MaGaosi K5

冬も近づき、仕事も徐々に慌ただしくなる一方で、いろいろ衝動買いもしており(笑)、ブログのネタも結構たまってきていますので、スローペースながら紹介していきたいと思います。
というわけで今回紹介するのは「MaGaosi K5」、5BAドライバーを搭載するシュア掛けタイプのイヤホンです。

MaGaosiMaGaosi HLSX)」は中国のイヤホンブランドで、中華イヤホンのなかではとても有名なメーカーのひとつです。特に「MaGaosi K3 Pro」という2BA+1DDのハイブリッドは音質面の評価も非常に高く同社の代表的なイヤホンとなっています。また最近日本国内で販売されている某イヤホンが「K3 Pro」のケーブル違いじゃないか、という説もあります。さらに詳しい方なら「HLSX 808(またはMaGaosi M1)」や「BK50」というイヤホンも知ってる or 持ってるかもしれません。これらのモデルはそれぞれに特徴がありつつも高い評価を得ており、同社では他にも「MaGaosi」または「HLSX」ブランドで数種類のイヤホンをリリースしています。

そして今回発売された「MaGaosi K5」は、まずクリアなシェルに5つのBAがびっしりと詰まった外観が特徴的です。さらにフェイスパネルのカラーは「赤青」「ブラック」「クリアー」の3色から選ぶことができます。
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そして、なんといっても驚かされるのは「MaGaosi K5」の価格設定。
AliExpressの表示価格は 169ドル ですが、HCKとEasy Earphoneではフォロワー値引きにて 129ドル で購入が可能です。
※購入時に「bisonicr」とメッセージを入れていただくだけでも値引き対象になります。AliExpressでの購入・割引方法を含め詳しくはこちらをご覧ください。
AliExpress(NICEHCK Audio Store):MaGaosi K5
AliExpress(Wooeasy Earphone Store):MaGaosi K5

またAmazonでもWTSUN Audioなど複数のマーケットプレイスで販売が開始しているようです(こちらは割引はありません)。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): MaGaosi K5

「5BA搭載イヤホン」というと日本で販売されているメジャーブランドなら10万円オーバーでも珍しくはありませんし、中華ブランドでも例えば以前レビューした「Rose BR5 Mk2」は300ドル台の価格設定です。
確かに中華系では非常に安価なマルチBAのイヤホンも若干存在しますが、そういったモデルと比較しても群を抜いて低価格ですし、かつ、実績のあるイヤホンブランドのパッケージ製品でこの価格設定はかなり挑戦的な印象すら受けます。というわけで、実際の製品の完成度は大変気になるところです。


■美しいクリアシェルとBluetoothケーブルまで付属する豪華パッケージ

届いた製品にはパッケージのほかに、Bluetoothケーブル用の首掛け用のゴムバンドが付属していました。
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パッケージ内容は、本体およびMMCXケーブル、Bluetoothケーブル、充電用USBケーブル、イヤーピースはグレーがS/M/Lの3種類、ホワイトが装着済みのものに加えてさらに小さいサイズが3種類(合計4種類)、ポーチといった構成。
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イヤホン本体のビルドクオリティは非常に高く、透明度の高い美しいシェルでデザインも流麗です。フェイスプレート側からは低域を担う「Knowles CI-22995」BAドライバーの刻印が確認できます。シェル背面にはデュアルタイプのBAドライバーが並列に並び、合計で5BAを構成しています(中高域用のデュアルドライバーは中国製でメーカーおよび型番は不明)。
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付属のケーブルは一般的なグレードのMMCXケーブルですが、比較的取り回しの良いもので、MaGaosi K3 Proに付属していたちょっとゴムゴムしたものと比べると改善されています。
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また普通MMCX対応のイヤホンで複数のケーブルを付属させる場合、通常は「マイク無し」と「マイク付」の2種類というパターンが多いのですが、「MaGaosi K5」では「MMCX対応Bluetoothケーブル」が付属します。このケーブルは「apt-X」による高音質転送に対応しておりこれだけでも結構目を引くポイントになっています。ただし、Bluetoothケーブルのビルドクオリティは「それなり」で、単独で販売されている同様の製品と比較するとあくまで付属品のレベルと捉えた方がよいと思います。

