TFZ SERIES 2

手元に届いてから半月ほど経っていますが、「TFZ」の最新イヤホン「TFZ SERIES 2」のレビューです。
中国のイヤホンブランド「TFZ(THE FRAGRANT ZITHER)」では、今年に入ってから一気に新シリーズを展開しており、「EXCLUSIVE 5」「EXCLUSIVE KING」は国内版も大人気モデルになりました。そして今回の「SERIES 2」も、来年以降、日本国内版が登場すればヒット間違いなしという予感が漂う完成度の高さです。

TFZ」ブランドのイヤホンは、よりアグレッシブなサウンドを目指した「EXCLUSIVE」ラインと、「SERIES 1」「SERIES 5」などの従来モデルの流れを組む「SERIES」ラインの2つのラインナップで2017年に入ってからの製品展開を進めています。「SERIES」ラインのモデルでは、夏頃に登場した(国内販売は秋以降)「SERIES 4」はよりフラット傾向のサウンドでTFZとしては「変わり種」モデルになりました(同価格帯の「EXCLUSIVE KING」との差別化も考慮されていると思います)。

いっぽう今回の「SERIES 2」は、本来のTFZらしいキレの良いドンシャリ系を維持しつつも聴きやすいサウンドで、さらに50ドル以下の購入しやすい価格帯に設定されており、おそらく「SERIES 1」に代わり同社の普及モデルの中心になるのではと思われます。そのためもあってか、最初から8種類のカラーバリエーションを揃える充実ぶりです。
TFZ SERIES 2 TFZ SERIES 2
わたしは発売前にMassdropで予約にて購入しましたので11月中旬頃には手元に届いていました。現在はAliExpressでは香港のPenon Audioなどで取り扱っていますが、いずれ他のセラーの取り扱い、さらには国内版の発売もあるのではないかと思います。Penon Audioでの価格は45ドルとなっています。
AliExpress(Penon Audio): TFZ SERIES 2


新ケーブル&イヤーピースなどマイナーチェンジしたパッケージング

私のブログでも2017年に入って登場したTFZの新シリーズについてこれまでにいくつか紹介をしてきました。
【レビュー】「TFZ EXCLUSIVE 5」抜群にクールでパワフル。大当たりのアラウンド1万円イヤホン
「TFZ SERIES 4」シャープな美音系モニターサウンド & 「MY LOVE II」元気で楽しいTFZ最新イヤホン
「TFZ EXCLUSIVE KING」分厚い低域に突き抜ける高域。「王者」のサウンドを目指した1万円台高音質イヤホン

今回の「SERIES 2」はこれらのモデルと比較すると最廉価のモデルとなるのですが、最新のパッケージということで多少変更または改良された箇所があるようです。私がオーダー下のはカラー001のメタリックレッドと、同002のクリアーレッドの赤系2色。クリアーブルーのキラキラ付がいかにもTFZぽくて格好良かったのですが、手持ちの他のTFZがブルーに集中しているため今回は赤くしてみました(^^)。
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パッケージは「EXCLUSIVE」ライン以降お馴染みの細長いものですが、今回はカラバリが豊富なこともあり、フェイスプレートが外から確認できるクリアーカバーで覆ったシルバーのボックスになりました。

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パッケージ内容は本体、ケーブル、ポーチ、イヤーピース(2種類のS/M/Lと装着済みのMサイズ)など。メタリックレッドのほうはブラック、クリアーレッドのほうはホワイトで付属品が揃えられています。またイヤーピースは台紙にセットされ、ちょっと以前よりコストがかかっています。

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また、今回の「SERIES 2」より付属ケーブルの2pinコネクタが本体コネクタの凸状の部分を覆うようなカバー付のものになりました。ピン自体は従来の「EXCLUSIVE」「SERIES 4」などと同じ0.78mm 2pin仕様のため、従来通りリケーブルは可能です。いっぽう「SERIES 2」付属のケーブルは「SERIES 4(およびMY LOVE 2)」と「EXCLUSIVE KING」では流用可能ですが、「EXCLUSIVE 1/3/5」のシェルでは使用できませんでした(凸状部分の形が異なるため)。さらにホワイトのケーブルについては従来モデルのものと比較し線材そのものが変更になっています。
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付属するイヤーピースは黒色バージョンも白色バージョンも同じ形状で開口部が小さくよりリーチが取れるタイプと、開口部が広くより低いタイプの2種類。標準で装着されているのは開口部が広い方でこちらのほうが中高域の伸びが良いタイプとなり、逆に小さい方はより低域を強調するタイプになります。装着性や音の好みを考慮しながら使い分けると良いと思います。私はクリアーレッドのほうは開口部の広いタイプを、メタリックレッドのほうは手持ちのRHAのイヤーピースを組み合わせて使用しています。


