KB EAR KB06

こんにちは。今回は「KBEAR KB06」の紹介です。「KBEAR」は中国のイヤホンセラー「Kinboofi」などEasy系のセラーを中心に販売される新しいブランドで、これまでも数種類のイヤホンおよびケーブル製品を紹介してきました。今回の「KBEAR KB06」は2BA+1DD構成のハイブリッドイヤホンながら非常にコンパクトでクールなデザインが特徴です。またハイブリッドらしいメリハリを感じつつ聴きやすいバランスにチューニングされているところは製造元であるKZの最近の音作りの上手さを実感します。価格も3千円台と手頃なのも魅力的ですね。
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KBEAR KB06」は5BAモデルの「KBEAR KB10」同様、低価格中華イヤホンの代表的ブランドであるKZのファクトリーで製造されるODM(Original Design Manufacturing/委託設計生産)モデルになります。「KB10」が「CCA A10」などベースとなる類似モデルが数種類あったのに対し、今回の「KB06」については現時点ではKZなどから類似した形状のモデルはリリースされておらず、よりKBEARブランドのオリジナル色の強い製品になっています。
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KBEAR KB06」のドライバー構成は高域用の「KZ 30095」と中高域用の「KZ 50060」、さらに10mmのダイナミックドライバーの組み合わせです。このBAの組み合わせ自体はKZの「KZ ZSR」および「KZ ED16」と同一の構成なのですが、「KBEAR KB06」では「CCA C10」や「KZ ZSN Pro」以降のモデルで採用されている「デュアル磁気回路ダイナミックドライバー」を採用し高音質化をはかっています。このダイナミックドライバー部分のグレードアップにより、KZといえば「ZST」と「ZSN Pro」くらいの音質差は期待できるところです。
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さらに「KBEAR KB06」では「ZSR」や「ED16」より圧倒的にコンパクトなハウジングとベント(空気孔)を持つアルミ合金製フェイスプレートの採用によりサウンドバランスにも大きな変化があると考えられます。

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KBEAR KB06」のカラーバリエーションはシルバー(シアン)とブラックの2色が選択できます。購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはアマゾンの「Kinboofi」「HiFiHear」「WTSUN Audio」の各セラーにて。表示価格はAliExpressが 29.31ドル、アマゾンが 3,500円 (どちらもマイク無し)となっています。AliExpressでの購入方法およびフォロワー値引き等についてはこちらをご覧ください。
AliExpress(Easy Earphones): KBEAR KB06

アマゾンではプライム扱いですぐに届きますし、クーポンなどによる割引きで実質的にAliExpressと同程度で購入可能になっています。アマゾンでは万が一の場合もアマゾン経由のサポートが利用できるので安心感がありますね。
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBEAR KB06 ※500円OFFクーポン配布中
Amazon.co.jp(HiFiHear): KBEAR KB06 ※500円OFFクーポン配布中
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KBEAR KB06 ※期間限定 15%OFFコード(W84CEXBS


■KZ ZSA並のコンパクトさに2BA+1DDドライバーがびっしり詰まったデザイン

KBEAR KB06」のパッケージは5BAモデルの「KB10」同様、製造元のKZ製イヤホンと同じ白箱タイプ。パッケージ内容もKZと同じく本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)、保証書・説明書のシンプルな内容です。
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KBEAR KB06」の本体は非常にコンパクトで1BA+1DDの「KZ ZSN」などより2まわりは小さく、比較的コンパクトな「TRN IM2」よりさらにひとまわり小さいサイズ感です。フェイスプレートはアルミ合金製でフェイス部分にベント(空気孔)のメッシュ状の開口部が確認できます。最近のKZ製イヤホンはステム部分にも金属パーツが使用されることが多いですが、「KBEAR KB06」では2基のBAユニットを内蔵するするためハウジングと一体形成の樹脂製となっています。
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KBEAR KB06」はインピーダンス24Ω、111dB/mWと「KZ ZSR」の22Ω、107dBに非常に近いスペックですが若干感度が向上しているのがわかります。おそらくダイナミックドライバー部の変更による感度アップだろうと考えられます。
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ハウジング部分は10mmのダイナミックドライバーが大半を占める印象でさらに真上のステム部分に2種類のBAドライバーを詰め込んだ設計になっています。耳にすっぽり収まるサイズ感ですのでステムが太いものの装着性は問題ないと思います。
KB EAR KB06付属ケーブルはKZやCCA付属のケーブルと同じ撚り線ケーブルで、プラグや分岐パーツ部分は「KB10」とおなじシンプルなタイプの部品が使用されています。また、付属イヤーピースはKZ性イヤホンと同じタイプですのでよりフィット感のよいものに交換したほうが良いでしょう。ま定番のJVCの「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」など開口部が大きいタイプの製品を利用することをお勧めします。


■最近のKZとも共通する寒色系の弱ドンシャリでボーカル寄りの中低域チューニングが心地よい

KBEAR KB06」はKBEARブランドのイヤホンではあるものの、その音質傾向は最近のKZそのものという感じの寒色系で、中低域寄りにまとめられたサウンドバランスです。また、同じ2BA+1DD構成の「KZ ZSR」「KZ ED16」と比較して「ボーカル帯域をより聴きやすいバランスにまとめる」傾向がより顕著に表れた製品だと言えると思います。このアプローチは1BA+1DDの「KZ ZST」に対する現在の「KZ ZSN Pro」へのアプローチとも共通しており、ブランドこそ違いますが「KBEAR KB06」は最近のKZの方向性に正統進化した製品と考えて良さそうです。

