XBA-6in1

中国SENFER社のハイブリッドイヤホン「SENFER XBA-6in1」です。
2BA+1DDのトリプルドライバ構成で、最も特徴的なのは見ての通りで、さらに製品名称にもなっている通り某S○NY(伏せ字になってない^^;)の「XBA-A1」と「そっくりさん」な形状ですね(笑)。

購入はAliExpressのHCKにて。購入方法などはこちらを参考にしてください。
AliExpress(NickHCK):SENFER XBA-6in1

販売されてから2ヶ月ほど経っていて、当初は理由あって購入していなかったのですが、実際に購入された方々の評判の良さを聞き、結局買ってしまいました(^^;
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付属品のイヤーピースはシリコン製S/M/Lとウレタン製、さらに最初から装着されているゲジゲジのついたやつ(笑)。
イヤホン本体はMMCXコネクタ仕様で、購入時にケーブルを黒・白の2種類が選べ、さらに黒(少し安い)はマイク付も選べます。わたしはここで選択できる黒・白どちらも同一のケーブルを別の機会に購入してすでに持っていたため、ためしに普段は買わない黒の「マイク付」を選択。ただ、これがとんでもない地雷というか大ハズレ(あるいは大当たり?)。
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詳しくは後述しますが、もし付属ケーブルでの利用をされる場合は絶対にマイク付は選ばない方がよいでしょう。マイク無し黒ケーブルと白ケーブルでは、白ケーブルの方が少し低音の量感が多いようです。
なお、イヤーピースについては付属のものだと私の耳穴の場合うまく固定できなかったため、手持ちの幅広タイプのウレタンを組み合わせました。またシュア掛けで装着する場合はfinalのEタイプを使用しています


■おなじSENFER社イヤホンでも結構違う。まずは見た目を比較。

気がついたらSENFER社のイヤホンはちょいちょい買っていまして、手元に「UE」「UEs」「4in1」「DT2 Plus」とすでに4種類のイヤホンがあります。また、これらのイヤホンについては過去にレビューで紹介しています。
→ MMCX対応高音質2DDイヤホン「Senfer UE」と改良型ハイブリッド「Senfer UEs」を購入しました。
→ SENFER製キワモノ2BA+DD「DT2 Plus」と安定のハイブリッド「4in1」を買ってみた

特に「DT2 Plus」(同じ外観の1BA+1DDの「DT2」というモデルのほうが知られていますが、こちらは2BA+1DDのタイプ)と「XBA-6in1」はドライバ構成が同じ事もあり似たようなイヤホンを何個も買っても、と当初思っていました。
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しかし実際の製品はドライバの配置や音の作り方も含め従来のSENFERイヤホンとはかなり異なる感じに仕上がっていました。特にステム部分のノズル口径が結構違うのは印象的です。
「XBA-6in1」のノズル口径は最も細く、「4in1」の方が2ミリ程度大きく、「DT2 Plus」の半分近い大きさです。
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ステム部分にBAが装着されている(K3003的配置の)「DT2 Plus」はもちろん、「4in1」と比べても「XBA-6in1」のドライバは耳穴より遠くにドライバが装着されていることになり、外観だけでもこれらのモデルより相当に音作りが異なることが想像できます。


■従来モデルとは全く違う音作り。オリジナルに「本気で寄せてる」?

imageSENFER「XBA-6in1」を実際に聴いてみると、実際のサウンドも従来のSENFERのイヤホンとは全く違うアプローチの音作りをしていることがわかります。
まず、周波数特性をみると、手持ちのSENFER製イヤホンはすべてドンシャリ傾向なのに対し、「XBA-6in1」は綺麗なフラット
XBA-6in1の外観は「XBA-A1」に非常に良く似ていますが、サウンド傾向もオリジナルに「本気で寄せている」印象です。XBA-A1を持っていないので直接的な比較はできませんが、以前聴いた印象だと全く遜色ないレベルに仕上がっていると思います。この辺のオリジナルに寄せていく感じはさすがSENFERならでは、という部分でしょうか(褒め言葉ですよ)。

imageエージングによる変化はそれほど大きくはありませんが、数十時間程度で中低域側のつながりがより自然になるイメージです。
エージング100時間程度での感想ですが、高域から低域まで全体的なバランスは非常に良く、ただ、低域・中域・高域とわりと主張のあるサウンドでそこそこ刺激もあるため長時間でも飽きがこない印象です。
距離感は近いという程ではありませんが、スピーディーなアタックでボーカルなどの中域がしっかり入ってくる感じ。低域も締まりは良いですが要所での量感はきちんと感じることができます。高域は多少の刺さりのある音で、この辺は「XBA-A1」より楽しい印象です。

