JadeAudio EA3

こんにちは。今回は「JadeAudio EA3」の紹介です。「JadeAudio」というのは中華イヤホンの世界でもほとんど馴染みのないブランドですが、実は中国のポータブルオーディオの大手メーカー「FiiO」が「ダイレクト販売限定向け」として作ったサブブランドだったりします。

JadeAudio EA3JadeAudio EA3
今回紹介する「JadeAudio EA3」は1BA+1DD構成のシンプルなハイブリッドで、BA部分にはKnowles製「33518」を採用し、ダイナミックドライバーも13.6mmという非常に大口径サイズのものを搭載するなど「他の低価格中華イヤホンとは一味違う」内容になっているのが興味深いですね。また美しいクリアな外観も含めて、所有欲をそそるデザインもさすがFiiOという感じですね。

JadeAudio EA3JadeAudio EA3
JadeAudio EA3」で搭載されているKnowles製バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバー「33518」はFiiOの1BA+1DDモデル「FiiO FH1」でも採用されているもので、「FH1の次のレベルにアップデートした製品」といった内容の記載があります。実は最近になって「JadeAudio EA3」とほぼ同じ仕様の製品が本家「FiiO」ブランドでも「FiiO FH1s」というモデル名でリリースされていたりします。こちらは仕様の異なるケーブルが付属し、多少豪華仕様で70ドルほどの価格設定になっています。
JadeAudio EA3FiiO FH1s
JadeAudio EA3」および同じ仕様の「FiiO FH1s」では、ダイナミックドライバーはポリマー素材の複合振動板を採用した13.6mmという非常に大口径のドライバーを搭載しています。「FiiO FH1」が10mmのチタン振動板ドライバーだったのと比べて大きな変化ポイントといえるでしょう。
JadeAudio EA3」では本体背面をみると巨大なダイナミックドライバーがハウジングぎりぎりの大きさで収まっているのがわかりますね(^^;)。なかなか個性的というか、大胆なデザインではあります。
JadeAudio EA3JadeAudio EA3
「JadeAudio EA3」のカラーはブルー系の「Wathet」と透明黒シェルの「Black」の2種類を選べます。
購入はAliExpressの「JadeAudio Offical Store」にて。価格は42.49ドル です。AliExpressでの購入方法についてはこちらをご覧ください。
AliExpress(JadeAudio Offical Store): JadeAudio(FiiO) EA3


■ 直販モデルらしいシンプルなパッケージ。透明シェルから見える迫力の大口径ドライバー

JadeAudio EA3」のパッケージは白いプラスチック製のボックスに紙のカバーを付けたシンプルなボックス。内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、布製ポーチ、説明書。コストを削減するためパッケージングはFiiO製品と比べると非常にシンプルにまとめられていますね。
JadeAudio EA3JadeAudio EA3

本体のシェルはカラーリングされたプラスチック製でステム部分にのみ金属製の部品が組み込まれています。直販サイトのCG画像では透明シェルのように見える画像もありますが、実際はブルーまたはグレーの比較的濃いカラーリングの樹脂が使用されています。
KZやTFZのイヤホンに比べると僅かにコンパクトなため相対的に厚みがあるように見えますが、実際はだいたい同じくらい。そしてなんといっても13.6mmという非常に大口径のダイナミックドライバーがハウジングを埋め尽くすように入っている様子はなかなか迫力のある印象です。
JadeAudio EA3JadeAudio EA3
やや大ぶりなハウジングですが装着性は比較的良好です。イヤーピースは付属のもののほか、よりフィット感を高めるため、定番のJVCの「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が大きいタイプの製品を利用することをお勧めします。

JadeAudio EA3JadeAudio EA3
なお、パッケージ背面には小さくFiiOのロゴが刻印されており、この製品がFiiOのサブブランド製品であることを確認させます。付属のケーブルは銀メッキ高純度単結晶銅線の線材が使用されており、コネクタは0.78mm 2pin仕様になっています。ちなみに、イヤホン本体はTFZ製イヤホンやAuglamour F300、NICEHCK NX7などと同じ形状の小さな突起になってますが、付属ケーブル側はこの突起にあわせた窪みは無く、ちょっとコネクタが浮き上がるような感じになります(これはFiiO FH1sも同じようです)。どうしてこうなったのかはよく分かりませんが、気になる方は最近のTFZやNX7コネクタのケーブルにリケーブルするのも良さそうですね。


