SENFER PT15

SENFER PT15」のレビューです。今回もアマゾンのマーケットプレイス「Kinboofi」 さんからのサンプル提供によるレビューとなります。

中国「SENFER」ブランドのイヤホンというと「UE」および「UEs」をはじめカナル型の製品を過去にいろいろ紹介していますが、同社製インナーイヤーは今回が初めてですね。とはいえ、MMCXコネクタに対応た金属製ハウジングは、過去に紹介した「XBA-6in1」や「4in1」「DT2」(レビューしたのはDT2 Plusでしたが)を思い出します。
過去の「SENFER」ブランドのイヤホンレビュー(一覧)

SENFER PT15」のアマゾンのマーケットプレイスでの販売価格は2,479円となっており、レビュー時点ではアマゾン倉庫よりプライム発送が可能になっています。
Amazon.co.jp(Kinboofi): SENFER PT15

届いた箱の中にはイヤホンケースと本体、MMCXケーブル、イヤーパッドが通常タイプと穴あきタイプが2種類ずつ。
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イヤホン本体は上記の通り金属製ハウジングで、2000円台のイヤホンとしてはかなりしっかりした作りとなっています。
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付属のMMCXケーブルはマイク付で、最近の低価格中華イヤホンでよく見かけるタイプです。「SENFER PT15」は金属ハウジングですが外周部が樹脂素材のためイヤーパッド無しでも装着には支障ありません。ただ音漏れなどの影響があるためドーナツ型の穴あきイヤーパッドを使用して装着したほうが良いようですね。

SENFER PT15SENFER PT15」は比較的以前から発売されているイヤホンでので海外も含めいくつか評価やレビューが見受けられますが結構意見が分かれているようにも見えます。ただ過去に購入したカナル型のSENFERのイヤホンは私のレビューでもおなじみKZのイヤホン同様に「前期」「後期」というようにロット時期によってかなり音が変化している(作りながら改善している)傾向があります。また長時間エージングでの鳴らし込みも効果が得られることが多い印象です。この経験からすると、「SENFER PT15」はすでに海外での発売から1年以上は経っており「改善するところがあれば十分に手を加えた後期型になっているはず」という可能性もありますので、以前のレビューは気にせず先入観無しで聴いてみたいと思います。
また今回も150時間程度のエージングを実施しました。エージング方法は私のブログでは毎度おなじみのApple Musicのランダムプレイリストのエンドレス再生です。


■というわけで聴いてみた。高解像度ながらBGMに最適な中高域メインのあっさりサウンド

手元に届いた「SENFER PT15」の周波数特性は中高域寄りのフラット傾向。インナーイヤー型のイヤホンとしては比較的珍しい音ではないかと思います。まったり聴いているとフラットなカナル型を使っているのかと錯覚するような、この価格帯のイヤホンとしては解像度も高めで非常に中高域を聴かせてくれるイヤホンです。

SENFER PT15エージング後の高域はいかにもグラフェン振動板のドライバーを採用しているという感じの、抜け良いクリアなサウンドを楽しめます。ただナチュラルに伸びると言うより少し金属質にキリッとした印象ですね。
刺さりは少なく聴きやすいいっぽうで高域の天井はそれほど高くない感じです。この辺は同社のカナル型2DDモデル「SENFER UE」の高域に近いかもしれませんね。ただ「UE」がかなり「低音イヤホン」なのに対して、「SENFER PT15」の低域は細く軽く、量的には少なめの印象。また反響音もさほど多くないことも上記の「カナル型のようなインナーイヤーぽくない音」と感じる理由かもしれません。
この辺をポジティブにとるかネガティブにとるかで多少評価が分かれそうな気がします。

音場の広さは平均的ですが上記のような特徴から曲によっては多少狭く感じる場合もあります。音漏れの関係もありますが、あまり大音量で使用すると雑味というか多少の歪みが出やすい傾向もあるようです。逆に音量を抑えめで聴くと中域のディテールが適度に表現され、かといって過度に主張する感じではない「あっさりサウンド」で、仕事のBGMなどの使用には最適だと思います。
 
SENFER PT15SENFER PT15」は低価格インナーイヤー型のレンジにありながら金属ハウジングのしっかりした作りで購入後の満足度も十分にあるイヤホンだと感じます。インピーダンス32Ω、感度120dB/mWの再生環境を選ばない鳴りやすさと、使いまわしの良いMMCX仕様ケーブルで使い勝手もよく、日常的なツールとして活用するのに最適です。アマゾンで販売しているKinboofiでは低価格のMMCX仕様の「BT2 Bluetoothケーブル」も販売しており、セットで購入して「Bluetoothイヤホン化」して使うのもアリではないかと思います。私もインナーイヤー型はイヤホンの付け外しを頻繁に行うオフィスでの利用に最適なので気軽なBGMイヤホンとして活用したいと思います。