CCA C10

こんにちは。今回は新鋭の中華イヤホンブランド「CCA」の4BA+1DDモデル「CCA C10」です。購入からしばらく経っており、さらに上位モデルの「CCA C16」も既に届いていたりするのですが、年末年始からの書きかけレビュー消化の都合もあってこのタイミングとなりました(^^;)。昨年発売されたKZの4BA+1DDモデル「KZ ZS10」のサウンドを大幅にグレードアップし、さらによりコンパクトな「ZST」「ZSN」ライクなハウジングに納めることで装着性も格段に向上した、初心者からマニアまで多くの方にお勧めできる、非常に完成度の高いハイブリッドイヤホンに仕上がっていると思います。


■KZから生まれた新ブランド、「CCA(Clear Concept Audio)」

CCA C10さて、今回の「CCA」というブランド、製品情報を見てみると、どう考えても、私のブログではすっかりお馴染みの低価格中華イヤホンの代表的メーカー「KZ」との関係性が気になるところです。
情報によると「CCA」は「Clear Concept Audio」の略で、KZ(Knowledge Zenith)の姉妹会社とのこと。中国サイトで企業情報を見る限りでは「CCA」ブランド製品を販売する「东莞市声域声学技术有限公司」は昨年8月頃に出来た会社で記載住所は「KZ」(深圳市原泽电子有限公司)の製品パッケージに記載された住所のすぐ近くにあります(なお、KZの現在の所在地は深圳市内にあるようです)。ちなみに事業形態は「KZ」がメーカーなのに対し「CCA」は流通卸売の内容になっており、実際の製品の製造はKZで行われているのがわかります。後述の通り今回の「CCA C10」でも、搭載するBAドライバーは「KZブランド」のものが使用されており、「CCA」製品もKZの設計・製造により「CCA」製品が作られていることは間違いないと考えられます。

ちなみに、「CCA」の最初のモデルである「CCA C04」は、KZが2018年前半に発表した開発中のモデル一覧にあった「YZ41」を1BA+1DD構成にスペックダウンした内容だったため、単なるサブブランドかとも思いましたが、今回の「CCA C10」や片側8BAというKZには存在しないより高いスペックを「AS10」のハウジングに納めた「CCA C16」といった製品の登場で、「KZ」から高価格帯を主力とするハイブランド化した製品が「CCA」という位置づけということが見えてきました。大げさに言えばアウディやレクサスみたいなものですね(^^)。
CCA C04  YZ41

今回の「CCA C10」は4基のBA(バランスド・アーマチュア型)ドライバーと1基の10mmダイナミックドライバーを搭載した「4BA+1DD構成」のハイブリッド型イヤホンで、採用するBAは高域用の「30095」が2基、中高域用の「50060」が2基の組み合わせとなっています。また実際に手元の「CCA C10」に搭載されたBAドライバーの刻印を確認すると「KZ」のロゴマークが確認できます(つまり正確には「KZ 30095」×2、「KZ 50060」×2ということですね)。

CCA C10CCA C10

この構成はKZの4BA+1DDイヤホン「KZ ZS10」と全く同じ内容ですが、各BAの出力を抵抗等で制御するネットワーク基板のチューニングが変更されている可能性があり、さらに10mmダイナミックドライバーはZS10で使用されていたZST以降KZが長年使用してきたドライバーから最近のアップグレード版に変更されている模様です(説明では反応が30%向上し、1Khzの感度が5dBアップした仕様とのことです)。
CCA C10CCA C10
2pinコネクタはいわゆる「KZ Bタイプ」(ZS10、AS10などと同じ仕様)で、付属ケーブルはKZ純正アップグレードケーブル(きしめんケーブル等)で採用されてる金属製のコネクタを使用しています。

CCA C10」は中国AliExpressおよびアマゾンで主要なセラーより購入が可能です。カラーバリエーションは「ブラック」「グリーン」「パープル」の3色が選べます。表示価格はAliExpressが28.68ドル~、アマゾンが5,700円 となっています。
CCA C10
アマゾンでは割高となりますがプライム扱いでアマゾン倉庫より国内出荷されるためすぐに届きますし万が一の場合にアマゾン経由で対応できるため安心感がありますね。
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■厚みのある金属製フェイスプレートの重量感から感じる「ハイグレード仕様」

CCA C10」のパッケージはKZ同様のシンプルな白箱でなるほどKZの製品だな、と感じます。パッケージ構成も、本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lおよび装着済みの別タイプのMサイズ)、説明書、保証書のミニマムな内容でKZ製のイヤホンそのものという感じがします。
CCA C10CCA C10
CCA C10CCA C10

