PMV E01

今回は「PMV E01」、10mmグラフェン振動版を採用したシングルダイナミックドライバーのイヤホンです。いつもお世話になっているアマゾンのマーケットプレイス「Kinboofi」さからのサンプル提供による紹介となります。現在アマゾンでは2,689円にて販売されています。
Amazon.co.jp(Kinboofi): PMV E01 

PMVというとハイブリッドの「PMV A01 MK2」などの製品も以前から販売している中華イヤホンメーカーですが、「PMV E01」はスマートフォンなどでの利用を想定した普及モデルの位置づけのようです。
とはいえ、金属製のハウジングを使用しドライバーにグラフェン振動版を採用するなど、内容的な妥協は少なく、低価格のわりにしっかりとしたイヤホン、という印象を受けます。

パッケージは専用のボックスケースで実績のあるメーカーであることをうかがわせます。裏面に記載のスペックはインピーダンス32Ω、感度105dB/mWとターゲットとするスマホをはじめ多くのプレーヤーでの利用でも問題ないと思われます。
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パッケージ内容イヤホン本体、イヤーピースはS/M/L(Mサイズは装着済み)とデュアルフランジタイプ、ポーチ、イヤークリップ。
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イヤホン本体は金属製ハウジングでステレオミニコネクタ部分も含めしっかりしたビルドクオリティの高さを感じます。装着性や遮音性は一般的なイヤホンと同様です。金属製ハウジングですが重量で耳から落ちてしまうということもあまり無いと思います。


■ボーカル曲の長時間リスニングに最適。通勤通学や仕事中のBGMにも便利なサウンド

PMV E01」の周波数特性はフラットに近いですが、特徴としては明確な「ボーカル推し」なイヤホンとなっています。実際、中国サイトの情報等をみると「PMV E01 一条纯粹的人声塞」みたいな記述があり、おもわず「なるほど」と納得しました。
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ボーカルなどの中域は近くで定位し、グラフェンドライバーらしいクリアでキレの良いサウンドが楽しめます。音場は一般的で極端に広い印象はありませんが、質感のある低域がボーカルに影響しない程度に響くことで、適度な臨場感を演出しているように感じます。いっぽうで高域の表現はそれなりに処理されている印象ですが、分離感も比較的良いため全体としては寒色系でとてもスッキリしたサウンドになります。また刺さりはほぼ無く、長時間でも聴きやすいサウンドに仕上がっていると思います。ジャンルとしてはポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲との相性が良いですが、これらのジャンルでも打ち込みなどの音の成分が多い曲では少し解像度に物足りなさを感じることもありそうです。


PMV E01PMV E01」はボーカルに特化したチューニングにより、低価格ながらも非常に聴きやすく使いやすいバランスにまとめられたイヤホンだと思います。スマートフォンなどでの利用を考えると極端に敏感だったり解像度を高くしすぎても雑味が強くなる可能性もありこれらの用途では使いにくくなります。そういった意味でさまざまなプレーヤー環境で気軽に使えて、かつ気持ちよいボーカルを実現したイヤホン、としては、購入しやすい価格も含めかなり完成度の高い製品ではないかと思います。
中華イヤホンも最近の高品質化・高音質化は著しく、低価格帯といえど「及第点のサウンド」では受け入れられない状況になりつつあるのではと思います。「PMV E01」はビルドクオリティの高さとスマートフォンなどの利用でもクオリティの高いクリアなボーカルを実現することで個性を表現していると感じました。オーディオマニアではない方などに気軽に使えてボーカルの綺麗なイヤホンは、と訊かれたときにオススメするのにも良い選択かもしれませんね。