Cable

「中華イヤホンケーブル」のお勧め紹介のシリーズの第3回、「後編」です。今回は1万円前後からそれ以上の価格帯となる「ハイグレード」なケーブルを紹介します。
イヤホン用のリケーブル製品というと国内で販売されている有名メーカー品では数万円クラスの製品も珍しくはなく、「1万円そこそこ」というとまだまだローエンドモデルになりますが、今回紹介するケーブルはこれらのメーカー品であれば数倍の価格で販売されていてもおかしくない、非常にクオリティの高いものばかりです。このグレードになってくると組み合わせるイヤホンも相応のグレードが求められますが、中華イヤホンに限らず、数万円クラス以上のイヤホンと組み合わせて使ってみていただきたいケーブルですね。

なお、前回までの前編「低価格(アラウンド3,000円クラス)」、中編「ミドルグレード(5,000円~8,000円クラス)」のお勧めケーブルについてもご覧いただければと思います。
[前編] 「中華イヤホンケーブル」の価格帯別/線材別のお勧めケーブル【アラウンド3,000円クラス編】
[中編] 「中華イヤホンケーブル」の価格帯別/線材別のお勧めケーブル【5,000円~8,000円クラス編】


■ ハイグレード仕様の8芯 高純度単結晶銅(OCC)線ケーブル
・「NICEHCK DJT1 8芯 6N OCC 単結晶銅 イヤホンケーブル9,250円 (レビュー

HCKの細い線材を使用したオリジナルのケーブルは多くのリケーブル製品がゴツゴツした太めの線材を使用する中で屋外での利用なども含め使い勝手の良さがあります。「NICEHCK DJT1」はこのタイプのハイグレードモデルで線材には台湾から輸入した6N(99.9999x%)純度のGN-OCC 単結晶銅線を使用しています。1万円クラスのケーブルということで低価格製品と比べると部品ひとつひとつにコストがかかっていて実際に手にするとはっきりと「質の良さ」を実感するケーブルです。線材の被膜は非常にしなやかな触り心地で金属製のコネクタやプラグなどの部品も美しいつや消しの表面処理が行われています。
NICEHCK DJT1NICEHCK DJT1
音質傾向は銅線らしいボーカルなど中低域に魅力を感じるケーブルですが味付けなどはなくイヤホンのポテンシャルを引き出すタイプ。フラット系のマルチBAイヤホンをはじめ、カスタムIEMを含め多くの高級イヤホンとの相性は良好です。情報量が格段に向上することで低音域の厚みや解像度がぐっと増し、深みのあるサウンドを実感できます。また中音域は解像度および分離性の向上により1音1音のリアルさが増し、音場が立体的に広がるような定位感を感じます。

情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■□□
自然さ ■■■■□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■■□□


■ ハイグレード仕様の8芯 高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線ケーブル
・「NICEHCK DJY1 8芯 7N OCC 高純度単結晶銅 銀メッキ イヤホンケーブル」 11,190円 (レビュー
・「Kinboofi KBF4805 8芯 銀メッキ 単結晶銅 ミックス ケーブル12,900円 (レビュー

同じく高純度単結晶銅線を使用したケーブルHCKとKinboofiで全く同じ線材を使用しています。ただコネクタやプラグなどの部品は異なるものを採用しており、見た目の印象も変わってくるため好みで選んでいただくのがよいと思います。また表示価格では多少価格差がありますが、値引きなども頻繁に行われており価格が逆転するケースも多いため、セラーのTwitterアカウント等をこまめにチェックされることをお勧めします。
KBF4805NICEHCK DJY1
製品名についてですが、HCKでは「7N OCC 銀メッキ線」、Kinboofiでは「銀メッキとOCCのミックス」と記載されています。ケーブル自体のは濃淡2色のゴールドカラーの被膜の線材が編み込まれた「ミックスカラー」ですが、線材自体はHCKの「7N OCC 銀メッキ線」という表記のほうが正解だと思います。
音質傾向は派手さこそないものの、自然な情報量の多さで低域の解像度が増し中高域はキレが向上します。単純に音量の変化だけの比較では前回のミドルグレードで紹介した16芯ケーブルのほうが大きく、情報量はこちらのほうが少ないかも、と感じるかもしれませんが、比較すると5千円クラスの16芯ケーブルは雑味もかなり拾っていることを実感します。
NICEHCK DJY1KBF4805
「DJY1」「KBF4805」の場合、このような雑味は綺麗に抜けてとても気持ちの良く、聴き疲れしないサウンドになります。特に一定グレード以上のマルチBAイヤホン等では全体のバランスを維持しつつ高域ははっきりと明瞭感が向上し見通しの良さを実感し、低域は情報量が増え全体的に非常にスッキリした印象を実感できると思います。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■□
自然さ ■■■■■
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□


