Acoustune

こんにちは。今回は香港発の音響機器ブランド「Acoustune」さんの最新イヤホンの紹介、その第2弾となります。前回は2月頃に同社より「HS1551 CU」「HS1501 AL」をはじめとする主力モデルのイヤホンをお借りしてレビューをさせていただきました。
→ Acoustune 「HS1551 CU」「HS1501 AL」&「HS1004」「HS1005」 各モデルを一気にお借りして聴いてみた【レビュー】

Acoustune今回も同機種に加え、最新モデルの「HS1503 AL」、さらに次期モデルに標準装備が予定されている「銀メッキコート線ケーブル」や、今後発売予定の「HS1600/HS2000」に向けた音響試作品まで含まれた相変わらずの大盤振る舞いの内容で、約2週間お借りし、じっくり試聴することができました(Acoustuneさん、本当にありがとうございます。)。
最新モデルの 「HS1503 AL」は従来の「HS1551 CU」「HS1501 AL」が中低域に強みのあるモデルだったのに対し、高域にフォーカスしたセッティングのイヤホンとなっています。また次期モデルがどのような方向性のサウンドを目指しているのかも大変気になるところです。


■ 「HS1503 AL」/高域の伸びやかさと明瞭度アップにポイントを置いたチューニングモデル

まずは現在販売されている最新モデルの「HS1503 AL」です。カラーは「セージグリーン/シャンパンゴールド」の組み合わせで、音響チャンバー部はアルミ製の切削となります。既存モデルの「HS1501 AL」から解像度を落とさずに高域を中心としたチューニングを実施したモデルとのことで、「HS1551 CU」「HS1501 AL」同様に独自の「ミリンクス振動膜」を更に薄膜化した第3世代バージョンの10mmダイナミックドライバーをシングルで搭載しています。
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今回お借りした内容は実際のパッケージと同じ、レザー製のケースに、イヤホン本体、専用MMCXケーブル、さらにイヤーピースは「ATE07」(SML)と「ATE08」(SML)の各サイズ、さらにダブルフランジタイプ(ATE06)がS+M+サイズとウレタンタイプ(ATE02)が1種類となっています。
HS1503HS1503

また前回同様、付属の「極細線OFCワイヤー114本3重シールドと共に編組したケーブル」のMMCXケーブルについても、オプションのバランスケーブル(ARC02)も同梱いただいており、バランス接続での試聴をすることもできました。
HS1503Acoustune

HS1503 AL」はより中高域の伸びを向上させるチューニングを行ういっぽう、「HS 1501 AL」より低域は多少抑えれれており、全体としてはかなりフラットに近いサウンドバランスとなっています。
既存の「HS1551 CU」と「HS1501 AL」は周波数特性としてはかなり近いセッティングとなっていますが、音響チャンバー部の素材の違いからか「HS1501 AL」のほうが低域、特に重低音の響きが大きい印象となっています。今回「HS1503 AL」では「HS1501 AL」と同じアルミ製チャンバーで低域を少し抑えたセッティングとすることで音場の拡大と中高域との分離感が向上した印象です。結果として全体的に解像度がアップして、中高域では微細な音を実感できるようになったと思います。より明瞭感のあるサウンドでギターやパーカッションの音が「HS1501 AL」よりきれいに感じます。
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そして「HS1503 AL」の特徴である高域ですが、従来のサウンドを継承しつつ伸びを向上させた、という印象で、前回のレビューで紹介した「HS1005」のように金属質なキラキラサウンドとはかなり異なるものです。ただし曲によっては少しシャリつきがあり、再生環境にもよりますが高域成分の多い曲やハイトーンの女性ボーカルでは刺さりを感じる場合もあります。
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個人的には「HS1551 CU」「HS1501 AL」ではイヤーピースを中高域型の「AET07」が相性が良かったですが、「HS1503 AL」では中低域型の「AET08」を使用することで刺さりを軽減することができました。音楽ジャンルとしてはEDMやテクノ、ハウスなどが向いている印象です。いっぽうでアコースティックな演奏のポップスもとても気持ちよく感じました。私自身は既存モデルの「HS1551 CU」のチューニングがもっとも好みではありますが、バリエーションのひとつとしてはとても興味深く感じました。


