Nex Q70

こんにちは。今回は前回に引き続き完全ワイヤレス(TWS)イヤホン「Nex Q70」の紹介です。5千円以下の低価格モデルながら「QCC30320」チップを搭載し、aptXコーデックに対応するなど、従来の低価格中華TWSとは1ランク上のスペックで、音質面でも高い完成度の実現したワイヤレスイヤホンですね。
Nex Q70Nex Q70
Nex Q70」はアンテナ部分が棒状に伸びたいわゆる「黒うどんタイプ」のTWSです。この手の製品は私のブログでも以前にこの手の製品で一躍有名になったTaoTronicsの「TT-BH053」を紹介していますね。今回の「Nex Q70」もBluetooth 5.0に対応し、「低価格TWS」のひとつですが、スペック面では大きな違いがあります。最大の特徴は低価格モデルながら Qualcomm製のTWS用チップ「QCC3020」を搭載し、駆動時間を伸ばし、ロールスワッピング機能により左右のバッテリーの劣化の偏りを抑え再生時間と接続の安定を向上しています。
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さらに接続コーデックもSBC/AACに加えてaptXにも対応しており、特にBluetooth 5.0対応、aptX対応の高性能スマートフォンやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)との連携で威力を発揮しそうな仕様です。

Bluetooth5.0
対応コーデックaptX/SBC/AAC
再生時間8時間 (イヤホン単体)
最大駆動時間24時間  / イヤホン充電回数 3回
充電コネクタUSB type-C/5V/1A
ドライバー6mm ダイナミックドライバー 
防水等級IPX7
通信距離10m以内 (障害物なし)
対応プロファイルHSP/HFP/A2DP/AVRCP
重量60g(充電ケース)、4.5g(イヤホン本体)

Nex Q70」の購入はアマゾンの「Nex Audio」にて。価格は 4,599円 となっています。
Amazon.co.jp(Nex Audio): Nex Q70


■光沢のあるデザインでビルドクオリティは良好。タッチセンサーの操作性は・・・(^^;)。

Nex Q70」のパッケージは、低価格製品らしいシンプルな構成となっていて、内容は本体、充電ケース、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、充電用USBケーブル、説明書です。ネットを見る限り以前のパッケージでは説明書のないものもあったようですが、現在は付属しています。
Nex Q70Nex Q70
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充電ケースはブラック無地のシンプルなデザイン。側面のLEDによりバッテリ状況がわかる仕様です。本体はピアノブラックの光沢塗装で先端部分が金属塗装になっています。LEDランプは先端部分にあります。
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イヤホン本体にはL/Rの表記がないため、ケースの表記を参照して装着します。装着性は比較的良好な印象で遮音性も一般的です。また背面部分はタッチセンサーになっています。
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ただし、タッチセンサーの反応は、正直あまり良くないです。そのため複数回タップするアクションはすこしゆっくりめにしっかりタップする必要があります。また通常のTWSでは1回タップのところが2回タップだったりと、少し仕様が異なるところもわかりにくくしているようです。

再生/停止2回タップ(左右どちらか)
曲送り左側 3回タップ
曲戻し右側 3回タップ
受話・終話着信時に 2回タップ (左右どちらか)
着信拒否着信時に 3回タップ (左右どちらか)
このセンサーの評判はネット上でもすこぶる悪いのですが(^^;)、個人的には敏感なセンサーはイヤホンの付け外し時や雨などでの誤反応になりやすいため、これくらいのほうが良かったりします。たぶん私みたいなタイプのほうが少数派かもしれませんね・・・。


■フラット寄りの明瞭サウンド。低価格TWSイヤホンとは思えない高音質

Nex Q70Nex Q70」の音質傾向はフラット寄りの弱ドンシャリ。いかにもなメリハリ感も多少はあるのですが、中低域厚めのサウンドが多い低価格の完全ワイヤレスのなかでは思ったよりオーディオ寄りの製品かも、という印象です。特にaptX対応のスマートフォンやDAPでの接続ではより明瞭感のあるサウンドが実感でき、スッキリした印象に軽く驚かされます。QCC3020は比較的フラット傾向のチップだといわれていますが、その傾向を分りやすく踏襲している印象です。
ただSBCや一部のAAC対応の端末の場合はちょっと低域の量が多めに出てaptXの場合より明瞭感が低く感じられる場合もあるようです。というわけで、以下はスマートフォンは「Mate 20 Pro」、DAPは「FiiO M11」とペアリング(どちらもaptXコーデック)での印象です。

Nex Q70」の高域はこのクラスのワイヤレス製品としては見通しの良い印象で、伸びのあるスッキリした印象。比較的近くに定位して存在感を感じます。硬質に感じる音で刺さりなどは無いもののエッジはしっかり立っている感じで、シンバル音なども綺麗に鳴らしてくれます。中高域への抜けも良く籠りを感じないのも好印象です。

Nex Q70中音域もスッキリ目の寒色系サウンドで解像度は高め。比較的主張は強めでボーカル映えするチューニングです。曲によっては少し凹みますが、ボーカルは比較的近くに定位します。明瞭感とスピード感のある元気な音ですが、味付けのないニュートラルな印象のためあまり派手さは感じず聴きやすい印象です。ロックやポップス、アニソンなどが楽しく聴ける印象です。ボーカルが近くで定位することもあり音場は広くありませんが、抜けの良さもあり窮屈さはありません。
硬質な印象のため女性ボーカルやピアノなどは綺麗に鳴ってくれますが、深みのある男性ボーカルやアコースティックギターなどはもう少し厚みが欲しい印象に感じるかもしれませんね。

低域は分離が良く歯切れの良い音を鳴らしてくれます。中音域同様スピード感がありキレの良さを感じる印象。量感は十分にありますが、中低域メインの他のTWSイヤホンと比べるとかなり控えめに感じる方もありそうです。また重低音の表現力は物足りない印象で沈み込みは浅く重低音は軽い音に感じます。この辺は多少割り切っている部分かもしれませんね。

Nex Q70Nex Q70」はスピード感とキレの良い中高域が楽しめるTWSイヤホンですので、全体的に明るくノリの良い曲調、打ち込み系の音数の多い曲との相性の良さを感じます。いっぽう、スッキリした音に対して重低音の表現は抑えめのため、男性ボーカルのバラードやジャズなど低域の厚みを感じたい曲では多少物足りない印象を感じる場合もありそうです。
とはいえ、全体的な完成度はとても高く、5千円以下の低価格TWSイヤホンの中ではかなりお勧め出来るイヤホンだと思います。もしお手頃価格で「音の良い」ワイヤレスイヤホンを探している場合は検討してみるのも良いと思いますよ(^^)。