AAW CAPRI 1.2

今回は、iPhoneなどのiOSデバイスのLightningコネクタ用DAC内蔵オーディオケーブル「AAW CAPRI 1.2」です。10月15日に発売され私は「2pin」版を予約で購入しました。

■待望の2pin仕様LightningイヤホンケーブルがCIEMでおなじみのAAWから。

AAW」はカスタムIEM(CIEM)でおなじみのシンガポールのメーカー。今後カスタムだけでなくユニバーサル仕様の製品にも力を入れていくということでまずは周辺のアクセサリーから、という感じでしょうか。
AAW CAPRI 1.2」には同社製をはじめ各社CIEMに対応する2pin仕様と、ユニバーサル製品で一般的なMMCX仕様の2種類が同時に発売されています。
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同種の製品ではShureの「RMCE-LTG」も購入しており、先日レビューを行っています。
→ 「Shure RMCE-LTG」 Lightning接続MMCXケーブルが高音質なのでいろいろイヤホンをつないでみた
Shure RMCE-LTG」はAppleの仕様に準拠し24bit/48kHzまでの対応ですが、「AAW CAPRI 1.2」は(アップサンプリングにて)24bit/96kHzまで対応。価格も8,900円とRMCE-LTGより低価格に設定されています。

AAW CAPRIRMCE-LTG」は同社のSE215 Special Edition等に付属するマイク付きケーブルの「Lightning版」というオプション扱いの製品のため、質感などはShureの純正ケーブルそのままですが、「AAW CAPRI 1.2」は布巻のケーブルや質感の良いLightningコネクタやマイクリモコン部分など、単独の製品としてより品質の高い仕上がりになっています。実際ケーブルの線材には5Nの高純度OCC素材が使用されているようです。
イヤホン端子のない現在のiPhoneなどではAirPodsなどワイヤレスのイヤホン、ヘッドホンが中心になっているようで、Lightning接続で手持ちの高音質なイヤホンを手軽に利用できる製品は少なく、このようなアイテムはとても貴重です。
今回AAWというCIEMでもおなじみのメーカーが、CIEM仕様の2pin仕様の製品を発売したということでCIEMはもちろん、最近増えている2pin仕様のイヤホンでいろいろ活用できる点が個人的な注目点だと思っています。

具体的には、0.75mm 2pinと微妙に仕様が異なるものの(CIEM仕様は0.78mm)、私のレビューでも頻繁に紹介している高性能化著しい「KZ」の低価格中華イヤホンや「TFZ Exclusive King」や「SIMGOT EN700 Pro」などの1万円台の高音質イヤホンとの組み合わせにはちょうど良い価格帯ではないかと思います。
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実際に聴いてみると、「AAW CAPRI 1.2」で採用されているDACチップなどの詳細は不明ですが、音質傾向としては比較的ナチュラルで低域が厚めの印象。低域の広がりと定位の良さにより音場表現が豊かな印象です。
基本的にCIEMなど「反応の良い」または「敏感」なイヤホンでの利用を想定して作られているため、比較的駆動力を必要とするイヤホンではパワー不足のケースもあります。また高域はちょっと上の方が細い印象を受け、イヤホンによっては力を発揮しきれていないと感じる場合もありました。
とはいえ、アンダー1万円のDAC付きケーブルとしては十分に高いクオリティのサウンドだと思います。


■「AAW CAPRI 1.2」のサウンドを「Shure RMCE-LTG」と比較してみる。


上記の通り、この分野ではあくまで自社製イヤホン用オプションとしての扱いながらShureの「RMCE-LTG」という製品があり、とくに音質面のクオリティの高さには定評があります。そこで、「AAW CAPRI 1.2」と両者を比較してみたいと思います。
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今回使用したイヤホンは2pin仕様の「1216.ears 4RM」。某社の有名3BAのCIEMを意識したサウンドにさらにBAを追加し音質面を強化した4BA仕様で、非常に解像度の高いフラット傾向が特徴のイヤホンです。

まず「AAW CAPRI 1.2」を接続してApple Musicを中心に聴いてみます。
解像度は平均的ですが刺さりが少ない聴きやすいサウンドで、音場表現も豊か。長時間のリスニングに適したサウンドの印象です。ほかのイヤホンに接続した場合もそうでしたが、どのイヤホンでも「無難に」鳴らしてくれる印象があります。
AAW CAPRIRMCE-LTG

いっぽう、2pin-MMCX変換コネクタを使用して「Shure RMCE-LTG」を使用すると、「1216.ears 4RM」が全く異なるキャラクターに豹変します。まず高域の伸びが圧倒的に「RMCE-LTG」のほうが高く、サウンドにメリハリがありより「明るい音」になった印象を受けます。解像度が1段上がり特に高域の伸びの良さとクオリティの高さは特筆ものです。とはいえ全般的にリスニングというよりモニター用に作られている印象も強く、1216.ears 4RMとの組み合わせでは音場が狭くなり、多少ハイ上がりで聴き疲れしやすいサウンドになっている感じも受けます。「RMCE-LTG」との組み合わせの刺激が強いため、改めて「AAW CAPRI 1.2」に戻すと逆に高域が物足りなく感じもありました。

もっとも、「RMCE-LTG」はもともとShure製品との組み合わせに特化してチューニングされており、「SE846」などで最適な音になるように作られており、さまざまな音質傾向のイヤホンを想定した「汎用」の「AAW CAPRI 1.2」が比較して「無難な印象」に感じるのは仕方のないことかもしれません。

AAW CAPRI他にもいくつかのイヤホンを試した結果、「AAW CAPRI」はハイブリッド系のイヤホンとの相性が良い印象を受けました。そういえばAAWのCIEMも売れ筋は2WAY~4WAYのハイブリッドですね。当然自社の製品との相性は想定しているのだろうと思われます。
手持ちイヤホンでのベストチョイスは「KZ ZS6」との組み合わせ。とにかく解像度が高くメリハリの強いZS6と「AAW CAPRI」は良い意味で中和しあって絶妙なバランスを作ってくれます。先日のレビューでも書いている通りZS6は無駄に何個か持っているので、そのうちのひとつを「AAW CAPRI」でiPhone専用にできたのも個人的にはありがたいところです。

やはり本格的に高音質を目指すのであれば、iPhoneとはいえそれなりのUSB-DACを接続して使用するのがベストだと思いますので、あくまで外出先などの「普段使い」として気軽に使用する用途では「AAW CAPRI 1.2」はとても便利なアイテムだと感じました。