「銀コート線ケーブル」大幅なサウンドクオリティの向上をもたらす次期標準ケーブル

今回お借りした試聴セットの中には新しい同社の「銀コート線ケーブル」も同梱いただいていました。さっそく「HS1551 CU」で標準の黒いケーブルからこの新しい「銀コート線ケーブル」にリケーブルしてみると、中高域の情報量がぐっと向上し、ボーカルなどもより近くで定位するように感じました。
AcoustuneHS1551
中低域メインという印象の「HS1551 CU」が高域においても適度に鮮やかさを増した印象となり、個人的にはさらに好みのサウンドになりました。見た目が少し派手なケーブルではありますが「HS1551 CU」との相性はかなり良いと思います。

HS1503また「HS1501 AL」で聴いてみたところ標準ケーブルよりかなりスッキリした印象となりました。どちらのモデルでも銀コート線ケーブルへのリケーブルによりそれぞれの特長を活かしつつ発展させるという意味で効果が期待できそうです。
いっぽう、もともと高域に特徴のある「HS1503 AL」と組み合わせてみたところ印象の変化は限定的ですが、解像度の向上により高域成分の多い曲でちょっと雑味を感じた部分が明瞭になった印象となりました。個人的にはコレもありと思いますが、多少意見が分かれるところかもしれませんね。

ちなみに、前回のレビューでは気がつかなかったのですが、「HS1551 CU」および「HS1501 AL」でイヤーピースをダブルフランジの「AET06」にすることで高域の印象がすこし元気になります。装着性の面も含めて「AET06」での組み合わせが結構気に入りました。


■音響試作を聴きながら次期「HS1600」シリーズに期待を寄せる

最後に今回の試聴セットのなかには次世代機「HS1600/HS2000」の音響試作品(ブラック/シルバーとホワイト/ゴールド)の2種類を同梱頂いていました。同梱いただいていたのは比較的初期の音響試作ということで、今後発売される実際の製品とはかなり異なってはいるものですが、今後どのような進化を目指しているかという方向性を確認するうえでとても興味深いものでした。
HS1600/HS2000HS1600/HS2000
ホワイト/ゴールドものはの真鍮製チャンバーで「HS1503 AL」に近いセッティングを行ったという印象で、「HS1503 AL」よりバランス志向のサウンドに感じました。いっぽうのブラック/シルバーのほうは以前の「HS1005」を少し思い出すような思い切って高域に振ったチューニング。しかし第3世代のドライバーのポテンシャルからかそれほど極端な印象にはならないのが面白いですね。

さらに今回同梱いただいた音響試作以降も数多くのバリエーションの試作品が作られており、先日開催された春の「ヘッドフォン祭 2018」ではより完成形に近くなった試作品が参考出品されていました。

Acoustune「HS1600」シリーズ各モデルの実際の製品は7月以降の発売ということなのですが、最終的には音響チャンバーや内部を含め全く新規に作り直されており、音質面も大幅にグレードアップしています。またこのシリーズより前述のシルバーコートのケーブルが標準となるそうです。さらにその次にはシルバーカラーのさらにアグレッシブなサウンドのバージョンも控えているとのこと。これらの新モデルも価格的には現行の「HS1551 CU」「HS1501 AL」「HS1503 AL」より極端に高くなることはなさそうです。個人的にはもともと「HS1551 CU」はかなり好きなサウンドですが、新シリーズではもう一押しと思っていた部分が着実にアップグレードされていそうな予感で、いよいよ購入を本格的に検討かな、とも思っています。

最後に今回も高額かつ貴重な試聴機を長期間お借りできたことにAcoustuneさんおよび支援されている関係者各位に多大なる感謝を申し上げます。新機種も含め今後とも期待しております(^^)。