TFZ SERIES4 / MY LOVE II

お盆休みを前にして、7月にオーダーしたイヤホンなどが一気に届き始めているこの頃、今回は「TFZ SERIES 4」と「MY LOVE II」です。先日レビューをした「TFZ EXCLUSIVE 5」がなかなかの出来栄えのイヤホンだったこともあり、思わず予約注文でオーダーしてしまいました(^^;)。

TFZ EXCLUSIVE 5」についてのレビューはこちら:
→ 【レビュー】「TFZ EXCLUSIVE 5」抜群にクールでパワフル。大当たりのアラウンド1万円イヤホン

EXCLUSIVE 5」のレビューでも記載しましたが、「TFZ」(The Fragrant Zitherの略だとか)は中国のイヤホンブランドのひとつで、既存モデルの「SERIES 1」や「SERIES 5」および「5S」、そして「1S My Love Model」はその都度話題になりました。今回「EXCLUSIVE」ラインで2Pinコネクタ仕様でリケーブルが可能になり、「SERIES」ラインでも同様にリケーブルに対応した「SERIES 4」と「MY LOVE II」が登場することになった、という流れです。

今回AliExpressのHCKにて予約注文のディスカウントで購入。予約特典でホワイトのイヤホンケースをオマケしてもらいました。
AliExpress(NiceHCK Audio Store):TFZ SERIES 4

※2017年11月10日に国内版も発売となりました。
Amazon.co.jp(国内正規品): TFZ SERIES 4

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※「SERIES 4」の写真の白いイヤホンケースが予約特典となっており、現在の購入では付属しませんのであしからず。

その後、改めて「MY LOVE II」も入手しました。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): TFZ MY LOVE II

※こちらも国内正規版が11月10日に発売となりました。
Amazon.co.jp(国内正規品):TFZ MY LOVE II

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現在のHCKの販売価格では「MY LOVE II」が73ドル、「SERIES 4」が99ドルとなっています。

外観上はメタルフェイスプレートの「SERIES 4」に対して樹脂製プレートの「MY LOVE II」で、サウンドチューニングも異なる設定となっています。実際、手にした感覚でも「MY LOVE II」に対してフェイスプレートが金属の「SERIES 4」ははっきりわかる程度の重量感があり、音質面での違いも容易に想像できる感じです。

image付属品は、本体、ケーブル、イヤーピースがシリコン7種類、ウレタン1種類(シリコンは穴の大小でS/M/Lがあり、大きいタイプが装着済み分含めてMサイズが2個あります)、イヤホンポーチといった内容。
ケーブルはブルーモデルでは白、ブラックモデルでは黒色のものが付属します。このケーブルは2Pin仕様で「EXCLUSIVE 5」と同様のものでした。
本体のデザインは従来の「SERIES」ラインの各製品や「EXCLUSIVE KING」などと同様のシェルデザインを継承し、フェイスパネルに独自の意匠を加えた感じになっています。

以前紹介した「EXCLUSIVE 5」および「1」「3」は9mmのドライバーを採用していましたが、こちらはグラフェンユニットで12mmデュアル磁気回路ダイナミックドライバーを採用したシングル構成。イヤホン裏面から見てドライバーの真上にあたる部分にベント(通気穴)があります。おそらく「EXCLUSIVE KING」と同様のドライバーで、ハウジング内部に貴金属メッキを施した「KING」に対し、異なるチューニングを行っている「SERIES 4」「MY LOVE II」という感じでしょうか。
なお、インピーダンスおよび感度は「SERIES 4」が16Ω・108dB/mW、「MY LOVE II」が16Ω・110dB/mWとなっており、「MY LOVE II」のほうが少しだけ「鳴りやすい」チューニングとなっています(ちなみに「EXCLUSIVE KING」は12Ω・110dB/mWでさらに鳴りやすい仕様)。