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付属のイヤーピースは標準で装着されている「白タイプ」および「グレータイプ」の2つのタイプでそれぞれ各サイズが同梱されています。白タイプは幅が小さく、金属製ステムの先端がほぼ露出するような形状となっておりより音場が広くなる印象。いっぽうグレータイプは一般的な形状で白タイプより中域(ボーカルなど)が強調される印象です。5BAということでハウジング自体は大きめですが耳にフィットしやすい形状となっており、私自身は装着性は特に問題ありませんでした。


■MaGaosiらしい広い音場とマルチBAらしい精緻な表現、そして圧巻の中高域

MaGaosi K5」の周波数特性はフラット寄りの弱ドンシャリ傾向。MaGaosiブランドの他のイヤホン同様に音場は広く定位も良好ですが、それ以上に空間表現の巧みさが非常に印象的です。
MaGaosi K5奥行きのあるサウンドのためボーカルは少しだけ後方に定位するのですが、中高域の空気感・距離感の描写が絶妙で、独特のライブ感を演出します。中高域のBAドライバーは中国メーカー製で名前の通った製品ではないようですが、マルチBAらしい解像度の高さはある程度キープしつつ(もちろん有名5BAイヤホン等のレベルより多少落ちます)、非常に濃いサウンドを感じます。特にボーカルやギターなどはある種のグルーブ感のようなものを表現しているような印象です。また低域も全体のバランスを維持しつつ十分に量感のあるサウンドで、さらにひとつひとつの音を精緻に表現するような印象です。
高域については標準のケーブルではもう少し伸びが欲しいと感じる部分はありますが、私のメインの利用環境(DAPなど)では普段のリスニングではまずまずな表現力だと思いました。ただ、高高域の明瞭さという点で多少の雑味を感じる部分もあるので、トータルとしては分析的に聴くといよりライブ感を楽しむリスニングイヤホンという印象です。特にAstell&Kern「AK300」で聴いた際は若干ですが高域の刺さりやシャリ感もありました。ただし高域については再生するDAP(デジタルオーディオプレーヤー)や曲の種類によって結構印象が変わる傾向にあるようです。
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BAドライバー(スピーカー)を多く搭載するイヤホンではそれだけ多くの電力を使うため、DAPやアンプ側の出力ゲインや再生ボリュームの違いにより特に高域に変化が出やすい傾向にあります。もし高域が籠もるような場合は、異なるプレーヤーやポータブルアンプを使用してみると印象がガラリと変わるかもしれません。さらに後述のとおりリケーブルにより変化が得られる可能性もあります。
また逆にパワーが強すぎるアンプやプレーヤーの場合、極端に高域が刺さるような音になる、いわゆる「ハイ上がり」の状態になることもありました。これは以前レビューした5BAの「Rose BR5 Mk2」でも同様の状態になりましたし、多ドラのイヤホンではある程度起こりやすい現象のようですね。

MaGaosi K5ところで、上記の通り「MaGaosi」ブランドのイヤホンというと、とにかく「音場の広さ」が特徴的です。これは同社の代表モデル「MaGaosi K3 Pro」をはじめ、過去にレビューした「HLSX 808」「BK50」といったハイブリッドモデルも含めて共通の傾向ですが、「MaGaosi K5」でも例外ではなく、マルチBA仕様ながら非常に広い音場と優れた定位感を持っています。ただし、例えばハイブリッドの「HLSX 808」は「音場の雄大さ」が最大の特徴、というくらいに広大な音場表現をするイヤホンでしたが、5BAの「MaGaosi K5」は当然ハウジングによる残響感などは得られないため、代わりにより正確な空間描写をKnowles社のBAドライバーが表現しているようにも感じました。


