audbos K5

こんにちは。ゴールデンウィークを目前に控え、私の手元にはほぼ毎日のようにイヤホンやヘッドフォンやら、お借りしている試聴機やらが次々と到着しています。いったいいつの間にこんなにオーダーしてしまったのだろう、と述懐する今日この頃、当然のごとくそれだけレビュー待ちがたまる一方です(^^;)。

というわけで、今回は「audbos K5」、メタルハウジングがカッコいい2BA+2DD構成のハイブリッドイヤホンになります。音質面の完成度も非常に高く、大きく注目されたり目立つ存在ではありませんが、100ドル前後のハイブリッドイヤホンとしては今年のベストバイになりうる製品かもしれません。
audbos K5audbos K5
オーダーはいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー(販社)のHCK Earphonesから。
中国AliExpressの同社ストア(NiceHCK Audio Store)では表示価格111ドル、またアマゾンのマーケットプレイス(NICEHCK)でも12,550円にて販売されています。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): audbos K5
Amazon.co.jp(NICEHCK): audbos K5

アマゾンでは購入時に自動的に割引が適用されるなどのキャンペーンを実施している場合があります。またAliExpressでもフォロワー値引きを受けることができます。どちらの場合もHCKのTwitterアカウント(@hckexin)をフォローのうえ、随時更新される割引情報などをチックください。またAliExpressでの購入方法・割引の適用方法はこちらを参照ください。


■名イヤホン「MaGaosi K3 Pro」の系譜をもつ「audbos」ブランド製品

現在HCK Earphonesでは「audbos」ブランドのイヤホンは今回紹介している「audbos K5」(2BA+2DD)と「audbos P4」(4BA)の2種類の新しい製品を取り扱っています。
audbos K5audbos P4
audbos」についてネットなどで調べると、以前より私のブログでもたびたび紹介している「MaGaosi」ブランドの「MaGaosi K3 Pro」(レビュー①レビュー②)や「BK50」(レビュー)などを米国の販売会社(?)が並行して展開する際に使用していた名称でもあるようです(区別のためこちらは以降「AUDBOS」と大文字で表記します)。
さらに昨年の夏あたりに「MaGaosi」ブランドを展開する中国HiLisening社(HLSX/深圳海力笙鑫科技)から分離し、こちらも中国の「audbos」(同じく区別のため小文字で表記)として独自の製品展開を進めているようです(米国の「AUDBOS」でも今後「K5」「P4」といった現行のモデルも展開していくかは不明)。
※「MaGaosi」はその後、2017年秋頃にOEMで「MaGaosi K5」(レビュー)をリリースする流れになります(後述)。


■充実したパッケージ構成と使いやすいデザインの金属製ハウジング

閑話休題、あらためて今回の「audbos K5」ですが、金属製ハウジングにステム部分のサウンドフィルターなど、やはり「MaGaosi K3 Pro」(または「AUDBOS K3 PRO」)を踏襲し、さらに発展させたモデルという印象です。しかし「audbos K5」ではハウジングはより個性的なデザインとなり、音質面でも着実な進化を遂げつつ、価格は「MaGaosi K3 Pro」より同等以下に抑えられています。
audbos K5audbos K5

audbos K5」のパッケージは引き出しデザインのしっかりしたボックスで、引き出しの中には「audbos K5」本体と大きめのレザーケースが入っており、付属品などはこのケースの中に納められています。
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パッケージ内容はイヤホン本体、MMCXケーブル、交換フィルタ、イヤーピースはシリコンタイプとウレタンタイプがそれぞれS/M/Lの3種類、そしてレザーケースと取扱説明書。
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シリコン製のイヤーピースは音質傾向的にはフラットなタイプで、ウレタン製のイヤーピースを使用すると低域の厚みが増すため、好みのよって使い分けるのが良いと思います。

取扱説明書は中華イヤホンとしては非常に珍しく中国語での記載がなく、英語または日本語(!)での内容となっています。代理店経由での国内版の登場も近いかもしれませんね。
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本体はアルミニウム・マグネシウム合金の削り出しで非常にコンパクトなサイズにまとめられています。そのため装着性は良好で付属のイヤーピースで十分に対応できると思います。
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また、デュアルのバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーが格納された、ステム部分のノズル先端は脱着式のフィルターとなっています。フィルターは標準では濃いグレーのタイプが装着されており、さらにシルバータイプのフィルターが付属します。濃いグレーのフィルターはメッシュのみの標準タイプで、いっぽうシルバーのフィルターは裏面に薄い不織布が貼り付けられた低域強調タイプとなります。
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シルバーのフィルターを使用すると高域が抑制され低域の厚みが増しますが、フィルターの性格上音量が少し下がり、どうしても籠もった感じの音になります。もちろん好みの部分ですが、個人的にはプレーヤーの出力などの関係でどうしても高域が刺さる、という場合以外は標準のグレーのフィルターのままのほうが良いと思います。ちなみに、このフィルターは「MaGaosi K3 Pro」「MaGaosi K3 HD」に付属するフィルターとも同じサイズでメッシュ部分以外は同一のため、相互に利用することも可能でした。

