URBANFUN YBF-ISS014

こんにちは。今回は「URBANFUN YBF-ISS014」の紹介です。中国のイヤホンブランド「URBANFUN」からリリースされた最新モデルで 、10mmサイズのベリリウム(合金)振動版ダイナミックドライバーをシングルで搭載します。ステンレス製の金属ハウジングは美しい流線型のデザインに鏡面加工が施され、微細な振動の抑制効果に加え、見た目にも高級感のある仕上がりになっていますね。また、音質面においても「URBANFUN」の特徴ともいえる美しく質の良い中高域を引き立たせるチューニングで、スッキリとしつつ刺さりを抑えた高域や、明瞭さとともに艶があり適度な温かさを感じる綺麗なボーカルが楽しめるバランスの良いイヤホンに仕上がっています。

URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014

「URBANFUN」は2012年頃に登場した中国のイヤホンブランドで、以前からマニアの方であれば2016年にリリースされた「URBANFUN HIFI」が思い出されるのではと思います。シングルのベリリウムベースのダイナミックドライバーを搭載した「URBANFUN HIFI」は海外も含め評価も高く、さらに私のブログでも1BA+1DDハイブリッド構成になった後期モデル(2017年モデル)を紹介しています。今回「URBANFUN」ブランドとしては久しぶりの新製品ですが、最近では低価格中華イヤホンでも増えてきているベリリウムベース・ダイナミックドライバーを改めて採用し、完成度を高めているようです。
過去記事: URBANFUN HIFI のレビュー

URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014

URBANFUN YBF-ISS014」の購入は、アマゾンの「L.S オーディオ」(Linsoul)にて。価格は 8,180円です。本体は1種類ですが付属ケーブルを「グレー」「ピンク」の2種類を選択できます。
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): URBANFUN YBF-ISS014 (「グレー」ケーブル)
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): URBANFUN YBF-ISS014 (「ピンク」ケーブル)


■ つなぎ目のない美しい鏡面仕上げのハウジング。イヤーピースと装着位置の変化が大きい。

URBANFUN YBF-ISS014」のパッケージは初期の「URBANFUN HIFI」で使用されていた豪華版のボックスがそのまま使用されており(「HIFI」は2017年モデルではコンパクトな簡易版のパッケージに変更)、箱を開けるとイヤホンがありそうな窪みにイヤホンが無くて「あれ?」と一瞬思いますが、イヤホン本体は付属するケースの中に収納されています。
URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014
パッケージ内容はイヤホン本体、MMCXケーブル(装着済み)、イヤーピースはシリコンタイプがS/M/Lサイズ、ウレタンタイプは黒・緑・赤の3色、ケース、説明書。金属ケースに入ったウレタンイヤーピースはやはり「HIFI」初期モデルと共通のものです。
URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014

URBANFUN YBF-ISS014」の本体はステンレス鋼のによる金属製のシェルで多少重量感がありますが、耳に収まるコンパクトなサイズにまとまっており、耳から落ちるような心配はなさそうです。ちなみにこのようなハウジング形状(海外サイトでは「ハート形」という表記もよくありますね)のイヤホンは「beyerdynamic XELENTO REMOTE」以降、有名なところでは「Whizzer A15」など何種類かの製品がリリースされていますが、「URBANFUN YBF-ISS014」はXELENTOと比べるとひとまわり以上小ぶりです。
URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014
サイズ的にはカーボンナノチューブ振動板を採用し、同様に鏡面仕上げのハウジングを採用した「BLON BL-03」に近いですが、「URBANFUN YBF-ISS014」のほうがわずかに小さいく、また継ぎ目などはなく鏡面仕上げもあって、よりビルドクオリティの高さを感じるデザインになっていますね。
URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014
今回届いたモデルはグレーのケーブルが付属するタイプで、メタリックグレーの被膜は柔らかく取り回しも良好で、メタリックなハウジングとの組み合わせでは見た目にも非常に良く合いますね。

URBANFUN YBF-ISS014」の装着性は比較的良好で、コンパクトなハウジングのため耳にすっぽり収まるサイズ感です。ただ私は付属のイヤーピースがいまひとつしっくりこなかったので、いつものJVCの「スパイラルドット」を合わせています。またウレタン製のイヤーピースも付属しますが、こちらを使うと全般的に抜けたような平坦な印象の音になるようで個人的にはちょっと好みではありませんでした。「URBANFUN YBF-ISS014」はイヤーピースによって結構印象が変化するため、しっかり耳穴の奥まで固定できるイヤーピースを選ぶ方が良いでしょう。ちなみにしっかり装着した状態でも遮音性はそれほど高くは無いようです(新幹線のなかでの使用で、曲の再生中は気になりませんが、無音時には周囲の音は結構聞こえるレベルです)。


