Acoustune HS1695TI Gold

こんにちは。2020年の最初のイヤホンレビューはAcoustune HS1695TI Gold」です。昨年(2019年)の年末にイヤホンやヘッドフォンを結構まとめて購入しているのですが、年明けから思いのほか忙しく、ちょっとレビューも滞りがちです。とりあえず少しずつ紹介して行けたらと思っています。

さて、香港のイヤホンブランド「Acoustune(アコースチューン)」は個人的にも好みのブランドで、もともと同社の「HS1670SS」を愛用しています。また従来モデルについても紹介をしています。
過去記事(一覧): 「Acoustune」製品のレビュー

今回の 「HS1695TI Gold」はその上位モデルとして全世界で400本、うち日本国内では140本限定で販売されたモデルです。10万円オーバーの高額な製品にもかかわらず発売前のイベントで出品された際の評価の高さもあり2019年11月に発売後、瞬殺で完売しました。私も発売時点では買い逃しているのですが、12月に入ってから運よく非常に状態の良い中古品(というかほぼ新古品)に遭遇できたため、反射的に購入してしまいました(^^;)。
余談ですが、昨年末ごろに、かなりのマニアとしても知られる羽生結弦選手が練習中の映像で「HS1695TI Gold」を使用していたことが判明し、一部界隈で瞬間的に話題が再燃したりもしましたね。
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閑話休題、「Acoustune」といえば、何といってもひときわ目を引くメカニカルなデザインが印象的です。同社のHS1500シリーズ以降で採用されたこのデザインは、すべてモジュール構造で、精度の高いCNC加工によるアルミ切削のハウジング部の中央で存在感を示している音響チャンバー部(ドライバーを格納)を完全分離し、共振を抑える設計となっています。さらに、ドライバー自体に加えて、音響チャンバー部の素材により音質傾向にバリエーションを持たせています。
また同社独自の「ミリンクス振動膜」ダイナミックドライバーを採用している点も特徴で、「鼓膜」を意味する「ミリンクス」は人工皮膚などで使用される材質で軽量かつ柔軟性があり反応性の良さとダイナミックレンジの広さを持っています。さらに、同シリーズの製品は高品質を維持するため日本で設計・生産されています。

Acoustune HS1695TI Gold今回の「HS1695TI Gold」は既存フラグシップモデルの「HS1670SS」および「HS1650CU」に搭載される「第4世代ミリンクスドライバー」の「進化版」ユニットを採用。新開発ドライバーにあわせて、型番の「TI」が示す通り、音響チャンバー部にチタンを採用し(「HS1670 SS」はステンレススティールを使用)、高い硬度による強力な共振抑制を行っています。さらに新形状ダンパーロッドも採用されています。
そして「HS1695TI Gold」および同時に発売された同じく限定モデル「HS1655CU White」(国内限定数100本)では、従来のMMCXに代わり新たに「Pentaconn Ear」コネクターを採用した点が大きなポイントで、日系メーカーと共同開発した新しい銀メッキ線とOFC線のハイブリッド(ミックス線)ケーブルと合わせて、導体抵抗値を抑え、周波数全域でのノイズ感低減とオーディオ信号伝達ロスを抑制し、癖のないクリアな音響を実現しています。

現在、「HS1695TI Gold」および「HS1655CU White」は限定数を完売しており日本国内で新品での入手は困難になっています。発売時の価格は「HS1695TI Gold」が119,980円、「HS1655CU White」が79,980円(どちらも税込み)でした。


■とにかく美しいゴールドのデザイン。最新コネクタ採用のケーブルも大幅グレードアップ

HS1695TI Gold」のパッケージは従来の製品同様にジュラルミンケース風の金属ケースを収めたボックスに入っています。このゴツいケースを手にしただけでハイグレードなイヤホンを購入した、という気分になれますね。
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パッケージ構成はこのケースの中にイヤホン本体、新たに「Pentaconn Ear」コネクタを採用したケーブル、ケーブルタイが2種類、レザーケース、そしてAETシリーズのイヤーピース各種、説明書、保証書など。
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付属イヤーピースは、定番で私のブログでも頻繁に紹介している「AET07」、中域から低域の厚みを増す「AET08」がS/M/Lサイズと、ダブルフランジ「AET06」が大小2種類、ウレタンの「AET02」が1種類の合計9ペアが同梱されています。

Acoustune HS1695TI GoldAcoustune HS1695TI Gold
ゴールドカラーの「HS1695TI Gold」の印象は「とにかく派手」です。「Acoustune」のモジュラー構造のメタリックハウジングは非常に個性的で、そのメカメカしいデザインは非常に格好良いものです。ガンメタル/シルバーの「HS1670 SS」もかなり渋くて良かったのですがゴールドの「HS1695TI Gold」はさらにゴージャスさみたいなものも加わり、かなり存在感のあるデザインになっています。また、その精緻なビルドクオリティの高さは所有欲を十分に満たしてくれるものです。非常に個性的なデザインの金属ハウジングですが重量はそれほど大きくなく、装着性も良好です。私は耳穴が小さいこともありダブルフランジの「AET06」を組み合わせていますが、多くの場合、「AET07」との組み合わせで安定した装着感が得られると思います。