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また付属するMMCXケーブルはTPE樹脂被膜の銀メッキOCC銅線で、被膜が多少硬いものの取り回しは良好です。もちろんMMCX仕様の他のケーブル、たとえばHCKの「銀メッキ銅線のバランスケーブル」などへのリケーブルも可能です。


■派手めのサウンドながら心地良く立体的に広がる音場感と絶妙に聴きやすいセッティング

audbos K5実際に「audbos K5」を聴いてみると、全体的に「派手な印象」のサウンドではありますが、音質傾向はフラット寄りにまとめられており、ジャンルを問わず幅広く楽しめるセッティングとなっています。そして最も特徴的なのは音場表現の巧みさで、十分な広さに立体的に定位する独特の響き方と定位感はとにかく心地良く感じさせてくれます。
この独特の音場感を支える低域は適度な厚みと締まりがあり、中高域との分離も良好です。高域の伸びはこのクラスとしては一般的ですが十分な表現力を持っており、多くの再生環境では刺さりもあまり感じないレベルに抑えられています。フラット寄りといってもモニター系のような極端に解像度が高い印象というより、リスニングに特化して各帯域のつながりも良好な自然な空気感のチューニングとなっています。また中域は比較的厚めの印象でボーカルなどは近くで定位します。

audbos K5」はインピーダンス32Ω(±15%)、感度99dB(±2dB)/mw と、マルチドライバーとしてはすこし鳴りにくそうな印象もうけますが、実際は音量も比較的取りやすいイヤホンです。しかしDAP(デジタルオーディオプレーヤー)などの再生環境は駆動力が高いほうがより実力を発揮して豊かなサウンドを楽しめます。また別に「audbos K5」に限ったことではありませんが、スマートフォンなどDAPに比べてノイズの多い(S/Nが低い)再生環境では本来のサウンドとは異なる印象となる場合があります。

audbos K5audbos K5」はとてもオールマイティなサウンドバランスで、極端な苦手ジャンルはないと思います。特にボーカルがとても気持ちよく聴けるサウンドのため、ポップスやアニソンなどとの相性もかなり良好です。いっぽう音を分析的に聴くのにはあまり向いていないかもしれませんね。
個人的には聴き疲れしない使いやすさと、古い音源の楽曲でも立体的に広がる音場感がとても気に入っています。もともと「MaGaosi K3 Pro」や高域を強化した「K3 HD」も音場が広く音質面での評価も高く、私自身もとても好きなイヤホンのひとつですが、「audbos K5」はその良い部分を継承しつつさらに発展させた印象もあります。フラット寄りになった絶妙なサウンドバランスなど音質面も明確にグレードアップしていますし、シェルデザイン的にも同ブランドのオリジナル性のある形状となったことで、製品としてかなり死角のない高レベルなイヤホンとなった感じがします。おそらく100ドル前後のハイブリッドイヤホンとしては2018年の個人的ベストバイに挙げてもよさそうな予感がしています。


■MaGaosi K3 Proを発展させた死角なしの音作り。他のモデルや今後の展開にも期待。

ところで、前述の通り、「MaGaosi K3 Pro」の頃までは「MaGaosi」ブランドと並行で米国などで「AUDBOS」ブランドの「AUDBOS K3 PRO」(MaGaosi K3 Pro)「AUDBOS DB02」(MaGaosi HLSX BK50)等のモデルが販売されていました(中国ではTaobaoなどでは現在も販売しているショップがあるようです)。
audbos K5AUDBOS
現在、「MaGaosi」ブランドを展開している中国のHiLisening(HLSX/深圳海力笙鑫科技有限公司)のコーポレートサイトでは以前は掲載していたK3やBX50などの製品の記載はなくなり、「MaGaosi K5」などの製品に絞られています。そのいっぽうTaobaoの「audbos」公式ショップではMaGaosi K3 HDのシェルデザインでドライバー構成を変更した「DB04」というモデルが掲載されていたりします。
audbos K5おそらくかつてMaGaosiとAUDBOSで共有していた技術資産(または開発部門そのもの)が「audbos」に移行したかスピンオフした結果このようになったのかなと想像しています(現在はTaobao等ではK3などの従来モデルは両ブランドの在庫が混在して販売されている状況)。
実際、完全なOEMと思われる「MaGaosi K5」より、「audbos K5」のほうが確実に「MaGaosi K3 Pro」の正当なアップグレードモデル、という内容ですし、同じ開発者・開発部門が作った製品と考える方が自然でしょう。そうなると今後「audbos」への期待感が一気に向上するところです。とりあえずは「audbos P4」も非常に評判が良いので、これは押さえる必要があるかな、という気分になっています。今後の展開も楽しみですね。

余談ですが、「audbos」をいろいろ検索していたら「AUDBOS K3 PRO HD 之起源」という中国語の記事がありました。もともとはFacebookの中国のセラー?の記事のようですが、そのままMaGaosiの誕生エピソードにもなっていました(^^)。