■ スッキリとして元気の良い中高域メインのリスニングサウンドと深みのある重低音が印象的。

JadeAudio EA3」の音質傾向はやや中高域寄りの弱ドンシャリといった印象で、全体的にスッキリとした元気の良いサウンドです。
JadeAudio EA3開封直後は高域がややキツめに鳴りますが数十時間程度のエージングで結構落ち着きます。最近の高音質ハイブリッドで多く採用され定評のある「Knowles 33518」BAドライバーによる明瞭かつ癖のないフラットな描写が印象的で、中高域もスッキリしています。同時に大口径ダイナミックドライバーの採用で余裕のある音域を実現できているようで、深みのある低域と広がりのある音場感が心地良く感じます。
インピーダンス 18Ω、感度 108 dB/mWと比較的鳴らしやすく、付属の銀メッキ線ケーブルでもバランスは良く明瞭なサウンドが楽しめますが、イヤホンとしてのポテンシャルは価格以上に高く、後述の通り相応に情報量の多いケーブルすることでより鮮やかさを感じるサウンドにアップグレードできます。

JadeAudio EA3」の高域は非常にスッキリした伸びの良い音を鳴らします。なお開封直後に比べると15時間~30時間程度のエージングで刺さり等は比較的抑えられ、同時に開封直後に感じた粗さも改善されました。とはいえ、ある程度の主張がありシンバル音などは曲によっては少し歯擦音を感じる場合があります。いっぽう打ち込み系の高音はとてもスッキリしていて聴きやすく明瞭な印象。明るく癖のない音ですが硬質でドライな印象のため、余韻などは少し薄く感じるかもしれません。ただ、全体的に元気のあるサウンドですのでハッキリとした音を楽しく聴く、という視点では良いチューニングだと思います。

JadeAudio EA3中音域は曲によって僅かに凹みますが聴きやすい音を鳴らします。寒色系で明瞭感を感じるいっぽう、高域同様に多少人工的な印象もあるドライで硬質な音です。音数が多い音源では少しボーカルが遠めに感じる曲もありますが、演奏に埋もれたり籠もることはなく、スッキリした印象です。中高域の抜けは良く、女性ボーカルのハイトーンやピアノの高音などは少し刺激を感じる場合がありますが伸びの良い音を実感します。いっぽう解像感や分離はこの価格帯のハイブリッドとしては一般的で、余韻などの表現はそれなりの印象。EDMや最近のポップス、アニソンなど打ち込み系のボーカル曲では非常に相性の良さを感じますが、逆にアコースティックな音源では高域も含めやや浅く、人工的な印象を受けるかも知れませんね。

低音域は十分な量感があり、特に重低音は深みのある音を鳴らします。ベースラインの解像感は一般的で、キレや締まりという点ではやや緩く感じますが、中低域付近は過度に膨らむこと無くやや抑え気味な印象で、スッキリとした中高域に被らないバランスになっているようです。そのため全体的には低域は大口径ドライバーの見た目から思うほど強くは感じないかもしれませんね。いっぽう重低音の沈み込みは深く、重さを感じる音が鳴ります。おそらく13.6mmダイナミックドライバーはこの重低音の表現にポイントを置いたチューニングなのかもしれませんね。

JadeAudio EA3そして、「JadeAudio EA3」は0.78mm 2pinコネクタ仕様でのリケーブルが可能です。イヤホン本体のコネクタ部分は少し突起がありますがこの形状はTFZ製イヤホンと同じサイズのため、最近中華ケーブルでも増えてきているTFZ用(または対応)コネクタ仕様が利用できます。具体的には「NICEHCK C16シリーズ」や「Yinyoo 48xx型番」の16芯ケーブルなどが購入できますね。
実際に「Yinyoo YYX4871」ミドルグレード16芯銀メッキ線ケーブルにリケーブルしたところ全体的な解像感や分離性が大幅に向上し、特にボーカル帯域を中心とした中音域や中低域がより濃い音になるのを実感しました。分離性が向上することで定位もよりつかみやすくなり、表現力が一段アップしたような印象を感じます。「JadeAudio EA3」は非常にリケーブル効果のあるイヤホンですので、色々なケーブルを試してみるのも楽しそうですね。


JadeAudio EA3というわけで、「JadeAudio EA3」は印象としてコストとの兼ね合いも考慮しつつ、描写の正確性などは(FiiOブランドの)上位モデルに譲り、ノリが良く元気で楽しいサウンドに振りつつ、全体的な音場感と明瞭感のあるチューニングにまとめた製品、という感じです。
多少割り切った感じのサウンドデザインは、このイヤホンが「FiiO FH1s」としてFiiOブランドとしても製品化されることを考慮すると納得できます。つまり同社のラインナップの「ローエンドモデル」としての位置付け、キャラクター付け、ということかな、と解釈しました。直販によりより低価格で購入できる「JadeAudio EA3」はかなりお勧めできるイヤホンだと思います。
また、「JadeAudio EA3」はAliExpressの直販限定モデルですが、オフィシャルストアでは「FiiO FH1s」の販売も開始しており、こちらは日本でもそのうち「FH1」の後継機種として購入できるのはと思います。特にリケーブルによって一段グレードアップしたサウンドが楽しめますし、同社のエントリークラスの製品としてとても使いやすく、バランスの取れたイヤホンとして同様にお勧めできるのでは、と思いますよ。