ケーブルまとめ2019夏・低価格16芯ケーブル編

前回に引き続き最新版の「中華イヤホンケーブルまとめ」の第2回、今回は「低価格 16芯 中華ケーブル編」です。
中華16芯ケーブルは、ここ1年ほどで急速に人気が高まっている「中華イヤホンケーブルならでは」のアイテムで、リケーブル効果の高さと「見た目」や「取り回しの良さ」、そして購入しやすい価格帯で中華イヤホン以外の用途でも幅広い人気を得ているようです。実際、年明けのケーブルまとめでも16芯ケーブルを中心に紹介した「中編」が最も多くのアクセスをいただいており、私も注目度の高さを実感しています。そして、今年に入り従来5千円オーバーの「ミドルグレード」だった中華16芯ケーブルが「TRN T2」を皮切りに各セラーより3千円以下の「低価格ケーブル」の枠で登場してきました。いっぽうミドルグレードの方は単結晶銅線を使用した製品など、こちらはハイグレード製品に匹敵するクオリティの向上が行われています。これらの製品については次回の「ミドルグレード(1万円以下)編」でまとめて紹介したいと思います。

① 「低価格 8芯 中華イヤホンケーブル」編また前回も紹介しましたが、リケーブル製品の「線材」ごとの特徴やコネクタ、プラグ等についての詳細は「解説編」にて紹介していますので併せてご覧ください。
→ 【解説編】 「中華イヤホンケーブル」レビューの読み方(材質ごとの特徴、コネクタ種類などについて)

なお、今回紹介していない「ミドルグレードの16芯ケーブル」については1月掲載の「ミドルグレード(アラウンド5千円クラス)まとめ」を参照ください。一部販売終了となっていますが、今後セールなどで非常にお得に購入できる場合の参考にしていただければと思います(評点は今回と同じ基準となっています)。
→ [中編] 「中華イヤホンケーブル」の価格帯別/線材別のお勧めケーブルを選んでみました(2019年新年版) 【5,000円~8,000円クラス編】


■ 「16芯 中華ケーブル」について
上記の「解説編」でも記載していますが、主要メーカー製イヤホンの場合、本体ケーブルまたはMMCX規格などの付属ケーブルは工場で専用に作られるため「芯」(Core)となる線材の上からまとめて被膜加工がされます。リケーブル製品でもこのような加工をしている製品ももちろん多いわけですが、中華イヤホンケーブルの場合、一般的に線材として販売されているものを「芯」として編み込み(「機械編み」または「手編み」)、プラグやコネクタなどを取付ける「ハンドメイドケーブル」が主流になります。そして、ある程度以上の品質で太さのあり、かつケーブルとして使えるしなやかな線材は材料コストが高くなるため、低コストで柔らかい細めの線材を多く編み込むことで太い線材に相当する情報量を確保しようというアプローチが中華ケーブルで「8芯」や「16芯」と「芯数」が多くなる理由だと考えられます。もちろんこれには、小ロット生産の中華イヤホンケーブルの場合、手作業の方が生産コストが安くなるという「中国製品」ならではの事情もあると思います。細い線材を細かく編み込んでる「16芯ケーブル」も国内メーカーであればむしろコスト高になりそうですので、まさにセラー自身が工場に発注して作っている中華ケーブルだからこそのアイテムといえるわけですね。


Yinyoo / HiFiHear / Kinboofi 16芯 OFC 銀メッキ銅線ケーブル 2,990円
【 MMCX 】【 中華2pin 】【QDC】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
「耳掛け加工無し」タイプ。中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」系の「Yinyoo」「HiFiHear」「Kinboofi」の3ブランドから一斉に販売された新しい16芯ケーブル。もともと柔らかい線材を使用した「16芯 中華イヤホンケーブル」はYinyooの「YYX4745」は最初の製品で(それ以前も16芯タイプは硬い線材を使用した製品などは100ドル前後でありましたが、全く異なるケーブルのため除外します)、16芯中華ケーブルの「人気の火付け役」といっても良いでしょう。そのEasyが大幅にプライスダウンして投入した「主力アイテム」ともいえるケーブルがこの5種類の製品だと思われます。私のブログでは各ブランドごとに製品を紹介しました。

