2018 おすすめケーブル(3000円クラス)

こんにちは。遅くなりましたが明けましておめでとうございます(^^;
気がつけば、あっという間に2019年に入り1月も半ばに差し掛かろうとしていますね。私の年末年始はというと、ちょっと年末まで立て込んでいた反動で完全に寝正月となり、さらに正月明け早々にまた別のお仕事が・・・。どうも今年もあまり落ち着かない1年になりそうです。
というわけで、遅ればせながら、昨年のやりのこし企画(^^;)、昨年購入した「中華イヤホンケーブル」のまとめ&価格帯&分野別おすすめピックアップをやりたいとおもいます。ボリューム的に前・中・後編の3回に分けての構成となりました。

2017年後半ごろから始めた中華イヤホンケーブルのレビューですが、気づけは100種類をとうに超えていて、これだけの種類のケーブルを買っているという事実に自分でもびっくりするこの頃です。
特に2018年にレビューしたケーブルは 75種類 にのぼり、MMCX/2pinのコネクタ違いやカラバリ、さらに単純な「買い増し」も含め、1年間の総購入本数はさらに2倍の150本を超えました。はっきりいって完全に病気ですね。どの辺が、ってその購入数自体もそうですが、ケーブルの購入数がイヤホンの購入数を軽く超えているあたりが・・・(笑)。

これまでのイヤホンケーブルのレビューはこちらをご覧くださいませ。
過去記事(一覧): イヤホンケーブルのレビュー

というわけで、私が2018年に購入し、現在販売中のケーブルの中で、これは特におすすめ、という製品をジャンルごとに紹介したいと思います。区分は「価格帯別」で、さらに「線種」「音質傾向」を分類ポイントに挙げています。今回は通常のレビューでは記載しない5段階傾向表示も入れてみました。「前編」はアラウンド3,000円クラスのケーブル編です。


■線材ごとの特徴について
イヤホンケーブルを考える際にケーブルで使用されている「線材」の「材質および組み合わせ」「純度および芯数」などがケーブルを判断する上でのひとつの「区分け」になります。それぞれに「特徴の傾向」があるのですが、これについてはケーブルレービューを始めた際に最初に書いた記事にて説明をしていますので、よろしければあらかじめご一読いただけると幸いです。
→ 過去記事: 【解説編】 中華イヤホンケーブルのまとめレビュー


【アラウンド3,000円のおすすめケーブル
三千円前後の価格帯のケーブルは昨年、HCKの8芯ケーブルシリーズあたりを皮切りに、Easy系も対抗商品を投入し一気に過熱した分野です。そのため新旧交代も激しく、多くの製品が投入されており、選択が最も難しく感じるかもしれませんね。

■ アラウンド3,000円の「銀メッキ線」ケーブルのおすすめ①
・「Yinyoo YYX4784  8芯 銀メッキ線ケーブル3,289円 (レビュー
・「NICEHCK TDY13,050円 (レビュー
・「HiFiHear HiF47772,999円 (レビュー)

