TRN T200

こんにちは。今回は「TRN T200」、中国のイヤホンブランド「TRN」初の完全ワイヤレス(TWS)イヤホンの紹介です。最近のTRNの製品は先日レビューした「TRN V90」などかなり「当たり」の製品が多く、またワイヤレスでも2pin/MMCXコネクタのイヤホンを完全ワイヤレス化する「TRN BT20S」など非常に優れた製品をリリースしていることもあり、今回の「TRN T200」も早速自身で購入してみました。

TRN T200TRN T200
TRN T200」は見た目は一般的な中華ワイヤレスとさほど違いを感じませんが、多くのTWS製品が6mmのシングルダイナミック構成なのに対し、「TRN T200」では同様のサイズのハウジング内に同社の有線イヤホンと遜色ない「1BA+1DD」のハイブリッド構成を搭載。さらにチップセットもQualcommの「QCC3020」を搭載し、「aptX」「AAC」コーデックや「CVC8.0」の通話ノイズキャンセリングに対応する本格的な仕様です。
にもかかわらずAliExpressでは50ドル以下、アマゾンでも6千円台の価格設定と、多くの中華TWSの価格帯でまとまっており、「TRN」という中華イヤホンブランドを知らない方でも結構気になる製品ではないかと思います。

TRN T200TRN T200
TRNは有線イヤホンでも1BA+1DD構成の製品としては3Dプリンタ出力のレジン製シェルで使いやすいサウンドバランスと2千円そこそこの低価格を実現した「TRN IM2」などの人気製品があります。ダイナミックドライバーはもちろん、ツィーター用のBAドライバーも自社ブランドで数多くのモデルに搭載していることからより低価格で優れたハイブリッドイヤホンを作るノウハウをもっている点も「TRN T200」の優れたコストパフォーマンスを実現できる理由のひとつでしょう。
TRN-IM2TRN-BT20S
また「QCC3020」も完全ワイヤレスアダプタの「TRN BT20S」で既に搭載しており、同社にとって実績のあるテクノロジーを組み合わせて作られたTWSが「TRN T200」と言えますね。

Bluetooth5.0
搭載ドライバー1BA+1DD ハイブリッド
搭載チップQualcomm QCC3020
対応コーデックaptX/AAC/SBC
連続駆動時間6.5~7時間(待機180時間)
バッテリ容量50mAh(片側)、600mAh(ケース)
防水等級IPX 5
通話N/CCVC 8.0
対応プロファイルHSP/HFP/A2DP/AVRCP
重量
5.3g(片側)、36.9g(ケース)
TRN T200」の購入は中国AliExpressまたはアマゾンの各セラーにて。私はアマゾンの「L.S オーディオ」で購入しました。アマゾンの場合、万が一の場合にアマゾン経由のサポートが得られる点は良いですね。表示価格は 5,980円 となっています。
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): TRN T200
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): TRN T200

またAliExpressの場合、表示価格は43ドル~くらいです。AliExpressでの購入方法などはこちらを参照ください。まもなく「11.11」のセールになりますので、セール期間中は特別価格が設定されているようです。クーポンなどを併用しお得に購入できるチャンスですね。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): TRN T200 TWS


■コンパクトなケースと軽量ハウジング。TRNの有線イヤホンのデザインを踏襲し装着性も良好。

TRN T200」のパッケージは、TRNの有線イヤホン製品よりやや大きめですが、白箱タイプのパッケージデザインは従来製品を踏襲した印象です。パッケージ内容は本体、充電ケース、充電用USBケーブル、イヤーピース(S/M/L、Mサイズ装着済み)、説明書・保証書など。
TRN T200TRN T200
TRN T200TRN T200

充電ケースのコネクタはmicroUSB仕様です。イヤホン本体、ケースとも樹脂製で、イヤホン本体は有線イヤホンの「TRN V10」や「TRN V40」などのハイブリッド製品のシェル形状と酷似したデザインになっています。そのため比較的大きめのハウジングながら装着性は非常に良く、しっかり耳にホールドされます。
TRN T200TRN T200
TRN T200」はTWSとしては比較的ステムノズル部分が長い形状ですので、TWS用ではなく通常のイヤーピースのほうが合います。個人的には「final E」シリーズや「RHAイヤーピース」などがお勧めです。

充電後本体を取り出すと自動的にペアリングモードに入り、片方をペアリングすると自動的にもう片方もペアリングされます。AndroidなどaptX対応端末では「aptX」、iPhoneでは「AAC」コーデックでペアリングされます。また、「TRN T200」は多くのTWS製品同様にフェイス部分はタッチセンサーになっていて、反応も良好です。再生/停止がシングルタップではなくダブルタップになっている点は個人的には誤操作防止のため有り難い仕様です。

