Shanling M0

こんにちは。私の現在の本業のほうは結構出張が頻繁にあり、イヤホン等のポータブルオーディオの趣味もそこから派生した部分があります。特に今月はGW明けから週イチ以上のペースで出張しており、なかなかの慌ただしさを感じています。今回は私にさらに強い味方になってくれそうな、超コンパクトDAP(デジタルオーディオプレーヤー)「Shanling M0」の紹介です。

中国の音響機器メーカー「SHANLING」(山灵、シャンリン)は、もともと据置きオーディオ分野で自社製品に加え高級オーディオメーカーへのユニット供給などOEM分野でも実績のある会社ですが、最近は非常に高性能でコストパフォーマンスに優れたポータブルオーディオ製品で人気を博しています。
私自身も「Shanling M2s」「Shanling M3s」を相次いで購入し現在も愛用しています。またおかげさまでこれらの機種のレビューについては現在もとても多くのアクセスをいただいています。
過去レビュー: Shanling

Shanling M0そんななか、同社の最新モデルとして最もコンパクトな「Shanling M0」が発売されました。「Shanling M0」はわずか幅40mm×長さ45mm×厚さ13.5mm、38gという驚異的なコンパクトボディにもかかわらず、DACチップにESS社製「Sabre ES9218P」を搭載し、最大32bit/384kHz(DXD/WAV)のPCM、DSD128対応などの再生機能、さらに「LDAC」「apt-X」等にも対応するBluetooth性能と本格的な要件を満たしたハイレゾ対応DAP(デジタルオーディオプレーヤー)です。
また240×240ピクセルの1.54インチディスプレイはタッチパネルにも対応し、コンパクトながらしっかり操作性も維持しています。
Shanling M0」は先日の「ヘッドフォン祭」にも国内代理店より参考出品され、来場者よりとても大きな反響を呼んだことも記憶に新しいところです。

私は毎度お世話になっている中国AliExpressの「Easy Earphones」より購入しました。現在AliExpressでは103ドルにて販売されています。また専用カバー15ドルで販売されています。
AliExpress(Easy Earphones): Shanling M0

また国内モデルも5月25日より14,800円(初回出荷分は専用レザーカバー付属)にて販売されています。
Amazon.co.jp(国内正規品): Shanling M0

モデルナンバーは「M0」と最もエントリーの位置づけですが、価格設定的には実質的に「M1」をリプレースする機種となりそうですね。


■超コンパクトながら高いビルドクオリティと使いやすさを確保したデザイン

Shanling M0」のパッケージは従来より手に取りやすいポップな印象になっています。
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とはいえボックス自体はしっかりしたものでなかなかに高級感が漂います。
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パッケージ内容は本体、充電&データ転送用USB-Cケーブル、説明書、保証書。
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説明書は各国語の記載となっており、日本語の表記ももちろんしっかりあります。

前述の通り4センチ四方程度の非常にコンパクトな本体ですがCNC加工されたアルミ製ボディは非常に高いビルドクオリティで安っぽさは全くありません。
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手持ちの「Shanling M2s」と比較してみると十分にコンパクトなはずの「M2s」が巨大なDAPに見えてきますね(^^;)
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ちなみに「Shanling M0」も厚さは「M2s」などとさほど違いはありません。
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Shanling M0」を最初に起動すると表示言語が選択できますので「日本語」を選択します。LG製2.4インチ液晶のタッチパネル感度はまずまずで、指の太い私が操作しても誤操作などはほとんど無くスムーズに使用することができます。
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またシャットダウン状態からの起動も「M2s」「M3s」と比較してもとても素早く、スクロールなどももたつきを感じる事はほとんどありません。

タッチパネルの基本操作は「タッチ」、「スワイプ」、「長押し」の3種類で、
  • タッチ」が、次のメニューへの移動や再生、選択
  • スワイプ」はメインメニューではスクロール、各画面では右スワイプで前のメニューへ移動
  • 長押し」でメインメニューにもどる
となっています。
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再生画面でタッチで再生メニュー表示、左スワイプでメニュー変更となります。油断するとすぐタップとして認識してしまうのでスワイプはちょっとだけコツが必要ですね。慣れれば小さい画面でも十分に操作できますよ。


■このコンパクトさながら、高いS/Nと十分な駆動力で多くのイヤホン・ヘッドホンに対応するサウンド

Shanling M0」で聴いた印象ですが、全体的な音質傾向としてはESSらしいハッキリシャッキリ系のサウンド。音場はすこし狭いですがボーカルなどが近くで定位する印象でとても楽しく聴くことができます。AK4490を搭載する「Shanling M2s」と比較しても音のメリハリはM0のほうが感じるかもしれませんね。ただしオペアンプなどの違いにより「M2s」より低域の厚みは少なめで中高域タイプだと思います。正直この価格でこれだけの音質で再生してくれたら言うことないんじゃないか、という気分になる非常に優れたサウンドです。
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特にダイナミックドライバー系のメリハリのあるイヤホンと相性が良いようです。サイズ的にも重低音を響かせるタイプのプレーヤーではないので低音が印象的なタイプやドンシャリ系などの「濃い音」のイヤホンとあわせるととても楽しく使用できます。

