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以前「アラウンド5000円」の中華イヤホンとして紹介した「VJJB N1」ですが、詳細レビューのリクエストをいただいておりました。少し間が開いてしまいましたが改めてのレビューです。

前回の紹介記事はこちら:
【U5000円のお買い物】 VJJB N1、HLSX 808(MaGaosi M1)& BK50。個性が光る高音質な中華イヤホン

VJJBは中国でアンダー5,000円クラスの比較的低価格ながら非常に質の良いイヤホンを多く作っているメーカーです。VJJBのイヤホンで特に特徴的なのは「低音」で、低音好きの方は必ずチェックした方が良いブランドではないかと思います。

なかでも今回紹介する「VJJB N1」は今年の前半に登場した製品で、特徴的なデザインとクリアモデルを含む豊富なカラーバリエーションで間違いなく「メーカーいち推し」の製品です。
価格も落ち着いてきていて現在日本ではアマゾンのWTSUN Audio(中国のセラーEasy Earphoneが出店しているマーケットプレイス)で3千円台での購入が可能です。プライム扱いでアマゾンの倉庫から発送されますので、どなたでも安心して購入できると思います。

購入サイト: Amazon.co.jp(WTSUN Audio): VJJB N1
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カラバリは、透明(クリアモデル)、透明レッド、透明ブラック、ブラックの4種類。

最近のVJJBの製品は共通のパッケージではありますが、この価格帯のイヤホンとしては満足度の高い内容ではないかと思います。
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ケーブルはマイクコントロールあり、なし、の2種類が付属していて交換が可能です。ただしコネクタは独自の形状のもので汎用のケーブルへのリケーブルには対応していません。
イヤーピースは、シリコン製が6種類(1個は装着済み)、ウレタン製が1種類と豊富な内容。イヤーピースによっても多少音質は変わりますが、どちらかというといくつかの形状パターンを付属させ、いちばん耳にフィットするものを選んで欲しい、という意図のようです(特に低音用・中高域用といった区別はありません)。私は最終的にはウレタン製を使用しました。
遮音性はカナル型イヤホンとしては一般的なレベルですが、ウレタン製のイヤーピースをあわせることで耳穴への密着度が増し、遮音性はより向上します。


■見た目と違って案外コンサバ? アコースティックでも映えるサウンド

image写真の通り、けっこう派手めのデザインのイヤホンですので、サウンドの傾向も攻撃的なドコドコ・強ドンシャリな印象を受けるのではないかと思います。確かに購入直後はちょっと中高域が弱くドコドコ気味な感じはありましたが、多少のエージングで落ち着いてくると弱ドンシャリ傾向で全体のバランスも良くなり、VJJBの代名詞的な低音とあわせて中域も印象的なサウンドになります。高域の籠もりもほぼありません。
さすがにBAドライバーのような緻密な解像度で描くタイプのイヤホンではありませんが、低域の分離感が良く、中高域の音像の表現が比較的しっかりしているということだと思います。
また中域には僅かながら残響感があることにより印象的な音場表現を行ってくれるのも特徴的です。

私は現時点で200時間ほどのエージングを行っていますが、だいたい30~50時間程度でも十分落ち着いてきます。長時間のエージングで音質が大きく変化するタイプのイヤホンではないようです。

imageまず、デザイン的にも相性のよさそうなEDMやアニソンなどですが、例えばおなじみ「fripSide」はVJJB N1ではちょうど良いバランスで、かつ低域が気持ちよく響きます。fripSideの曲は刺さるイヤホンでは耳にダメージを受けるほど刺さるわけですが(笑)、VJJB N1は適度な感じに抑えられ、なかなかの相性です。
いっぽう「TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND」の打ち寄せられた忘却の残響に」(24bit/96kHz)を聴いてみると、テクノサウンドが絶妙にVJJB N1の中域の残響感と重なり一気に濃度が増したようなサウンドになります。私は結構好きですが、もしかしたら好みを選ぶかもしれません。

そしてこのような音質傾向は、デジタルサウンドも良いですが、むしろアコースティックな音源との相性が抜群だと感じます。

imageピアノ、ウッドベース、ドラムの旋律を心ゆくまで堪能できるジャズの名曲「The Oscar Peterson Trio」のYou Look Good To Me」(24bit/96kHz)はVJJB N1のもつ特徴をシンプルかつ明快に表現できる1曲です。この曲が収録されたアルバム「We Get Requests」はリラックスタイムにも仕事のBGMにも使える素敵なアルバムですが、VJJB N1は積極的に使っていきたい相性です。

また「The Carpenters」のRainy Days And Mondays」(2.8MHz/DSD64)では中域の残響感がDSDのアコースティック感をいかしつつ、これらの音を邪魔せず、しかししっかり響く低域とあわせて心地良い音場感を演出しています。

見た目こそイマドキなイヤホンですが、このようなアコースティックな曲も引き立たせてくれる、結構コンサバティブな音作りと言えるのかもしれません。


■効果的な低域のストリングスだからこそ、印象的なボーカル曲で聴きたい

imageこのように「VJJB N1」はとても印象的なサウンドの表現ができるイヤホンですが、音場感そのものは広い方ではなく、ボーカルもそれほど遠くはありません。
ですので、むしろボーカルが印象的な曲を併せることで、ストリングスがボーカルを引き立たせてよりゴージャスなサウンドに変化します。
宇多田ヒカル」(24bit/96kHz)絢香やさしさに包まれたなら」(24bit/48kHz、アルバム「遊音倶楽部」より)は、まさにぴったりの曲だと思います。

全般的な音質傾向として、「VJJB N1」は非常に「聴きやすいイヤホン」だといえますが、低音が強いからと言って高音が弱いわけでもなく、逆にひどく刺さる音でもありません。
購入しやすい価格帯ですので、通勤・通学時に使用するアイテムとしてはなかなか最適なのではないかと思います。用途にあわせて複数持っていても良いかもしれません。

わたしもクリアモデルを購入しましたが、FiiO X5 3rdレッドモデルなど最近使っている赤いDAP(デジタルオーディオプレーヤー)にあわせてレッドのモデルも購入しようかしらん、と思っています(^^