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■本当に当選しちまったよー。すいませんありがとうございます(感涙)。


というわけで、「AZLA」です。発売前に開催された「AZLA発売記念Twitterキャンペーン」ですさまじい倍率のなか、なんと当選してしまい頂いたイヤホンになります。

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せっかく頂いたわけですからちゃんと報告しなければ、とも思うのですが、「AZLA」のレビューについては、普段より一方的に尊敬し参考にさせていただいているsandal Audioさんのレビューが毎度ながら超絶クオリティな内容で、「これ以上何もレビューすることないじゃん」と思ってしまいました。
そこで、またまた「雑記」といいますか、届いてから2週間ほど使用しての感想などを簡単に紹介できたらと思います。

まずまず念のため簡単に紹介すると、「AZLA」は韓国の新しいイヤホンブランドで、同名のイヤホンとして8月より発売を開始。日本での販売元はAstell&Kernでおなじみアユートさんです。
カラーは「Meteor Gray」「Lunatic Silver」の2色が選択でき、今回当選し頂いたのは「Meteor Gray」モデルになります。5万円を切る価格帯で「高級イヤホン」のカテゴリーでは「売れ筋」というか、比較的購入しやすいレンジに設定されています。私が持っているイヤホンでいうとShureの「SE535LTD」の現在の新品価格がちょうど同じくらい~ちょっと高めのところにいるみたいです(だいぶ安くなりましたね)。

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すでに多くの媒体でかなり紹介されていますので、もうすっかり繰り返しの説明になってしまうのですが、「AZLA」は「Astell&Kern」を手がけるiriver社にいた方が立ち上げたブランドで、「DynamicMotion」「Labkable」「Dignis」といった韓国の有名ブランドが一堂に会した「オールスターチーム」であることも大変話題になりました。
今回発売された同名のイヤホン「AZLA」は、構成としては1BA+1DDですが、ダイナミックの中央部分にBAを配置し「一体化」した独自のドライバー形態をとっており、さらにオープン型のドライバーハウジングを透明の大型シェルで覆う形で密閉型を構成する特徴的な構造も含め、かなり独創的なイヤホンです。

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■個人的には「装着性」はそれほど問題ではなかったです(良いとは言ってない)

7月のポタフェスの際は終日あまりに長蛇の列がAZLAブースにできていたため、私は並ぶことを断念したのですが、当初ここで試聴した方々の感想の中にネガティブな意見がでて、そのあと「しっかり奥まで装着すればかなりいい音」という情報が広がることで、AZLA」は装着位置やイヤーピース選びが結構ポイントになるイヤホンだということが周知されるようになりました。

image私自身も発売前に何種類かのイヤーピースを持って店頭試聴をしましたが、要はいかに密閉し音道を確保するかで、私のように耳穴がせまく普通より曲がった角度にある場合でも、「SpinFit」または「SpinFit TwinBlade」を使うことで「しっくりくる」ことができました。
その後、上記のsandal Audioさんのレビューでも「密閉が悪いと低音が全然出ない」と書かれており、やはりなー、と思った次第。

また実際に「AZLA」をいただいて、他にも幅広のウレタンイヤーピースなども試してみたのですが、私の場合、耳穴の角度がステムと大きくずれるため低音は出るものの距離の遠い薄い音になってしまいました。
いっぽうTFZのイヤホンに付属していたデュアルフランジのイヤーピースを装着したところ割と簡単にスイートスポットに合わせることができました。また耳のコンディションによっては「final Eシリーズ」をやはり小さめで耳穴に押し込むように装着するのも良い感じです。

image耳の大きさも千差万別ですが、耳穴の位置も結構人により異なりますので、大きめのイヤピでまっすぐ密閉すればバシっと決まる人もいれば、柔らかめのイヤピを使用しハウジングの装着角度を工夫して合わせる必要があったり、あるいは私のようにリーチのとれる小さめのイヤピを耳穴奥までしっかり挿入する必要があったりと、それぞれにあった工夫が必要そうです(もちろん標準のイヤーピースがぴったり合う方もそこそこいらっしゃるのでは、と思います)。
要するに「密閉」し、「耳穴に確実にイヤピを向ける」ことができればよいわけですね。

まあ、私の場合、もともと「装着性の良い」と言われるイヤホンでもイヤーピースを工夫しないとダメな場合もある耳穴の大きさと角度なので、多少スイートスポットが狭くてもイヤピ選びがシビアでも「よくあること」レベルでさほど問題ではなかったんですけどね(笑)。



■「AZLA」がもたらす豊かなひととき。じっくり堪能するためのアイテムとして活用したい。

AZLA」のサウンドを聴いた最初の感想は「ちゃんといい音だなぁ」でした。
なんかいまいち頭悪そうですね(笑)。「おまえ、真面目にレビューする気ないだろ」という声が聞こえてきそうです。でもその通りです(開き直り)。

imageしつこいですが、sandal Audioさんのレビューの内容を拝見したことで、もう全部書いてあるし凄い詳しいし、ということで、単純に個人的な感想だけにしようと思ったわけです。
ただ、前評判のなかに某すごく安価な有名中華イヤホンに似てる、という声もあったようですが、(その似てるといわれたイヤホンを)過去に結構何個も購入していじり倒した経験と比較しても「そんな訳はない」と断言できます。単に周波数特性や低域のバランスだけなら他にもいくらでもありそうですし、本当に似た音のイヤホンなら他にいくつか知ってます(笑)。

image私の「AZLA」の印象は、高級なスピーカーを聴いているような深い低音と、とても立体的な音場と抜群の定位感が特徴的だな、と思いました。どのようなジャンルの曲にも合わせやすいですし、イヤーピースがしっかり入っていれば賑やかな週末の新幹線の中でも快適に利用することができました。
ただ、色々なシチュエーションで2週間使ってみて、個人的には、静かな部屋で落ち着いた感じでじっくり音楽を聴く用途をメインに使いたいなと感じるようになりました。イメージとしては高級なスピーカーのリスニング環境の代わり、ですね。

本来ならそれなりにちゃんとしたオーディオ室で、しっかりしたアンプと音像表現に優れた大きなスピーカーでリスニングしたいと思うところを、どんな部屋でもAZLAで楽しめる、という感じでしょうか。言うまでもありませんが、スピーカーとイヤホンでは定位する場所が違うので、もちろん置き換えられるわけはありませんし、高級スピーカーの「空気感」とは全く別のフィールドのものです。

imageただ、私の場合、まとまった時間イヤホンを利用するのは毎月数回は確実にある新幹線での出張中なので、それとは別に、あえて屋内でじっくりオーディオを楽しむ時間を作りたい、そういった「ひととき」のために使いたいイヤホンだと感じました。
AZLA」のより広い空間で聴こえてくるような深い低域はやはりスピーカーをイメージさせるものですし、このクラスとしては十分に分離感が高く、見通しの良い中域と伸びる高域が作り出すライブ感もじっくり味わいたいサウンドだと感じます。

将来、福井の自宅のホームシアターをちゃんとしたオーディオ室に改造し、相応のオーディオを構築するのはもう少し先の楽しみに取っておきたいと思う、出張多き昨今の自分には、「AZLA」はお手軽にそんな「オーディオな時間」を作り出せるアイテムになりそうだと感じています。