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というわけで中国KZ社の一部で話題騒然のイヤホン「KZ ZS5」です。

某有名メーカーのイヤホンにソックリなデザインに2BA+2DDの4ドライバー構成、さらに日本のアマゾンでもアンダー5000円で購入可能な価格設定、そして普段使いに便利な「ちょうど良い」高音質。日本国内でもこの価格帯の高音質イヤホンが続々と発売、または日本での取り扱い開始とにわかにアツくなっているなか、いま中華イヤホンではZS5がまさに台風の目的な存在でしょう。

考えてみれば発表前にAliExpressの代表的イヤホンセラー(ショップ)のHCKさんのツイートで写真がフライング掲載されたあたりからざわつき始めていました。なにしろ見た目が某アウトドアっぽい社名(笑)のイヤホンメーカーのメタルボディの有名イヤホンにソックリということで話題騒然です。
imageそして、2BA+2DDながら30ドル台の価格設定(その後割引で20ドル台での購入も可能に)ということで、一気に予約が殺到。軽くお祭り状態でした。その後も実は本家と違い金属製ではなく樹脂製だったということでまた大騒ぎになったり、あまりの注文数に大幅に発送が遅れたり、セラーによって届くパッケージが「豪華版」と「簡易版」と違ったり、当たり外れがかなり激しく、誰もがアタリを引けるよう祈りながら到着を待つという日々だったりと、発売当初はとにかく話題に事欠かないイヤホンでした。
現在はHCKをはじめとするAliExpressの各ショップおよびGearBestでの取り扱いも始まり、日本のアマゾンではEasy Earphone(WTSUN Audio)がプライム扱いで販売するなど、安定して入手が可能になっています。


imageというわけで、せっかく話題の「KZ ZS5」ですので前後編2回に分けて、紹介できればと思います。

まず以下の前編では「KZ ZS5」の紹介を、後編では同価格帯(アンダー5000円)の話題のイヤホン「KZ ZST」「final E2000」「Xiaomi Pro HD」とZS5を比較してみる予定です。


■おっと、いきなりハズレがきたぞ(涙)
imageというわけで、私も「KZ ZS5」はAliExpressにて予約購入で複数個を異なるセラー(ショップ)でオーダーしたのですが、最初に手元に届いた商品がいきなりステムのノズル部分でメッシュ部品が付いていない「ハズレ」ロット。
ZS5は発売時に話題になりすぎたせいかメーカーの予想を超えるオーダーが集中し慌てて生産を行ったようで、当初は不良ロットの発生率が非常に高くなっていました。私の「ハズレ」商品は無事返品手続きを取ることができたためそれほど問題ではありませんでした。やれやれ。
現在は流通的にも落ち着いているようですので以前ほど不良発生率は高くないと思います。



■ZS5のパッケージ問題と2pinリケーブル、「高域に影響あり」かものイヤーピース選び。
というわけで、改めてちゃんとした製品が届いたところで、「KZ ZS5」には「豪華パッケージ版」と「簡易パッケージ版」があり、簡易版は「ZST」や「ZS3」など従来モデルと同様のパッケージで装着済みを含めS/M/L3種類のイヤーピースが付属。豪華版のほうはしっかりしたケースに加え、さらにイヤーピースは種類の異なるものがS/M/Lで合計6種類(メタルプレートに収納)入っています。
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現在AliExpessでHCKなど中国のセラーで購入する場合は「簡易パッケージ版」での購入になります。
AliExpress(NiceHCK): KZ ZS5

いっぽう、Easy Earphoneのアマゾンでのマーケットプレイス(WTSUN Audio)ではAliExpressで購入するより少々高いですが、6月18日現在では「豪華パッケージ版」をプライム扱いで販売しています。しかし、今後アマゾン倉庫で在庫している分がなくなった後も豪華版で補充されるかは不明のため、こちらのパッケージを希望される場合は早めに購入された方が良いかもしれません。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KZ ZS5


またアマゾンでもAliExpressでもZS5用(ZS3用と同じ)のアップグレードケーブルを販売しています。
ほかのKZ製イヤホン同様、標準のケーブルはゴムゴムしていますし、リケーブルにより情報量が向上し明らかな音質変化が望めますのでできれば一緒に購入した方がよいでしょう。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio):ZS5(ZS3)用0.75 2pinアップグレードケーブル