また、低価格な小型プレーヤーにも関わらず、Shanling M2s/M3s同様にS/Nの高さ、ノイズの少なさに驚かされます。Shanling M2s/M3sでもそうでしたが、非常に反応の良いCIEMなどのイヤホンでも全くホワイトノイズを拾うことはありません。手持ちの「SE535LTD」でも非常にクリアなサウンドを楽しむことができました(ボリュームはローゲインで20~くらい)。
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いっぽう駆動力の点でも、「Shanling M3s」(外観から想像も付かないハイパワーが特徴)や「M2s」(コンパクトながら同様にパワフル)には及ばないものの、「Shanling M0」もある程度実用的な出力を確保しています。例えば、非常に鳴らしにくい「RHA CL750」もなんとか快適に利用できる範囲の出力を確保することができました(ハイゲインで80~。最大ボリューム100)。同程度のボリュームで「AKG K712 Pro」などのヘッドホンでの利用も可能でしたので、超コンパクトながらかなり利用範囲の広いプレーヤーであることがわかります。

またバッテリー稼働時間も非常に長く(メーカー公称15時間)、新幹線での長時間移動での利用でも全く支障はありませんでした。(イヤホンの出力にもよりますが)通勤から帰宅まで1日中使用していても大丈夫そうですね。なによりイヤホンケースにイヤホンと一緒に「Shanling M0」も収納できてしまうほどのコンパクトさはかなり便利です。
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もっとも、やはり価格なりの限界はあるようで、マルチBAのイヤホンや「RE2000」などの高級イヤホンで聴いてみると高域の表現に相応に粗さを感じたりします。まあ、日常的な利用では全然問題ないレベルですね(^^)。


■直感的でわかりやすい、必要十分な機能を網羅した各種メニュー

Shanling M0」の本体機能ですが、メインメニューには「再生中」の他に「マイミュージック」「ファイル一覧」「再生設定」システム設定」の各項目があります。
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「マイミュージック」ではスキャンされた音楽データを表示し、再生することができます。また「M2s」「M3s」同様に再生画面から登録したプレイリストの編集・再生も可能です。

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「ファイル一覧」からはmicroSDカードの内容からの再生が可能です。次の再生設定で「フォルダ間再生」をONにしておけばフォルダ内で順に再生し、自動的に次のフォルダへ移動します。

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「再生設定」はゲイン設定やギャップレス再生、バランスなどを設定します。

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「システム設定」にてそしてライブラリの更新設定やBluetooth設定等を設定します。システムアップデート等もこのメニューにあります。


■注目のLDAC対応Bluetooth機能、そしてM0でも健在のUSB連携機能

そして「Shanling M0」もShanlingのDAPでお馴染みの豊富な外部連携機能をほぼ全て搭載しています。特にBluetoothについてはハイレゾ対応のコーデックであるソニーの「LDAC」に対応しており、同社製ワイヤレスヘッドホン、イヤホンをはじめとするLDAC対応製品を使用されている方には特に注目されるところではないかと思います。残念ながら私自身はもともと有線派ということもありLDAC対応ヘッドホン/イヤホンは持っていないため音質面の違いは比較できないのですが、従来からの高音質コーデックであるapt-XやAACにも対応しているのは有り難いところです。
なお、別にM0に限ったことではありませんが、Bluetoothについてはペアリングする機器によって、特に標準のSBCコーデックではノイズが入ったりするケースもあります。また現時点ではまだまだファームウェアに改良の余地がありそうです。これらの点は将来のバージョンアップでの改良に期待するとして、以下では搭載されている機能面についてのみ紹介させていただきます。

Shanling M0」のBluetooth機能は「システム設定」のメニューに入り、「Bluetooth」を有効にすることで使用できます。また「高音質」のメニューでLDACの各モード(「音質優先モード」「標準モード」「接続優先モード」)およびapt-X、AACといったコーデックが選択できます。
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私は「aptX」を選択のうえ、apt-X対応の「AKG Y50BT」をペアリングしました。接続中はメニュー表示時に右上に「aptX」といったコーデックが表示されるため、現在どのモードで接続しているかが確認できます。
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次に、「Shanling M0」はスマートフォンやBluetooth対応の別のDAPとペアリングし「レシーバー」として動作するモードも「M2s」「M3s」同様に搭載しています。iPhoneをはじめ最近のイヤホン端子のないスマートフォンでApple MusicやAmazon Music、Google Play Musicなどのストリーミング再生を利用する際にとても便利です。ここでもポケットに入れておいても全く気にならない「Shanling M0」のコンパクトさが威力を発揮します。
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また、通常のスマートフォンではホワイトノイズが乗ってしまう感度の高いイヤホンや逆に駆動力を必要とするヘッドホンなどを使用したい場合にも便利ですね。ただし、このモードではペアリングするスマートフォン等がAAC/aptX/LDAC等に対応していても通常のSBCコーデックでの通信となる仕様のようです。
※先日公開されたバージョン2.0のファームウェアでレシーバー機能もLDAC/AACに対応しました。