音場は横幅さより奥行きを感じる方ですが、広さは一般的。ただ曲によっては音の動きを立体的に感じることで実際より広く音場を感じる場合があります。いっぽう、解像度や分解能、そこからくるサウンドの透明度、いわゆるS/N的な要素はについてはかなり善戦していますが、当然数万円クラスのイヤホンと比較すると差が出る部分です。この辺はDAP側や音源をある程度追い込んでいくとオリジナル(XBA-A1など)とも差が出る要素かもしれません。

とはいえ、全体としてはこの価格帯としてはかなりよくまとまったイヤホンではないかと思います。

imageまた、「XBA-6in1」はMMCXケーブルによる音質変化は比較的楽しめる方のイヤホンで、アンバランスの場合はケーブルによって高域・低域に変化が出やすい印象です。
さらにバランスケーブルに変更し、DAPとバランス接続を行うと、解像度と言うよりは音の濃度があがる感じの変化がありました。多少音場も広がるようです。ただし、もともとキレのあるタイプのイヤホンではないので、手持ちのバランスケーブルもNOBNAGA Lab.のものより比較的音が丸くなる傾向のonsoのケーブルの方が個人的には好みの印象でした。


■同価格帯のイヤホン「ZS5」「E3000」と比較して実感した「レベルの高さ」。

image同価格帯で「何かによく似たイヤホン」で最近すっかりお馴染みの「KZ ZS5」(2BA+2DD)と比較すると、それ以上に、ZS5はいかにもマルチBAっぽいサウンドのキラキラ感がありますが、XBA-6in1はよりスッキリ整理されている印象です。ただしその分XBA-6in1のほうが音の定位感はかなりしっかり感じることができます。全体的に派手めにまとめているZS5に対してより大人な感じのXBA-6in1、と言う感じでしょうか。そのため曲によって(例えばメタル系とか)はZS5は雑味が多く、うるさく感じる場合もあるでしょう。いっぽうXBA-6in1はまとまりすぎていてボーカルにもう一押し欲しい、と感じる場合もあるかもしれません。
単純なクオリティの比較であればXBA-6in1の方が上のようです(ちなみに写真のZS5は赤くペイントしたものです^^)。

いっぽう、同価格帯の高音質イヤホンで現在の「代表選手」となったfinalの「E3000」「E2000」との比較でも「XBA-6in1」は遜色ないクオリティを実感できます。
image例えば「E3000」のほうは、派手さより「全体のまとまり」を重視したセッティングですが、音場感、特に奥行きはXBA-6in1のほうがしっかり時間できます。確かに「E3000」は「XBA-6in1」と比較して低域の量感と全体的な解像度と情報量はさすが、と感じるクオリティですが、XBA-6in1のほうがフラットな音質のため、より自然なサウンドバランスはむしろXBA-6in1の方かもしれません。反面、XBA-6in1のほうが比較すると低域は少なく感じるため、低音を効かせたい場合はE3000のほうが好印象になると思います。

finalの追い込んだサウンドセッティングの妙を感じるE3000に対し、サウンドの素材の味を活かしたいXBA-6in1というイメージでしょうか。予想以上に拮抗したレベルでした。


■選択したマイク付のケーブルの罠(笑)。中華イヤホンらしさを思い出す。

imageところで、冒頭にも書きましたが、今回このイヤホンをオーダーするにあたって、試しに「マイク付」のケーブルを選択しました。ところがこのケーブルを使って聴いてみると、なんか音がおかしい?!
具体的には上も下ももやがかかったような音になって、ボーカルだけが妙に前に出る感じです。
実際に周波数特性を取ってみると、低域と高域がざっくりカットされていて、5kHz付近に不自然な強弱がかかっています。既に持っている同じケーブルのマイク無しではそんな妙な傾向はないため、このマイク部品に付いている回路かなにかで「音声だけ」を聴きやすくするようにしているのでは、と思われます。

もちろん通話目的ならこれはある意味アリなアプローチかもしれませんが、どんなイヤホンでもその音を台無しにしてしまうケーブルを付属してしまうのはさすがにビックリです。こういうツメの甘さもまあ中華イヤホンらしい、という気もします(笑)。

imageちなみに、もともとSENFERは某社ゼ○ハ○ザーやA○Gあたりの非常に質の高い「ニセモノ」を作っていた会社ですので、その辺の製品を知っている向きには以前紹介した「DT2 Plus」(および「DT2」)あたりは「オマージュ」としてすっかり別物と理解できますし、今回の「XBA-6in1」のアプローチもさほど違和感は感じないものです。まあ結構寄せているとはいえ、このイヤホンを本家XBA-A1と間違える人はあまりいないと思いますので。
そういう怪しさや、多少の当たり外れも含めて、ちょっとした楽しみを求めるのにやはり中華イヤホンは楽しいアイテムだと思います。とりあえずお手頃価格ですしね(笑)。