KBF MR4

こんにちは。今回は中国のイヤホンセラー&ブランド「Kinboofi」の「KBF MR4」です。2BA+2DD構成で同社のオリジナル製品では初めてのデュアルダイナミック仕様のハイブリッドモデルになります。これまでマルチBAモデルの「MKシリーズ」、1DDハイブリッドの「MXシリーズ」をリリースしてますが、さらに2DDハイブリッドとして「KBF MR4」が加わったという感じですね。
今回の「KBF MR4」も同社の音作りの上手さを感じるスッキリしたサウンドを継承しつつ、、ダイナミックドライバーを2基搭載することで、マルチBAのMKシリーズより価格を抑えつつ、MXシリーズより中低域に深みのあるリッチなサウンドを実現しています。

KBF MR4KBF MR4

Kinboofiのこのシリーズのイヤホンは毎回シェルの美しさが特徴ですが、「KBF MR4」ではブラックとゴールドを基調として、ブラックのクリアシェルにフェイス部分には透明な模様部分からゴールドのキラキラが見える従来より凝ったデザインに仕上がっています。
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内部的には、「KBF MR4」はBA部分にKnowles製とBellsing製のユニットを1基ずつ使用しており、さらに中低域を支えるダイナミックドライバーが2基搭載されています。搭載BAは「Knowles ED-29689」+「Bellsing 30095」らしく、内容的には2BA+1DDの「KBF MX3」からダイナミックドライバーを2基にした仕様のようですね。
また「KBF MR4」ではMKシリーズでオプション指定となっている側面のスイッチが標準で搭載されており、4種類のサウンドアレンジを行うことが可能です。
KBF MR4」の購入はアマゾンの「Kinboofi」マーケットプレイスにて。表示価格は 21,000円 となっています。
Amazon.co.jp(Kinboofi): MBF MR4


■ クリアブラックが美しいデザイン。搭載された2基のダイナミックドライバーが印象的

最近Kinboofiではパッケージデザインを一新しており、現在はMK/MX/MRシリーズ共通でブルーのボックスに統一されています。またケースもKinboofiロゴ入りの布製ポーチとなりました。
KnboofiKBF MR4
パッケージ構成はイヤホン本体、MMCXケーブル、イヤーピース(黒色タイプ、グレータイプ、それぞれS/M/Lサイズ)、スイッチ切替用ピン、説明書です。
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KBF MR4」の本体は、今回もビルドクオリティは相変わらず非常に高く、クリアーブラックのシェルデザインもとても美しく仕上がっています。
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シェルデザインは「KBF MX4」と共通の形状で、従来のMX2/MX3およびMK5/MK6で採用されていたものよりややシェイプされた形状となり、装着性がより向上しています。
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ステム直下に2個のBA(「ED-29689」と「Bellsing 30095」)が並列で配置され、ハウジング部に2個のダイナミックドライバーが埋め込まれているのが確認できます。2BA+1DDの「KBF MX3」と比べると若干サイズの小さいドライバーを使用しているようにも見えますね。
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付属ケーブルは8芯の銀メッキ線タイプで、MX3から採用されている比較的情報量の多いケーブルです。イヤーピースは毎回付属するグレーのタイプ(オマケ)と、ブラックの柔らかいタイプが付属します。個人的にはどちらのイヤーピースもあまり好みではなかったため、私はJVCの「スパイラルドット」に交換しています。
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他にもAcoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」などフィット感の高いものへの交換がお勧めです。


■ さまざまなジャンルの曲にも対応できる4種類のサウンドモード。

KBF MR4」の音質傾向は、従来のMXシリーズより多少フラット寄りの印象で、2基のダイナミックドライバーを搭載しているものの低域は思ったより自然なバランスにチューニングされていました。ある程度のエージングにより低域の厚みが増し、「KBF MR4」のほうがより音場感がアップした印象になります。従来より深みのある中低域が特徴的でより広い音場感と濃いめのサウンドが楽しめます。また中高域は「KBF MX3」と比較的近く、情報量が多く伸びの良い音で、Kinboofiらしいスッキリしたボーカル帯域が特徴的ですね。

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① 1.ON - 2.ON (標準): 製品開梱時のモード。フラット寄りのバランスで聴きやすいサウンド。標準ケーブルの場合、ボーカルは比較的近く鳴りますが、音数の多い曲では高域に少し籠りを感じる場合もあります。

② 1.OFF - 2.ON (中低域寄り): ①標準との差はあまり大きくありませんが、僅かに中低域が厚めになります。以前レビューしたスイッチ付の「KBF MK6」ではボーカル寄りのモードでしたが、「KBF MR4」では中低域を2基のダイナミックドライバーがメインで鳴らしていることもあり、変化は少ないのかも知れませんね。ジャズやアコースティックなライブ音源、男性ボーカルのバラード曲などはこのモードが比較的向いています。

