BQEYZ Spring 1

こんにちは。今回は「BQEYZ Spring 1」の紹介です。中国のイヤホンブランド「BQEYZ」が手がける最新モデルで、自社開発の「7層ピエゾドライバー」(7 Layers Piezoelectric Driver)+1DD+1BA構成による個性的な3ドライバー構成が特徴的なトリプルハイブリッドイヤホンです。中華イヤホンのなかでも結構マイナーな存在ながら優れたサウンドチューニングで評価は非常に高く、個人的にもとてもお勧めできるイヤホンだと思います。

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「BQEYZ」は当初はアンダー50ドル台の「K2」「KC2」(2BA+2DD)や「KB1」(1DD+2DD)といった構成的に当時「ZS6系イヤホン」のひとつとして比較的高い評価を得た製品をリリースしていました。当時のモデルでも2基のダイナミックドライバーを音導管で繋ぎクロスオーバーを調整する独自構造が特徴的なメーカーで、その後さらに3BA+2DD構成の「BQ3」などのモデルをリリースすることで、より独自色を鮮明にしていった印象があります。

そして今回の「BQEYZ Spring 1」では一体化した複合シャーシに「7層構造のセラミックピエゾドライバー」と、低域用に「13mmサイズの大口径ダイナミックドライバー」を直列で配置。反応性の高い中音域と厚みのある低域を実現しています。さらにシングルの「バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバー」を同様に直列に配置することで高い解像感および分離性と一体感のあるサウンドを両立しています。
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さらに「BQEYZ Spring 1」は同社の従来製品同様に精密なCNC加工によるアルミニウム製の金属シェルを採用。軽量ながら独自性の高いドライバーユニットをしっかりホールドしサウンドを安定させる高いビルドクオリティを実現しています。
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BQEYZ Spring 1」のカラーは「ブラック」と「メタルブルー」の2色が選択できます。購入はAliExpressの「BQEYZ Offical Store」またはアマゾンのストアにて。表示価格はAliExpressが 139ドル、アマゾンが 14,899円 となっています。AliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。
AliExpress(BQEYZ Offical Store): BQEYZ Spring 1

また、アマゾンでも為替をこうりょするとAliExpressととほぼ同額で購入でき、国内在庫があればプライム扱いですぐ商品が届きます。また万が一の場合、アマゾン経由でのサポートが得られる点がメリットですね。
Amazon.co.jp(BQEYZ):  BQEYZ Spring 1


■ アルミ製のコンパクトはハウジング。ビルドクオリティは高く、付属品も充実。

BQEYZ Spring 1」は100ドル以上の価格設定ということもあり、パッケージにも凝ったデザインが施されています。ボックス裏面では独自のドライバー構造を大々的に載せるなど、この製品の強調ポイントが分かりやすいですね(^^;)。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、シリコン製イヤーピース(2種類、S/M/Lサイズ)、ウレタン製イヤーピース(1ペア)、専用セミハードケース、説明書。ケースは比較的サイズの大きいものが付属しており、リケーブルした場合もしっかり収納できるのが個人的には嬉しいところです。
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アルミ製ハウジングは軽量およびコンパクトで、シンプルながら要所にこだわったデザインで美しい仕上がりになっています。ベント(空気孔)はステム側に3カ所用意されているのがわかります。コネクタは0.78mm 2pinタイプで少し窪みのあるデザインとなっていますが、比較的浅く、埋め込みタイプのCIEM 2pin以外にも通常の中華2pinタイプのケーブルでも問題なく利用できます。
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金属製のハウジングですが軽量コンパクトなデザインもあり、装着性は比較的良好です。またフィット感のあるイヤーピースを組み合わせることで遮音性も十分に確保できました。

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BQEYZの従来製品(「KC2」および「BQ3」)と比較すると、ハウジングの厚みは同程度ですが、フェイスはより小型化されたデザインで実際には1まわり以上コンパクトに感じます。同じ金属製のシェルですがビルドクオリティは確実に向上しており、「BQEYZ Spring 1」は高級感のある印象になっています。

付属ケーブルは8芯銀メッキ線タイプで、多少弾力がありますが取り回しは良好です。ブラックの被膜のケーブルに加えて金属製のコネクタおよびプラグ等の部品はブロンズカラーの表面仕上げでとても渋い印象を受けます。
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またイヤーピースは開口部が大きいタイプと小さいタイプの2種類が各サイズ(S/M/L)、メタルプレートに納められています。またウレタンタイプも1ペア付属します。イヤーピースは開口部が大きい方がリファレンスで小さい方が低域強化タイプとなっていますね。
よりフィット感を向上させるためには、付属イヤーピースの他に定番のJVCの「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が大きいタイプの製品の組み合わせがお勧め。今回私は「SednaEarfit Light Short」を組み合わせました。


■ ピエゾドライバーの高解像度と下支えするBAとDDのバランスが秀逸。リケーブルでさらに音質向上。

BQEYZ Spring 1BQEYZ Spring 1」の音質傾向は、フラット寄りのサウンドバランスですが、全体的に明るく、鮮やかさを感じるサウンドです。7層ピエゾドライバーの鮮烈な明瞭感とこれを下支えする2種類のドライバーにより、非常に解像度が高く精緻な描写が印象的な高域と奥行きのある中音域、エネルギッシュで深さのある低域がバランス良く融合した、レベルの高いサウンドを実感します。
ただしインピーダンスが43Ωとこの手のハイブリッドイヤホンとしてはかなり高めに設定されていることもあり、しっかり鳴らすためには相応の駆動力が必要です。
また付属のケーブルではゲインを上げていくと多少低域がブーミーになり、全体のバランスが損なわれる場合があります。後述の通り「BQEYZ Spring 1」は非常にポテンシャルの高いイヤホンですので情報量の多いケーブルにリケーブルし実力を引き出すことで大きく印象が変化します。個人的には「BQEYZ Spring 1」はリケーブルおよびイヤーピースの交換は推奨のイヤホンだと思います。