以前からそうですが、TFZのイヤホンはこのように細かな違いのあるバリエーションを出す傾向があり(しかもどれも結構クオリティが高いこともあり)、つい全部集めたくなる衝動にかられるのが危険なところです(笑)。私も全部ポチって聴き比べ、みたいなことをしたくなりました(^^;)。実際「SERIES 4」を購入後に「MY LOVE II」を入手し、現在は「EXCLUSIVE KING」をオーダー中です。いやほんと、キケンですね~(笑)。
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なお、どちらもフェイスプレートの下方に丸い部品がついていますが、スワロフスキー風の飾りになっている「MY LOVE II」に対し、金属部品でもしかしたらベントも兼ねるかもな穴が開いている「SERIES 4」と多少変化がつけられています。この辺も「SERIES 4」と「KING」とを比較して音質面で影響が気になるところですね。


■「SERIES 4」/ 全域をしっかり捉える美音系フラット。豊かな広がりとシャープなサウンドの両立

TFZ SERIES 4」の周波数特性はわずかにドンシャリぎみのフラットで、「EXCLUSIVE 5」などと比べると低域は控えめ。
imageとはいえある程度の広がりをもった存在感のある低音で、分離感もまずまずです。中高域はスピーディなアタックで「EXCLUSIVE 5」とも共通するキレのよさを感じます。ボーカルは比較的近く感じますが、いっぽうで音場はそこそこ広く、曲によっては立体的な定位感を得られます。そのためポップスでもクラシックでも行けそうなバランスの良さを感じます。高域は伸びのあるサウンドで、シャープさを感じつつ「綺麗にまとまっている」印象です。
ただ刺さりは比較的少なく(フラット傾向の一般的レベル~少なめくらい)、全般的に中域(特にボーカル)押しで聴きやすく収まっているという印象もありますので、より高域を求める方、ドンシャリ好きの方は「EXCLUSIVE 5」や「MY LOVE II」のほうが良いかもしれません。


■「MY LOVE II」/「元気で楽しい」サウンド。ある意味いちばんわかりやすいチューニング。

いっぽう、追加で入手した「MY LOVE II」については、いかにもダイナミックらしい低音と高域のシャリシャリ感がアップした比較的わかりやすいドンシャリ傾向に。多少のシャリシャリ感とともにサ行の刺さりも「SERIES 4」とは対照的に比較的強く感じます。とはいえ不快なレベルではもちろんなく、高域映えする、いわゆる「元気のある音」と呼ばれる感じです。

imageまた「EXCLUSIVE 5」と比べるとインピーダンスおよび感度の差で同じボリュームでの音圧も高く感じます。私が持っているTFZのイヤホンのなかではある意味「いちばんわかりやすい音」で、ポップスやロック、アニソンなどを聴く際には結構楽しめるサウンドではないかと思います。
ちなみに、ネットの評判のなかで「EXCLUSIVE 1」と似ているという記述も見受けられました。「EXCLUSIVE 1」は試聴だけですが、「元気な音」という意味では多少似ているかもしれません。いっぽうで「MY LOVE II」のほうが12mmドライバーの採用でよりTFZらしく低域の厚みが増した音場表現となっている点が特徴だと思います。

このようにいちおうTFZらしさも保ちつつ、元気でわかりやすい音に仕上げた「MY LOVE II」という感じですので、イヤホンにさほど興味のない人も含め、比較的多くの方に好感を持ってもらえそうです。私が入手したホワイトに加えレッドのモデルなど、スワロフスキーな飾りも含めとてもキレイなイヤホンで「ちょっとしたプレゼント」なんかでも使えるのかな、と思いました。


■「SERIES 4」と「MY LOVE II」の見た目以上のキャラクターの違い

個人的には「SERIES 4」の「フラット」で「まとまりの良い音」は結構好きです。ダイナミック1発のイヤホンらしい広がりを維持しつつも、解像度は高く低域から高域まで正確に描写するメリハリのあるサウンドはより高級なイヤホンを彷彿とさせる高い完成度だと思います。

imageただ「EXCLUSIVE 5」がドンシャリ系としてはかなり刺激的なサウンドで、一瞬「おおっ」と思わせるような「演出の上手さ」を感じたのに対し、「SERIES 4」はモニターサウンドで「TFZ」のブランドイメージらしいシャープさを感じつつ「手堅くまとめてるな」という印象を感じる仕上がりになっています。そのため、「SERIES 4」は人によっては「大人しい」と思うかもしれません。
この辺がすでに多くのモデルを発売している既存のラインでの新製品(SERIES 4)と、「攻め」の新しいライン(EXCLUSIVE)のキャラクターの違いのような気がします。
ちなみに、「SERIES 4」のフェイスプレートには「TFZ Hi-Fi MONITOR SERIES 4」とプリントされています。要するに、そういいう位置づけなんですね(^^)。

