DUNU DM-480

こんにちは。今回はDUNUの近日発売予定の新モデル「DUNU DM480」の紹介です。前回の「DM380」同様、台湾のイヤホンブランド「DUNU-TOPSOUND」の公式アカウント(@DUNU_Headphone)からのサンプル提供での紹介となります。

DUNU DM480」は、8mmサイズのチタンコート振動板ダイナミックドライバーをデュアルで搭載し(2DD構成)、リケーブルに対応した3Dプリンティングによるクリアシェルで仕上げられた、「DM380」に次ぐ新しいエントリークラスのモデルです。
DUNU DM480DUNU DM480
2基のダイナミックドライバーは直列で駆動し(英語表記は「Isobaric Configuration」)、中高域をメインにフルレンジで稼働するダイナミックドライバーに中音域および低域を補完するもうひとつのドライバーが加わることで、優れたサウンドバランスを実現するチューニングになっているようです。
さらに精密な3Dプリンティングにより生成されたレジン製シェルにより美しいデザインと高い装着性を実現しています。また「DUNU DM480」では0.78mm 2pinコネクタを採用しており、CIEM 2pin、中華2pinタイプでのリケーブルが可能です。標準では高純度無酸素銅線(OFC)ケーブルが付属します。
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DUNU DM480」の海外での(プレセール)表示価格は69ドルで、日本国内では2020年1月15日に 約 8,720円 で販売されました。カラーはオレンジ系「Twilight Crimson」とブラック系「Dusky Storm」の2色が販売されています。

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■ 3Dプリンティングによる美しく装着性の高いシェルデザインと一体型複合ドライバー

※今回は発売前の製品サンプルに基づいてのレビューとなります。そのため実際に発売される製品では仕様やチューニングなどの変更が行われる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

今回は発売前のサンプルと言うことでパッケージなどは無く、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースのみで手元に届きました。イヤーピースは白色のシリコンタイプで、ケーブルは透明な樹脂被膜の銀メッキ線ケーブルです。ケーブルは適度に弾力がある被膜ですが肌触りの良いしなやかなもので、絡まりにくく取り回しも非常に良好です。コネクタはCIEM 2pinタイプで、右側が赤色、左側が青色のマーキングが施されているため取り付けで迷うこともないでしょう。
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DUNU DM480」のシェルデザインは、比較的コンパクトで耳の小さい方でも問題なく使えるサイズ感です。3Dプリンティング成型によるビルドクオリティは高く、形状も耳にフィットしやすく装着性も非常に良好です。ステム部分は金属製となっています。搭載されたデュアルダイナミックドライバーはひとつのシャーシに収納された複合タイプのユニットであることが確認できます。
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実は「DUNU DM480」のシェル形状自体は過去にレビューしたハイブリッドまたはシングルダイナミックの中華イヤホンに酷似した形状の製品があり、3Dプリンタによるハウジング成型そのものはそれらの製品と同じ工場で行われている可能性もあります。しかし「DUNU DM480」の肝とも言える部分がこの複合シャーシのデュアルチタンドライバーで、類似した形状の中華イヤホンとはレベルの違うサウンドクオリティの製品にしているポイントだと考えられますね。
装着性の高さから遮音性も比較的高い印象です。私は付属のイヤーピースでフィットしましたが、よりフィット感を向上させるため耳にあったイヤーピースを選択するのも良いと思います。


■ 明瞭感と柔らかさが自然に両立する質の高いサウンド。

DUNU DM480」の音質傾向は、フラット寄りで明瞭で伸びの良い中高域と柔らかく量感のある低域が両立する、デュアルドライバーの特徴を活かしたサウンドですが、ドライバー間のまとまりは非常に上手くチューニングされていて、スピーカーのような自然な音場感のある聴き応えのある音を鳴らします。DUNUとしてはエントリーモデルに位置づけられる製品ですが、十分に解像度は高く、伸びの良いキレのあるサウンドながら自然に広がりつつ適度な柔らかさが印象的です。

DUNU DM-480DUNU DM480」の高域は明瞭で伸びの良い音を鳴らします。チタンドライバーの金属質になりがちなサウンドを上手くチューニングしており、鮮やかで解像感のある音のキレを感じさせつつ、あくまで自然に伸びていく印象にまとめられています。以前イベントに参考出品されていた個体では高域にシャリつきがあったようですが、手元の「DUNU DM480」は刺激はしっかりコントロールされており、高域成分の強い曲でも刺さり等は感じないバランスになっています。