再生/停止2回タップ(左右どちらか)
曲送り左側 3回タップ
曲戻し右側 3回タップ
音量アップ(+)左側 長押し 
音量ダウン(-)右側 長押し 
受話・終話着信時に 2回タップ (左右どちらか)
着信拒否着信時に 1秒 長押し(左右どちらか)
音声アシスタント2秒 長押し (左右どちらか)
電源オン/オフ充電ケースから出す/戻す 
TRN T200」の接続安定性は比較的良好で、混雑した都心の駅でもあまり途切れること無く使用できました。最近のBluetooth 5.0/QCC3020搭載イヤホンと同程度の安定性は確保されています。ただこれは「TRN T200」に限らず他のQCC3020搭載のTWSでも言えることなのですが、Androidスマートフォンで使用中の場合aptXよりAACのほうがプチ、プチ、と途切れる頻度は少ないようです(Androidでは「開発者向けオプション」を有効にすることでコーデック変更が可能です)。
TRN T200TRN T200
aptXは独自の圧縮の課程で音質傾向的な変化がある場合もあるためiPhone利用時同様にAACコーデックで利用した方が良い場合もあります。この辺は好みで設定を変えてみるのも良いと思います。


■ 中華ハイブリッドらしい印象ながら同価格帯のTWSより頭ひとつ抜けた「リスニングサウンド」。

TRN T200」の音質傾向は中高域寄りのドンシャリ傾向。「いかにも中華ハイブリッド」という印象の派手さを感じる寒色系のサウンドです。しかし、多くのTWS製品が低域モリモリの傾向だったりボーカル帯域を強調した(それ以外の音域は結構割り切った)印象だったりするのに対し、「TRN T200」は硬質ながら伸びが良く煌めきのある高域と、解像感のある明瞭な中音域、分離が良く中高域を下支えする低域と、リスニングイヤホンとしてしっかり成立している点は特筆すべきでしょう。
TRN T200TRN T200
開封直後は結構高域のシャリ付きが強く感じる印象ですが、数時間程度鳴らすことで中低域の鳴りも良くなり適度なバランスになります。またイヤーピースは付属品よりフィット感の良いものへ交換した方が良いでしょう。

TRN T200」の高域は明瞭感のある音で金属質な主張のある音です。曲によって多少のシャリ付きを感じますが刺激は適度に抑えられており、聴きやすいバランスでまとめられています。これまで通常の中華イヤホンを聴いている方であれば違和感のないサウンドです。ただ普段から低価格TWSなどのワイヤレス製品しか使ったことのない方の場合はかなり強めに高域の主張を感じるかもしれませんね。煌めきのある硬質な音で伸びる印象あるため、ハイハット等も綺麗に鳴ってくれますがスッキリというより分りやすいドンシャリ感を感じる音です。

TRN T200中音域は曲によって僅かに凹むものの、ボーカルなどは比較的近くで鳴ります。明るくハイブリッドらしい鮮やかさがあり、味付けのない素直なサウンドです。一般的な6mmドライバーの数千円クラスのTWSと比べると明らかに解像度は高く、音の輪郭をしっかり捉えることができます。寒色系のサウンドということもありブラスやピアノ、女性ボーカルのハイトーンなどはとても煌びやかで綺麗な印象です
音場は曲によってはやや狭い印象。男性ボーカルのバラード曲などで低音にもう少し厚みが欲しいと感じましたが、逆に籠りなどはないため全体としては比較的スッキリまとまっていると思います。

低域は分離の良い比較的スッキリした印象の鳴り方をします。解像度などはリスニングイヤホンとしては価格なり(低価格イヤホン相当)ですが、多くのTWS製品のような響きや膨らむような印象はなく、これらと比較すると十分に明瞭な印象です。開封直後は量的に少なく感じましたがある程度エージングが進むことで軽めではあるもののある程度存在感のある印象になります。ただし重低音の沈み込みは浅く、中高域の分離感を重視して多少割り切った印象もありますが、分離の良さから中高域に被ること無くメリハリのある心地良いバランスになっていると思います。

TRN T200相性が良いのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲、EDMなど。いっぽう派手めの硬質なサウンドのため、ジャズやアコースティックな曲との相性は今ひとつな印象でした。とはいえ音質的には同価格帯のTWSより頭ひとつ抜けた印象で、この価格帯の完全ワイヤレスで解像感の高いサウンドを楽しめるのは嬉しいところです。
というわけで、「TRN T200」は、いかにも中華イヤホンというサウンドをTWSに「自ら持ち込んだ」という、よく考えたら「有りそうで無かった」製品だと思います。バッテリの充電仕様などでスペック通りに行かない場合などビルドクオリティ面では多少怪しいところもあるものの、コストパフォーマンスは非常に高く、「ワイヤレスイヤホンでもちょっと良い音」を手軽な価格で手に入れるのには最適な製品だと思います。