さらに、「Shanling M0」をUSB-DACとして利用するモードも引き続き搭載しています。「システム設定」で「USB出力」を「USB」から「DAC」に変えることで、接続したPC/Mac側はUSB-DACとして認識します。USB Audio Class 2.0に対応しているためMacではドライバなしで認識し使用することができます(Windowsの場合はShanlingのサイトでドライバーをダウンロードして使用します)。
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USB-DACモードでも写真の通りMacの「Audirvana Plus」で24bit/192kHz、DSD64(DoP)までのハイレゾに対応を確認しました。改めてスペックの高さを実感しますね。
※追記:コメント欄でiPhoneでのDAC利用についてご質問をいただいたので試したところ、今回のM0では問題なく認識できてしまいました(M2sおよびM3sの場合は「消費電力が大きすぎます」エラーで使用できませんでした)。HF Playerでちゃんと24bit/192kHzまでのハイレゾ再生でも使用できました。ただし公式のサポートではないので、あくまで手元の実験結果、と認識ください。
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なお、Androidデバイスについては動作報告もありますが使用できるケーブルや機種を選ぶ可能性があるようです(もう少し検証が必要ですね)。

USB-DAC機能とは逆に、外部USB-DACを接続するUSBトランスポート機能も搭載しています。「システム設定」のDSD設定で「DoP」(DSD over PCM)を選択すれば対応するUSB-DACでのDSD再生も可能です。
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■Shanling M0のファームウェアのアップデート方法

最後にファームウェアのバージョンアップですが、USBドライバー同様にShanlingサイトよりダウンロードし解凍したファームウェアをmicroSDカードにコピーして行います。国内版は出荷時に技適認可後のV1.5になっていますが、手元の海外版はまだ1.0だったので1.5へのバージョンアップを行いました。※現在は上記の通り2.0にバージョンアップしています。
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現在のファームウェアのバージョンは「設定」メニューの「製品について」で確認することができます。ShanlingサイトのShanling M0ページのDownloadでより新しいバージョンのファイルがある場合はダウンロードします。
また国内版の場合は販売元の伊藤屋国際さんの商品ページにてダウンロードが可能です。

ダウンロードしたファイルを解凍し「update.bin」をmicroSDカードのルート直下にコピーします。この際に注意すべき点はmicroSDカードを必ず「FAT32」フォーマットにすること。解凍ファイルには専用のフォーマットツールも付属していますが1GB程度の小容量のmicroSDカードならWindowsでFAT32フォーマットが選択できます。
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ファームウエアファイルをコピーしたFAT32フォーマットのmicroSDを挿入しサイドShanling M0を起動したら「設定」メニューより「システムをアップデート」を選びます。自動的にファームウエアを検出しアップデート処理を行います。再度再起動を行い通常通り起動したら完了です。メジャーバージョンのアップデートの際は一度初期設定に戻してパラメータを再設定する方が安全ですね。


■次はいよいよ「M5s」の登場か? あるいは謎のハイエンドモデル「M6s」だったりして(^^;)

というわけで、「Shanling M0」の連携機能も含めひと通りの操作を行ってみましたが、他にもプレイリストや歌詞表示機能、イコライザ、フィルターなど、まだまだ書き切れない機能が満載されています。
Shanling M0今回の「Shanling M0」で、相変わらずの多機能さと音質面の手堅さを、とんでもないコンパクトなサイズと驚異的な低価格で実現してしまった同社の技術力の高さには改めて脱帽です。ほんともうこの分野では無双感すら漂いますね。今回は同社のポータブルプレーヤーのなかで最もエントリーのモデルでしたが、今後、既存ミドルクラスの「M5」の後継機種となる「M5s」の登場が控えていると噂されており、また同社からの技適申請ではさらにハイエンドと思われる「M6s」というモデル名も「M5s」と一緒に記載されています。私自身、もうすっかりShanling製DAPのファンになってしまっているので、これらのモデルがどのような内容でいつ頃登場してくるのか、本当に楽しみです。
とりあえずは今回のM0も含めたコンパクトモデル3機種をいろいろな場面で使い込んでいきたいと思っています。