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■個人的には久々のインナーイヤータイプのイヤホン
届いたのは先月なのですが、出張やらGWで地元に戻っていたやらで行き違いになってしまい、このタイミングのレビューになります。
Amazonのマーケットプレイスで出店している中華イヤホンのショップ(Twitterアカウント:@kimeeco)さんで紹介している商品ですが、現在は諸事情により購入できないようになっているようです。
購入ページ:Amazon.co.jp(KIMEECO):「FAAEAL 64Ω」(アップグレードバージョン)

※ちなみに製品自体はWooeasy(Easy Earphone)扱いのものと同一です。
価格は2,699円と3000円以下の価格設定で、プライム扱いではないので中国からの発送になります。

FAAEAL」という中国のインナーイヤータイプのイヤホンを作っているメーカーの製品になります。
同社の32Ωタイプは比較的評判が良かったようですが、今回入手したのはインピーダンスを向上させた64Ω仕様で、さらにケーブルが布巻きタイプになっています(アップグレードバージョンということで音質面でも向上しているようです)。image

インナーイヤー型のイヤホンはカナル型のような遮音性を求めることはできませんし、ある程度の音漏れも発生しますので大きい音量で通勤・通学などで使用するのには向きませんが、仕事中などに気軽にBGMを聴く場合などには便利です。
また、カナル型より低コストでより大きなサイズのドライバーを搭載できるためより臨場感のあるサウンドを手軽に楽しめるのも特徴です。

ともかく普段から「耳穴が小さくてイヤホンがいまいちフィットしない」だの「マッチするイヤーピースがみつからない」だのと言っているわりに、その辺の問題をあまり気にしなくてよいインナーイヤータイプはあまり使っていなかったわけですが、「FAAEAL 64Ω」を聴いてみて予想以上に良い音だったので少し反省しました。



■美しい塗装で価格以上の高級感のある質感
届いた商品は私にとっては「いつもの」Wooeasyのパッケージとお馴染みのイヤホンケースに入って届きました。イヤホン本体に黒・白・赤・グレーのスポンジカバーが2セットずつ同梱されています。このパッケージ構成だけでも3,000円以下の価格には結構お得感を感じます。
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ちなみに、「FAAEAL 64Ω」のデザインはいわゆる「MX500」というゼンハイザーの往年の有名インナーイヤーの流れをくむものです。無数のメーカーから膨大な種類のフォロワー製品が登場してますので、MX500を知らなくてもこの形のイヤホンは結構見かける、という印象ではないでしょうか。

image今回の「FAAEAL 64Ω」アップグレードバージョンは、美しい塗装の仕上げでプラスチック感は少なく、布巻のケーブルと併せて価格以上の高級感があります。インピーダンス特性が64Ωとヘッドホン並みですが、スマートフォン直挿しでも特に音量が取りにくいということはないようです。むしろ、もともとの「FAAEAL 64Ω」からケーブルが変更になったことで、情報量もアップしており、比べると単純に音量もより大きく聞こえるようです。ただこの辺は多少プレーヤー環境を選ぶ要因にもなりそうです。



■心地良い低域と広い音場感。ただしDAPと聴くジャンルで印象は大きく変化
一般的にインナーイヤータイプは、音導管で耳穴の奥まで音を伝えるカナル型と比べて物理的に再生位置が遠いため、安価な製品では中域が遠くこもった音になりがちです。
しかし「FAAEAL 64Ω」を普段使いのDAP(デジタルオーディオプレーヤー)の「Astell&Kern AK300」で聴いてみると、印象的な低音を聴かせてくれると同時に、各音域の分離性も良く、音場感のあるサウンドだと感じました。正直なところ、この価格帯のインナーイヤー型でもここまで良い音で聴けるのかとちょっと驚いたほどです。
再生するDAPを「iPhone 6」に変更し、イヤホン端子への直結でApple Musicで聴いてみた印象も同様で非常に心地良いサウンドを感じることができました。
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ただ、iPhoneなどのスマートフォン直結の場合や、ハイレゾ対応スマホやShanling M1などの低価格DAPと同じヘッドホンアンプを採用している「Hidizs AP60」を使って聴いた場合で、一部の楽曲、特にアニソンやメタル系のほぼハイゲインで埋め尽くされるような非常に音圧の高い音源を聴いた場合に完全に低音過多で中高域が籠もった音になる場合があります。いわゆるクリッピング(音割れ)を起こしている状況ですね。スマホ直結などの利用では「FAAEAL 64Ω」はこれらのジャンルの音楽にはあまり向いていないイヤホンだと思いました。

過去記事でも触れていますが、2000年頃にリリースされたCDあたりから「ラウドネス戦争」とよばれる時期を経由して一気に音圧が高く収録されるようになり、とくにこれらのジャンルの曲は音圧をギリギリまで上げて収録する傾向があり、「FAAEAL 64Ω」クラスのイヤホンではどうしてもクリッピングを起こしやすくなります。

もっとも、このような場合も、DAPにヘッドホンアンプを経由させることでイヤホン本来の特性を確認することができます。
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手持ちの「FiiO E12A」や「ALO Rx」といったアンプ側の味付けの少なく(ほぼ味付けのない)、イヤホンやプレーヤーの個性を引き立たせるタイプのヘッドホンアンプを上記の「Hidizs AP60」と組み合わせたところ、AK300で聴いたときと同様に籠もり感は解消され、非常に統制の取れたサウンドに変化させることができました。特に「ALO Rx」を経由した場合、雑味が消え、非常にすっきりした見通しのよいサウンドで聴くことができました。もっとも、3000円程度のインナーイヤーを使ってここまで大仰な環境で聴くのか、という話はありますね。

この辺は、より鳴らしやすい32Ω版だと変わってくる要素かもしれません。「FAAEAL 64Ω」はある程度どのような環境でも使えるイヤホンですが、プレーヤーの種類や聴く音楽のジャンルによってはずいぶん印象の変化するイヤホンだといえそうです。
最近になって、インナーイヤータイプのイヤホンも「FAAEAL 64Ω」のようなMX500タイプの比較的低価格なイヤホンからより高価格帯の個性的なモデルまで再びよく見かけるようになってきました。まだまだ変化の楽しめそうな領域ですし、今後もいろいろ試してみるのも楽しいかなと思っています。