NICEHCK EP35

こんにちは。相変わらず書きかけのレビューはたまるいっぽうで「○○のレビューはまだですか?」といった声に多少のプレッシャーを感じなくもない今日この頃。にもかかわらず、今日も新たなイヤホンを購入、と・・・ほんと、何やってるんでしょうね。
NICEHCK EP35というわけで、今回紹介するのは「NICEHCK EP35」です。いつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」のオリジナルモデルのイヤホンとなります。
HCKのオリジナルというと最近はマルチBAの製品が次々と登場していたりもしますが、今回はシングルダイナミックの構成になります。ちなみ、その外観は某オ○キヨーの「E700M」にがっつり寄せたデザインで、ドライバーにも同様に大口径13.5mmダイナミックドライバーをシングルで搭載します。
オリジナルの「E700M」は1万5千円ほどの製品ですので、単純に価格だけなら「NICEHCK EP35」なら3分の1程度で同様の雰囲気のイヤホンが買える、ということになります。まあ、いかにもな中華的アプローチではありますね(^^;)。

NICEHCK EP35」はアマゾンの「NICEHCK」マーケットプレイスで4,250円(プライム扱い・国内発送)、AliExpressの「NiceHCK Audio Store」にて32.99ドル(中国からの発送)で販売されています。
NICEHCK EP35NICEHCK EP35
Amazon.co.jp(NICEHCK): NICEHCK EP35
AliExpress (NiceHCK Audio Store): NICEHCK EP35

AliExpressでの購入方法はこちらをごらんください。またHCKのTwitterアカウント(@hckexin)では頻繁に割引情報などがツイートされていますのでこまめにチェックされることをお勧めします。


NICEHCK EP35NICEHCK EP35
到着したパッケージは、いつものHCK製イヤホンのボックスで、お馴染みのイヤホンケースのなかに一式が同梱されています。パッケージ構成は、イヤホン本体、MMCXケーブル、イヤーピースは黒が2サイズ、グレーがS/M/Lの3サイズ、保証書、イヤホンケース、という内容です。
NICEHCK EP35NICEHCK EP35
NICEHCK EP35」の本体はハウジング部分が金属製、ステムと一体化した耳に接する側の部分がプラスチック製で、ビルドクオリティは「オリジナル」と遜色ないレベルに非常に高く、しっかりした仕上がりです。
個人的には耳穴が小さいこともあり、付属の黒いイヤーピース(小さい方)でしっくり装着することが出来ましたが、逆に大きめの方はAcoustune「AET07」などの開口部が大きめのイヤーピースに好感した方が良さそうです。「オリジナル」の「E700M」同様、シュア掛けには向きませんがイヤーピースさえ合えばしっかりホールドできると思います。
NICEHCK EP35NICEHCK EP35
付属のMMCXケーブルは銀メッキ線の撚り線で少しコシがあり硬めですがタッチノイズは少なく、取り回しも良好です。ただ、唯一残念なのは、MMCXコネクタの「L側」が赤くマーキングされており。開梱時に左右逆についているのかと思わず勘違いしてしまいました。このケーブルは「赤いマーキングがしてある方がL側」です。この詰めの甘さがいかにも中華イヤホンですが、全体のビルドクオリティが高いだけに思わず「惜しい」と唸ってしまいました・・・(汗


■伸びの良いハッキリした聴きやすいサウンド。ただし、再生環境はそれなりの出力が必要。

NICEHCK EP35」の音質傾向は結構ハッキリした明るい音で、中高域が心地良い印象です。この価格帯のイヤホンとしては解像度は高めで、全体的に寒色系の音で高域の抜けも良く明瞭感も感じます。ただ寒色系といってもTFZ等のような硬質な音ではなく、多少繊細さもある、どちらかというとスッキリした音ですね。中音域は後述の通り再生環境で定位感が少し変りますが、バランス接続やS/Nの高いポータブルアンプを経由させると少し離れて定位していたサウンドがぐっと近づき、前後に広がる音場感を実感できます。
NICEHCK EP35NICEHCK EP35
低域は曲によって大口径ダイナミックドライバーらしい響きのある鳴り方をしますが、量的には少なめで軽めな印象。とはいえ曲によってはしっかり存在感を感じます。ただ中高域以上に再生環境による変化が大きく、相性が悪いと極端な低域過多になり音数の多い曲では低域が前に出すぎる印象になる場合もあります。
全体的にはポップス、ロックなどの比較的音数の少ないボーカル曲の方が相性は良さそうですね。

なお、「NICEHCK EP35」は特徴として非常に音量が取りづらく、ボリュームはかなり大きめで再生する必要があります。またDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やポータブルアンプのゲインを上げた際の特性により特に定位感か低域の印象に違いがあるようです。
NICEHCK EP35基本的には駆動力の高いDAPやポータブルアンプを経由することで印象が良くなりますが、一部再生環境でも変化があります。例えばAstell&Kernの「AK300」のように決して駆動力は高くないDAPでも通常よりボリュームを上げることで(100前後/最大150)でサウンド的にも特に違和感なく聴くことが出来ました。
いっぽう比較的駆動力の高い「Shanling M3s」の場合は通常より高めくらいのボリューム50~55程度(最大100)で音量は確保出来るのですが、AK300より少し遠くに定位し、曲によっては低域がかなり強く感じる場合がありました。
サイト上に記載された「NICEHCK EP35」の使用はインピーダンス32Ω±15%、感度103dB/mWと「鳴りやすく」はないものの「鳴りにくい」というレベルではないことからも、駆動力そのものはAK300レベルでも特に問題はないようです(AK300は上限までは綺麗に出力を上げていく特性なので相性もよかったのだと思います)。それより、おそらく「NICEHCK EP35」の13.5mmドライバーはプレーヤーのオペアンプなどの出力特性に比較的影響しやすいようですね。
NICEHCK EP35NICEHCK EP35
利用されている再生環境で、エージング後も低域過多で籠り気味に感じたり、距離が遠く低域が暴れるような印象を受ける場合、DAPやポータブルアンプをいろいろ試してみることをお勧めします。なお、上記で少し遠く感じた「Shanling M3s」では、銀メッキ線のバランスケーブルにリケーブルすることで一気に解決し気持ちよい中高域を実感することが出来ました(Shanling M3sはバランスとアンバランスで出力が異なることが理由だと思います)。


というわけで、「NICEHCK EP35」は本体のビルドクオリティは「オリジナル」とも遜色ないレベルに高く、環境さえ整えば価格以上のサウンドクオリティを体感できる製品だと思います。ただ、そもそも「E700M」のパ○リともいえるデザインを許容する必要があり、またケーブルのマーキングが左右逆だったりと「わかっている人向け」な側面もあります。
さらに、最適なリスニングを行うためにある程度の再生環境を要求し、場合によってはリケーブルなどの工夫が必要と感じる場合もある実は「本気だそうと思うとかなりマニア向け」なイヤホンではないか、とも感じます。
しかし、これらは大量生産ではないショップブランドである「NICEHCK」だからこその楽しさですし、音質面も含めマニアだからこそ「ちょっと持っていたい」イヤホンに仕上がっていると思います。個人的には仕事中など普段使いでも使えそうな「良いイヤホン」なので利用機会は結構増えそうですね(^^)。