KB EAR KB06KBEAR KB06」の高域は「ZSR」「ED16」のややシャリ付きのある印象からより刺激を抑えた聴きやすい音になっています。しかしシンバル音などの伸びや明瞭感はむしろ向上しており以前のKZ製ハイブリッドで多く見られた高域の粗さや高ゲイン時の歪みといったものが「KZ ZSN Pro」同様にかなり軽減されている印象です。この音質面の進化はダイナミックドライバー部分の改良だけでとは考えにくく、以前「KZ ZSN Pro」のレビューでも記載しましたが、高域用BAの「KZ 30095」自体が「ZSR」のころと比べて最近のロットではかなり音質面も改良されている可能性も考えられます(以前掲載した「ZST」のロット比較のレビューで初期の「KZ 30095」でもロットにより音が違うことを確認しています)。「KZ 30095」はKZブランドBAドライバーとして最初に作られたユニットでもあるので、同社イヤホンの進化にあわせてロットごとに繰り返し改良されているのかもしれませんね。もちろん4BA+1DDの「ZS10 Pro」(4BA部分は「KBEAR KB06」と同じ「KZ 30095」と「KZ 50060」を2基ずつ搭載)と比べると高域の主張は抑えめで解像度などの面でもスペックなりの違いはあると思います。

KB EAR KB06中音域は「KBEAR KB06」は凹むことなく比較的近くで定位します。おなじ2BA+1DD構成の「KZ ZSR」および「KZ ED16」と比べ最も大きく変化しているポイントで、全体的に伸びが良くし抜けが向上しているのを実感します。特に女性ボーカルの高音やロングトーンなど「ZSR」など以前のKZでは中高域の人工的で派手な音作りと歪みで「価格なり」と割り切っていた点が、「KBEAR KB06」では余韻も含めかなり綺麗にに表現できているのがわかります。いっぽうで、1音1音の描写がしっかりと行われるようになったことで聴きやすさは大きく向上していますが、高域同様これまでのKZのようなメリハリの強さは感じず、曲によってはやや暖色系寄りに感じる場合があります。これは「ZSN Pro」や「CCA C10」と少し近いイメージですね。そのため標準ケーブルではポップスなどのボーカル曲は相性がよいですが、キレを求める曲ではすこし穏やかすぎる印象を持つかもしれませんね。また非常にコンパクトなハウジングながら音場は広めで、窮屈さはあまり感じません。

KB EAR KB06低域はしっかりとした量感と厚みがある力強い音を鳴らします。「KBEAR KB06」も重低音の下のほうの表現は他のKZ製イヤホン同様割り切っている部分はありますが、沈み込みは深くこの価格のイヤホンとしては質感もまずまずだと思います。非常にコンパクトなハウジングながらアルミ合金製のフェイスプレートとフェイス部分のベント(空気孔)による影響もあってか、より締りのある低域と広めの音場表現を実現しています。また中高域との分離性も良く、音数の多い曲やスピード感のある曲でも歯切れよく鳴ってくれる印象で、過度に響いて他の音域をマスクすることもありません。ただ標準ケーブルでは曲によっては低域の存在感が他の音域より強く感じる場合もありそうです。低域のバランスとしては4BA+1DDモデルの「ZS10 Pro」や「CCA C10」より多く「ZSN Pro」と同程度か曲によってはやや多めに感じる印象です。

また「KBEAR」ブランドでは高品質なリケーブル製品も低価格で販売されており、手軽に「KBEAR KB06」をグレードアップすることができます。個人的に相性が良く感じたのは アンダー2千円の「KBEAR/KBF4833」8芯銀メッキ線ケーブルで全体的な情報量が向上し、全体的により近くで定位し音が濃くなる変化を実感できます。また高域の主張がアップするためメリハリの良いサウンドが楽しめると思います。
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他にも16芯タイプの「KBEAR4841」16芯高純度銅線タイプでは同様にメリハリが向上しつつ低域の響きが向上します。そして「KBEAR4842」16芯銀メッキ線では音質傾向の変化はもっとも少なく、分離性の向上による音場感の向上が特徴的でした。

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KBEAR KB06」は3千円台の低価格イヤホンとしてはかなり完成度が高く、(今後KZ自身からも同様の製品がリリースされる可能性はありますが)現時点で「ZSN Pro」と「ZS10 Pro」の間を埋める製品としてふさわしい仕上がりだと感じました。リケーブルによる音質変化を楽しむのも良いですし、KZからリリースされている「KZタイプC」仕様のaptX HD対応Bluetoothケーブルによりワイヤレス化しての利用にも良いのではと思います。ウィークポイントとしてはフェイス部分のベントによりZS6並みの音漏れはあるため混雑する通勤電車や静かな図書館での使用にはちょっと注意が必要ですが、普段使いではよほど大音量でなければまず問題はありませんので、多くの場面で気軽に使えるイヤホンだと思います。