aune BU1

こんにちは。今回は「aune BU1」の紹介です。国内代理店の七福神商事さんより予約購入しました。ゴールドカラーのアルミ筐体と覗き窓のような透明部分から見える基板が印象的ですね。この「aune BU1」は、他では類を見ない「フル・ディスクリート構成+A級(ClassA)駆動 USB-DAC/ポータブルヘッドフォンアンプ」という、いわば「持ち運べるコンパクトな高級オーディオ」みたいな製品です(^^)。

中国のHiFiオーディオブランド「aune」はDAC、DAP、ヘッドフォンアンプなどの非常にハイクオリティな製品を数多くリリースしており、音質面でも定評があります。個人的にもとても好きなブランドで、今回の「B1」シリーズのポータブルアンプをはじめ、据置型でも同社製品を愛用しています。
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さて、今回の「aune BU1」は同社の「aune B1」シリーズをベースにしたUSB-DAC搭載ヘッドフォンアンプ製品です。アナログヘッドフォンアンプの「aune B1」シリーズはポータブルアンプながら「ディスクリート構成」による「A級(Class-A)駆動」を行う製品で、同時に非常に優れた「駆動力の高さ」や「解像度およびノイズの少なさ」を持つことでも定評があります。「aune B1」シリーズは最初の「B1」、限定版の「B1 LTD」を経て現行モデルの「B1s」とバージョンアップを重ねており、私自身もシルバーの「B1 (2017version)」とブラックの「B1s」を愛用しています。
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そして、「aune BU1」は、「aune B1」シリーズと共通するデザインのアルミ筐体に「ディスクリート構成」「A級(Class-A)駆動」の特徴を踏襲し、高性能なUSB-DAC機能を搭載しました。DACチップにはESSの「ES9038Q2M」を搭載。PCM 32bit/768kHz、DSD512までに対応します。 
入力はmicroUSBによるデジタル入力のみ、出力も3.5mmステレオのヘッドフォン出力とライン出力のみ、という用途を絞ったミニマルな内容も、ディスクリート構成の内部設計と同様、本格的な「高級オーディオ」感のある仕様という見方もできますね。

aune BU1」の販売価格は 32,780円 となっています。購入は七福神商事の直営店(直営サイト、アマゾン、Yahoo!の同社ストア)、または各ショップにて。
Amazon.co.jp(国内正規品): aune BU1


■「B1」シリーズのデザインを踏襲。シンプルで高いビルドクオリティ

aune BU1」のパッケージは他の同社製品同様にとてもシンプルなデザインです。パッケージ内容は本体、充電用USBケーブル(microUSB~TypeA)、接続用USB-OTGケーブル(microUSB~USB-C)、リセット用ピン、説明カード、保証カード、ドライバー&マニュアルCD等。
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Windows用ドライバーおよびマニュアルについては最新リリースはaune AudioのWebサイトでダウンロードが可能なため、多くの場合CDは使う必要はないでしょう。

