HCK Cable


こんにちは。お盆前後の気温の変化もあり、ちょっと体調を崩し気味ですが、書きかけレビューもしっかりたまっていますので(汗)、少しずつ復活して行きたいと思います。
というわけで、今回もイヤホンケーブルのレビューです。

毎度お世話になっている中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」も「NICEHCK」ブランドでオリジナルのイヤホンケーブルをいろいろ販売していますが、さらに今回、全く新しいシリーズの8芯タイプが一斉に発売されました。どれも2千円台~3千円程度という低価格ということもあり、気付くと例によって全色大人買いしてしまいました(^^;)。
というわけで、各ケーブルの違いなども含めて紹介できればと思います。
HCK CableHCK Cable
購入は全てHCKがアマゾンに出店しているマーケットプレイス「NICEHCK」にて。プライム扱いでアマゾン倉庫より国内出荷されますのでオーダーしてからすぐに届きますし、万が一の時の返品交換などもアマゾン経由でできるので安心感がありますね。またAliExpress(中国からの発送)でも一部販売を開始したようです。こちらもHCKのTwitterアカウント(@hckexin)にて特価情報が公開されています。AliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。HCKのTwitterアカウントでは他にも頻繁に割引情報などもツイートされますのでフォローのうえこまめにチェックされることをお勧めします。

【高純度銅線のイヤホンケーブル】

「NICEHCK CT1」 8芯 高純度無酸素銅 OFC イヤホンケーブル(ブラウン)
NICEHCK MMCX/2Pin Connector 3.5/2.5/4.4mm Balanced 8-Core High Purity Copper Cable
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】

HCK CT1NICEHCK CT1HCK CT1
Amazon.co.jp(NICEHCK): 2,550~2,650円 AliExpress: 19.54ドル~ 

「NICEHCK CT1」は、ブロンズカラーの渋いカラーリングがカッコ良い8芯ケーブルです。他のカラーと共通のコネクタおよびプラグ部品は使い勝手も良く安物感はありません。また丸いケーブルスライダーはちょっとアクセントになりますね。太さのあるケーブルですので見た目的にもリケーブルを実感できますが、なによりこの銅線ケーブルは3.5mmステレオ、2.5mm/4極バランスでも2,550円、4.4mm/5極バランスでも2,650円という低価格が魅力的です。
NICEHCK CT1BQEYZ KC2
柔らかく、使い勝手のよいケーブルですが、ある程度のコシがあります。低価格のケーブルながら銅線らしい中低域の厚みが向上するサウンドで、解像度や分解能の向上などのリケーブル効果もしっかり実感できます。低価格イヤホンで低域の締まりを向上させ、明瞭感をアップしたい、ボーカルの厚みを増したいなど、多くのケースで利用できるケーブルです。また高域の刺さりが強めのイヤホンとの組み合わせでは中低域の情報量が増すことでより低いボリュームで音量が確保できることもあり、相対的に高域が多少マイルドに感じる効果もあります。逆に低域が強めのイヤホンの場合はさらに低域過多に感じてしまう可能性もあるため、次の「TDY1」「TDY2」の銀メッキ線のほうが相性が良くなります。


【高純度銀メッキ銅線のイヤホンケーブル】
「銀メッキ銅線」は中華ケーブルでも最も種類の多い線材ですが、新しいHCKのケーブルでも「TDY1」と「TDY2」の2種類、合計4色のカラーバリエーションが発売されました。

「NICEHCK TDY1」 8芯 OFC純銅銀メッキ イヤホンケーブル (ブラック)(シルバー)
NICEHCK MMCX/2Pin Connector 3.5/2.5/4.4mm Balanced 8-Core Plated Silver Cable
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「NICEHCK TDY1」はブラックとシルバーの使い勝手の良いカラーが発売されており、高純度銅線の「NICEHCK CT1」とあわせてより多くのイヤホンと組み合わせやすいスタンダードなケーブルですね。
NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1
TDY1 ブラック: Amazon.co.jp(NICEHCK): 3,050~3,150円 AliExpress: 29.99ドル~ 

NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1

TDY1 シルバー: Amazon.co.jp(NICEHCK): 3,050~3,150円 AliExpress29.99ドル~ 

「NICEHCK TDY1」も「CT1」同様に柔らかく適度なコシのあるケーブルですが、銀メッキ線をブラックまたは透明の樹脂被膜で覆われていることもあり、1芯あたりの太さがわずかに太くなっています。
NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1
銀メッキ銅線ケーブルは、中低域に強みのある銅線ケーブルと高域の伸びが特徴的な銀の特徴を併せ持つケーブルで、芯となる銅線の種類(純度)や銀メッキ処理の質や厚みなどにより、「銀メッキ線らしい音」と言われるケーブルや、ほぼ味付けのない「情報量アップ型」ケーブルなど、様々な音質傾向の製品が(特に中華ケーブルでは)存在しています。
NICEHCK TDY1NICEHCK TDY1
「NICEHCK TDY1」は高域の伸びが良くなる銀メッキ線の特徴がしっかり出ているタイプのケーブルで、中低域タイプのイヤホンで高域の伸びを向上させメリハリをつけたり、分離性を向上させることで低域を中心とした籠りを抑制する効果などが期待できます。3千円程度と低価格なケーブルですが、ZS6系イヤホンなど派手め傾向のイヤホンと合わせると結構しっかりと効果がでるため、逆に高域が強めのイヤホンと合わせると「高域が強すぎる」と感じる場合があります。このような場合は高純度銅線の「CT1」やミックス線の「TYB1」のほうが相性が良いと思います。