おすすめ、と言いながら「Yinyoo」「HCK」「HiFiHear」の3ブランドのケーブルを併記していますが、実はこの3種類は基本的に同種の線材を使用しているケーブルとなります。そのため音質面についてはこの3種類では特に違いがなく、「価格」や「コネクタ形状」で一番あっているものを選ぶのが良いと思います。記載の価格はアマゾンでの通常表示価格ですが、どのケーブルも頻繁に割引を行なっているため価格は都度変動します。
YYX4784NICEHCK TDY1
この3種類の銀メッキ線ケーブルの特徴は、高域の伸びが良くなる銀メッキ線の特徴がしっかり出るメリハリのあるタイプのケーブルで、中低域タイプのイヤホンで高域の伸びを向上させメリハリをつけたり、分離性を向上させることで低域を中心とした籠りを抑制する効果などが期待できます。特に最近のハイブリッド中華イヤホンや低価格マルチBAイヤホンとの相性が抜群に良いいケーブルですね。ハイブリッドでは「KZ ZS7」「ZS10」など中低域寄りのタイプ、また「BQEYZ KC2」「RevoNext QT2」など低域に特徴のあるタイプの製品と組み合わせるとキレが向上し、よりシャープな印象になります。マルチBAでは「TENHZ P4 Pro」や「KZ AS10」などの低価格製品との組み合わせでサウンドが明るく鮮やかなサウンドに変化します。
HiF4777いっぽうもともと派手めのサウンドの「TENHZ K5」「KZ ZS6」や、ドンシャリ傾向の強い「TFZ T2 Galaxy」や「SERIES 2」ではより高域が強い印象になりますので、そのような変化を好まれない場合は選択しないほうが良いかもしれません。
なお、この3種類では「YYX4784」「HiF4777」は中華汎用タイプのコネクタ部品、「TDY1」はHCK独自コネクタ部品を使用しており、2pinコネクタは「YYX4784」は「中華2pin」、「HiF4777」「TDY1」は「CIEM 2pin」を採用しています(コネクタについての詳細は上記「解説編」を参照ください)。そのため、TFZやKZ等は「中華2pin」の「YYX4784」が、BQEYZのようにコネクタに窪みがある場合はCIEM 2pinタイプのほうが見た目がよりしっくりきますね。

情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■□□□
高域強調 ■■■■□
低域強調 ■■□□□


■ アラウンド3,000円の「銀メッキ線」ケーブルのおすすめ②
・「NICEHCK 8芯 OFC純銅銀メッキ イヤホンケーブル3,950円 (レビュー

HCKの「TDY1」より以前から販売されているケーブルでレビュー当時より価格が下がり、ギリギリ3千円台におさまりました。こちらは上記のちょっと太めのケーブルとくらべかなり細い線材を丁寧に編み込んでいるタイプ。音質面については上記の3種類のケーブルの線材が「派手さ」を感じるケーブルなのに対し、こちらはよりナチュラルに銀メッキ線らしい解像度の高さを高域の伸びを実現しているタイプ。中低域も多少スッキリした印象となるため、「NICEHCK HK6」のような中華マルチBAとの相性も良好です。
HCK cableHCK cable
また耳掛け部分の加工はなく(細く柔らかいケーブルのため加工無しでも耳掛けがしっかりできるため)、ケーブルを垂らすタイプのイヤホンでも使用できるのはありがたいところ。同種の線材は現在HCKからのみ販売されておりEasy系には存在しないため、もし販売終了になりそうだったら買い占めておいた方が良いかも(笑)と、個人的には思っているコストパフォーマンスの非常に高いケーブルです。なお、コネクタは独自部品、2pinは中華2pinタイプとなっています。

情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■□□□


■ アラウンド3,000円の「高純度銅線」ケーブルのおすすめ①
・「NICEHCK 8芯 純無酸素銅線 OFC イヤホンケーブル2,950円 (レビュー

高純度銅線ケーブルは次の「NICEHCK CT1」あたりが中華ケーブルとしてはポピュラーですが、個人的にこのクラスで最もお勧めしたいのがHCKのこの銅線ケーブルです。線材は上記の銀メッキ線おすすめ②のケーブル同様に細い線材の8芯ケーブルですが、とにかくサウンドクオリティが高く、取り回しの良さなどの汎用性の高さも含め、3千円クラスの枠を超えた逸品です。「TDY1」のような派手さも「CT1」のように低域を過剰に厚くしたりすることもありませんが、情報量は確実に向上し(音量もしっかり変化します)全体的に非常にナチュラルにイヤホンのポテンシャルを向上させます。低価格ハイブリッドはもちろん、ある程度の価格帯のイヤホンのリケーブル用途にも最適です。
HCK cableHCK cable
HCKでは6BA構成の「FW6」にこのケーブルが付属していますが、このケーブルでもかなりイヤホンの実力を引き出しており、さらにリケーブルでの効果を得たい場合は1万円前後のクラスを選択する必要がでてくるほどです。このケーブルの唯一のウイークポイントは特にMMCXタイプでのHCK独自タイプのコネクタ部品で、イヤホンによって相性が悪く外れやすかったり接点不良を起こす場合があることでしょう。いっぽう2pinタイプは中華2pinでTFZなどさまざまなイヤホンと組み合わせられると思います。