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aune BU1」の外観は、限定モデルのアナログアンプ「B1 LTD」同様のゴールドカラーで一見すると非常に酷似していますが、側面のスイッチ類の違いと、上面のクリア部分の大きさが異なっています。USB-DACとしての機能がメインとなる「aune BU1」ではディスクリート構成の基板を見せる「覗き窓」はひとまわり小さくなっているわけですね。側面のスイッチ類については「aune BU1」では「B1」シリーズのClass-A出力のスイッチがないためバッテリ残量の確認ボタンが他のスイッチと同じ側に移動しています。後方のUSB入力は充電ポートと同じmicroUSB仕様。この辺はUAC2.0(USB Audio Class 2.0)規格自体がUSB2.0をベースにしているため、他社も含め「あえて(USB2.0準拠の)microUSB端子にしている」という場合も多いみたいですね。
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前面は中央にボリュームつまみを配置し、ヘッドフォン出力は左側にあります。そしてアナログアンプの「B1」シリーズで「LINE IN」になっている右側のポートが「aune BU1」では「LINE OUT」に設定されています。言うまでもなく、これは「aune BU1」と「B1」シリーズをミニミニケーブルで接続し「多段構成」で使うことを想定した仕様と考えられます。
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プレーヤー等との接続については「aune BU1」もaune製の据置型DAC同様にXMOS製USBチップを使用しており、UAC2.0(USB Audio Class 2.0)によりMacなどではドライバー無しでそのまま接続して使用することができます。例えば定番の「Audirvana Plus」で確認すると768kHzまでのPCMとDoPによるDSD256までの対応が確認できます。
aune BU1aune BU1 / Audirvana Plusaune BU1 / foorbar2000
また、Windows環境ではaune AudioのサイトにてASIOドライバーがダウンロードできます。Windows 10ではドライバー無しでもWASAPI接続が可能ですが、foobar2000およびJRMCなどのプレーヤーソフトで本来の高音質を楽しむためにはASIOドライバーは必須ですね。foorbar2000ではDSD256フォーマットのネイティブでの再生を確認できました。ただし、このASIOドライバーはX1s等のモデルとも共用でしたので、つなぎ替えることでそのまま認識して使用できました。逆に言うとaune製DACを複数同時にPCに繋いで使用することは避けた方がよいでしょう(この辺は同様にXMOSのカスタムドライバーを使用しているTOPPING等のメーカーも同様ですね)。
スマートデバイスではAndroidでは最近のUSB-Cコネクタのモデルは付属のケーブルでそのままOTG(On The Go)接続できます。同様にmicroUSB仕様のモデルでも対応するOTGケーブルを用意することで使用できますね。「HF Player」や「USB Audio Player Pro」(UAPP)でのハイレゾ再生を確認しました。
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また、iPhone/iPad(iOS/iPad OS)の場合は「Lightning-カメラアダプタ」を経由して接続すれば問題なく使用できます。こちらも「HF Player」などのハイレゾアプリ、および「Amazon Music HD」の「UltraHD」再生を確認。DSDも「HF Player」で「DoP」設定することで問題なく再生できました。
注意点としてはAndroidやiPhoneなどのスマートデバイスの場合は使用するケーブルは可能な限り短く、高品位なものを使用した方が良いですね。PC/Macに比べて流れる電力の少ないスマートデバイスではケーブルのノイズをより受けやすく、十分なビットレートが確保できないなど正常動作の妨げになる場合があります。


■ auneらしい、オリジナルのサウンドを明瞭に再生する見通しの良いサウンド。

aune BU1」の音質傾向は「aune B1」シリーズを踏襲した「良い音」で、クリアで引き締まった印象のサウンドです。「aune BU1」ではDACチップにESS製の「ES9038Q2M」を搭載していますが、「B1」シリーズとの鮮やかさを感じるサウンドとES9038の高解像度で明瞭な傾向との相性は非常に良く、相乗効果により非常に見通しの良いクリアな音場表現を実感できます。ちなみに、auneではESS製DACチップは同社の「X1s」シリーズが代々使用していて、同じ「ES9038Q2M」も最新の「X1s Pro」で採用されています。この経験値も「aune BU1」のチューニングに活かされているのかも知れませんね。そういった意味で「aune BU1」も間違いなく「auneのサウンド」でまとまっていると感じます。
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「GAIN」スイッチでの差は結構大きく、「aune BU1」はアナログアンプの「B1」シリーズよりスペック上はかなり出力は抑えられているはずですが「GAIN」を「+」にするとかなり大きな出力が得られます。鳴らすのに十分な駆動力が必要なイヤホンおよびヘッドフォンでも「aune BU1」単体で十分に楽しめる印象ですね。逆に非常に反応の良いカスタムIEMなどのマルチBAイヤホンでもホワイトノイズを感じない非常にクリアなサウンドを実感できる点も「B1」シリーズ同様です。

