TFZ MY LOVE 3

こんにちは。今回は「TFZ MY LOVE 3」( MY LOVE III )の紹介です。写真のとおりTFZ製品の中でも随一の格好良さで「見た目イヤホン」的としては文句なし、という気もします(^^;)。また、今回購入したレッドは、ちょっとクリスマスっぽい(?)感じもするカラーリングですね(笑)。というか、TFZも矢継ぎ早に新製品が投入されるため、なんか今年に入ってTFZのイヤホンばっかり買ってる&レビューしている気もします(うーーん)。

さて、「TFZ MY LOVE 3」はTFZのイヤホンのなかでは中低域寄りのチューニングがされたイヤホンで低域の厚みがかなり印象的です。そのため、「KING」シリーズのモデルや「T2 Galaxy」などのサウンドをイメージするとちょっと違和感を持ってしまうかもしれません。とはいえ同様の低域寄りだった「QUEEN」とくらべると中高域もスッキリとまとめられていて、ボーカルの聴き心地の良さと籠もらずきちんと分離するパワフルな低域を好まれる方には良いイヤホンではないかと思います。
TFZ MY LOVE IIITFZ MY LOVE III

TFZ(THE FRAGRANT ZITHER)」は中国のイヤホンブランドで最近は国内販売モデルも中華イヤホンの枠を超えて高い評価を得るようになり、マニアの間ではすっかり知名度の高い存在になりましたね。
私も好きなブランドと言うこともあり、TFZの製品が出るたびに購入&レビューをしています。
→ 過去記事(一覧): 「TFZ」のイヤホンレビュー

TFZ SERIES 1S My LoveTFZ MY LOVE II
今回の「TFZ MY LOVE 3」(または「MY LOVE III」)ですが、TFZの「MY LOVE」というモデルは同社の「第1世代」モデル「SERIES 1S」の500個限定コラボのスペシャルバージョン「SERIES 1S My Love」からスタートしており、その後「第2世代」ドライバーを搭載する「SERIES 4」をベースとした「MY LOVE II」がリリースされていました。そして今回は「第2.5世代」の最新ドライバーを搭載する3代目のモデル、ということになります(余談ですが「SERIES 1S My Love」のデザインをその後がっつりパ○った製品が「KZ ZST」なのはご存じの通り)。

TFZ MY LOVE 3」では、「SECRET GARDEN 1」より少し小さい9mmサイズの第2.5世代 二重磁気回路(ダブルマグネティックサーキット)グラフェン振動板ダイナミック型ドライバーをシングルで搭載しています。インピーダンスは24Ω、感度107dB/mWとなっています。
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またハウジングには「SECRET GARDEN」シリーズ同様に医療用グレードのABS樹脂材料を3Dプリンターによる出力形成を行っており、一体化した美しいデザインが特徴的ですね。ケーブルは「QUEEN」以降のモデルで採用されている黒く柔らかい被膜の5N OFC(高純度無酸素銅)銀メッキ線ケーブルとなっています。

TFZ MY LOVE 3TFZ MY LOVE 3
TFZ MY LOVE 3」のカラーバリエーションは海外版は「パープル」を含む4色、国内版は「レッド」「ブラック」「ブルー」の3色が選択できます。「TFZ MY LOVE 3」の各色のシェルは僅かに透けて見えるクリアーシェルで、不透明の樹脂を使用している「SECRET GARDEN」シリーズより美しいデザインに感じます。
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私は海外版をいつもの香港のPenon Audioにて購入しました。現在は中国 Easy Earphonesなどでも購入可能です。海外版の販売価格は 169ドル となっています。
(海外版)「TFZ MY LOVE 3」
・Penon Audio: AliExpress / 直営店
・Easy Earphones: AliExpress

また国内正規品も2018年12月21日に発売となりました。国内版の価格は 20,800円 です。現在の為替を考えると今回は海外版との価格差はかなり少なく、製品保証を考慮すると今後は国内正規品を購入されたほうが良さそうですね。
Amazon.co.jp(国内正規品): TFZ MY LOVE 3


■とにかく美しいデザイン。TFZ最強の「見た目」イヤホン(笑)

今回私は「TFZ MY LOVE 3」のレッドを購入。「SECRET GARDEN」シリーズのレッドより深い赤のカラーリングとフェイスプレートのコンビネーションに魅せられました(^^)。届いたパッケージはQUEENなどと同様の白箱タイプ。
TFZ MY LOVE 3TFZ MY LOVE 3
パッケージ内容は、イヤホン本体、5N OFCケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、布製ポーチ、説明書など。
TFZ MY LOVE 3TFZ MY LOVE 3