このようにKZそのものなパッケージとは裏腹にイヤホン本体はこれまでのKZ製イヤホンとはちょっとちがう印象を受けます。プラスチック製ハウジングは「KZ ZST」や「KZ ZSN」とほぼ同じ形状ですし、ステムも「ZSN」のようなアルミ製ではなくプラスチックの一体形成です。しかし、「CCA C10」の印象を決定づけているのは厚みのある金属製のフェイスプレートで、このプレートの重量感からイヤホン自体もより剛性をもち、重量感を感じる仕上がりに変化しています。
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同じドライバー構成の「KZ ZS10」がその巨大なハウジング故にお世辞にも装着性が良いとは言えなかったのに対し、「CCA C10」は「ZST」「ZSN」同様の高い装着性を実現できています。
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最近の同価格帯のKZ製イヤホンの「AS06」および「ZS7」と比較しても「CCA C10」は十分にコンパクトで使い勝手の良いサイズに収まっていると思います。ただ、フェイスプレートの厚みから他のイヤホンよりやや重いこともあり、イヤーピースはより厳密に選ぶ必要があります。付属のものは最初から装着済みのMサイズ以外はKZ製もいつものイヤーピースのため、耳にフィットしない場合は別途用意する必要があります。ここでは定番のJVCの「スパイラルドット」やAZLA「SednaEarfit」、Acoustune「AET07」などをお勧めしたいところです。
CCA C10CCA C10
付属のケーブルはプラグ部分はKZより変更になっており、「KZ Bタイプ」の2pinコネクタはKZオプションケーブルのものが採用されていますが、線材自体は最近のKZケーブルとおなじものです。そのため、可能であればリケーブルによるグレードアップを検討したいところですね。ただし、「CCA C10」付属のケーブルは耳掛け部分が樹脂被膜による加工で針金がはいっているKZのケーブルより耳が痛くなりにくい点はちょっとだけうれしいですね。


■抜群のサウンドバランスが生み出す自然なサウンド。KZとは全く異なるキャラクター設定。

CCA C10」の音質傾向はとても自然なバランスのドンシャリ傾向で、5千円程度のイヤホンとしてはトップクラスのサウンドクオリティと言えるでしょう。またKZのハイブリッドイヤホンに多く見られるメリハリの強い派手な音とは一線を画したサウンドですね。同時期に発売された「KZ ZS7」(同じく4BA+1DD)とはどちらも中低域寄りのサウンドながら真逆に思えるアプローチで非常に興味深い違いがあります。
CCA C10「KZらしくない」サウンドといえば、「CCA C10」と同じBAドライバー構成で登場当時同様の評価が多かった「ZS10」は比較的近いサウンドバランスですが、ZS10はマルチドライバーらしさ、ハイブリッドらしさを感じる(ドライバーを多く積んでいるのを実感できる)音でした。しかし「CCA C10」は音域間のつながりが非常に優れていて、良い意味で多ドラっぽさを感じないサウンドになっています。「ZS10」と比べて、特に中音域の艶やかさや、各帯域のつながりの良さは「CCA C10」のほうが頭ひとつぬけた完成度だと感じます。「CCA C10」のサウンドの前では「ZS10はC10のための開発バージョンだったのでは?」とさえ思えてきます。

CCA C10高域は刺さりのない柔らかい音を鳴らしますが、暖色系の一歩手前くらいのところで抑えられており、適度な煌めきを感じるバランスになっています。天井は少し低めですが自然な伸びの良さがあり、心地良く綺麗な音という印象です。
中音域も凹むことなく鳴り、極端に近すぎず適度な位置で定位し、立体的な音場感があります。KZ製ハイブリッドの硬質な明瞭さとは異なり、余計な味付けのない自然な鳴り方をします。ボーカルはかなり濃く艶やかな印象があり、女性ボーカルの透明感もとても綺麗に再現してくれる印象です。
低音域は非常に質の高い音で解像度も高く、重低音の沈み込みなどもしっかり確認できます。濃厚さを感じる低域ですが中高域との分離は良く各音域が非常に綺麗に鳴ってくれます。

なお、ケーブルは「ZS10」同様に付属のものからリケーブルによって印象がかなり変化します。このクラスのKZやCCAのイヤホンではまず標準ケーブルの音を楽しんだらリケーブルによりサウンドをグレードアップするのは定番と考えて良いでしょう。価格帯的には3,000円クラスの8芯ケーブルがまず思い浮かびますが、「CCA C10」は5,000円~クラスの16芯ケーブルでもさらに変化を実感できるポテンシャルがあるようです。お勧めケーブルについては年明けの「お勧めケーブルまとめ」で好みのアレンジを検討ください(個人的には8芯なら銀メッキ線の「HiF4777」または銅線の「YYX4784」、16芯なら「YYX4807」あたりが好みです。まあ「YYX4810」だとさらに良くなりますが、これだとイヤホン本体より高くなりますね^^;)。

CCA C10CCA C10
CCA C10」は全体的に苦手ジャンルのないイヤホンで、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲からジャズやクラシックまで幅広く活用できると思います。ただ高域好きの方には「KZ AS06」等に比べて少し物足りなさを感じるかもしれませんし、もう少し派手さを求める場合は「KZ ZS7」のほうが濃い音に感じると思います。

CCA C10「KZ AS06」(3BA)、「KZ ZS7」(4BA+1DD)、そして「CCA C10」(4BA+1DD)という同価格帯の3種類のイヤホンでは「AS06」が「スッキリした中高域で明瞭さとメリハリの良さ」を、「ZS7」が「楽しく聴くことに主眼を置いた派手さと音の濃さ」を、それぞれ特徴としているに対し、「CCA C10」は「あらゆるジャンルの曲をより自然なサウンドで気持ちよく聴くこと」に重点を置いている印象ですね。「低価格イヤホン」の枠内に抑えられており、普段使いのアイテムとしても優秀ですので、3種類を気分にあわせて使い分けるのもとても楽しいですね。どのイヤホンも明確にキャラクターの違いを持たせつつ、高い完成度でまとめてくるあたりに最近のKZ(およびCCA)の凄さを感じます。

そしてとうとう1万円、100ドルオーバーの世界に突入してきた「CCA C16」(8BA)をはじめ、新たな境地に突入する「CCA」というブランドを「KZ」と併せてこれからも楽しみにしていきたいと思っています。