■ URBANFUNらしい中高域メインのサウンドは健在。より心地よいリスニング向けサウンド。

URBANFUN YBF-ISS014」の音質傾向は比較的スッキリとした高域と広く厚みのある音場感が楽しめる心地よいドンシャリ系サウンド。ボーカル帯域も綺麗に鳴ってくれる印象です。ただ、前述の通りイヤーピースの違いや装着位置に影響を受けやすく、耳に合うイヤーピースでしっかり奥まで装着する必要があります。

URBANFUN YBF-ISS014傾向などを見ると結構ありがちなサウンドのように思うかもしれませんが、実際には、伸びの良さがありつつソフトさも感じる高域や、非常に明瞭でありつつも艶があり適度にウォームな中音域、中高域を引き立たせるため多少割り切った部分も感じられますが分離が良く適度な量感で下支えする低域と、方向性がはっきりとした音作りで、しかも全体としてのバランスも高いレベルで完成されています。かつての「URBANFUN HIFI」も見た目の特徴の少なさに比べ非常にスッキリとしたバランスの良い美音系サウンドで驚かされましたが、「URBANFUN YBF-ISS014」も同様のアプローチで、かつ改めてサウンドチューニングの仕上がりの良さを実感します。

高域は綺麗にスッキリと伸びる印象でベリリウムベースの振動板の効果もあって適度な煌めきと光沢のある鳴り方をします。明瞭な音ですが最近の中華イヤホンの傾向からはやや繊細な印象を感じます。適度な柔らかさがあり金属質な印象はやや少なめです。伸びの良い音ですが耳当たりは想像以上にソフトでイヤーピースによって多少変化するものの刺さりなどの刺激はほとんど感じません。また中華ハイブリッドにありがちな各音域が主張するような過度なメリハリの強さはなく、主張についてもシングルダイナミックらしい音域のつながりの良い自然なバランスです。

URBANFUN YBF-ISS014中音域は僅かに凹みますが、適度な定位感で自然なサウンドです。また音場は広く四方に伸びていく印象。奥行きはそれほど深くはありませんが心地良い広がりは「URBANFUN YBF-ISS014」の特徴のひとつの言えるでしょう。ボーカル帯域は適度な明瞭さを感じつつも綺麗な印象。特に中高域は瑞々しく、女性ボーカルの高音などは抜けが良く綺麗に伸びます。中低域は適度な厚みがあり滑らかに鳴ってくれます。解像感比較的高めですが最近の高解像度推しの中華ハイブリッドに比べると多少緩く感じるかもしれません。しかし適度に柔らかく温かみのある鳴り方をするため、より自然な印象で聴き疲れしにくいバランスにまとまっています。

低域はやや少なめですが適度な厚みで分離が良く、ミッドベースを中心に下支えし、中高域を引き立たせる鳴り方をします。そのため低域好きの方からは量感だけでなく質感の上でも物足りなく感じるかもしれません。特に重低音の表現には結構割り切った部分があり、沈み込みはそれほど深くなく、また輪郭も緩く感じます。そのため低域の音数の多い曲やスピード感のあるアタックは捉えきれない印象もありますが、逆に多少控えめにすることで中高域を引き立たせいるという感じもあります。印象としては中高域同様に非常に滑らかで、全体としてのバランスの良さを感じるサウンドだと思います。

URBANFUN YBF-ISS014URBANFUN YBF-ISS014」のサウンドは中高域メインのまとめ方ながら、全体としてのバランスが良く特にポップスやアニソンなどのボーカル曲を綺麗な音で聴くという、かつての「URBANFUN HIFI」同様に「URBANFUN」のキャラクターが鮮明に表れたチューニングになっています。中高域は明瞭感があり適度にクリアですが過度にキレキレにならず柔らかさと温かみもある聴きやすいサウンド、そんな印象のイヤホンですね。
個人的には女性ボーカルとの相性の良さとスッキリしているのに疲れにくい、というバランスは出張なのでの長時間の移動に最適で、結構アリかな、と思いました。ビルドクオリティも高く、手ごろな価格帯のボーカル向けイヤホンを探している方にも最適な製品だと思います。

いっぽうで、最近では50ドル~100ドルの範囲内でもKZなどの中華ハイブリッドとは一味違った製品がいろいろ登場しており、逆に「URBANFUN YBF-ISS014」のような製品もちょっと目立ちにくくなっているかもしれません。そんななかでもブランドとしての方向性をしっかりキープし、使いやすさの中にもしっかり「個性」を出している「URBANFUN YBF-ISS014」は、マニアの人にもコレクションに加えていただきたいイヤホンだと感じました。