■TFZの本気度がうかがえる、50ドルクラス最高レベルのサウンド

TFZ SERIES 2」は「SERIES 4」や「EXCLUSIVE KING」などの上位モデルと同様、12mmの大口径グラフェンユニットのダイナミック型ドライバーをシングルで搭載した構成。周波数特性はいかにもTFZらしい明瞭なドンシャリです。開封直後はDAP(プレーヤー)によってはちょっと高域のバランスに違和感を感じる場合がありますが、50~100時間程度のエージングで抜けが良くなり本来のサウンドになると思います。

TFZ SERIES 2エージング後の「TFZ SERIES 2」を聴いた印象は、しっかりした量感の低域を確保しつつ、キレのある金属質な高域といったTFZのサウンド傾向は継承しつつも、中域の存在感が圧倒的に強調されたモデル、という印象でした。
これは価格グレードとしてはほぼ同等の「EXCLUSIVE 1」が中高域メインで特に高域の伸びに特徴あるのとは明確に異なるサウンドです。「EXCLUSIVE」ラインが非常に個性的かつアグレッシブなサウンドでキャラクターを鮮烈に印象づけているのに対し、「SERIES 2」はより多くの人に受け入れやすい「聴きやすい」サウンドになっていると思います。
音場は「EXCLUSIVE KING」ににこそ及ばないものの十分な広さがあり、定位感も良好です。
ボーカルは比較的近く、歌唱力のあるアーティストの場合歌い上げている部分の迫力がとても印象的で、BGMで聴いていて思わずはっとなってしまいました。
TFZ SERIES 2いっぽう、「SERIES 2」の高域はキラキラ感のある硬質なサウンドではあるものの、最近のTFZのイヤホンに比べて比較的抑え気味のチューニングになっています。グラフェンユニットのドライバーらしい高解像度でエッジの効いた伸びの良さは確保しつつも、シャリシャリ感がほとんどない聴きやすいサウンドになっています。
とはいえ、開口部の大きい方のイヤーピースを使用し、出力の大きいDAPやポータブルアンプを経由すると硬質的な高域がかなり強調される傾向は「EXCLUSIVE KING」などの従来のTFZと同様のため、利用環境によっては特に女性ボーカルなどで刺さりが気になる場合もあります。
DAPとの相性で高域が気になる場合は、付属のイヤーピースのうち開口部の小さい方を使用したり、finalのEタイプなどのより中低域の厚みが向上するタイプのイヤーピースを使用することで刺さりの少ないサウンドに調整できます。
個人的にはシャリシャリ感の強い「MY LOVE II」やEXCLUSIVE 1のドンシャリ度アップ版的な印象の「EXCLUSIVE 3」と比較しても「SERIES 2」のほうが好みの音でした。実際、「SERIES 2」のサウンドクオリティの高さは、おそらく50ドル付近のイヤホンとしてはベストに近いレベルに仕上がっていると感じました。


■類似デザイン、類似価格帯で次々と新製品を投入するTFZの狙いは

TFZ SERIES 2というわけで「TFZ SERIES 2」もまた同社の他の製品とは全く異なるセッティングながら非常に高いレベルをクリアしているという印象を持ちました。なにより非常に聴きやすく押しの強い濃厚サウンドなので従来よりさらに多くの方が好感を持つサウンドではないかと思います。
それにしても、同社のイヤホンは非常に近い価格帯で次々と新製品を投入するため見た目や価格だけでは比較がとても難しくなっているかもしれません。実際このブログにも「KINGとSERIES 4はどちらがオススメか?」といった種類のコメントを頂くことも多いですし、また悩みのタネが増えたという気もします。
実際に試聴してみると各モデルのキャラクター付けは結構しっかりしていて違いを見つけることは難しくないのですが、たとえ国内版がリリースされている他のモデルについても、全ての方が試聴機が置いてある店頭に足を運べるとも限りません。そんななかで、「最初に購入するTFZは?」と質問されたら、私は今回の「SERIES 2」または「EXCLUSIVE KING」のどちらか、と回答します。
TFZ SERIES 2SERIES 2」は比較的購入しやすい価格帯でTFZの特徴をしっかり押さえつつも万人受けしやすいサウンドにまとめられている点がクセの強い同価格帯のTFZイヤホンと比べて「手を出しやすい」ポイントです。いっぽう「EXCLUSIVE KING」はそのTFZらしさ、クセの強さが最大限に発揮された「これこそTFZ」というサウンドです。どちらのイヤホンを最初に購入しても後悔は少ないのではと思います。
ただ、もしどちらかのモデルを購入してTFZのサウンドを気に入ったとしたら、つい他のモデルも集めたくなる、そんな「コレクション欲」をかき立てるのもまたTFZの特徴のような気がします。
もしかしたらこうやって次々と集めさせることこそ、同社が類似デザイン、類似価格帯の製品を次々投入している理由かもしれないと気がついて、まんまと術中にはまってる自分に多少後悔しつつ、来年に登場するらしい「KING PRO」がすでに気になっていたりするのでした(笑)。