「NICEHCK TDY2」 8芯 OFC純銅銀メッキ イヤホンケーブル (オレンジ/シルバー)(レッド/シルバー)
NICEHCK MMCX/2Pin Connector 3.5/2.5/4.4mm Balanced 8-Core Plated Silver Cable
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「TDY1」と同様に8芯の銀メッキ線ケーブル。こちらは「オレンジ/シルバー」と「レッド/シルバー」のミックスカラーのケーブルとなっています。カラーリングはミックスですが、下記の「TYB1」のような「ミックス線」ではなくあくまで「銀メッキ銅線」ですのでご注意ください。

NICEHCK TDY2NICEHCK TDY2NICEHCK TDY2
TDY2 オレンジ/シルバー: Amazon.co.jp(NICEHCK): 3,050円 AliExpress: 29.99ドル~

NICEHCK TDY2NICEHCK TDY2NICEHCK TDY2
TDY2 レッド/シルバー: Amazon.co.jp(NICEHCK): 3,050円 AliExpress: 29.99ドル~

「NICEHCK TDY2」も価格は「TDY1」と同じ、3,050円(3.5mステレオ、2.5mm/4極バランス)、3,150円(4.4mm/5極バランス)となっています。
NICEHCK TDY2NICEHCK TDY2
ケーブルの柔らかさや質感もほぼ「TDY1」と同じで、印象としてはシルバー「TDY1」の透明な被膜に4芯分だけオレンジまたはレッドのカラーラインが描かれている、という感じです。
NICEHCK TDY2 TDY1NICEHCK TDY2
「TDY2」の音質傾向も「TDY1」と全く同じようですので、組み合わせるイヤホンとのカラーリングで選ぶのが良いと思います。低価格ながら解像度・分離性が高く、情報量も比較的多いケーブルですので、マルチBAのイヤホンとの相性も良いですよ。購入しやすい価格で品質も安定したケーブルですのでイヤホンに合わせていろいろなカラーを揃えるのも楽しいですね。


【銀メッキ線&高純度銅線ミックスのイヤホンケーブル】

「NICEHCK TYB1」 8芯 銀メッキ線&高純度銅線ミックス イヤホンケーブル
NICEHCK MMCX/2Pin Connector 3.5/2.5/4.4mm Balanced 8-Core Copper Silver Mixed Cable
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Amazon.co.jp(NICEHCK): 3,150~3,250円 AliExpress: 29.99ドル~
NICEHCK TYB1NICEHCK TYB1NICEHCK TYB1
そして最後は「銀メッキ線」と「高純度銅線」を4芯ずつ編み込んだ「ミックス線」ケーブルです。ミックス線は中低域に厚みのある銅線と中高域に特徴のある銀メッキ線を組み合わせることで両方の線材の特徴を活かし「いいとこ取り」をしたケーブルです。価格は少しだけ高くなりますが、それでも3,150円(3.5mステレオ、2.5mm/4極バランス)、3,250円(4.4mm/5極バランス)と銀メッキ線ケーブルとほとんど変らない設定になっているのは嬉しいところです。
NICEHCK TYB1NICEHCK TYB1
上記の銅線「CT1」と銀メッキ線「TDY1」「TDY2」は銅線らしさ、銀メッキ線らしさが比較的ハッキリわかるケーブルでしたので、これらの線材をミックスした「NICEHCK TYB1」はよりその傾向がしっかり出る「明瞭感をとにかくアップさせる」ケーブルに仕上がっているようです。銅線ケーブルの「CT1」同様に中低域の厚みを増し、解像度や締まりを向上させると同時に、中高域の明瞭感もしっかりアップし、音場が多少近づき、ボーカルなどが元気になるのが実感できます。多少派手なサウンドになるケーブルのため、イヤホンによっては演出過剰ぎみになる可能性もありますが、リケーブルによりキレを向上させるのには良い選択肢だと思います。個人的には音質的にもかなり合わせやすく価格も安いためかなり気に入りました。あと何本か買い増ししようかな、と思っています(^^)


というわけで、ほぼ一斉に発売された4種類6色のイヤホンケーブルですが、ここ1~2年の間の中華イヤホンケーブルの進化はかなり目を見張るものがあります。特にKZを先頭に各社がしのぎを削る低価格イヤホンの分野にあわせて、今回紹介したケーブルのように低価格で品質の良い製品が登場してくれるのはとても有り難いですね。今後もバリエーションの増加かアップデートが続きそうな予感もしますし、ますます中華イヤホンケーブルの分野も目が離せないです。
そして、私自身は明らかに(リケーブル可能な)イヤホンの数より大量のケーブルを購入しており(もはやコレクターですね^^;)、これに合わせるためのイヤホンをさらに購入するという、なんとも残念なスパイラルに突入していたりします。本当にマニアってどうしようもないですね(自戒)。

※これまでのイヤホンケーブルのレビューはこちらをご覧ください。
→ 過去記事(一覧): イヤホンケーブルのレビュー


ケーブルの極性追記:
コメント欄でもご質問をいただきましたが、上記ケーブル(2pinタイプ)の初期入荷ロットの一部に極性の異なる個体があることが分りました。こちらに本来の極性表示の写真を掲載しますので、もし購入されたケーブルの極性が異なる場合はアマゾンにて返品処理を行ってください(返送後返金となると思います)。またご不明な点などはHCKのTwitterアカウント(@hckexin)へ直接DM等でご確認をいただくようお願い致します。