NICEHCK 8芯OCCケーブル

こんにちは。気がつけばあっという間に慌ただしい師走の時期に突入してしまいました。月末月初と出張やら地元の集まりやらと出歩いているうちに東京にはかなりの種類のイヤホンやケーブルがまとめて届いていたり・・・。まあ自分でオーダーしてたんですけどね(^^;)。

今回紹介するのは毎度お世話になっている中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」の新しいケーブル「NICEHCK DJY1 8芯 高純度銀メッキ単結晶銅 OCC ケーブル」です。HCKでは11月に入って50ドル~100ドルクラスの中華イヤホンケーブルとしては比較的グレードの高い製品が数多くリリースしており、私も順次レビューしてきたいと考えています。

ところで、私のブログで中華イヤホンケーブルのレビューを積極的に行うようになってからしばらく経ちますが、より多くの方々に中華イヤホンでのリケーブルが浸透してきたこともあり、特に今年の春以降、「キンバー風ケーブル」が登場したあたりから各セラーで目を見張るレベルで品質が向上してきました。
たとえば、主に低価格イヤホン向けで非常に人気の高い「NICEHCK」ブランドの「CT1」(高純度銅線)、「TDY1」(銀メッキ線)、「TYB1」(ミックス線)などに代表される各セラーの3千円前後の8芯ケーブルは、1年前にHCKが出していた50ドル~80ドル程のケーブルを上回る品質になってきています。これに合わせて、より上位グレードの最近の70ドル~100ドル超のグレードの中華ケーブルは、各セラーとも「中華イヤホン」用という枠にとらわれず、国内で販売されている1万円オーバーから数万円クラスのリケーブル製品の代替としても十分に通用するレベルまで品質が向上しているようです。


[ NICEHCK DJY1 ]  NICEHCK 8芯 高純度 単結晶銅(OCC)銀メッキ線ケーブル (ゴールド)
NICEHCK High Quality 8 Core Single Crystal Copper Silver Plated Cable
【 MMCX 】【 中華 2pin/CIEM極性 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【4.4mm/5極 】
Amazon.co.jp(NICEHCK) 11,190円 / AliExpress(NiceHCK Audio Store)  129ドル~132ドル

※12月12日まで 購入時に1,400円引きの割引となるキャンペーンを実施中です。

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台湾から輸入した純度7N(99.99999%)のOCC 高純度単結晶銅線を使用した銀メッキ線ケーブル。価格も130ドル前後と中華イヤホンケーブルとしてはかなり高級グレードですね。
コネクタはMMCXと0.78mm 2pinの2種類、プラグは3.5mmステレオ、2.5mm/4極または4.4mm/5極のバランスコネクタが選択できます。
耳掛け部分には樹脂被膜による加工がされているタイプです。また2pinコネクタは「中華2pin」仕様ですが、極性はCIEM 2pin同様に装着時上方がプラス(+)となっているようです(ブルーのマークが付いている方のピンがマイナス)。もっとも過去のケーブルレビューでも触れているとおり、qdc仕様(装着時に上方がマイナス)のイヤホンと組み合わせても問題はありません。
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到着したケーブルは、しっかり編み込まれた濃淡2色のゴールドカラーの線材が非常に高級感を感じる仕上がりとなっています。とても落ち着いた色で、黄色被膜の派手な銀メッキ線ケーブルとは全く異なる印象のため、どのような色のイヤホンと合わせても違和感はないと思います。プラグおよびケーブル分岐部分にも従来よりコストのかかった部品が利用されているようです。ある程度太さのある線材ですが、被膜は適度な堅さで取り回しは良好です。

HCK cable「NICEHCK 8芯 高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線ケーブル」にリケーブルした場合の音質傾向の変化は派手さこそないものの、自然な情報量の多さで低域の解像度が増し中高域はキレが向上します。ある程度のグレードの製品、特にマルチBAイヤホンとの組み合わせでは雑味が抜けてとても気持ちの良いサウンドになるのが実感できます。
中高域ははっきりと明瞭感が向上し見通しの良さを実感し、低域は情報量が増えつつも全体のバランスを崩すことはありません。そのため響きやメリハリなどの味付けは無いものの全体的に非常にスッキリした印象となります。このようにしっかりと変化を実感できるいっぽうで銀メッキ線ながら聴き疲れしない傾向は「良い線材使ってるな」と確かに感じさせる説得力があります。

HCK cableただ、もともと派手めの傾向のイヤホンと組み合わせではあまり大きな変化は感じにくいですし、低価格なイヤホンでも実力を発揮できない(もったいない)という感じましますので、価格相応に組み合わせるイヤホンを選ぶ製品かもしれません。しかし、フラット傾向で情報量の多いイヤホンとの相性は非常に良いため、中華イヤホンに限らず数万円以上のグレードの製品でのリケーブルでは候補のひとつに加えても間違いない品質だと思います。そういえば、ちょっと大振りなプラグは「EFFECT AUDIO」あたりを意識してるのかも(^^;)。また、HCKが販売する「NICEHCK NK10」や「HK8」のリケーブル用としてもうってつけだと思います。


というわけで、久しぶりに100ドルオーバーの中華イヤホンケーブルをレビューしてみましたが、前述のとおり低価格ケーブルの品質向上に底上げされる形で、100ドル前後、または今回紹介するケーブルのように100ドルを超える価格設定となっているケーブルのレベルアップがさらに顕著になっていることが改めて実感できました。

HCK cableこれらのグレードでは、今回の「NICEHCK 8芯 高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線ケーブル」が台湾製の線材を採用しているように、より品質が安定した高純度の線材を中国以外から輸入して使用するなど、日本国内で販売されているメーカー製の数万円クラスと比較しても遜色ないレベルになっています。
すでに先日届いた他のHCKブランドのケーブルについても近日中のレビューを準備しているところですが、中華イヤホン用の枠を超えてより多くのマニアの方々にとってもコストパフォーマンスに優れた選択肢が増えるのは有り難いことだと思います。

ただ個人的には、レビューのうえで比較対象を中華イヤホンケーブル以外にもしなくてはダメかな、と感じ始めていたりして・・・いや、これはさらに懐具合に危機感がありますね(笑)。

※これまでのイヤホンケーブルのレビューはこちらをご覧ください。
→ 過去記事(一覧): イヤホンケーブルのレビュー