■リケーブル&バランス接続の効果も絶大。好みのサウンドをみつけよう。

MaGaosi K5」はK3以降の同社のモデル同様にMMCXコネクターに対応しています。標準では付属のケーブルとBluetoothケーブルの交換が可能、ということになりますが、上記の通りDAPによってはリケーブルによる効果を大きく実感できるようです。
DAPに「PLENUE R」や「Shanling M3s」を使用した場合、まず標準ケーブルをバランスケーブルに換装することで全体の分離感が向上し、同時に高域の明瞭感が向上しました。
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さらにケーブルの材質もいろいろ試してみましたが、個人的には単結晶銅線のケーブルとの組み合わせが明瞭度が高く、高域の表現も瑞々しく感じました。もちろん音の好みや曲の種類、そしてDAPとの相性によりマッチするケーブルは一概にはいえないのでその点はご了承ください。
このようにバランス接続は多くのDAPで分りやすく変化を確認できましたが、アンバランスでもケーブルの種類により音のイメージが結構変化しますのでいろいろ試してみるのも楽しいと思います。


■付属Bluetoothケーブルは作りはそれなりですが、apt-Xでのサウンドはなかなか良好でした


MaGaosi K5MaGaosi K5」は付属品としてMMCX対応のBluetoothケーブルが同梱されています。しかも中華イヤホンのBluetoothケーブルとしては比較的珍しく高音質コーデックの「apt-X」にも対応する本格派です(パッケージ裏面にCSR製のチップ使用との記載あり)。
使い方はmicroUSBケーブルで充電を行い、丸いボタンを長押ししペアリングを行うだけの簡単なものです。
また別途ブルーのゴム製の専用バンドも付属しており、このバンドに付属Bluetoothケーブルをセットして使用することが可能です。ただ、実際に付属Bluetoothケーブルはめ込んでみたところ、ケーブルの取り出しが非常に大変で(ケーブルが断線しそうになりました)、実用性はイマイチでした。

Bluetoothケーブルでのサウンドですが、Astell&Kern「AK300」とのapt-X接続はケーブル接続同様に「MaGaosi K5」と相性が良いようで、想像以上にクリアなサウンドを楽しむことができます。
この組み合わせでは低域はケーブルよりかなり締まった印象となり、中高域の抜けも良く多少あっさりした印象になりました。ただAK300(apt-X接続)ではボリュームをかなり上げる必要があり、再生時にわずかにホワイトノイズを拾いました。
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次にiPhoneにペアリングを行い、Musicアプリで「Apple Music」の再生を行ってみました。こちらはボリュームは中間の半分、最大音量の1/4~1/3くらい。iPhoneでもAK300同様にクリアなサウンドを楽しむことができました。ただ、あくまでわずかなレベルではあるものの、AK300より少し多めにホワイトノイズを感じました。
さらにAndroidスマートフォンへの接続(通常のSBCコーデック)を行ってみると、今度は逆にボリュームが大きくなりすぎる状態となり、ボリュームを相当絞り込む必要がありました。またサウンド的には音場が一気に狭くなり、高域が過剰に刺さる、いわゆる「ハイ上がり」の状態になってしまいました。付属Bluetoothケーブルの使用はapt-X対応DAP/スマホかiOSデバイスに限った方がよさそうですね。


■「MaGaosi」らしい音場感を実現しつつ絶妙なバランスで仕上げた完成度の高い5BAイヤホン

MaGaosi K5というわけで、「MaGaosi K5」は100ドル台、アマゾンでも2万円以下の低コストながらマルチBAらしい解像度が高く情報量の多いサウンドと、評価の高い「MaGaosi」の「音場感」表現の上手さを両立しつつ、濃度の高いサウンドを実現した、驚くほど完成度の高いリスニングイヤホンでした。もちろんこの価格に抑えるために、多少妥協しているところ、ある程度割り切って音作りをいしていると感じるところもあり、高価格な有名イヤホンと比較するのには無理がありますが、「お値段以上」のバリューのある製品であることは間違いが無いと思います。マルチBAのイヤホンは初めての方はもちろん、ダイナミックやハイブリッド好きの方にも結構楽しめるのではないかと思います。まだまだ中華イヤホンの熱い戦国時代は続きそうですね。

MaGaosiの他のモデルは過去記事でも紹介しています。よろしければ併せてご覧ください。
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