3Dプリンタにより一体成形された「TFZ MY LOVE 3」のシェルはこれまでのTFZ製イヤホンのなかでも群を抜いた美しさ、格好良さがあります。デザイン的には「SECRET GARDEN 3」に近く12mmドライバーを搭載する「SECRET GARDEN 1」よりひとまわりコンパクトなサイズとなっています。
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装着感も「SECRET GARDEN 1」より向上しており、「KING」などのTFZ製イヤホンが耳に合わなかった方でもフィットしやすいデザインになっているのではと思います。
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イヤーピースは付属のシリコンタイプのほか、JVCの「スパイラルドット」やAZLA「SednaEarfit」、Acoustune「AET07」など、毎度利用している開口部の大きいタイプのイヤーピースとの組み合わせがよりフィット感を向上させるのにお勧めです。


■迫力のある低域と埋もれることなく元気に主張する中高域。往年のTFZがリファインされたサウンドかも。

TFZ MY LOVE 3TFZ MY LOVE 3」の音質傾向は中低域寄りのサウンドで、まずは厚みのある力強い低音が印象的です。箱出しの印象からかなり低域が強く元気な音ではあるものの、中高域も籠もることなく明瞭でしっかり出ている印象です。エージングにより低域の締まりが向上し、中高域の伸びが多少変化します。
TFZ MY LOVE 3」のサウンドは現在のTFZ製イヤホンと比較して、「EXCLUSIVE KING」以降の派手なドンシャリや「KING PRO」のようなフラット系、そして「SECRET GARDEN」の高域寄りのサウンドのどれとも異なるものです。あえて言うなら、かつての「SERIES 1/3/5」といった第1世代のTFZを思い出すような、サウンドバランスといえるかもしれません。

低域は非常に分厚く量感があり、適度に膨らみを感じる音です。重低音も存在感があり迫力のある音です。全体的に低域が少し前に出る印象のため特に低域が強く感じる傾向にあります。
TFZ MY LOVE 3中音域は低域に埋もれることなく、TFZらしいキレのある元気な音を鳴らします。前に出る低域に対してボーカルなどは少し下がって定位しますが、籠もることなく抜けの良い綺麗な音を実感します。ハードロックやアニソンの女性ボーカルなどの相性の良さを感じます。中音域の音場は普通から少し狭い印象ですが低域とのバランスによりとても聴き応えのある印象になります。
高域はTFZらしい伸びの良い明瞭感のあるサウンドですが、量的には他のTFZ製イヤホンと比べると少し控えめ。煌めきのある綺麗な音ですが曲によっては少し遠くで鳴っているように感じるか場合もありそうです。

ロック、ポップス、アニソンなどで、ボーカルをしっかり聴かせつつ、低域に厚みのあるサウンドが好みの方、高域の刺さりを気にする方には相性の良いイヤホンだと思います。また適度な膨らみと迫力がある低域はライブ音源をより楽しく聴くのにも良いと思います。同様にジャズやアコースティックな音源との相性も良さそうです。いっぽう、高域の明瞭感や解像度を求める方には物足りないサウンドに感じると思います。「TFZ MY LOVE 3」の場合は特徴的な「低音」が好みかどうかで好き嫌いが分かれそうな気もします(^^;)。

TFZ MY LOVE 3」では「QUEEN」以降のモデルで採用されている5N高純度銅線ケーブルが付属します。このケーブルも比較的明るい音質傾向のケーブルですが、中高域の明瞭感を向上させるタイプの銀メッキ線ケーブルを組み合わせることでかなりハッキリとしたリケーブル効果が得られます。
TFZ MY LOVE 3TFZ MY LOVE 3」との組み合わせでもっともお勧めなのはKinboofiから販売されている「KBF4804 8芯 単結晶銅 銀メッキ線ケーブル」(7,900円)です。このケーブルとの組み合わせでは、標準ケーブルでは少し下がっていた中高域が近づき、より明瞭感のあるサウンドが実感できます。相対的に低域を少し抑えられる印象となるためよりバランスの良いボーカルイヤホンになるのではと思います。中華イヤホンケーブルとしては多少高価なケーブルではありますが、見た目も含め十分に満足感を得られるケーブルだと思います。
いっぽう、より低コストでリケーブル効果を実感したい場合は、Yinyooブランドの「YYX4784 8芯 銀メッキ OFCケーブル」(3,289円)やHCKの「NICEHCK TDY1 8芯 OFC銀メッキケーブル 」(3,050円)も良い組み合わせで中高域の明瞭感アップを実感できると思います。


TFZ MY LOVE 3というわけで、TFZの最新「見た目イヤホン」(笑)、「TFZ MY LOVE 3」ですが、サウンド的には最近のTFZでは数少ない低域寄りの製品となりました。同様に低域寄りの製品としては「QUEEN」があるのですが、残念ながら同社の製品のなかでも評判は今ひとつで、今回の「TFZ MY LOVE 3」は比較するとかなり良い方向に改善してきたと思います。それでも最近のTFZの音質傾向とはかなり異なるイヤホンですので、やはり試聴して判断した方が確実かも、という気はします。幸いのところ国内正規品の「TFZ MY LOVE 3」も海外版と大きな価格差なく発売され、都市部に限定されますが専門店では試聴も可能になりました。まずは実際に試聴いただき好みのサウンドかを確認されるのが良いと思います。なにしろ「見た目」だけは申し分ないとおもいますので(笑)。