・ Yinyoo「YYX4849 (ブルー/シルバー)」 「YYX4853(赤緑/シルバー)レビュー
YYX4849YYX4853

・ HiFiHear「HiF4848(グリーン/シルバー)」「HiF4850(ブラウン/グレー)
レビュー
HiF4848HiF4850

・ Kinboofi「KBF4851(パープル)
レビュー
KBF4851KBF4851

実際にすべてのケーブルを購入し比較したところ、これらのケーブルで音質傾向に違いは無く、あくまで「カラーバリエーション」と考えられます。好みの色、あるいは組み合わせるイヤホンのカラーリングを考慮し最適なものを選択するのが良いでしょう。「WhiteSnake」など日本で販売されている低価格16芯ケーブルと比べ驚くほど柔らかく、取り回しも良く、まっすぐ垂らすタイプのイヤホンと組み合わせてもタッチノイズをほぼ感じないのもこのシリーズの大きな特徴です。
YYX4849KBF MAYA
線材としては最初の16芯ケーブルである「YYX4745」に近く、その後販売された黒色タイプの「YYX4778」よりやや明瞭感で及ばないものの、非常に情報量の多いケーブルです。音質傾向的な味付けは無く、イヤホンのポテンシャルを一気に引き出すタイプのケーブルのため、マルチBAや逆にインピーダンスの高いシングルダイナミックと駆動力のあるDAPの組み合わせで特に大きな効果を得られると思います。逆にスペックの低いイヤホンや駆動力の低いDAPでは平坦な音に感じたり、スマートフォンなどノイズの多い再生環境ではホワイトノイズが多く発生する場合がある点などもミドルグレードの16芯ケーブル同様です。
KZ AS12YYX4853
とはいえKZなど最近の高音質化が進む低価格イヤホンでも実力が発揮できる機会は増えていそうです。「YYX4745」の発売当初の価格の約半額となり、多くのカラーバリエーションが選べ、さらにQDCコネクタも選択できるなどお買得度は一気にアップしたケーブルだと思います。

[16芯 OFC 銀メッキ線ケーブル HiF4848/YYX4849/HiF4850/KBF4851/YYX4853 ] 2,990円
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★★☆


KBEAR 4841 16芯 高純度銅線ケーブル(ブラウン) 2,900円 (レビュー
Amazon.co.jp(Kinboofi)Amazon.co.jp(NexAudio)
【 MMCX 】【 中華2pin 】【QDC】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
KBEAR 4841KBF MAYA
「耳掛け加工あり」タイプ。KBEAR 4841」はKBEARブランドの16芯「高純度銅線」ケーブルです。無酸素銅(OFC)タイプのケーブルですね。十分に柔らかいケーブルですが、被膜は僅かにEasy系や「KBEAR 4842」より硬めな印象もあります。
KBEAR 4841銅線ケーブルは多くのイヤホンの標準ケーブルで一般的に使われている線材ですが、「KBEAR 4841」の場合、上記の銀メッキ線ケーブルや同ブランドの「KBEAR 4842」ほどの情報量の変化はないものの、分りやすく明瞭感をアップさせ音のメリハリを強化する「OFCケーブルらしい特性」を持っています。そのため、より派手めの音が好みの方には最適なケーブルです。KZ系のマルチBAイヤホンとの相性はとても良く、同社のハイブリッドに比べてやや大人しめと感じる方には「KBEAR 4841」を組み合わせることでよりドンシャリ傾向を強くしメリハリのある濃いサウンドを楽しめます。またフラット傾向でやや暗めの音のイヤホンでより明るい鮮やかさを感じるサウンドに変化させるのにも良いでしょう。このような傾向のケーブルはミドルグレード以上には結構ありますが、3千円程度で購入できるのはなかなかお買得ですね。

[KBEAR 4841 16芯 高純度銅線ケーブル(ブラウン) ] 2,900円
情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□
オススメ ★★★★


KBEAR 4842 16芯 銀メッキ線ケーブル(シルバー) 2,900円 (レビュー
Amazon.co.jp(Kinboofi)Amazon.co.jp(NexAudio) 
【 MMCX 】【 中華2pin 】【QDC】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
KBEAR 4842KBEAR 4842