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aune BU1」のポータブルアンプとしての最大の特徴は音場の広さで、見通しの良い明瞭感により各音域が綺麗に整理され、より輪郭がしっかりした曇りのないスッキリした印象になります。個人的にはモニター系のイヤホンやヘッドフォンとの組み合わせが特に気持ちよく、非常に高い分離感で1音1音がよりハッキリとした描写になり、抜群の定位感を味わうことができます。「ETYMOTIC ER4SR」や「SHURE SE535LTD」などの定番モニターイヤホンやインピーダンスの高いヘッドフォンなどがさらに一皮むけたような感覚はとても気持ちが良いですね。

aune BU1また、「aune BU1」と定番USB-DACの「CHORD Mojo」を比較すると、音作りのアプローチの違いを明確に感じる事ができ非常に興味深いですね。「aune BU1」がどこまでもオーディオ的にリアルな表現、つまり「Hi-Fi(原音忠実性)」を目指した音作りなのに対し、「Mojo」ではよく「Mojoの音」と言われる弱カマボコ寄りに感じるミッドレンジにフォーカスした味付けを比較することでより強く感じます。またどちらも非常にノイズの少ない音ですが「Mojo」は音場が狭くボーカルなどのフォーカスが強い分多少ごちゃついた印象を感じる場合があります。「aune BU1」が機能ごとに部品を分けるフルディスクリート構成でアンプもClass-A動作なのに対し、「Mojo」は独自ASICに全ての機能を集約させる文字通り真逆の発想で設計されていますが音作りについても思想の違いを明確に感じる事ができます。
aune BU1」はモニター系との相性の良さに対して、もともと響きや広がりが特徴的な「濃いめ」のイヤホンやヘッドフォンを組み合わせた場合、スッキリしすぎて多少淡泊な印象になったり、組み合わせによっては明瞭感が強調されることで高域の刺激が強く感じすぎる場合もありそうです。こういった組み合わせでは「Mojo」のほうが相性の良さを感じます(もちろん「Mojo」の傾向自体の好み、というのも別にありますが)。とはいえ「aune BU1」の完成度は非常に高く、このサウンドが3万円程度で購入できるのは驚きです。

さらに、「aune BU1」と「aune B1s」の「多段構成」によりさらにより高い駆動力と引き締まったサウンドが実感できます。「aune BU1」はUSB-DACとして特化した設計になっており、自身のヘッドフォン端子も十分な出力を確保しているものの、仕様上は30mW@300Ωと「aune B1s」の84mW@300Ωと比べると半分以下となっています。
aune BU1そこで、高い駆動力を必要とするヘッドフォンでの利用では「多段構成」が効いてきます。また若干ですが歪み率(THD+N)およびS/N比(SNR)性能も「aune B1s」のほう高いこともあり、反応の良いIEMなどでも多段構成の方が音質向上が期待できる場合もあります。実際に「aune BU1」と「aune B1s」で繋いで聴いてみると、beyerdynamic 「DT1770 PRO」などでは「aune BU1」単独で接続するより中低域の厚みが増し、中高域の明瞭感が向上するなど、よりしっかりと鳴らせていることを実感します。また反応の良いイヤホンでも高域がより聴きやすく引き締まった印象になりました。この辺は接続するミニミニケーブル等での変化も楽しめるところですので、持ち歩きはかなり厳しいですが使い方としては十分に有効だと感じました。ちなみに「aune BU1」のラインアウトは本体のボリュームとは独立しており、常に最大音量で出力されます。そのため音量調整は接続した「aune B1s」側でのみ行えばよい仕様です。

というわけで「aune BU1」は非常にシンプルなUSB-DAC/ポータブルアンプで、最近のFiiO製品などに見られるような多機能化の流れとは真逆のアプローチの製品ですが、auneらしい堅実な製品で音質的にも非常に完成度の高いものでした。やはりこの価格のポータブルUSB-DACに「ディスクリート構成+ClassA動作」ヘッドフォンアンプを搭載している威力は大きく、据置き製品にも匹敵するサウンドを持ち歩けるのはとても有り難いですね。出張の多い仕事柄もあり、個人的にも活躍する機会は多そうです(^^)。