さらに、ZS5は左右での取り付け方法を注意すればCIEM用の2pinケーブルを使用することも可能です(ただCIEM用は0.78mmとわずかに径が太いため、使用後は専用ケーブルは緩くなります)。
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私はZS5を3個購入したのですが(;^ω^)、1個は専用アップグレードケーブルを使用し、あとは別のケーブルを購入。ひとつはBispaのCIEM用ケーブル<替-Tai>のクリアタイプ、もうひとつはG&Vの2pin-MMCX変換ケーブルで、こちらには普段はもともと持っていたMMCXケーブルを組み合わせて使用しています。
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ちなみに、簡易版と豪華版では付属するイヤーピースの数が異なりますが、どちらにせよ私は付属のイヤーピースは使用せず、適当に交換して使用しています。
ZS5は上記の「ハズレ」商品の写真の通りノズル付近に取り付けられたBAドライバーが装着時ステム上方に寄っておりステム下方から残りのドライバーの音が聞こえる構造になっています。
そのためイヤーピースの形状やフィット位置によっては思うような音質にならない(ベストポジションではない)可能性ができます。この場合、特に高域の鳴りかたに影響が出ることが考えられます(ZS5の高域の評価が分かれる理由のひとつもこれかもしれませんね)。
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できれば付属のもの以外に自分にもっともフィットするイヤーピースをいろいろ探してみるのも良いと思います。オススメはfinalのEタイプのイヤーピース。フィット感が増し低域が僅かに強化されますがなかなか相性抜群です。また、私はたまたま手元にあった「EN700BASS」付属のイヤーピースを使用しています(低域重視タイプと中高域重視タイプをケーブルの種類にあわせて使用)。



■というわけで聴いてみよう。KZ史上最高、中華イヤホン最強のコスパサウンド。
なんつー見出しかとも思いますが、要するにそういうことです(笑)。「KZ ZS5」の「2BA+2DD」という価格からすると相当にクレイジーなスペックに裏付けられたサウンドは伊達ではありません。

image周波数特性は緩やかなドンシャリで、低域より中高域がややボリューミーです。そのため低域はダイナミックを2つ搭載しているとはいえ控えめな印象。いっぽうでマルチBAイヤホン的な中高域の独特の量感を結構感じられ、いわゆる「多ドラ」タイプのイヤホンやCIEMを利用の方は馴染みやすいサウンドかもしれません。高音の「刺さり」具合も多ドラ的でさほど気にならず、どんな曲でも聴きやすいイヤホンだと思います。
また、音場は割と広く定位感もそこそこ感じられる「比較的バランスの良い」仕上がりといえるでしょう。
もちろん音場感や定位感、それらを構成させる分離感などは「上には上がある」世界ですし、後編で紹介するように、最近は同価格帯のシングルやデュアルドライバーでも同様のレベルをクリアしている製品も増えてきました。ただ、2BA+2DDというマルチドライバー構成では全体のバランスをとるための難易度は格段に高くなりますし、販売価格を考慮しても「よくまとまっている」と称賛できる内容だと思います。

imageこのように「KZ ZS5」の全般的にバランスの良いサウンドは、ZSTやZS3の低音推しとは全く異なる音作りであることが実感できます。
さらに、この傾向はリケーブルでより鮮明になります。別売りの専用アップグレードケーブルを使用すると全般的に解像度が向上し、標準ケーブルの場合は少し中低域でくもりがあったことを実感します。
さらに上記で紹介したCIEM用のケーブルやMMCX変換ケーブルを使用してさまざまなケーブルを試してみると、ケーブルによる音の違いをかなり明瞭に感じることができます。

image刺さりはもともと少ないイヤホンですが、高域の「抜け具合」については上記のような理由もあり、イヤーピースと装着位置により多少変化が見られます。個人的には上記「EN700BASS」付属の中高域メインのイヤーピース(穴の大きい方)を使用し、「音の濃さ」が特徴的なDAP(デジタルオーディオプレーヤー)の「Shanling M2s」の組み合わせはとても相性がよく、外出先での普段使いにも取り回しが良いので気に入っています。



■どうしてKZのイヤホンはこんなにワクワクするのだろう。

imageというわけで「KZ ZS5」のレビュー前編でしたが、それにしてもいくら低価格だといっても同時に3個も4個も買っていたら相応の金額になるわけで、よくもまあ、実際に聴く前から(発売する前から)こんなにまとめてオーダーするものだ、と自身の「クレイジーっぷり」にも自戒の念を持ちます。
しかし、よく考えたら気に入ったKZのイヤホンて、ZS3もZSTも、結局何個も買ってるんですよね。ZSTにいたっては分解したり、MMCXコネクタに改造したり(すでに3個改造してます)、黒と紫でフェイスパネルを交換したり(これは何気に大成功!)、フェイスパネルを自作したり(イマイチだったのでリベンジを考えています)、と、すでにDIYの素材化してますね・・・(笑)。

やはりイヤホンとしての音質などの実用性や機能性をちゃんとクリアしていて、しかも改造に躊躇しない「価格」と、そして「中華っぽさ」。そんな隙があるところがなんともワクワクが止まらないのかも。というわけで、いずれZS5も個人的な「お遊び」の餌食になることは確実ですが(笑)、まずは音の良いイヤホンのひとつとしてバンバン使って行きたいと思います。

後編へつづきます。
→後編:「KZ ZS5」 vs 「ZST」「Pro HD」「E2000」注目のアンダー5000円イヤホンを比べてみた。【レビュー後編】