NICEHCK DT100

相当以前からの書きかけ記事ですが、なんとか1月中に投稿しました。レビューというよりほぼ雑記な内容となりましたがご容赦くださいませ。

というわけで、ご存知の方には結構いまさら感のある感じで恐縮ですが、「NICEHCK DT100」です。
名称の通り私のブログでも毎度おなじみ「HCK Earphones」のオリジナルブランドのイヤホンですが、この製品をご存じの方の多くは「HCKの2018年新年福袋」の中身、としてだと思います。この「福袋」が年末年始で販売され、実際に購入者に到着するまではいろいろと憶測も飛び交ったりしましたが、実際に届いたのはこのシングルBAのイヤホンでした。


■当時は大騒ぎだった「福袋」こと「DT100」。実際は「とても素性の良いシングルBAイヤホン」でした。

福袋で届いた「NICEHCK DT100」は「3.5mmステレオ(アンバランス)」と「2.5mmバランス」の両方のDT100刻印入りのMMCXケーブルが付属しますが、現在販売されている「製品版」はどちらかのケーブルを選択して購入するようになっています。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): NICEHCK DT100

また同製品は現時点ではアマゾンでもプライム扱いで販売されています。
Amazon.co.jp(NICEHCK): NICEHCK DT100

NICEHCK DT100NICEHCK DT100
パッケージの付属品はイヤホン本体、イヤーピースS/M/L、イヤーフック、ケース、保証書、そしてMMCXケーブル。付属ケーブルは透明な樹脂皮膜で覆われた銀メッキ銅線で少し細めですが質感的に安っぽくはありません。イヤーピースはイヤホンのステム部分がかなり太いため、装着側の穴が大きいものが付属しています。

ところで、数多(あまた)あるイヤホンのなかでも、「シングルBA」というドライバー構成のイヤホンはマニアをはじめとして造詣の深い方々には様々な思い入れがある存在ではないかと思っています。もともとバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーは構造的に解像度の高さに対して音域が狭く、最近のイヤホンでは各音域ごとのBAドライバーを組み合わせるマルチ化やダイナミックドライバーと組み合わせるハイブリッド化での利用が多くなっています。そのなかで「あえて」フルレンジを1個のBAドライバーで鳴らす「シングルBAイヤホン」では、どこに重点を置くかによってメーカー側の「音作りの考え方」、あるいは「個性」が明確に出る傾向にあると思います。
一般的には「シングルBAイヤホン」は音域が狭い分、ボーカルなどの中高域に重点を置いた音作りとなる傾向にありますが(結果低域が弱いといわれることが多い)、マルチBAやハイブリッドで不可欠なBA間のつながり(クロスオーバー)の処理が無いためまとまりのあるバランスのよいサウンドになるメリットがあるといわれます。
「シングルBAイヤホン」といえば必ず名前が挙がってくる「ER-4S」や、非常に多くのシングルBA仕様のイヤホンを作り続けているfinal audioの製品をはじめ数多くのメーカーが様々な価格帯の製品を出していますし、最近では低価格ながら枠を超えた高音質を実現した「EARNINE EN120」、そして高級イヤホンメーカーの新モデル「qdc Neptune」といったモデルも注目されました。

NICEHCK DT100このように話題のモデルも登場することである程度の認知は広がってきたものの、やはり「シングルBA」は「かなりマニアック」なイヤホンであることには変わりないと思うのですが、年末年始だけで400個以上を販売した「正体不明の福袋(笑)」に自社オリジナルの「DT100」を入れたHCKもなかなかのチャレンジャーだな、とは正直なところ思いました(案の定、当初はネット上でも結構大騒ぎになりましたね)。
NICEHCK DT100」の印象はシングルBAとしてはしっかりとした低域のある中低域タイプで高域の刺さりはほぼ皆無。音場はそれほど広くなく、少し遠くで定位しますが女性ボーカルも非常に美しく繊細に表現してくれます。

