3003」という両社を代表する大変有名なイヤホンの「偽物」です。結局セールでは他のイヤホン購入にまわったため、どちらも購入することはありませんでした。たぶん、これでよかったのだと思っています。
もっともその代わりで、上記「偽物イヤホン」の一翼を担い、偽物をつくらなくなった今も有名中華イヤホンメーカーのひとつとなったSENFER社のお手頃価格のイヤホンを購入したわけなんですが。
特に「DT2 Plus」については、正直従来モデルの「DT2」についてはそれほど興味はなかったのですが、「DT2 Plus」でドライバーが2BA+DDに変わったことで、私の中の意味づけが変わりました。ほぼ個人的な解釈(というか思い込み)ですが、「DT2 Plus」は、「IE800ぽいハウジング」に「K3003ぽい構成のドライバー」を搭載させたイヤホン、のように思えて、従来モデルの「DT2」とはまた違った趣を感じたわけですね(笑)。というわけで個人的なキワモノ欲求とでも言いますか、そういう自己満足的には全く悔いの無いお買い物だったと思っています。



(追記)「SENFER DT2 Plus」は低音ポタアン併用で激変しました。
imageところで、「DT2 Plus」の特性からHead-Fiあたりの英語のレビューでも「イコライザをかければいい音」的な記述があったのをみかけて、ならばというわけで「低音強調」タイプのポタアンを経由させてみたころ、かなり良いバランスになり印象が「激変」しました。
使ってみたポータブルアンプは「Trasam HA2」(オペアンプ未交換)。なるほどこの組み合わせだだと低域もボコボコすることなく心地良く響き、音場もぐっと広がります。変な中域に悩まされることもありません。きっとこれが正しい使い方なのですね。納得です。
今後「Trasam HA2」はオペアンプを交換してフラット寄りの音に変えようと思っているのですが、同じ基盤を使っているらしいAuglamourの「AUGLAR GR-1 」が福井の自宅に置いてあるので、今後はこちらをオペアンプを交換せずに組み合わせようと思います。