paiaudio PAI-DM1

こんにちは。今回は中国のイヤホンブランド「Pai Audio」の「PAI-DM1」の紹介です。1BA+1DD構成のハイブリッドモデルで個性的なデザインの金属ハウジングが特徴的ですね。日本では「Pai Audio」の製品は「NOBUNAGA Labs」のケーブル製品などでお馴染みのWiseTechが販売元となっていて、「PAI-DM1」(Pai Audio DM1)も7月26日に発売されました。私も店頭での試聴が好印象だったこともあり発売と同時に購入しました。というわけで約1ヶ月程度使用してのレビューとなりますね。
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Pai Audio」は中国のイヤホンメーカーで、2014年設立と中華イヤホンの世界では比較的古く、マニアの間では比較的知られたブランドです。Paiは円周率の「π」のことで、同社製の最近のモデルにはフェイスプレートに「π」と書かれた製品などもあったりします。私も初期の3BAモデルを以前所有していました。
今回の「PAI-DM1」(Pai Audio DM1)は、8mmダイナミックドライバーとBA(バランスド・アーマチュア型)ドライバーの組み合わせによる1BA+1DD構成のハイブリッドイヤホンで、不要な共振を抑えるステンレス製の金属ハウジングの個性的なデザインが特徴的です。
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インピーダンス14Ω、感度125dB/mWと比較的反応は良く、メリハリのあるサウンドが特徴的とのこと。ケーブルコネクタはMMCXを採用し、付属の4芯OFC(高純度無酸素銅)線ケーブルのほかリケーブルにも対応します。
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PAI-DM1」のアマゾンでの表示価格は 7,980円 でした。海外版のAliExpressでのメーカー直販価格が69ドルでしたので、為替を考えるとほぼ同額でさらにサポート面を考慮すると相当に良心的な価格設定であることが分ります。
Amazon.co.jp(WiseTech): Pai Audio PAI-DM1


■ 1万円以下のイヤホンとは思えないビルドクオリティの高さ。個性的なデザインが印象的

今回、私はアマゾンのWiseTechのストアで購入しましたが、「PAI-DM1」本体に加えてオマケでNOBUNAGA Labsのウレタン製イヤーピースと、ケーブルなどを束ねる「静寂」が付いてきました。こういうのは素直に嬉しいですね。
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PAI-DM1」のパッケージは透明なプラスチック製の四角いボックス。最近の同社製品の共通パッケージのようですね。パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピース(白、黒、グレーの3種類、黒のみS/M/Lサイズ、グレーと白は大小2サイズ)、ケーブルフックといったところ。
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ステンレス製のハウジングのビルドクオリティは高く、数千円で購入できるイヤホンとは思えない手の込んだ作りとなっています。シュア掛け(耳掛け)で装着するタイプのイヤホンですが、その独特の形状のため装着性については多少相性があります。ただ耳が小さい方でも支障の無い形状になっているようです。
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イヤーピースは数種類が付属しますが、耳に合わない場合、よりフィット感が向上するものを別途用意した方が良いでしょう。今回メーカーより購入時のオマケでウレタンタイプのイヤーピースも同梱いただきましたが他にもRHAのイヤーピースやJVCの「スパイラルドット」、AZLA「SednaEarfit Light」など定番のイヤーピースを選ぶのが良いですね。また、耳穴の小さい方はAcoustune「AET06」やRHA「ダブルフランジイヤーピース」などがお勧めです。
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付属のケーブルはOFCの4芯撚り線タイプで、取り回しのよいケーブルです。MMCXコネクタを採用しており、後述のとおりリケーブルによる変化の大きいイヤホンですので、さまざまなケーブルでのアップグレードを楽しむのもよさそうです。


■「聴かせどころをわかってる」心地よいハイブリッドサウンド。リケーブルでさらにグレードアップ

PAI-DM1」の音質傾向は比較的派手めのドンシャリ。全体的にメリハリのあるハイブリッドらしい音作りですが、非常にスッキリとした中高音に、心地良い力強さのある低域と、全体的にバランスの取れたサウンドで低価格イヤホンとは一線を画しています。過剰な味付けのないサウンドで、音場の適度な広さと解像度の高さが心地よく、「聴かせどころをわかっている」という印象の、この価格帯のイヤホンとしてはかなり質の高い鳴り方をする製品ですね。
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PAI-DM1」の高音域は適度にスッキリした硬質な音ですが刺さり等の刺激が絶妙なところでコントロールされ聴きやすいバランスにまとまっています。曲によっては多少シャリ付きを感じる音のため、きつめの高域が苦手の方には多少刺激を強めに感じるかもしれません。音の抜けは良く伸びのある高域を楽しめます。

paiaudio PAI-DM1中音域は曲によって若干凹む場合がありますが(リケーブルで解消されます)、明瞭感のある寒色系のサウンドで、ボーカル帯域の表現力も良好です。味付けのない自然な音で、このクラスのハイブリッドとしてはかなり再現性は高く、制動に優れたステンレス製ハウジングにより、1音1音の表現力が非常に高くなっているのを想像させます。解像度も非常に高く、また音場も適度な広さと奥行きを感じます。特に女性ボーカルのハイトーンなどは高域の抜けの良さもあって伸びが良く心地良い響きを実感できます。男性ボーカルも低域の下支えにより厚みのある音を楽しめますが、低域が強い曲の場合わずかにマスクされる場合もあるようです。

低域は量感は多くで存在感を感じつつ、極端な主張ではなく気持ちよい聴かせ方をする低音です。重低音も適度に深く、しっかり沈み込みます。多少響きが強く緩めの音に感じる場合もありますが、中高域との分離は良好です。ただし、付属ケーブルの場合、低域成分の多い曲では少し響きが強くなりすぎる場合もありますが分離そのものは良好ですのでリケーブルで情報量および分離性を向上させることで解決できると思います。特にリケーブルによりベースラインが明確になるため全体的な締まりや解像感の向上が実感できるでしょう。

Pai Audio DM1また「PAI-DM1」はリケーブルにより中低域の分離性が大幅に向上し、リッチな音場感を味わえるサウンドになります。情報量の多いケーブルでは明瞭感がさらに中音域の描写がより正確となり、ボーカルやギターがより立体的な定位で実感できました。ただし中高域への変化が大きい銀メッキ線ケーブルの場合、歯擦音も多少強調される印象となるため、相性はいまひとつかもしれません。
そのため、手持ちのケーブルでは高純度銅線との相性が良く、NOBUNAGA Lab 「更紗」(「友禅」「辻が花」)へリケーブルしたところ、ぐっとフォーカスが明確になり解像度が上がったような印象になります。中音域の存在感がアップすることでフラット寄りの弱ドンシャリな印象となり、低音域も締まりとキレが向上しよりスッキリした印象になりました。

というわけで、「PAI-DM1」は1万円以下の比較的購入しやすい価格帯のハイブリッドイヤホンとは思えない個性的な外観およびビルドクオリティと解像度が高くバランスの良いサウンドが魅力的な製品でした。男性ボーカル、女性ボーカルどちらにも相性が良く、ロック、ポップス、アニソンなどさまざまなジャンルで楽しめるイヤホンだと思います。できれば少し良いケーブル製品でリケーブルで楽しんで欲しいイヤホンだと感じました。