■ 1万円オーバー、ハイグレード仕様のイヤホンケーブル
・「Yinyoo YYX4765 4芯 金銀合金&OFC ケーブル15,900円実質14,698円) (レビュー
・「Knboofi  KBF4815 4芯 合金ケーブル」  17,000円 ※割引きあり (レビュー) ※追記
・「HiFiHear HiF4814 8芯 金銅合金 ケーブル16,900円 ※割引きあり (レビュー) ※追記

私が持っている中華イヤホンケーブルのなかでも最も高額なケーブルのひとつがこの「YYX4765」です。金銀合金というと、ようするに純度の低い金?といまいちどのような材質なのかわかりませんが、傾向としては高純度銅線ケーブルで過去に紹介した七福神商事の「丸七赤龍」からさらにスッキリした明瞭感を高めて、さらに1音1音の濃度を高めた印象で、「銅線」ケーブルとしての特徴を極限まで高めたようなキャラクターだと捉えています。
YYX4765YYX4765
数多くの極細の線が織り込まれたコシがあるかなり太い芯材は見た目にも存在感があります。外観だけでも数万円クラスのケーブルと全く見劣りはしませんね。上記の「KBF4805」でも記載しましたが、「YYX4765」もミドルグレードの回で紹介した16芯ケーブルより音量の変化は少ないですが「YYX4765」のほうは明確に違いを感じるすっきり感で、一皮むけたような澄み切ったサウンドを実感できます。そのうえでイヤホンのキャラクターを引き出すため全体的に濃い音の印象となります。駆動力のある再生環境でお気に入りのイヤホンと組み合わせて使いたいケーブルですね。
(追記)「YYX4765」と同様の線材のシルバーカラーのバージョン「KBF4815」がKinboofiから発売になりました。またHiFiHearからは少し細いタイプの線材の8芯タイプ「HiF4814」がリリースされており合金ケーブルでも選択肢が増えましたね。「KBF4815」「HiF4814」の詳細はそれぞれのレビューをご覧ください。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
自然さ ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□


■ 1万円オーバー、中華ケーブルの「純銀線」イヤホンケーブル
・「Kinboofi KBF4782 4芯 純銀 アップフレードケーブル16,999円実質13,699円) 

そして最後はKinboofiより販売されている「純銀線」ケーブルです。中華ケーブルの世界では「純銀」の線材を使用してるケーブル=純銀線、という表記も多く、実際には銀メッキ線の芯材に糸状の銀線を巻き付けるように織り込んだケーブル等も存在します。しかしこちらは「純銀線」という表記どおりのケーブルで価格も相応になります。透明な被膜に覆われた細めの線材を使用していることもあり、一見すると千円~2千円程度で売られている低価格の銀メッキ線のようにもみえます。
KBF4782KBF4782
しかし、音質傾向は銀線らしい高域の伸びの良さを実感するケーブルで、全体的な解像度やキレの良さとあわせてイヤホンを1ランク上のサウンドに引き立たせてくれます。高域は極端に刺さりが増すような派手さではなく、分離性と解像度がとにかく高く伸びがぐっと向上する印象は、キリっとした明瞭感と見通しの良さを感じます。そのため高域のポテンシャルが高くないイヤホンとの組み合わせでは歪みや雑味を感じてしまう可能性もあります。ある意味非常に銀線らしいケーブルともいえ、マニアのためのアイテムとしては非常にコストパフォーマンスが高い製品だと思います。またこのケーブルは国内のメーカーからも同じ製造元と思われるものがイベントに参考出品されており、今後国内のショップなどで販売され試聴できる機会も出てくるかもしれませんね。

情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■■
自然さ ■■■□□
高域強調 ■■■■■
低域強調 ■■■□□

というわけで、3回にわたって昨年購入した「中華イヤホンケーブル」のなかからお勧めの製品を価格帯別に紹介しました。昨年は非常に多くのケーブルを紹介したため種類が多くてどれを選んでい良いかわからない、というご質問も数多くいただきました。今回も価格帯別でまとめましたのでそれでも数が多い、というご指摘があるかもしれませんが、多少は選ぶうえでの参考になれば幸いです。
2019年は、現時点ですでに定番化しているアイテムも多くなっていますので昨年と同じペースで新製品が出てくることはないのでは、と思っています。それでもマニアのひとりとして、中華ケーブルがどのよう変わっていくのか、引き続き楽しみにしたいと思います。