NICEHCK Oalloy

こんにちは。今回はHCKがリリースした最新ハイグレード・イヤホンケーブル「NICEHCK Oalloy」の紹介です。中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」ブランドのイヤホンおよびリケーブル製品もこれまで数多く紹介してきましたが、今回はイヤホンケーブルとしては久々の100ドルオーバーの「ハイグレード」仕様になります。
→ 過去記事(一覧): 「NICEHCK」ブランドのイヤホンケーブルのレビュー
→ 過去記事(一覧): 「NICEHCK」ブランドのオリジナルイヤホンのレビュー

今回の「NICEHCK Oalloy」は銅線ケーブルの中でも高品質線材の「UPOCC」(Ultra Pure OCC)を使用し、さらに高純度の銅銀合金をミックスしたイヤホンケーブルでこれまでの中華イヤホンケーブルと比べてもより高音質(高級)イヤホン向けのリケーブル製品となっています。
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販売開始時のHCKのツイートでもハイグレードイヤホンとの組み合わせをお勧めしています。
HCK Earphones @hckexin 9月13日
ハイエンドイヤホンのユーザー(例えば:Andromeda、qdcCIEM、Erlkönig、tia Trio、RE2000、SOLARIS、Majorをご使用中)なら、NICEHCK Oalloyを是非ご注文ください。お客様にサプライズを与えられることに決まります。
購入は中国AliExpressの「NiceHCK Audio Store」にて。表示価格は 117.12ドル~ です。AliExpressの購入方法およびHCKのTwitterアカウント(@hckexin)のフォロワー値引きについてはこちらを参照ください。

なお、HCKのケーブルの中でも比較的ハイグレードな製品のため、今後アマゾンに出るかどうかは不明ですが、もし販売された場合は追記します。この辺の情報も含め、HCKのアカウント「@hckexin」および「@NiceHCK_Audio」では割引き情報等も頻繁にツイートされますのでフォローの上こまめにチェックすることをお勧めします。


NICEHCK 6N UPOCC Copper and Copper-Silver Alloy Mixed Cable Litz 3.5/2.5/4.4 MMCX/0.78mm 2Pin/qdc2Pin 
【 MMCX 】【 2pin※ 】【 qdc 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
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NICEHCK Oalloy」は オーディオケーブル用途に特化した高性能(または高級)ケーブルとして知られる「UPOCC」(Ultra Pure OCC)超高純度単結晶銅線に高純度の単結晶銅銀合金の線材をミックスした4芯ケーブルです。HCKのツイートによると、中国の最先端的な製錬技術を用いた江西省(中国最大の銅材生産区)から産出された銅材をしようしているとのこと。ある意味とても素性のはっきりした「中華ケーブル」といえますね(^^)。

コネクタは「MMCX」「2pin」「qdc 2pin」の3種類、プラグも3.5mm、2.5mm/4極バランス、4.4mm/5極バランスが選べます(2pinタイプは初期ロットは埋め込み可能な「CIEM 2pin」でしたが現在のロットでは「中華2pin」タイプに変更になっています)。ハイグレード仕様のケーブルですがqdcコネクタも選べるのは嬉しいですね。もちろんKZタイプCの代替とも使えますがここはqdc製イヤホンまたはCIEMとの組み合わせで使いたいところです。
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今回届いた「NICEHCK Oalloy」はHCKのお馴染みのイヤホンケースに入って届きました。そのままイヤホンケースとして活用できるので有り難いです。「NICEHCK Oalloy」は0.06mmの線材44本を束ねて芯材を作っていますが比較的細めでイヤホンと組み合わせてもゴツゴツすることはありません。透明な樹脂被膜も適度な硬さのため、取り回しも良好です。
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そして、「NICEHCK Oalloy」の傾向は、他のケーブルと比較してもとにかく解像度が高く、イヤホンのサウンドバランスを維持しつつも中低域を中心に音が濃くなる印象です。しかし、メリハリが強くなるなどの音質傾向の変化は無く、純粋に音の描写がより精緻になることで、より明瞭に音を実感できるといった感じです。また定位が安定し、音場感もより立体的かつ自然に広がります。正直なところ、これまで相当数の中華ケーブルのレビューをしてきましたが、久々に「コレは凄い」と感じるケーブルでした。
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ちなみに、先日レビューしたOFHC線材の「NICEHCK GCT4」(4,550円)も低価格ながらも非常に品質の高いケーブルでしたが、「NICEHCK Oalloy」は「GCT4」より1ランク以上レベルが高い印象で、かつ全くキャラクターの異なる製品でした。「NICEHCK GCT4」はYinyoo「YYX4765」(金銀合金&OFCケーブル)の傾向にも少し近い、リケーブルによって明瞭感が向上しスッキリとした見通しの良さを感じるケーブルで、いっぽう「NICEHCK Oalloy」は、非常に高い解像度と精緻な描写で「イヤホン自体のサウンドを最大限に引き立たせる」印象です。

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そのため、「NICEHCK Oalloy」の音質変化は一般的な中華ケーブルや「GCT4」より少なく、イヤホンのキャラクターに変化を加えない点がむしろ重要なポイントだと思います。「NICEHCK Oalloy」はお気に入りのサウンドを鳴らすイヤホンのバランスを崩さずにグレードアップ出来るケーブルという印象です。

NICEHCK Oalloy例えば20万円クラスの「HIFIMAN RE2000」の場合、これまでも色々とリケーブルを試みて解像度などの変化は実感しているものの、RE2000の本来のサウンドバランスが崩れてしまうのがどうしても我慢できずに結局元のケーブルに戻して使用する流れでした。しかし、「NICEHCK Oalloy」のと組み合わせでは(今回MMCX仕様を購入したため、2pin用の変換アダプタを使用)、確実に解像度が向上し、情報量が上昇しているのを実感しつつ、いっぽうでRE2000のサウンドを崩すこと無く効くことが出来ました。おそらくリケーブルによって「音がどう変わるか」ではなく「どれだけ良くなるか」という評価軸のケーブルだと思います。そのため、このケーブルとの組み合わせが本領を発揮するのは、やはり数万円クラスの高音質イヤホンとなのだと思います。逆に1万円前後以下の低価格マルチBAやハイブリッドといった「いかにも中華」というサウンドのイヤホンにはあまり向かないかもしれませんね。


このように、「NICEHCK Oalloy」は、従来の「まあ中華ケーブルだったらこれくらいだろう」という枠を大きく超えたクオリティで、これまで数万円クラスのケーブルを購入している方にも是非とも試してみて欲しい製品だと感じました。
中華ケーブルとしては比較的高額ですが、ある程度のグレード以上のイヤホンやCIEMを利用されている方であれば、国内で販売される主要ブランドのケーブルの価格と比べれば「NICEHCK Oalloy」はまだまだ「お手頃価格」の製品だと思います。私自身も今回はMMCX仕様でオーダーしたため、2pin仕様のイヤホンでは変換アダプタを使用しましたが、非常に素晴らしいケーブルでしたので88ドルで購入できるうちに2pin仕様も買い増ししておこうかなと考えています。