imageいっぽう「MY LOVE II」は比較的高域推しでとても元気のあるドンシャリ系のサウンドながら、TFZらしい低域の広がりもある「わかりやすいサウンド」のイヤホンです。
ただ、「MY LOVE II」では「EXCLUSIVE 5」のような強烈な個性や「SERIES 4」のようなよりこう高価格帯のモニターイヤホンのような完成度の高さなどの「ポイント」は見つけにくく、「わりと一般的」「平凡」という意見もあるかもしれないな、という気がします。なお、「MY LOVE II」のほうのフェイスプレートは「SERIES 4」とは異なり「THE FRAGRANT ZITHER MY LOVE II」とプリントされていています。


■付属ケーブルの品質もなかなか良好。5000円程度のリケーブルも試してみた。

cableTFZ SERIES 4」「MY LOVE II」と 「EXCLUSIVE」ラインの各製品に付属する2Pinコネクタ使用のケーブルは白または黒の色違いのみで同じケーブルが付属します。0.78mmのCIEM用と同じ2Pinコネクタ仕様で、もちろんリケーブルが可能です。もっとも標準のケーブルでもかなりクオリティは高く、通常の利用では標準のケーブルでも十分に良いサウンドだと思います。ちなみに、「SERIES 4」のブルーには白色ケーブル、「EXCLUSIVE 5」のブルーは黒い炉ケーブルだったので、ためしに交換をしてみましたが、見た目はイマイチでした(笑)。これを試しくて白ケーブル付属のブルーにしたという説もあるのですが・・・(^^;

ちなみにアマゾンで購入できる比較的安価なケーブルでもグレードアップは可能です。
試しにEasy Earphoneのアマゾンのマーケットプレイス(WTSUN Audio)で5000円ほどで販売されている2pinケーブルを何種類か試したところ、見た目も美しく張りのあるケーブルで音のメリハリが多少アップします。またバランス接続の場合も同様の価格帯で選択ができ、クオリティも高くてオススメです。このケーブルでバランス接続すると情報量がアップし濃度が高まった印象です。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio):4芯7N銀メッキケーブル(2pin 3.5mmステレオ)
・Amazon.co.jp(WTSUN Audio):4芯7N銀メッキケーブル(2pin 2.5mmバランス)
・Amazon.co.jp(WTSUN Audio):7N単結晶銅ケーブル(2pin 3.5mmステレオ)

imageTFZ SERIES4

このように、MMCXコネクタほどのバリエーションはありませんが、2pinケーブルでもいろいろリケーブルを試せるのも楽しいところですね。


■アラウンド1万円クラスのイヤホンは品質と個性で勝負する時代か

TFZの「EXCLUSIVE」ラインの製品については並行輸入版に加え、日本版も正式に発表されました。5000円クラスの良質なイヤホンが人気を博すなか、1万円クラスの製品には製品のビルドクオリティや音質面のグレードの高さはもちろん、ある程度の「個性」が求められます。いっぽう、「TFZ SERIES 4」「MY LOVE II」が同様に日本で投入されるかは微妙かもですが、音質面では「SERIES 4」と同じくフラット傾向で同価格帯の「EN700BASS」等とも遜色ないクオリティに仕上がっていると思います(比較的穏やか系のEN700BASSに対して、キレのあるTFZ SERIES 4という感じでしょうか)。
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より低価格帯のイヤホンに押し上げされる形で、アラウンド1万円クラスのイヤホンは品質だけでなくさらに強力な個性を以前より求められているのでは、と思います。そのためか、AliExpressでもさらに奇抜(または奇妙)なデザインのイヤホンや、低価格なのに多くのBAドライバを搭載したイヤホンなど「インパクト勝負」の製品も明らかに増えているように感じます。

それはそれで楽しいのですが、中華イヤホンブランドのなかでもメジャープレーヤーのひとつになっている「TFZ」も、これらに埋没することなく今後も素晴らしいイヤホンをリリースし続けてくれるとうれしいですね。