「耳掛け加工あり」タイプ。KBEAR 4842」はKBEARブランドの16芯「銀メッキ線」ケーブルです。上記Yinyoo/HiFiHear/Kinboofiの16芯ケーブルはミックスカラーまたはカラーリングケーブルだったため、シンプルなシルバーの16芯銀メッキ線ケーブルはアンダー3千円ではこの「KBEAR 4842」のみだったりします。「KBEAR 4842」の線材の質感は「KBEAR 4841」に比べるとかなり柔らかく、上記のYinyoo/HiFiHear/Kinboofiの16芯ケーブルや、ミドルグレードの「YYX4745」に近いものです。というか個人的な印象では「YYX4745」との線材自体の違いは「個体差レベル」という感じもしています。実際音質傾向も非常に酷似しており、違いは「耳掛け加工の有無」と「コネクタ・プラグ」、そして「ケーブルスライダーの有無」といった線材の加工部分のみ、という感じがします。そのうえで、QDCコネクタ仕様も選べますのでコストパフォーマンスは非常に高いケーブルだと思います。

[KBEAR 4842 16芯 銀メッキ線ケーブル(シルバー) ] 2,900円
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★


TRN T2 16芯 銀メッキ線ケーブル(ブラック・ブラウン・グレー) 2,490円 (レビュー
Amazon.co.jp(WTSUN Audio)Amazon.co.jp(HiFiHear) / Amazon.co.jp(NICEHCK) 
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
TRN T2TRN T2
「耳掛け加工あり」タイプ。TRN T2」は16芯中華ケーブルの低価格化を一気に牽引したシリーズのケーブルです。アマゾンではHiFiHearとHCKで取り扱っていますが、AliExpressでの10ドルを下回る価格設定に驚いた方も多いと思います。とはいえ安かろう悪かろうと言うわけでもないところが最近のTRNの凄いところです。線材は上記のEasy系(KBEARを含む)より少し細いものを使用しており、被膜は僅かに硬めです。編み込みも緩めの印象です。それにあわせて情報量も他の中華16芯ケーブルよりは少なく、イヤホンによって「音量がひとまわり変わる」といった他の16芯中華ケーブルのような変化はありません。ただ、前回紹介した2千円クラスの8芯ケーブルより確実に情報量があり、銀メッキ線らしい明瞭感のあるケーブルです。カラーバリエーションも使いやすい3色が設定されており、気軽に使えるエントリーレベルの16芯ケーブルといえますね。

[TRN T2 16芯 銀メッキ線ケーブル(ブラック・ブラウン・グレー) ] 2,490円
情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★


NICEHCK CT4 16芯 OFC 高純度銅線ケーブル(ブラウン) 2,250円 (レビュー
【 MMCX 】【 中華2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】
NICEHCK CT4NICEHCK CT4
「耳掛け加工あり」タイプ。そして今回最後に紹介するのは「NICEHCK CT4」でアマゾンでの販売価格はこのなかで最も安価な設定になっている16芯高純度銅線ケーブルです。低価格ケーブルのため4.4mm/5極バランスの設定はなく、もともとHCKはQDCタイプも出していないため選択肢が少し限られますが、とにかく低価格で16芯ケーブルを購入するのには最適です。Easy系と比べると僅かに硬めの線材ですが十分に柔らかい印象。音質傾向は「TRN T2」同様に従来の16芯ケーブルと同様、情報量に関してはミドルグレード16芯と従来の8芯ケーブルの中間くらいですが、銅線らしいメリハリの工場を感じやすいケーブルです。リケーブル効果も得やすいケーブルですので多くのイヤホンと組み合わせやすいケーブルだと思います。

[NICEHCK CT4 16芯 高純度銅線ケーブル(ブラウン) ] 2,250円
情報量 ■■■□□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□
オススメ ★★★


というわけで、2回目のまとめをしましたが、春先頃から半年程度で3千円以下の16芯ケーブルだけでまとめが作れるほど製品がリリースされていた(さらにそれらを購入&レビューしていた)という事実は結構驚きです。気付けばすっかりリケーブルの「メイン商品」になっている感もありますね。
個人的には取り回しも良く使い勝手が良いため、今回紹介したケーブルも結構2本、3本と買い増しして使っていたりするのですが(^^;)、より買いやすくなっているのは嬉しい限りです。

次回はより高品質化が進む、ミドルグレード(1万円以下)ケーブルのまとめとなります。このシリーズ、もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。