BQEYZ Spring 1」の高域は7層ピエゾドライバーによるこのイヤホンのもっとも特徴的な領域で、歪みを感じない非常にフラットな印象のまま高高域までしっかり伸びる、解像度が高く明瞭な鳴り方をします。非常に明るくクリアな高域で、綺麗に鳴るシンバルなど描写もとても精緻な印象を受けます。いっぽうで歪みのない伸びの良さからスッキリした高域にも関わらず刺さり等の刺激はあまり感じず、ピエゾドライバーならではの質の高い高音を実感できます。

BQEYZ Spring 1中音域はBAドライバーを中心に解像度の高さを維持しつつ癖のないバランスの良い音を鳴らします。また音場は比較的広くさらに奥行きのある印象で、優れた定位感と抜けの良い表現が印象的です。女性ボーカルのハイトーンやピアノの高音は適度な光沢があり、中高域への伸びは良くしっかり抜けていく印象があります。いっぽうで男性ボーカルやアコースティックギターは、低域の力強さもあり適度な余韻の感じさせます。
付属ケーブルではジャズやクラシックでは非常に雰囲気のある鳴らし方をしてくれるいっぽう、再生環境によってはやや低域が強く感じるため、音数の多い曲ではもう少し分離が欲しく感じる場合もあります。この辺はより情報量の多いケーブルにリケーブルにより大幅に改善され、イヤホン自体のポテンシャルの高さを実感することができると思います。

低域は13mmサイズの大口径ダイナミックドライバーにより、エネルギッシュで存在感のある音を鳴らします。過度な響きはコントロールされていますが適度な余韻が有り、ジャズなどを聴くとベースの暖かみは心地良く感じます。また重低音の質の高さも印象的で、しっかりした沈み込みとともに情報量の多い描写が印象的です。付属ケーブルではゲインを上げると多少ブーミーな印象も受けますが中高域をマスクするようなことは無く、低域好きの方には心地よい鳴り方でしょう。

いっぽうで「BQEYZ Spring 1」の低域の存在感や重量感を維持しつつ、より中高域の主張を高め、スッキリした印象にしたい場合は、16芯タイプの銀メッキ線や、OFHC線のケーブルなど、情報量が多く明瞭感を向上させるタイプのケーブルへの交換がお勧めです。3千円程度で販売される低価格タイプの16芯ケーブルでもかなり印象の変化は実感できます。例えば「メタルブルー」のシェルを選択した場合、Yinyoo「YYX4849 16芯銀メッキ線ケーブル(ブルー/シルバー)」はカラーリング的にもピッタリですね。
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また「NICEHCK」「Yinyoo」「KBEAR」などのブランドで販売されるミドルグレードの16芯ケーブル場合(5千円前後)は、低価格タイプの16芯ケーブルより中高域の鮮やかさが増し、よりはっきりと音が「濃くなる」を実感できるでしょう。例えば「NICEHCK C16-4 16芯銀メッキ線ケーブル(グレー/シルバー)」はミドルグレード16芯ケーブルの中でも耳掛け用の樹脂加工が施されており、耐久性と装着性の上でメリットがありますね。他にも「OFHC線」を採用した「NICEHCK GCT4」「YYX4859」や、さらにハイグレードであれば「HiFiHear HiF4814」(金銀合金ケーブル)や「NICEHCK C4-1」(UPOCC銀メッキ線ケーブル)なども(価格はともかく)相性の良い組み合わせだと思います。
BQEYZ Spring 1」をリケーブルすることにより、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲や、EDMなど音数の多い曲との相性もかなり良くなりますので、いろいろリケーブルを試してみて、自分の好みのサウンドを見つけるのも楽しいかもしれませんね。


BQEYZ Spring 1というわけで、「BQEYZ Spring 1」は自社開発の7層ピエゾドライバーにより、最近のハイブリッドイヤホンともまた非常にレベルの高いサウンドを実現したイヤホンでした。各音域でしっかりとした表現をしつつ非常につながりが良く、クラシックやジャズなどのアコースティックな音源でも実力が発揮できるサウンドは特筆すべきポイントでしょう。
同価格帯でピエゾドライバーを搭載したイヤホンでは、先日レビューした「NICEHCK NX7 Pro」がありますが、こちらは「NX7」にサウンドフィルターを追加し標準でミドルグレードの16芯ケーブルを備えることで優れたサウンドバランスを実現したものの、かなり中高域のメリハリや派手さを強調したサウンドで、ある意味「BQEYZ Spring 1」とは対極の印象のサウンドでした。最近では1万円オーバー、100ドルオーバーの中華イヤホンも各ベンダーがしのぎを削っており、低価格イヤホンとは全く別の次元で非常に高音質かつ個性的な製品が次々登場しています。

今回紹介した「BQEYZ Spring 1」もマニア評価の高さに十分納得できる非常にポテンシャルの高いイヤホンでした。日本国内でアマゾン(プライム扱い)で購入できるようになりましたし、よろしければ是非とも挑戦いただければと思います。個人的には、リケーブルも一緒の方が、お勧めですよ(^^)。