中音域は自然な定位ですが、凹むことなくしっかり聴かせてくれます。ボーカル帯域は自然に広がり、余韻も含めしっかりと届く印象。音場は自然な広がりと奥行きがあります。柔らかめでウォームさもある音色ですが、分離は良くチタンドライバーらしいキレの良さも感じます。モニター的な解像感を主張する音ではないため分析的に聴くのには向きませんが、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくく、いっぽうで聴かせどころはしっかり鳴らす表現力も備えた、非常にバランスの良いサウンドと言えると思います。

低域は適度に広がりのある柔らかい印象。十分な量感があり、深みを感じる低音を鳴らします。過度な膨らみや響きはコントロールされており癖のない音ですので分離は良く、ある程度音数の多い曲でも捉えることがきる表現力があります。低域も解像感を主張する音ではなく、非常に柔らかく自然な描写であるためモニター的ではありませんが、特にアコースティックな音源では気持ちよい聴き応えのある鳴り方をしてくれます。
相性の良さを感じるのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲をはじめ、ジャズなどのアコースティックなサウンドなど幅広く楽しめる印象です。いっぽう、エッジを効かせたい曲などでは柔らかすぎる印象を持つかも知れませんね。


■ リケーブル効果を実感できるポテンシャルの高さ。特に「DUW-02」とのセットは期待大。

DUNU DM-480ところで、「DUNU DM480」は0.78mm 2pinコネクタを採用しており、リケーブルによる音の変化を楽しむことができます。もちろん、付属のOFC銀メッキ線ケーブルでも十分に高音質を楽しめますが、情報量の多いケーブルに替えることで、解像感が大幅に向上し、より分離性の高いメリハリの効いたサウンドを実感できます。例えば「NICEHCK C16-1」や「YYX4865」といった16芯銀メッキ線ケーブルにリケーブルした場合、中高域の分離感が一気に向上し、よりキレのあるスッキリした印象になります。同時に中低域もよりハッキリした定位感で立体的な音場を実感することができます。「DUNU DM480」のイヤホンとしてのポテンシャルは高く、リケーブルによって効果をしっかり実感できる実力をもっているようです。

また次回レビュー掲載を予定しているDUNUの新しいケーブル「DUW-02」(銀メッキOCCリッツ線)についても2pinの変換コネクタを使用して「DUNU DM480」と組み合わせてみました。「DUW-02」は同社の新しいハイグレードモデル「DK-2001」に付属するケーブルの製品版(DK2001の付属品とはMMCXコネクタ形状が異なる)で、プラグ部分を別売交換プラグに替えることで3.5mmステレオから「2.5mm/4極」「3.5mm/4極」または「4.4mm/5極」のバランスケーブルとして使える製品です。
DUNU DM-480 / DUW-02DUNU DM480」との組み合わせでは上記16芯ケーブルに匹敵する情報量の向上に加えて、特に中音域が本来のバランスを損なわない形でより存在感を増し、自然な印象ながら非常に明瞭で瑞々しさを感じるサウンドになりました。また低域についてもキレが増し、より締まりの良いスピード感のある印象になります。「DUNU DM480」のサウンドが一段レベルアップしたような変化でとても好感を持つ組み合わせでした。

現在「DUW-02」はもともと付属している「DK-2001」を想定したMMCX仕様のみですが、Head-Fiでの最近のDUNUからのコメントで「DUW-02はDM-480に対応できるよう2pin仕様を追加予定」でさらに「DM-480とDUW-02および追加のプラグを組み合わせた特別なパッケージを、150ドル以下で発売予定」といった内容の記述を見つけました。もし日本でも同様のセットが販売されれば非常に魅力的な製品になるのではと思います。


というわけで、「DUNU DM480」は低価格イヤホンに含まれる製品ながら、バランス良くチューニングされた独自開発のデュアルチタンドライバーによって、利用範囲が広く、質の高いサウンドを実現した製品でした。またリケーブルによる変化も楽しめるポテンシャルも兼ね備えていました。おそらく年内には実際の製品が登場しそうですが、アンダー1万円の製品としては十分にお勧めできる完成度だと思いますよ(^^)。