「HiF4837」「HiF4834」

こんにちは。今回は久しぶりにケーブルネタです。最近ミドルグレード以上のケーブルでちょっと魅力的な製品を投入している中国のイヤホンセラー「HiFiHear Audio」より、従来よりグレードアップした「単結晶銅線」タイプの最新16芯ケーブル 「HiF4834」および「HiF4837」が登場しました。

主要な各セラーより販売されている中華系の16芯ケーブルはどの製品も特に高音質イヤホンでのリケーブル効果が高く、取り回しも良い上に5,000~6,000円程度と価格も手ごろであることから、ミドルグレードの中華イヤホンケーブルとして、ここ1年ほどでかなり人気のあるアイテムになりました。現在では1万円オーバーの中華イヤホンやそれ以上、数万円クラスの価格帯の有名ブランドのイヤホンまで幅広く利用されており、定番的なアイテムになりつつありますね。
「HiFiHear Audio」でも何種類かの16芯ケーブルをリリースしていますが、最近はメタリックグレーのカラーリングにL型プラグ(3.5mmまたは2.5mm/4極)が選べる銀メッキ線ケーブル「HiF4827」(ストレートプラグ)、「HiF4828」(L型プラグ)が4月にリリース以降かなり好評を博しています。そして、今回紹介するケーブルは、新たに中国国外から輸入した線材を使用した「単結晶銅線」タイプの16芯ケーブルになります。


[ HiF4834 ] [ HiF4837 ] HiFiHear 16芯 高純度単結晶銅線ケーブル(ライトブラウン)
HiFiHear 16 Core Import Single Crystal Copper Balanced Cable 2.5/3.5mm With MMCX/2pin Connector
【 MMCX 】【 中華 2pin/CIEM極性 】
[ HiF4834 ] 【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【4.4mm/5極 】 Amazon.co.jp(HiFiHear Audio) 8,000円

HiF4834HiF4834HiF4834

[ HiF4837 ] 【  (L型)3.5mm 】【  (L型)2.5mm/4極 】  Amazon.co.jp(HiFiHear Audio) 8,500円

HiF4837HiF4837HiF4837

※現在「HiF4834」「HiF4837」用の1,500円OFFクーポンが発行されていますので、それぞれ6,500円(HiF4834)、7,000円(HiF4837)で購入可能です。

現在、各セラーから販売されている中華16芯ケーブルは「銅線」「銀メッキ線」「ミックス線」どのタイプもすべて、OFC(高純度無酸素銅)線材を使用しています。
今回、「HiF4834」「HiF4837」で採用されている「単結晶銅線」も、製造過程の違いによる銅線の一種ですが、無酸素銅よりさらに高純度かつ高品質な線材となります。しかも中国国外より輸入したより純度の高い線材を使用することで、従来のOFC線材より一段とハイグレードなケーブルに仕上げることが可能になったようです。
ちなみに輸入線材を使った単結晶銅線ケーブルは4芯タイプの「YYX4810」や8芯タイプミックスの「KBF4805」など、よりハイグレードなケーブルで採用されており、どちらもより明瞭感や実在感のあるケーブルとして人気がありますね。
これらのケーブル製品を考えると、「HiF4834」「HiF4837」の16芯タイプでかつ輸入線材を使った単結晶銅線ケーブルが8千円程度というのはかなりコストパフォーマンスが高い価格設定ではと思います。

HiF4837HiF4837
今回私はL型コネクタの「HiF4837」のほうをオーダーしました。従来の16芯ケーブル同様に柔らかく取り回しも良好ですが、線材ごとの被膜はより薄く硬めのようで、「HiF4837」のほうがしっかり編み込まれている感じなります。そのため「HiF4837」のほうが僅かに細めで、手触りもよりしっかりした印象を受けます。L型プラグは今回は金メッキタイプになりました。

「HiF4837」「HiF4834」HiF4837」の音質傾向ですが、まず情報量、反応の良さは16芯OFC銀メッキ線の「HiF4828」など従来の16芯ケーブル同様に非常に高く、ポテンシャルの高いイヤホンと合わせると音量がひとまわり以上変化する場合がある点も変わらずです。
ただ、従来の16芯線ではちょっと派手め(人工的なエッジのある印象)に反応していた描写がより自然かつ立体的な音像表現に変化するのが実感できます。これは単結晶銅線の「YYX4810」などで感じる印象に近く、従来のOFC線とは明らかに異なる単結晶銅線ならではの表現力を感じます。OFC銅線ケーブルのような低域を厚くするなどの「味付け」は無く、イヤホンのポテンシャルを全域にわたって発揮させることができる点は特徴的です。
結果的に16芯OFC線より自然なバランスで聴きやすい印象に変化するイヤホンも結構ありそうです。

「HiF4837」「HiF4834」今回の「HiF4834」「HiF4837」は、16芯ケーブルの反応の良さと、「YYX4810」など単結晶銅線ケーブルの表現力の「いいとこ取り」をしたケーブルといえるかもしれませんね。
16芯OFC線の場合、イヤホンの傾向に合わせて「銀メッキ線」「銅線」「ミックス線」など各タイプを使い分けるケースもありましたが、「HiF4834」「HiF4837」に関しては万能ケーブル的な印象もある単結晶銅線(OCC線)の「YYX4810」同様に「とりあえずこのケーブルに替えれば大丈夫」といった選びやすさがあるケーブル製品だと思います。

HiF4834」「HiF4837」は「YYX4810」よりさらに感度が高く情報量の多い音のため、「SHURE SE」シリーズや「ROSE BR5 mk2」のような感度の高いマルチBAのイヤホン、「LZ-A6」のようなハイブリッドなど幅広いジャンルのハイグレードなイヤホンと相性が良く、さらに「YYX4810」より明瞭感のある見通しの良いサウンドが実感できます。また最近の「KZ AS16」のような比較的低価格のマルチBA製品でもひとつグレードアップしたような輪郭のしっかりした音に変化します。
「HiF4837」「HiF4834」「HiF4837」「HiF4834」
ただイヤホンによっては16芯の感度の高さ故に「YYX4810」やさらにハイグレードの「KBF4805」より少しメリハリが強い印象になる場合もあります。また「HiF4814」「YYX4765」などの金合金ケーブルのような空気のベールを取り去ったような実在感とはまた異なる傾向ですので、この辺は価格や組み合わせるイヤホンの相性をみて選びたいところですね。

というわけで、今回の「HiF4834」「HiF4837」は個人的にはお勧め度はかなり高く、特に数万円クラスのイヤホン向けのリケーブル製品としては定番化しそうな可能性もありますね。