「ER-4S」をはじめとする多くの中高域寄りのシングルBAイヤホンとは少しタイプが異なりますが多くの方が聴きやすいと感じるバランスに調整された印象です。
NICEHCK DT100ただインピーダンスが高いこともあり、再生環境の出力によっては低域が本来のバランスより多くなることによる籠もったような音に聞こえる場合もあります。 いっぽう付属のケーブルを2.5mmバランスにした場合、多くの対応プレーヤーでは十分な出力を確保できると思いますが、今度は出力が強すぎるとボーカルが少し遠くで歪んだ鳴りかたをする場合に遭遇しました。具体的には「Shanling M3s」で付属のバランスケーブルで接続した場合にこのような現象に遭遇しましたが、こちらは後述の通り、同じくHCKの8芯ケーブルにリケーブルすることで無事解消し、非常にクリアで聴きやすいサウンドになりました。

NICEHCK DT100また、イヤーピースは、装着性の関係もあり、手持ちのデュアルフランジのものに交換しました。私はTFZのイヤホンに付属していたものですが(だったと思います)、市販品でもNOBNAGA Lab.のデュアルフランジのイヤーピース「Double Tip」が同様の印象だと思います。他にもシングルフランジでは開口部の広いAcoustuneの「ATE07」なども良いと思います。なお、「NICEHCK DT100」は樹脂製のステム部分がとても太く、金属製のハウジングに「差し込まれている」成型となっているため、市販のイヤーピースを使用する場合はある程度装着部分の口径の大きいものを使用しないと最悪イヤホンを破壊してしまう可能性もあるので注意が必要です。
とりあえず、私自身はデュアルフランジのイヤーピースとHCKの8芯バランスケーブルの組み合わせで使用する「NICEHCK DT100」が一番気に入っており、製品としても(現在の販売価格に)十分に見合ったイヤホンだと感じています。


■「NICEHCK」ブランドのケーブル2種を買いまくる(笑)

ところで、いつの頃からか気がついたらイヤホン用の「中華ケーブル」ばかり買っているようになり、「中華ケーブルのレビュー(前編)(後編)」まで書くようになってしまいました。
現在HCKではアマゾンのマーケットプレイス限定(AliExpressには出してない)の交換用リケーブルを販売しており、赤白の8芯のミックスケーブルはプライムに出すとあっという間に売切れてしまいます。私もタイミングを見ながらMMCXと2pinのバランスケーブルを中心に買い増しています。
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前述の通り「NICEHCK DT100」との相性も良く、他にも元々8芯ミックスの高純度ケーブルを使用している「EN700 Pro」のバランス化でも十分に遜色ない実力を発揮します。細い線材を編み込んでいるので8芯でもそれほど太いケーブルではなく、結構柔らかめでとても使いやすいのも特徴的。音質的には素直に明瞭さをアップしてくれるタイプで「NICEHCK DT100」では付属バランスケーブルをこのバランスケーブル仕様に変えると箱鳴りっぽい中高域の雑味がすっと消えて心地良い音に化けました。カラーも美しく、つい「赤いイヤホン」と合わせたくなりますね(^^)。

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いっぽう、最近HCKがアマゾン限定で販売しているのが6N銀メッキ銅線のケーブル。アマゾンの販売価格で3千円台の価格設定だったので細いタイプのケーブルかと思いきや、実際にとどいたケーブルは結構太さもあり(たとえば「TRN V10アップグレード用シルバーケーブルと比べると一目瞭然)、かつ柔らかくしっかりした作りのケーブルです。
imageNICEHCK DT100
こちらのケーブルも音質的な味付けはありませんが、明瞭感が向上する傾向でこの価格のケーブルとしては良いクオリティのケーブルだと思います。こちらも2.5mm/4極だけでなく4.5mm/5極のバランス接続も選べるのもうれしいところです(なお、2pinについては極性が良くわからない、という話があり、こちらは「KZ ZSR」のレビューにて詳しく触れています)。

こちらの2つのケーブルについては前述の「中華ケーブルのレビュー【HCK編】」でも追記しましたので併せてご覧ください(^^)
→ 【HCK編】中華イヤホンケーブルをまとめてレビューしてみました①