ケーブルまとめ ハイグレードケーブル編

※「ケーブルまとめ 夏版」の掲載にあわせて、2019年1月10日掲載の「中華ケーブルまとめ後編【ハイグレード編」について本レビューの内容を加筆・修正しました。

「中華イヤホンケーブル」のお勧め紹介のシリーズの第3回、「後編」です。今回は1万円前後からそれ以上の価格帯となる「ハイグレード」なケーブルを紹介します。
イヤホン用のリケーブル製品というと国内で販売されている有名メーカー品では数万円クラスの製品も珍しくはなく、「1万円そこそこ」というとまだまだローエンドモデルになりますが、今回紹介するケーブルはこれらのメーカー品であれば数倍の価格で販売されていてもおかしくない、非常にクオリティの高いものばかりです。このグレードになってくると組み合わせるイヤホンも相応のグレードが求められますが、中華イヤホンに限らず、数万円クラス以上のイヤホンと組み合わせて使ってみていただきたいケーブルですね。

※2019年・夏版「中華イヤホンケーブル」まとめ:
[その①] 低価格 8芯ケーブル編[その②] 低価格 16芯ケーブル編[その③] ミドルグレード編

※2019年新年版「中華イヤホンケーブル」まとめ:
→ [前編] 低価格(3,000円クラス)編 / [中編] ミドルグレード(5,000円~8,000円クラス)編


■ ハイグレード中華イヤホンケーブルのもはや定番、「金銀合金&OFC」ケーブル
・「Yinyoo YYX4765 4芯 金銀合金&OFC ケーブル」 15,500円実質12,998円) (レビュー
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

私が持っている中華イヤホンケーブルのなかでも最も高額なケーブルのひとつがこの「YYX4765」です。金銀合金というと、ようするに純度の低い金?といまいちどのような材質なのかわかりませんが、傾向としては高純度銅線ケーブルで過去に紹介した七福神商事の「丸七赤龍」からさらにスッキリした明瞭感を高めて、さらに1音1音の濃度を高めた印象で、「銅線」ケーブルとしての特徴を極限まで高めたようなキャラクターだと捉えています。
YYX4765YYX4765
数多くの極細の線が織り込まれたコシがあるかなり太い芯材は見た目にも存在感があります。外観だけでも数万円クラスのケーブルと全く見劣りはしませんね。上記の「KBF4805」でも記載しましたが、「YYX4765」もミドルグレードの回で紹介した16芯ケーブルより音量の変化は少ないですが「YYX4765」のほうは明確に違いを感じるすっきり感で、一皮むけたような澄み切ったサウンドを実感できます。そのうえでイヤホンのキャラクターを引き出すため全体的に濃い音の印象となります。駆動力のある再生環境でお気に入りのイヤホンと組み合わせて使いたいケーブルですね。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■■□
低域強調 ■■■■□

そして、「YYX4765」と同様の線材のシルバーカラーのバージョン「KBF4815」がKinboofiから発売になりました。またHiFiHearからは少し細いタイプの線材の8芯タイプ「HiF4814」がリリースされており合金ケーブルでも選択肢が増えました。

・「Knboofi  KBF4815 4芯 合金ケーブル」 13,000円  (レビュー
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

KBF4815KBF4815
「KBF4815」では非常に美しいホワイトシルバーにカラーリングされており、さらに高級ケーブル感がアップした外観となっています。太さのある芯材は存在感は抜群で、プラグや分岐部分などの部品も含め数万円クラスで販売される高級ケーブルとまったく遜色ない仕上がりとなっています。「YYX4765」とは太さなどはほぼ同じで線材自体の相違点はカラーリングだけのように見えます。「KBF4815」を組み合わせて聴いてみると空気の皮を一枚取り除いたような明瞭感はまさに合金ケーブルそのもので、特定の音域の味付けはせず、全体的な音質向上を行うことで、明瞭で澄み切ったサウンドに変化します。全体的に雑味が消えたスッキリしたサウンドへ変化し、解像度の高さと音の厚みがはっきりと向上するのが実感できます。シルバーカラーでさまざまなイヤホンと合せやすく、より使いやすくなった高級ケーブルという印象ですね。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■■□
低域強調 ■■■■□


・「HiFiHear HiF4814 8芯 金銅合金 ケーブル」 15,900円 ※割引きあり (レビュー
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

HiF4814HiF4814
「HiF4814」は「YYX4765」に比べると少し細めの芯材を8芯線として編み込んでいるためより使い勝手が向上しています。音質に関しては、やはり特定の音域の味付けはせず、全体的な音質向上を行うことで、明瞭で澄み切ったサウンドに変化するタイプのケーブルです。全体的に雑味が消えたスッキリしたサウンドへの変化を実感し、解像度の高さと音の厚みがはっきりと向上するため、1音1音をよりリアルに実感でいるのではないかと思います。「HiF4814」のほうが奥行きのある音場感や空間の広がりについてはよりハッキリした印象で解像度の高さも実感します。いっぽう、各音域の音の厚みやマルチBAでの変化は「YYX4765」のほうが顕著かもしれませんね。どちらにせよ、組み合わせるイヤホンのポテンシャルが高いほど、使用しているイヤホンが1グレード向上したような変化を実感できるのではと思います。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□