情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■□□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□


■ アラウンド3,000円の「高純度銅線」ケーブルのおすすめ②
・「Yinyoo YYX4783  8芯 高純度銅線 OFC ケーブル2,989円 (レビュー
・「NICEHCK CT12,550円 (レビュー
・「HiFiHear HiF47742,350円 (レビュー

上記の銀メッキ線の「YYX4784」「TDY1」等と同様に、この3種類のケーブルもほぼ同じ音質傾向のケーブルです。最初に出た「NICEHCK CT1」の後にEasy系の2ブランドが追随するかたちでリリースされました。ただし、「CT1」と「HiF4774」は被膜の色も含め全く同一のケーブルと思われますが、最も後に発売された「YYX4783」のみ色が微妙に異なっており、音質傾向についてもイヤホンによっては僅かにHCKとHiFiHearと比べて情報量の多さを感じる場合があります(個体差レベルかもですが)。
YYX4784YYX4784
音質傾向は解像度をアップさせつつ、特に中低域の厚みをぐっと増やすタイプのケーブルでZS6系の派手めの中華ハイブリッドと抜群の相性の良さを感じます。例えば「KZ ZS6」はとにかく高域が強い派手な音で「下品」という人までいるイヤホンですが、これらのケーブルを使用すると見違えるように厚みのあるサウンドに変化します。また「TENHZ K5」や「TFZ SERIES2」、「TFZ EXCLUSIVE KING」のようなイヤホンで高域が強すぎると感じる方は適度に高域の刺さりを抑え、中低域の厚みを増してくれるので良いバランスに感じるのではと思います。
NICEHCK CT1HiF4774
ちなみに「NICEHCK CT1」はHCKの10BAイヤホン「NK10」等にも付属しますがこのクラスのマルチBAでは情報量や中高域の抜けで力不足を感じるかもしれませんね。

情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■□□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■■□□


■ アラウンド3,000円の「銀メッキ線&銅線ミックス」ケーブルのおすすめ
・「NICEHCK TYB1  8芯 高純度銅線&銀メッキ線ミックス ケーブル3,150円 (レビュー
・「Yinyoo YYX47752,980円 (レビュー

アラウンド3,000円クラスの「ミックス線」ケーブルはHCKの「TYB1」のほぼ「ひとり勝ち」状態です。HCKの「CT1」「TDY1」「TYB1」の3種類のなかではこの「TYB1」が突出したサウンドで、それまで販売されていたより高額のミックス線ケーブルを軽く凌駕するサウンドでした。音質傾向としてはミックス線らしく「CT1」と「TDY1」の「いいとこどり」で、結果的に全体的に強めのメリハリと濃度の高いサウンドが特徴的です。低価格ハイブリッドはもちろん、TFZのT2 Galaxy以上のミドルグレード製品、「TENHZ K5」「BGVP DMG」などのハイブリッド、「TENHZ P4 Pro」、「KZ AS10」や「AS06」などの低価格マルチBA製品との相性も非常に良好です。次回紹介する「キンバー風」ほど派手な味付けではないものの、メリハリのある濃い音を希望される場合はとりあえず選んでおいて間違いはないと思います。
NICEHCK TYB1YYX4775
ちなみに、「YYX4775」は「TYB1」に対抗する形でEasyが投入したケーブルで音質面は「TYB1」とほぼ同じサウンドになっています。

情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■□□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□


というわけで、ケーブルまとめ第1回はアラウンド3千円コースのおすすめを紹介しました。今回紹介したケーブルはどれもしっかりリケーブル効果を得られる製品で、つい1年前くらいまでだったら50ドル~80ドルくらいの価格でもおかしくないレベルのサウンドクオリティを実現しています。


そして引き続き、「中編」は「5千円~8千円クラス」、「後編」は「1万円前後、およびそれ以上のクラス」のオススメの中華イヤホンケーブルを紹介する予定です。