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HS1695TI Gold」では既存モデルのMMCXコネクタに代わり新たに「Pentaconn Ear」コネクタを採用しています。写真ではMMCXによく似て見えますが、よりプラグの芯部分が太く、ソケット部分とより密接に接触することで伝導性能が向上しています。またもともと頻繁な脱着を想定していないMMCXより脱着の容易性と堅牢性も実現しているとのこと。実際、サクッと装着できる感じはMMCXのようなコネクタ破損や接点不良の心配が少なく、安心感があります。新しいゴールドのケーブルも非常に目を引くカラーリングですが、「HS1670SS」の付属の銀メッキ線ケーブルよりさらに太さのある芯材ながら同様に取り回しの良い使いやすいケーブルです。またオプションで同じケーブルのバランスコネクタ仕様「ARC72」「ARC73」を購入することが可能です。


■HS1670SSの正統進化版。やや低域を抑えスッキリとした中高域と艶のあるサウンドが魅力的

Acoustune HS1695TI GoldHS1695TI Gold」のサウンドは、全体的な音域で明瞭かつ非常に見通しの良い音で、どこまでも伸びていく抜けの良い高域と締りのある低域、そして広大な音場感は「HS1670SS」をより洗練させた印象があります。1音1音の「鳴り方」が非常に精緻で、ありのままの音をありのままに表現できる解像感やスピード感がとても心地よく感じます。
「HS1670SS」と比較すると、「HS1695TI Gold」は低域がより締まっている印象で、「HS1670SS」ほどパワフルな低音ではないものの、高い解像感と非常に正確な描写を実感します。いっぽうで中高域はよりスッキリしとした抜けの良さがあり、高域はより煌びやかでクリアさを感じる音になっています。またチャンバー部分にチタン素材を使用したこともあり、ステンレスの「HS1670SS」と比べて中音域はより艶のある光沢感があります。

HS1695TI Gold」の高域は非常に解像度が高く明瞭なチューニングがされています。「HS1670SS」と比較してもさらに見通しが良い音で、どこまでも伸びていくような明瞭感があります。クリアではあるもののあくまで自然で、いっぽう刺激のある音はちゃんと刺激的に鳴らしてくれるという印象です。歯切れが良く煌びやかな音をあるがままにしっかりと表現するサウンドは高域好きの方にも十分に満足のいくものだと思います。

Acoustune HS1695TI Gold中音域も「HS1670SS」と比較してフラットさや明瞭感が一層引き立ち、クリアで解像感の高いサウンドで、音源を忠実に表現します。また広がりおよび奥行きが一層向上した立体的な定位感があります。ボーカルも比較的前方で自然に定位しますが、広大な音場のなかで空気の膜を感じない、どこまでもクリアで精緻な音像を実感できます。小さく弱い音もしっかり捉えることができる優れた描写のため、裏を返せば音源の録音状況の良し悪しもしっかり再現されるイヤホンでもあります。中高域に関しては「HS1695TI Gold」は完全に「HS1670SS」の良さを一層グレードアップさせたサウンド、と言って良いと思います。ただステンレスチャンバーの「HS1670SS」は比較的クールな印象だったのに対し、チタニウム製チャンバーを採用する「HS1695TI Gold」では同様の印象ながらよりボーカル帯域に艶のある印象でよりエモーショナルなサウンドに進化していると感じます。

低域は適度に厚みと深さがあり、存在感のある鳴り方をしますが、「HS1670SS」より締まった印象で「HS1695TI Gold」はより中高域寄りのサウンドに感じます。とはいえ、解像度は中高域同様に非常に高く、やや硬質でキレの良い音でありつつも決して軽くはならず、深い沈み込みと下支えのしっかりした重低音が楽しめます。ただ「HS1670SS」の低域が量的にかなりパワフルな印象を感じるのに対し「HS1695TI Gold」は非常にスッキリしており、この低域の印象が2種類のイヤホンを使い分けるポイントになりそうですね。


HS1695TI Gold」はリリース前から試聴などでかなり魅了されてはいたのですが、「HS1670SS」と傾向的に重なる部分もあり、両方持っていていも・・・という思いもあったため当初は二の足を踏んでいたのですが、結局我慢できずに購入をしてしまいました。本当はDAPとか別のイヤホンとかを買おうと思っていたのですが・・・(^^;)。
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とはいえそのゴールドの外観も含めて満足度は非常に高く、このタイミングで入手できたことは非常に良かったと思っています。できれば新品で購入して「Pentaconn Ear」コネクタの純正バランスケーブルもキャンペーンでも無料ゲットしたかったところですが、おそらく追加で購入するのも時間の問題かもしれませんね。いっぽう、「HS1695TI Gold」がやってきたことで、MMCXコネクタの「HS1670SS」は心置きなくリケーブルを楽しめるかな、とも思っていますので、これからも両方のイヤホンを愛用していきたいと思っています。