KBF MR4③ 1.ON - 2.OFF (中高域寄り、明瞭感アップ): スイッチ2をOFFにすると全体的にメリハリが強めの音になり、①および②とはハッキリと違いが出ます。このモードではやや中高域寄りに変化し、全体的に明瞭感がアップします。多少高域の刺激が増えますがもっともスッキリとした印象を楽しめるモードです。ロック、ポップス、アニソンなど明るめの曲との相性が良いモードですね。

④ 1.OFF - 2.OFF (ドンシャリ寄り): 両方のスイッチをOFFにすると③よりさらに濃く、メリハリのあるドンシャリ寄りの傾向になります。最も派手な傾向の音ですね。力強さを感じる音です。EDMなどはこのモードとの相性が良さそうです。

というわけで、「KBF MR4」では個人的には③ 1.ON - 2.OFF (中高域寄り、明瞭感アップ)のモードが最も好みの音でした。再生環境や好みに応じてアレンジを変更できるのはスイッチ付きモデルのメリットですね。


■ KBF MXシリーズを踏襲したスッキリめのサウンドに中低域の深みをプラス。

KBF MR4」の高域は硬質な煌めきを感じる音で、スイッチ③ 1.ON - 2.OFF (中高域寄り、明瞭感アップ)のモードではスッキリした明瞭感を実感できます。このモードでは多少刺激はありますが伸びの良さから刺さりなどはあまり気にならないと思います。いっぽうスイッチ2がONの状態(上記①および②のモード)ではより聴きやすい印象になりますが、多少主張が抑えられ、曲によっては僅かに籠もりを感じる場合があります。中高域のBAが同じ構成の「KBF MX3」と似た印象ですが、スイッチ③および④ではよりメリハリのある印象になります。

KBF MR4中音域はしっかり主張しつつ、癖のない聴きやすい音を鳴らします。100時間程度のエージングにより、「KBF MX3」より広い音場感と厚みのあるサウンドを実感できます。KBF MXシリーズで共通して採用されているKnowles製「ED-29689」により解像感のある描写ながらボーカル帯域に多少艶のある自然な音を鳴らします。また「MX2」「MX3」などのハイブリッドモデルと比較し、中低域へのつながりが向上しており、2基構成のダイナミックドライバーがより自然なサウンドを作り出しているのがわかります。スイッチ③ 1.ON - 2.OFF (中高域寄り、明瞭感アップ)および④ 1.OFF - 2.OFF (ドンシャリ寄り)のモードではボーカルは僅かに下がって定位しますが、1音1音の明瞭感が大きく向上します。特に女性ボーカルのハイトーンの伸びと抜けの良さを実感できると思います。

低域はKBF MXシリーズやMKシリーズ同様に比較的タイトでスッキリした印象の音を鳴らします。2DD構成ですが低域の量的には「MX2」「MX3」などのハイブリッドモデルと同程度の印象。ただこれらのモデルより中低域に厚みがあり、重低音はより深く沈み込む音を鳴らします。わずかに広がるような響きがありますが分離性は十分に高く、中高域が籠もること無く適度なバランスで鳴らしてくれます。④ 1.OFF - 2.OFF (ドンシャリ寄り)のモードではより派手めのパワフルな印象になります。

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ちなみに「KBF MR4」では比較的情報量の多い8芯銀メッキ線ケーブルが標準で付属するためリケーブル無しでも十分に優れたサウンドを楽しめると思います。ただバランス化やさらに分離性を向上させるなどのグレードアップを行う場合には、情報量が多く、比較的味付けのないケーブルがお勧めです。低価格ケーブルの場合、KB EARブランドの8芯銀メッキ線「KBF4833」、または16芯銀メッキ線「KBEAR 4842」などが最適です。特に16芯ケーブルでは① 1.ON - 2.ON (標準)のモードでも比較的明瞭感のある音になりますので、フラット寄りで解像感を上げたい場合はおすすめの組み合わせです。
また、よりハイグレードなケーブルの場合、個人的には8芯単結晶銅線の「KBF4804」との組み合わせは結構気に入ってます。分離性が一段向上し全体的に見通しが良くなることでより立体的な音場感を実感できます。


というわけで、「KBF MR4」は、同ブランドのスッキリとした音作りを継承しつつ、よりデュアルダイナミックによる厚みのある中低域とより自然な音のつながり、そして「KBF MX」シリーズ同様のコストパフォーマンスの良さを継承したモデルという印象ですね。また、美しいデザインとスイッチによる好みのサウンドアレンジもできるなど、同シリーズの「良さ」を詰め込んだ製品だと感じました。さまざまなジャンルの曲で使える利用範囲の広いイヤホンとして、検討してみるのも良いと思いますよ。