丸七 EN120(改)

こんにちは。12月も中旬がすぎ、いよいよ2019年、令和元年もあと少し、というタイミングとなってきましたが、ここいらで今年「書きかけ」のままになっていたレビューを少しでも仕上げていこうかと思っています(^^;)。
というわけで、今回は七福神商事の「丸七 EN120 改」です。
この製品はあらかじめ同社のシングルBAイヤホン「EARNiNE EN120」を用意することが必要で、手持ちのEN120をオーダー時に七福神商事に送ることで、分解・改造を行い、「丸七 EN120 改」に生まれ変わらせてもらう、いわゆるメーカー純正の「リモデリング」サービスになります。

丸七 EN120(改)EARNiNE EN120
現在シングルBAイヤホン「EARNiNE EN120」は七福神商事直営店をはじめ、多くのショップで販売中で、容易に入手が可能な製品です。しかし、実際は同製品を支える独自開発のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーは生産されておらず、同時に「EARNiNE EN120」自体も継続生産はされていないため、現在の流通在庫およびメーカー在庫が無くなれば販売終了となるそうです。
そこで、すでに販売した良品の「EN120」に再び新しい息吹を与えようというのが今回の「丸七 EN120 改」のようですね。最初の募集は8月下旬に行われました。

を発売します。直販のみです。

https://www.

tsh-corp.jp/ime/?p=3070

 

この商品は を改造して、制作した商品です。商品化するまで、数十回の繰り返して、EN120本体分解・ハウジング設計改造を行い本来の音が持つ味を持ちながら全体のデザインと着用感を刷新し面白みを提案します。

2019/08/27 12:18:13

丸七 EN120 改」はすべて個別受注生産のため、オーダーから1.5ヶ月~2ヶ月程度かかります。わたしは最初の募集で8月末にオーダーし、実際に製品が手元に届いたのは11月中旬頃でした(大量の応募があったため生産が追いつかず、多少遅れたようです)。

丸七 EN120 改」は七福神商事直営店のみで受注を受付けており、そのリモールド費用は「本体のみ」が税込み 15,480円 です。ほかに個別対応で 「丸七 赤龍」(高純度銅線ケーブル)のセット 19,800円や「丸七 白龍」(純銀線ケーブル)のセット 24,800円 も選択できます。この費用とは別に、もちろん「EARNiNE EN120」本体が別途必要となります。EN120本体は七福神商事直営店で 税込み 5,480円で販売中ですので、一緒に購入し、オーダー時にメール等で依頼すればリモールドに対応してくれるのでは、と思います。

今回私は「EARNiNE EN120」は何故か2個持っていたので(^^;)、1個を七福神商事に送り、「丸七 赤龍」付きのセットでオーダーしました。ケーブルのプラグ形状も個別に依頼可能ですので2.5mm/4極のバランス接続仕様で依頼しています。リモールド製品ですのでパッケージなどは特になく、パックされた状態で梱包されて返送されました。依頼したセットの「丸七 赤龍」のほか、付属品として丸七 イヤピース「長楽」の赤色が各サイズセットで同梱されていました。

丸七 EN120(改)丸七 EN120(改)
丸七 EN120 改」は光沢のあるレジン製のブラックシェルに生まれまわり、フェイス部分のゴールドの模様が鮮やかな輝きを放っています。また埋め込み2pin式のコネクタ仕様となったことでリケーブルが可能になりました。ケーブルは「CIEM 2pin」タイプが使用できます(中華2pinは少し浅く奥まで装着できない場合があります)。
中身は「EARNiNE EN120」と同じですが、装着性が大幅に向上しよりしっかりと耳にフィットする形状となったこと、またリケーブルにより情報量が大幅に増加し、より独自BAドライバーのポテンシャルを活かせる仕様に文字通り生まれ変わりました。付属する丸七イヤーピースは非常に柔らかくフィット感も抜群に良いですね。ただし、「丸七 EN120 改」はステム部分が少し細いこともありやや外れやすいのが難点です。そのため他には「final Eシリーズ」などのイヤーピースを組み合わせるのも良いと思います。私は耳穴が細いことも有り、よりしっかり装着するため「final Eシリーズ」のSSサイズを選びました。


■リモデリング&リケーブルで駆動力のある環境での独自BAのポテンシャルがさらに顕在化。

丸七 EN120(改)実際に「丸七 EN120 改」を「丸七 赤龍」ケーブルで聴いてみると、当然ながら「EARNiNE EN120」のフラットながら全体的に明瞭かつタイトなサウンドを継承しつつ、より粒状感が多く音場感を増した中音域と、さらに煌めきを増した高域、厚みのある低域を実感します。シングルBAらしい中音域を中心としたエモーショナルな表現力を保ちつつも、まるで質の良いシングルダイナミックドライバーのようなレンジの広い鳴り方をします。「EARNiNE EN120」と比較して確実に1ランク以上グレードアップした音だと思います。特にリケーブル効果による情報量の向上は著しく、「EN120」搭載BAのポテンシャルの高さを改めて感じますね。

丸七 EN120 改」の高域は「EARNiNE EN120」譲りのスッキリとしたサウンドにさらに煌めきと明瞭感をアップさせた印象に。特に駆動力のある再生環境ではより鮮やかで伸びの良い音を鳴らします。リケーブル効果もあって高域の主張は「EARNiNE EN120」より多少強くなります。
丸七 EN120(改)中音域は「EARNiNE EN120」より高域と低域の主張が増したことで僅かにドンシャリ寄りのバランスに感じますが、ボーカル帯域は近くで定位し、シングルBAらしい存在感のある鳴り方をします。明瞭でありながら癖のないフラットな印象は同様ですが、再生環境により1音1音の粒状感が増し、よりしっかりと捉えられるようになりました。同時に分離性も増すことで音場感も向上します。「丸七 赤龍」の場合、再生環境によっては多少派手めのサウンドに感じる場合がありますが純銀線の「丸七 白龍」や、味付けの少ない銀メッキ線ケーブルとの組み合わせなど、音の出方をケーブルでアレンジできるのは良いですね。
低域はシングルBAとしては十分に量感と存在感があり、かつ締まりがあり分離性の良い音を鳴らします。もともと「EARNiNE EN120」でも低域は非常にしっかりした表現力があり「シングルBAらしからぬ低域」はこのイヤホンの大きな特徴のひとつでした。「丸七 EN120 改」では、タイトでありながらより主張がアップした印象になっています。
ロック、ポップスなどのボーカル曲を中心にジャンルを選ばずに楽しめますが、少しメリハリの効いたサウンドになりやすいため、好みや再生環境に応じてリケーブルをいろいろ試みることをお勧めします。

「EARNiNE EN120」はとても良いイヤホンなのですが、個人的には自身の耳穴の細さもあり、シュア掛けをしないと良い装着性が得られないことがありました。「丸七 EN120 改」では見た目にも高級感が大幅にアップし装着性の面でも完全に解決。またリケーブルにより文字通り独自BAの美味しいところをたっぷり堪能できるようになりました。比較用に今後も両方のイヤホンを持っているつもりですが、やはり「丸七 EN120 改」の利用頻度は大幅に増えそうですね(^^)。