■ ハイグレード仕様の8芯 高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線ケーブル
・「NICEHCK DJY1 8芯 7N OCC 高純度単結晶銅 銀メッキ イヤホンケーブル」 9,650円 (レビュー
・「Kinboofi KBF4805 8芯 銀メッキ 単結晶銅 ミックス ケーブル」 10,000円 (レビュー
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

同じく高純度単結晶銅線を使用したケーブルHCKとKinboofiで全く同じ線材を使用しています。ただコネクタやプラグなどの部品は異なるものを採用しており、見た目の印象も変わってくるため好みで選んでいただくのがよいと思います。また表示価格では多少価格差がありますが、値引きなども頻繁に行われており価格が逆転するケースも多いため、セラーのTwitterアカウント等をこまめにチェックされることをお勧めします。
KBF4805NICEHCK DJY1
製品名についてですが、HCKでは「7N OCC 銀メッキ線」、Kinboofiでは「銀メッキとOCCのミックス」と記載されています。ケーブル自体のは濃淡2色のゴールドカラーの被膜の線材が編み込まれた「ミックスカラー」ですが、線材自体はHCKの「7N OCC 銀メッキ線」という表記のほうが正解だと思います。
音質傾向は派手さこそないものの、自然な情報量の多さで低域の解像度が増し中高域はキレが向上します。単純に音量の変化だけの比較では前回のミドルグレードで紹介した16芯ケーブルのほうが大きく、情報量はこちらのほうが少ないかも、と感じるかもしれませんが、比較すると5千円クラスの16芯ケーブルは雑味もかなり拾っていることを実感します。
NICEHCK DJY1KBF4805
「DJY1」「KBF4805」の場合、このような雑味は綺麗に抜けてとても気持ちの良く、聴き疲れしないサウンドになります。特に一定グレード以上のマルチBAイヤホン等では全体のバランスを維持しつつ高域ははっきりと明瞭感が向上し見通しの良さを実感し、低域は情報量が増え全体的に非常にスッキリした印象を実感できると思います。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■■■
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□


■ 1万円オーバー、中華ケーブルの「純銀線」イヤホンケーブル
・「Kinboofi KBF4782 4芯 純銀 アップグレードケーブル」  13,999円 (レビュー
【 MMCX 】【CIEM 2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】

そして最後はKinboofiより販売されている「純銀線」ケーブルです。中華ケーブルの世界では「純銀」の線材を使用してるケーブル=純銀線、という表記も多く、実際には銀メッキ線の芯材に糸状の銀線を巻き付けるように織り込んだケーブル等も存在します。しかしこちらは「純銀線」という表記どおりのケーブルで価格も相応になります。透明な被膜に覆われた細めの線材を使用していることもあり、一見すると千円~2千円程度で売られている低価格の銀メッキ線のようにもみえます。
KBF4782KBF4782
しかし、音質傾向は銀線らしい高域の伸びの良さを実感するケーブルで、全体的な解像度やキレの良さとあわせてイヤホンを1ランク上のサウンドに引き立たせてくれます。高域は極端に刺さりが増すような派手さではなく、分離性と解像度がとにかく高く伸びがぐっと向上する印象は、キリっとした明瞭感と見通しの良さを感じます。そのため高域のポテンシャルが高くないイヤホンとの組み合わせでは歪みや雑味を感じてしまう可能性もあります。ある意味非常に銀線らしいケーブルともいえ、マニアのためのアイテムとしては非常にコストパフォーマンスが高い製品だと思います。またこのケーブルは国内のメーカーからも同じ製造元と思われるものがイベントに参考出品されており、今後国内のショップなどで販売され試聴できる機会も出てくるかもしれませんね。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■■□
低域強調 ■■■□□


NICEHCK CY8 8芯 純銀 アップグレードケーブル」 9,550円実質8,350円) (レビュー
Yinyoo YYX4821 8芯 純銀 アップグレードケーブル11,900円
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

NICEHCK CY1NICEHCK CY1
「NICEHCK CY8」と「YYX4821」は同じケーブルのブランド違いと考えられ、どちらも1万円前後の価格帯で販売されている「純銀線」ケーブルです。正直なところどの程度「本物」の純銀線ケーブルか、は使っているとされる純銀の純度も含め未知数です。ただ実際に聴いてきた印象は、銀メッキ線ケーブルより情報量は多く、以前販売されていた実質「純銀線と銀メッキ銅線のミックス」だったケーブルのように過剰に派手な傾向になることもない「純銀線らしい」傾向のケーブルです。
このケーブルの良さを実感する上ではイヤホン側にも十分なポテンシャルを要求しますが、比較的情報量の多い、ミドルグレード以上の銀メッキ線ケーブルと比較しても、より1音1音が生々しく、他では聞こえてこない細かな音をしっかり捉えるなどより澄んだ印象になるケーブルです。

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明瞭感 ■■■■■
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□


というわけで、「中華イヤホンケーブル」のなかからお勧めの製品を価格帯別に紹介しました。昨年は非常に多くのケーブルを紹介したため種類が多くてどれを選んでい良いかわからない、というご質問も数多くいただきました。今回も価格帯別でまとめましたのでそれでも数が多い、というご指摘があるかもしれませんが、多少は選ぶうえでの参考になれば幸いです。
2019年は、現時点ですでに定番化しているアイテムも多くなっていますので昨年と同じペースで新製品が出てくることはないのでは、と思っています。それでもマニアのひとりとして、中華ケーブルがどのよう変わっていくのか、引き続き楽しみにしたいと思います。